【忍殺実況】ヤモト・コキ育成計画.mp0【完結】 作:いらえ丸
ゲイトキーパー「計画通り……(暗黒微笑)」
パァン! という大きな破裂音が、二人きりの地下ドージョーに響き渡った。隅で片手逆立ち腕立て伏せをしていたヤモトは驚いてバランスを崩し転倒した。一体何が? ヤモトは崩れた姿勢のまま、後方の音源に振り返った。
「スゥー! コォーッ! スゥーッ! コォッ!」」見れば、ドージョー端のトレーニングマシンスペースの一角で、弾け飛んだダルマ・サンドバックを前にザンシンしているレイズの後ろ姿があった。その肩は激しく上下し、常にない静かな怒気の様なアトモスフィアを放射していた。ヤモトのニンジャ聴力は、レイズの呼吸に著しい乱れがある事を感知した。実際珍しい事である。インセクツ・オーメンだろうか、ヤモトはどうにも嫌な予感を覚えた。
「あの……レイズ=サン? どうしたの?」恐る恐る、ヤモトはメンターの背に声をかけた。一拍空けて、レイズは振り返った。「ダルマ・サンドバッグを壊してしまいました。再購入します」そう言う少女の相貌は、常よりも堅く冷たい。ヤモトはなおも声をかけた。「何かあったの?」「問題ないです」
言うなり、レイズはドージョーに散らばったサンドバッグの中身をかき集め、残骸をかき集め、あっと言う間に掃除を済ませてしまった。片付けを手伝おうとしたヤモトだったが、レイズにより止められてしまった。その日、ヤモトは胸に残る正体不明の感覚に悩まされる事となった。
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誉れが何だと仰る実況プレイはーじまーるよー。
前回はヤモト=サンに特別な稽古つけた後、まぁ色々あって傭兵ビズ終わらせたところまででしたね。ほもぉ^~(ねっとり)
で、前回ミッションで倒したインソムニア=サンというニンジャが付けていた「ヤヨイのグローブ」は今、ヤモト=サンが装備しています。実際性能が前の奴の上位互換だったんでね。アラクレのグローブ? 奴さん死んだよ(出番なし)
そんなこんな、今現在はトレーニングなしの休日なので、クラメンは各々好きな事やって過ごしてもらっています。ヤモト=サンいま何やってんだろ? んー、どうやらキッチンにとどまってるみたいですね? お料理かな?
んで画面に映ってる通り、レイズちゃんには現在自室でデッカーガンの整備をしてもらっています。デスクに並べられたパーツがセクシー、エロい! それというのも、コイツちょっと使いすぎて耐久度が苦しくなってきたんですよね。
普通に倍速で終わらせる事はできるんですけど、こういう銃とか刀とか武器を整備する画って何か好きなんですよね。なので垂れ流ししています。スキップはしません(鉄の意志)
まぁでも、ロリがお部屋で銃弄ってるシーンを流すだけってのもアレなので……。
皆様のためにぃ~。
レイズの現状について、お話します。
最近はヤモト=サンの修行にかまけて主人公のパワーアップを疎かにしていた訳なんですけど、気づけば新しいジツを買える状態になってたのでポチッと買いました。条件はそもそも確認してなかったので分かりませんが、いつの間にか満たしてたあたり簡単な奴だったんでしょ(適当)
そんな感じで、以下が現在のレイズのスキルになります。
◆ワザ・ジツ◆
コッポ・ドー
ジュー・ジツ
カポエイラ
ダーカイ掌打
スリ・アシ
ビヨンボ・バスター
ボールブレイカー
サマーソルトキック
メイアルーアジコンパッソ
アペ・ジツ
アペ・カラテ
アペヒキャク・ジツ(NEW!)
アペ・スリケン
アペベン・ジツ(NEW!)
イロリ・ジツ
イロリ呼吸
セルフタキギ・ジツ
と、こんな感じになっています。何だかんだスキルも充実してきましたねぇ!
コッポ系の新技の解説は別の動画投稿者兄貴がやってくれてると思うので割愛します。今すぐ知りたい兄貴はウィキへGOだ。
じゃ、さっそく新たなジツのお披露目をしようかな。銃の整備を終えたら軽くシャワー浴びてドージョーに行きましょう。風呂入ってさっぱりしましょうよ。
「あ、レイズ=サン、お昼そろそろ出来るよ」
ありがとナス!
どうやらヤモト=サンは予想通りお料理中だったようです。料理上手女子の尊きこと尊きこと。いいゾ^~これ(ご満悦)
お昼の前にパパパッとやって終わりましょう。
新しい技ですが、まず「アペヒキャク・ジツ」から!
これは攻撃技ではなく、補助技……というか移動技ですね。特に難しい操作はいらないのでさっそく使ってみましょう。
「イヤーッ!」BOOOM!
こんな感じで、手のひら大発火を用いた短距離高速移動になっております。まるでクソ下水煮込みみたいな移動法だぁ(直喩)
あるいは某サイボーグヒーローか、あるいはアイアンマン……みたいな感じでしょうか。ボン! と瞬間的に加速する性質上、やっぱり某爆破個性が近いっすかね。
ちなみに連続で使うと、このような変態機動もできたりします。首輪付きな。
ほら、見ろよ見ろよ(連続QB)
ファッ!? クゥーン……(ガス欠)
はい、ぱっと見クールで使い勝手のよさそうなこのアペヒキャク・ジツですが、この通り移動距離短いわ燃費悪いわ小回り効かないわで割と使い道の限られるスキルです。
ですがコレ……実際レアい類のスキルなんですよね。
これ、空中でも使えるんですよ。実際空中移動技は珍しい。ほら、こんな風に。ジャンプと同時に使えば大ジャンプできるし、壁キック時に使えばより高く飛べるし、二段ジャンプめいて滞空時間を伸ばす事も……できちゃいます。
実際スゴイ。やっぱこのソウル神ソウルやったんやなって(手のひら大回転)
なので、今日一日はこのジツの熟練度を鍛えまくって、多少なり燃費をよくしておきましょう。
それと、さっきのワザとは見劣りするんですけど、一応攻撃スキルも覚えました。
はぁいこれ、「アペベン・ジツ」です。見ての通り、炎のムチです。ほら! 女王様とお呼び!
リーチはそこそこ、燃費は比較的良好。持ち前のニンジャ器用さも相まって素早くぶんぶん振れますね。威力は……こんな感じ、それほどでもないです。が、けん制技としてはなかなかではないでしょうか。
先端に炎の刃つけたい……つけたくない?(焔+砕)
この子も上手い事使えばなかなかなモノになると思うので、ヒキャクを上げたらこっちも鍛えましょうか。
◆「ヤモト・コキ」が呼んでいます◆
ん? 何か呼び出されてますね。行ってみましょう。あ、これさっき言ってたお昼ご飯か。
行きます行きます(食い気味)
「あり合わせだけど。口に合えばいいな」
いやいやいや、ドーモドーモ! ヤモト=サンはファミリーみたいなもんやし。そんなもう、ヤモト=サンが作ってくれたものなら例えダークマターでも可哀想な卵焼きでも美味しくいただきますとも、ええ!
ま、ヤモト=サンの料理スキルが初期から高いのは知ってるんですけど。
これは……ナポリタンじゃな! わーい! ニンジャ、ナポリタン大好きー!
イタダキャス……(合掌)
ハムッ、ハフハフ、ハフッ……!
こっ、これはああ~っ!
この味はあぁ~っ!
……よくわからんけどHPが回復していく美味さだッ!
あと……そうだな(考え中)
「ハーモニー」っつーんですかあ~。
「味の調和」っつーんですかあ~っ。
たとえるなら、ネコチャンとカワイイコのデュエット!
ブラックヘイズに対するフェイタル!
ボンモーの原作に対する、さおとめ=センセイの「グラマラスキラーズ」!
……つうーっ感じっスよお~っ!
「ドーモ、ごちそうさまでした」「ドーモ、おそまつさまでした」
おっ、そうこう言ってたら食べ終わりましたね。
じゃ、今からレイズ=サンにはアペヒキャク・ジツの練習をしてもらおうかな。
そういう単調な映像が流れるのもアレなので軽く倍速かけます。
んー、倍速停止は次のミッション受ける直前にしよっかな。
てなわけで、倍速ポチーで。
はい倍速終了。ふぅ、あっと言う間に熟達しちまったぜ~(偽HRS)
そんな訳でいつもみたく巨大モチヤッコ前でザゼンし血中カラテを回復したら、ここからは大人の時間だ(傭兵ビズ)
UNIX部屋に行って、良い感じのミッションがないか見てみましょう。
ヤクザ狩り、バウンサーあり、いいね! これにしましょう。こいついつもヤクザ殺してんな。美味しいからね、しょうがないね。準備は一任するわ(47)
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「何番ですか?」「知らねグワーッ!」「何番ですか?」「知らねグワーッ!」「何番ですか?」「知らねグワーッ!」「何番ですか?」「知らねグワーッ!」「何番ですか?」「知らねグワーッ!」
「241893番です! もう許してください!」照明の消えたグレイトフルタイガー・ヤクザクラン事務所に、件のヤクザクランのオヤブンの絶叫が響き渡る。何度も殴打された顔はオタフクめいて晴れ上がり、威圧的高級スーツの端々にはいくつもの乾いた血跡がこびりついていた。事務所内にはクラン構成員の亡骸が捨て置かれ、半分炭化したバウンサーニンジャの生首がデスクの上からオヤブンを見つめている。
「オボーッ!」目的の番号を聞いた拷問官レイズはオヤブンの腹にコッポ掌打を入れ、豪奢なオヤブン・デスク上にある金庫に秘密だった番号を打ち込んだ。キャバーン! 物理電子ハイブリッドロックが外れ、その中を露にする。金庫の中は三段構造になっていた。
金庫内上段には万札やマグロ粉末など金銭的価値の高い物が収められていた。レイズは全て懐に入れた。中段にはクラン伝統のアイクチ・ダガーや家紋バッチなど文化的価値の高い物が収められていた。レイズは全て放り捨てた。下段にはいくつかの封筒があり、紙媒体の秘密文書などが収められていた。レイズは封筒をひとつひとつデスクに並べていき、順に中身をあらためていった。
襲撃計画……何かしらの契約書類……何処かの企業の機密情報……。どれもレイズの欲する情報ではなかった。読み終わった書類はニンジャ記憶力任せに覚えた端からカトンで燃やし、やがて最後の秘密書類を開封するに至った。それは他の封筒よりも一段煌びやかな装飾がなされており、表面には羽飾りのエンブレムが描かれていた。メインディッシュだ。
ラスト封筒の中を確認したレイズは僅かに瞠目し、やがて裂けんばかりに唇を歪めた。無自覚に指先からカトン炎が漏れて、契約ニンジャ名簿を燃やしていく。問題ない。情報はレイズのニューロンに刻み込まれた。ぶわりと火の粉を噴き出して振り返るレイズの瞳には、純粋に過ぎる歓喜の感情だけがあった。
「ア、アイエエエエ……」気絶から復帰したオヤブンはここにきてしめやかに失禁。芋虫めいて逃亡を試みるオヤブンに向け歩みだすレイズ。その手には炎により形成されし灼熱カトン鞭。ヒュパウン! ヒュパウン! 恐怖を駆り立てる鞭が事務所の調度品を溶断する。その光景を見たオヤブンは、NRSを発症して泣き叫んだ。「誰か! 誰か助けてくれぇー!」
その時である! CRAAAAASH! 事務所の窓を破砕して色付きの暴風がエントリーした!「ドーモ! 遅れましてスミマセン! マイティアームです!」マイティアームと名乗ったニンジャが先制してオジギした。タンクトップ装束から露出している双肩には重機めいた筋肉!「ドーモ。マイティアーム=サン、レイズです」レイズはアイサツ後、改めてカトン鞭を生成し構えた。
マイティアームは事務所の惨状を眺め見、眉間に皺を寄せた。「小さなカラテ残滓、特徴的なカトン・ジツ……。君が、ソリッドブラック=サンを殺したニンジャって事で、いいんだよね?」マイティアームは全身の筋肉を無駄なく起動させて重量級ボックスカラテを構えた。「ハハッ、相変わらず僕は運がいいな! 君を! 友を殺したニンジャを! 殴り殺せるチャンスが来たんだからねぇ!?」「イヤーッ!」先攻はカトン・スリケンだった。「そうこなくっちゃ!」迫る炎を拳撃粉砕!「楽しもうね!」
狭いヤクザ事務所内で、ニンジャのイクサが始まった。「イヤーッ!」カトン!「シューッ!」拳!「イヤーッ!」ナイフ!「シューッ!」スウェイ!「イヤーッ!」コッポ!「シューッ!」ウィービング! おお、何たるニンジャ同士による目にも止まらぬ超高速カラテ攻防か! レイズは小さな身体を活かし事務所狭しと縦横無尽に駆け回り、マイティアームは暴走重機めいてその後を追う! BOOMBOOMBOOM! レイズはカトン加速で上下左右躍動! 攻守は秒針が進むたび入れ替わる!
掌打と拳打の嵐が衝突し、音を置き去りにしたカラテ衝撃波が室内コンクリート粉砕!「シューッ!」マイティアームの太い両腕が唸り、レイズの緻密なコッポ防御領域を力づくでこじ開ける!「シュシューッ!」ジャブ! ジャブ! ストレート!「イヤッ! イヤッ! ンアーッ!」ついにレイズの顎に強烈パンチ直撃!「イヤーッ!」「ヌゥーッ!」インパクトの勢いを逃がすべく、あえて大袈裟にのけ反ったレイズはブリッジからのカポエイラで距離を離し、小さな唇から独特な呼吸音を発した。「スゥーッ! コォーッ!」レイズの全身に焚火めいたオーラが宿り、イクサは次なるステージに昇華した!
「イヤーッ!」「シューッ!」「イヤーッ!」「シューッ!」「イヤーッ!」「シューッ!」「イヤーッ!」「シューッ!」「イヤーッ!」「シューッ!」「イヤーッ!」「シューッ!」「イヤーッ!」「シューッ!」「イヤーッ!」「シューッ!」「イヤーッ!」「シューッ!」「イヤーッ!」「シューッ!」
「イィヤァーッ!」レイズの掌に炎が宿る!「シューッ!」マイティアームの拳に更なるカラテが宿る! 重金属酸性雨が吹きすさぶ崩壊ヤクザ事務所の中、二人の半神が死力を発し激突! ドーム状のカラテ衝撃波が発生しコンクリ床破砕! イクサの舞台は下階をぶち抜き更に更に広がっていく!「イヤーッ!」「シューッ!」
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着くぅ^~(帰宅)
ガレージにバイクを止めたらさっそく入手した情報を確かめましょう。ニンジャ名簿を入手したところで既に死んでるニンジャだったりしたら意味ないですからね。
いやー、にしてもまさか何てことないヤクザの金庫にニンジャ名簿があるなんて。これがあれば名簿ニンジャから分からん殺しされる心配はないな! 嬉しい嬉しい……(ニチニチ)
ついでにさっき勃ったらしいイベントフラグもUNIXで確認しましょう。アイコン的に新ビズとして出てると思うので。そんな訳でUNIXルームにGO!
「レイズ=サン!? どうしたのその怪我!?」
お、どうしました?(すっとぼけ)
これアレですね。一定以下の体力で帰宅したら流れる系の台詞でしょうね。はえ^~細かい。ナカマになったらブラックヘイズ=サンとかも心配してくれるんでしょうか。これには夢女子兄貴姉貴ヘッズも大興奮ですよ!
「す、すぐに病院行かないと!」
おっと病院はキャンセルだ。
ある程度ソウカイヤや野良ニンジャを狩った状態で普通の病院を利用すると、アシがついてエージェントが来たり来なかったりするんでね。使うなら闇医者です。
あとたまに赤黒死神もエントリーしてきます。こわっ! パラッパラッパーしとこ。
「でも、じゃあどうしたら……!?」
ニンジャだからダイジョブダッテ! 実際スシ食えばそのうち治ります。
てかそれ以前にほとんどジツの自傷ダメージが原因だからねコレ。マイティアーム=サンは実際油断ならぬ相手でしたが、直撃は一発だけです。如何な紙のレイズでもそれくらいは耐えます。
「あ、そっか! スシがあれば!」
ん? 何か画面が暗転して……。
ファッ!?
いつの間にかベッドで寝かされとるやん! 監禁拘束ナンデ? いや普通に起きれるや、期待して損したよ。手足縛られた状況で美少女にあーんされたい……されたくない? わからない? そう……(諦観)
しかし強制休息とは、こういうのもあるんですねクランでは。いや性格的にヤモト=サン固有のイベントなのかもしれませんね。フィルギアならともかく、アナイアレイターやルイナーがこうしてくるとは思えん。いや意外とあるのかも? 男同士の熱いユウジョウな? あー良い遥かに良い。
んっと……で、今の体力は? まぁ普通にある程度回復してますね。けど寝る前にスシ食ってたらもっと回復してるはずなんですケドネー。
「あ、レイズ=サン、起きたんだ」
ヤモト=サンおっすおっす! アータ、さっきノックしなかったでしょ。こちとら乙女よ。ノックぐらいしなさいよアータ!
「ごめん。スシ、握ってみたんだけど……こんなのしかできなかった……」
ん? どうやらスシを作ってくれたみたいですね。スシ作成スキルなんて覚えてたっけ? まぁ細かい事はいいんですが。
品質は……アー、そうなりますよね。
「お店で買うのも考えたんだけど遠くて時間かかると思って……。デリバリーも、此処にはたぶん配達してくれないかなって……思って、だから」
なんか……あったかい……(感涙)
他人が自分の事を想って握ってくれるスシは何よりも尊いってそれ一番言われてるから。ありがたくいただきましょう。
うん、バフついてないけど……OC!
「……ありがとうございます」
◆「レイズ」の状態が回復しました◆
ナンデ?(困惑)
えっ? あの……なにこれ?
えっ、ていうか今の今まで何かしらの状態異常にかかってたの? 全然アラートとか鳴ってなかったよ? HPも何も変に消耗してなかったし、パラメータもいつもと変わりなかったよね……?
ちょっと確認してみても……わかんないや!(サバンナの天使並みの感想)
えっ、えっと……。
何だか知らんがとにかくよし!(思考放棄)
「本当にごめん……。アタイ、本当に何にもできなくて……いつもレイズ=サンに世話焼かせちゃって……。なにもお礼、できてなくて……」
ごめんその話長い?(ぶった切り)
なんかヤモト=サン、ナーバスになってますねぇ。こういう女の子が泣くイベントいる? 可哀想なのは抜けないんだけど。裁判官! やめましょうよ!
えー、これどうすりゃいいの? ちょっとヤモト=サンの状態を確認すると……案の定めちゃくちゃ楽しさ崩れてますやん! それにナニコレ? よくわからん「ぴえん顔」みたいなアイコン付いてるんですけど……。
ど、どないせえっちゅうんじゃ(呆然)
「アタイって、ほんとバカ……」
おうその台詞やめーや。
っと、思ったら選択肢が出てきましたね。
◆1.共感する◆
◆2.励ます◆
◆3.茶化す◆
お、おう……。
これ! って感じの選択肢ねぇな……。
茶化すのは違うでしょ、性格的に。1ってのもなぁ……何かニンジャっぽくねぇよなぁ?
じゃあ消去法で2で。
諦めんなよ! 諦めんなよ、お前! どうしてそこでやめるんだ、そこで! もう少し頑張ってみろよ! ダメダメダメ!諦めたら! 周りのこと思えよ、応援してる人たちのこと思ってみろって! あともうちょっとのところなんだから! 俺だってこのマイナス10度のところ、しじみがトゥルルって頑張ってんだよ! ずっとやってみろ!必ず目標を達成できる!
だからこそ――。
「でも、でもアタイは……いつも……」
過去のことを思っちゃダメだよ。何であんなことしたんだろ……って怒りに変わってくるから。未来のことも思っちゃダメ。大丈夫かな……あはぁ~ん。不安になってくるでしょ? ならば、一所懸命、一つの所に命を懸ける! そうだ! 今ここを生きていけば、みんなイキイキするぞ!
一番になるっていったよな? 日本一なるっつったよな!(言ってない)
ぬるま湯なんか浸かってんじゃねぇよお前!! 今日からお前は! フジサンだ!
だからこそ、ネバーギブアップ!
◆「ヤモト・コキ」の状態が回復しました◆
やったぜ。さすがMTOKだ! なんとかなったぜ! みんなも日めくりカレンダー、買おう!(ダイマ)
「あはは、アタイが励まされちゃったな……。本当、レイズ=サンは強いね」
じゃあ元気になったヤモト=サンには部屋に戻ってもろて、窓際行って……シコれ(命令)
レイズ=サンはもう回復したから、ちょっとUNIXで次のビズをだね。
「ダメ、ちゃんと治るまで寝てないと」
ポッチャマ……。
もっかい部屋出ようとしても……ダメみたいですね。
「ダメだって、治るまで出さないよ!」
えっ、これヤモト=サンずっと看病してくれる感じっすか?
いいねぇ^~(手のひらクルー)
体調崩した主人公を看病する展開、嫌いじゃないし好きだよ。
じゃあ、今回はここまで、ご視聴ありがとうございまし――。
「ねぇ、レイズ=サン」
ウン……。
「今度、レイズ=サンの仕事にアタイもついてくよ」
ん?
「アタイもレイズ=サンを守りたいんだ」
んん?www
◆「ヤモト・コキ」をミッションに連れていけるようになりました◆
……いや、今まで連れてけへんのやったんかい。
◆ーーーーーーーーーー◆ーーーーーーーーーー◆
オオヌギの夜は暗い。街灯ひとつ存在しないこの地区は、昼夜問わず電光輝くネオサイタマの過半部とは様相を異にする別世界だ。窓に弾ける雨の音を聞きながら、ヤモト・コキはベッドで眠る少女の髪を撫でた。眠りは深そうだ。
しばらくして、ヤモトは徐に部屋を出た。そうして自室でジュー・ウェアに着替え、音を立てないよう忍び足で地下ドージョーに向かった。ドージョーに入り、電灯も点けずにヤモトは木人形に向き合うと、「イィヤァーッ!」全力のカラテストレートを放った。最高級木人形が軋んで揺れる。
「イヤッ! イヤッ! イヤッ!」そのまま、身体に馴染んだ連続カラテを振り回す。やがてそれは常の速さを超越し、全く無軌道な感情の暴走となった。「イィヤヤヤヤヤヤヤヤーッ」チョップ、チョップ、チョップ、ストレート。ヤモトのニューロンはなおも加速を続けた。「イヤーッ!」KABOOOOM! 強い感情の発露により、無意識にサクラパンチを放ってしまった。
砕け散る木人形。バラバラになった各パーツは往時のヨタモノの死体めいていた。その時、ヤモトは感情の渦を自覚した。御さねばならぬ、「スゥー! コォー!」ヤモトは大きく息を吸い、吐いた。メンターのように、上手くはできない。
気が付けば、ジュー・ウェアが多量の汗で張り付いている。どれだけ長時間木人拳をしていたのか、分からないでいた。ヤモトはまたも罪悪感に苛まれた。先ほど、当の少女に励まされたばかりだというのに。一人になると、不安定になる。
暗いドージョーの中、ヤモトは強く拳を握りしめた。無力感、罪悪感、自分という存在がどんどん小さく感じてくる。気分が、沈む。「……何やってんだろう、アタイ」分かっていた事である。考えないようにしていた事である。それは、ヤモトが努めて気づかないようにしていた事実であった。
レイズが尋常な手段で金銭を得ている訳がない事は、はじめから分かっていた事だ。レイズはヤモトのメンターで、アプレンティスより遥かに高いカラテを有しているが、それだけだ。彼女はカトゥーンヒーローでもなければ、比類なき最強のニンジャという訳でもなかったのだ。
ヤモトはなおも強く拳を握った。指の隙間から、小さく儚い桜色の粒子が舞い散った。俯く。歯を食いしばる。悔悟の涙が、木床を濡らした。やがて、ヤモトは涙を拭い、改めて心の芯を鍛え直した。
何があっても、レイズに寄り添う。決してあの子を独りにさせない。「レイズ=サン……」これは甘えによるものか? 虚飾に塗れた方便か? 否、これは間違いなくヤモトの心の奥にある、人間性の輝きだ。
ヤモトはこの夜、強くなる事を決意した。小さくて年下の、優しくもサツバツなメンターを守れるようになる為に。
◆アペベン・ジツ◆
炎のムチを生み出し、攻撃する。
血中カラテはムチによる攻撃時に消費する。
アペ・ニンジャはカトンの鞭で獣を捕らえ、クランのニンジャ達に手ずからジビエを振る舞ったという。