【忍殺実況】ヤモト・コキ育成計画.mp0【完結】   作:いらえ丸

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誤字報告兄貴いつもありがとナス!
この話からイクサ多めになります。


#15「ヤモト・コキ育成計画.mp15」

 決戦の日だ。秘密地下施設内の私室兼執務室にて、マト・ノキアミはガラス棚に飾られた自作フィギュアを眺めていた。八本足、二本腕、一つ頭にツインアイ。艶の無いダークシルバーのボディはノキアミの強い拘りだ。これはノキアミが子供の頃からニューロンの内外で工作し、大人の時分に完成まで漕ぎ着けた自己実現の象徴である。その為に、何だってやった。

 

 マト・ノキアミには夢がある。必ずやヒャッキを量産する。必ずやヒャッキの後継機を作る。必ずや、オムラの頭でっかち共にこのヒャッキ・ショウを認めさせる。初老過ぎのノキアミの心は、なおも春の青空めいて純粋で、純粋に過ぎるが故に現実の曇天を一切許容しない。ノキアミは器用な男だったが、あまりにも不器用な心根の持ち主であった。つまるところ、ノキアミは大人めいた子供だった。

 

 執念に燃えるノキアミの耳に、愛用の自社製通信機からアナウンスの声が届く。どうやら予定通りヒャッキは現場に到着したらしい。あとは時が満ちるのを待つのみ。我知らず、ノキアミは歯を剥いて笑っていた。

 

 遂にこの日が来た。奴らのニューロンにヒャッキの性能を叩き込んでやる。あのイディオットの化身のようなバカ息子と、バカ息子の暴走を抑えきれなかった枯れた巨木。強要されたドゲザの記憶がニューロンにこびりついて離れない。ノキアミは、静かに拳を握りしめた。「ヒャッキは最強だ。ロボ・ニンジャなどに、負ける訳がない……!」作戦開始時刻まで、あと少し。

 

 

 

◆ーーーーーーーーーー◆ーーーーーーーーーー◆

 

 

 

 飛竜の卵が! な実況プレイはーじまーるよー。

 

 前回はサークル・ミカン初のミッション終えたらヤモさんが元気なくしちゃったところまででしたね。

 

 で、現在はあの日からゲーム内時間で何日か経過し田所=サンです。

 お休み中は前回言ってた通りビズもトレも全くなーんもやってませんでした。特に理由もなくデカいセントー行ったり、一日中ヤモさん乗せてツーリング行ってたりして時間潰してました。しばらく右下にスクショのスラショ流しときますね。淡々とした日常な。

 

 そんな感じでだらだら過ごしてたら徐々にヤモト=サンの状態も回復していき、今では以前と同様のコンディションに仕上げられました。やっぱ時間兄貴は平等で公平なんやなって。

 

 はいてな訳で、そろそろ次のミッション受けてもいい頃でしょ。イクサの基礎がばっちり出来たヤモさんにはどんどん実戦に出して経験を積んでもらいましょう。

 とはいえ段階は踏んでいきます。最初から危険な奴ぁ受けさせませんとも、焦らない焦らない一休み一休みってな。今回のもイクサがなさそうな奴にします。

 

 えーっと、今日のミッションは……どれどれ~?(ミッション確認)

 

◆襲撃◆企業ニンジャの排除

◆襲撃◆ヤクザバウンサーの排除

◆襲撃◆移動中のヤクザオヤブンの排除

 

 ……ちょっとズレてるかな(暴力重点ニンジャのつぶやき)

 

 いや、これアレなんすよ。レイズちゃん、ちょっとこう……襲撃ミッション受けすぎちゃって、回収とか輸送とか護衛とか、そういうのあんまり来なくなっちゃったんですよね。実際前のはレアいモンで。

 今来てるのも美味しい依頼ばっかなんですけど、今はちょっと違うかなって……。

 

◆回収◆謎の廃棄物の回収◆重点!◆

 

 ん? なんですかこれ?

 

 重点ミッションって事は、何かしらのフラグで生えたイベントだと思うんですけど。

 危険度は……低いですねぇ。実際おあつらえ向き。重点ミッションでこの危険度なら危険度詐欺ニンジャとの強制イクサもなさそうな。

 これにしましょう! はい、受注しまーす!

 

「うん、わかった。ついていくよ」

 

 ドスケベニンジャ装束に着替えたヤモト=サンと合流したらガレージに入って、今回はこの元クレープバンに乗って目的地に向かいます。

 この元クレープバン。あれから一度もクレープ作る機会なかったので、いっそのことビズ用に魔改造しちゃいました。もう二度とクレープ作れないねぇ。とはいえ特にギミックとかはないです。TDN積載量特化の移動倉庫です。動くアイテムボックスな。

 どうやら今回の回収ミッションは大型のブツを持ち帰る必要があるっぽいので、大型アイテムを収納できるコイツの出番ですね。クロイヌは自宅待機。

 

 じゃ、発進!(ファストトラベル)

 

 目的地のゴミ処理場に着いたらミッション内容にあったブツを探しましょう。広範囲の捜索・回収は実際ダルいのでさっさと終わらせましょう。もし野良ニンジャがいたらヤモト=サンとぶつけてみるのもいいですね。多分出てこないでしょうけど。

 

◆ノルマ◆謎の廃棄物(0/10)

◆サブノルマ◆虹色の羽飾り(0/1)

 

 出ました。こんな感じで、どっかにある目的のブツを集めていきましょう。

ていうかこのサブノルマなに? 1個でいいんだ。めっちゃ楽じゃん。

 

「レイズ=サン、私はどうすればいい?」

 

 おっと、「指示」を出さなくっちゃあな。

 事前に渡しておいたIRC端末のおかげで離れてても指示を出せるので、多少離れてもダイジョブです。「捜索・回収」から「広域重点」を選択し、アイテムボックスくんと化したバンにぶち込むよう指示しましょう。

 これでOK。おう、頼むぜAIBO!

 

「わかった。アタイはあっちの方を探してくるね」

 

 行き先を教えてくれるヤモト=サンは真面目だなあ。ははぁ……(賞賛)

 

 さて、私も探し物をしましょう。見つけにくいモノかどうかは知りませんけど、そもそも廃棄物ったってなぁ。これは良くないぞ、どっちを向いてもゴミばかりだ。

 このゴミ山の中から探すのは実際手間ですが、痕跡集めれば「ニンジャ感覚」がどこぞの蟲めいて導いてくれるはずです。

 こういう時に探索・捜索用のスキル持ってたら楽なんですケドネー。多分、サワタリ=サンレベルのニンジャなら即発見即回収でしたでしょうね、これ。

 

 じゃ、今から幼女がゴミ山でうろうろするだけの退屈な映像が流れますんで~。

 皆様のためにぃ~。

 スゴイ・オモシロイなほのぼのボイスドラマを――。

 

 おや? 何か導蟲(直球)に変な反応がありましたね。

 興奮してきたな……ちょっと行ってみよう。

 

 あれー? マップと導蟲はこ↑こ↓って言ってきてるんですけど、何もないぞ?

 ちょっと導蟲くんしっかりしてくれよな~、頼むよ~。

 あ、いやこれ下か。ここ掘れワンワンなのね。しょうがねぇなぁ~(悟空)

 

 裏の畑でポチが鳴く。正直じいさん掘ったれば、大判小判がザーックザーック!

 ザックーザク!

 

 はい、カトンで掘りました。汚物は消毒だぁー!

 さて、ここにノルマのアイテムがぁ~?

 

◆「虹色の羽飾り」を入手しました◆

 

 さ、サブノルマェ……。

 しかもこれ、ミッション内容見てみたらサブ達成しても報酬増える訳じゃないのね。じゃあ何のために?

 

 おや、よく見てみたら「虹色の羽飾り」の所持数が2になってますね。ナンデ?

 ……ナンデだっけ?

 

 まぁいいや、わっかんねぇけど何か良い事あんだろ。何かのイベントのフラグとか?

 

◆「ヤモト・コキ」が「謎の廃棄物」を回収しました◆

◆ノルマまで残り6つです◆

 

 おファッ!?(驚愕)

 え、あの……ファッ!?(困惑)

 

 あの、ちょっとヤモト=サン速すぎません? 私がウロウロしてる間にもう半分近く終わらせてるじゃない。

 え、これNPC特有の迅速さ?

 共闘するとこういう面倒な探し物ビズも楽チンチンだったりする感じ?

 はえ^~(感嘆)

 

「ねぇレイズ=サン、大きいのがあったから運ぶの手伝ってほしいんだけど、いいかな?」

 

 アッハイ(サンシタ根性)

 美少女に「いいかな?」って頼まれたら断れないってそれ一番言われてるから。

 

 えーっと、ヤモト=サンが見つけたでかいのってのは、これね?

 

 ……ん?

 ていうか、これ……モータードクロの胴体じゃね?

 

 見た感じ、ヤブとは雰囲気違うし。いやでもちょっとデザインが違うかな? んーでも、ゲームオリジナルの奴にこんな感じのパーツは他にないはず……。

 うん、これドクロくんのパーツだわ。何でドクロくんがここに!? 廃棄物なんだよね? こんな機密の塊みたいなの原型残して捨てていいの? 壊されて捨てられたの? 色々ナンデ?

 

 まぁいいですけどね、ここにモータードクロのパーツがあるって事は、オウガ・ザ・コールドスティールイベントが終わったって事なのでしょう。実際歓ゲイすべきインシデントです。本作、一部エピソードは時系列がしっちゃかめっちゃかになってて、フラグ管理が実際難しいんデスヨネー。

 まっ、これでオオヌギにイベントマークが付いてるかどうか気にしながら帰る手間がなくなったな! やったぜ。

 

「アタイだけだとちょっとキツくって……」

 

 あーいやいや、ドクロのパーツは見た目よりは軽いからダイジョブよ。これくらいレイズ=サンの筋力があれば余裕で持ち上げグワーッ!

 

「エッ! レイズ=サン、ダイジョブ!?」

 

 し、忍びねぇ……忍びねぇ……(激うまギャグ)

 

 大人しく二人で運びましょう。これバンに入るんかな? 明らか今現在ギュウギュウのバンには入りそうもな……。

 入りましたねぇ!(驚愕)

 ゲーム特有のアイテムの大きさと入れ物が合ってないアレですね。大タル爆弾にスティンガーに金属バット……思えば色々ありますね。

 

「アタイは次はあっちを探してくるよ」

 

 アッハイ(お見送り)

 もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな……。

 

 

 

◆ーーーーーーーーーー◆ーーーーーーーーーー◆

 

 

 

 オオヌギ地区と外界とを繋ぐ絶望の橋に、絶望そのものが形を成したかの如き冷たい鉄の鬼が衝撃を伴い降臨した。六本の腕、四本の脚、手に手に神話象徴的な武器を持ち、頭部のカメラアイが妖しく発光し直前までアンタイセイ精神をむき出しにしていたオオヌギ地区住民を睥睨した。「ドーモ、モータードクロイマダ、です。今現在、皆さまの投降を受け付けております。私は試作型です。ネコソギ・ファンドとは実際無関係」

 

「「「アイエエエエ!?」」」無慈悲な機械的視線に晒されたオオヌギ住民が失禁し、「「「アバーッ!」」」ナムサン! 次の瞬間にはモータードクロイマダがそれらの命を無慈悲に刈り取った!「投降受付時間は終了しました!」多腕多脚の怪物は高らかに宣言し、プレゼン用カメラに威圧的なポーズを取った。カメラの奥、プレゼン用IRCモニタを見ていたモータル数名閉口。その場にニンジャの姿はなかった。

 

「アイエエエ!」「アイエエエエ!」「アイエエエ!」群衆はつい先ほど眼前で行われた暴虐に怯え、蜘蛛の子を散らすように散り散り逃走!「アババババーッ!」しかし全てのオオヌギ住民が逃走に成功する筈もない。無造作に振るわれたモータードクロイマダの長柄武器が中年男性の身体を両断した。ナムアミダブツ!「モータードクロイマダは戦っています。それも偶然な」ドクロイマダの威圧的口部が開き、グレネード発射! KABOOOM! アパート爆発炎上!「逃走を許さないです」

 

 おお、ナムアミダブツ! ナムアミダブツ! 科学の粋を集めた無人兵器のなんたる残酷さ! なんたるニンジャ性か! その後もドクロイマダは機械的知性で以て人間の生命を刈り取っていく!「さすがだ! ドクロ!」暴虐ロボ・ニンジャの後ろに追随するオムラ・サラリマンが感嘆する。もはやこの残虐ロボを止める事はできないのか!? ブッダは今なお眠りこけているのだろうか!?

 

「やっぱりドクロは最強なんだ! 完成した方だったらもっと!」感極まったサラリマンが両手を振り上げた、その時である! KBOOOOOOM!「ピガーッ!」モータードクロイマダの胴側面に強烈な爆発!「グワーッ!」余波に巻き込まれたサラリマンは瓦礫に飲まれ瀕死!「ピガ、ピガピガ……何インシデント? 手動入力? いつです!」重篤なダメージを受け、機体各部を損傷したドクロイマダの前、否! 頭上に巨大な影が差した!

 

「警察の皆様! オムラの皆様!」巨影の外部スピーカーが作動し、なおも現場を撮影しているIRC機器にノイズ交じりの大音声が轟いた。「私の名は、マト・ノキアミ! 忠実なオムラのいち社員です!」ズシン! ズシン! 連続した地鳴りと共に、事態を確認すべくレンズの向きが上っていく。

 

 まず映されたのは太く逞しい八本複脚。「百騎武将」とオスモウミンチョ書きされた武骨な胴。威圧的に掲げられた二本腕! 自身を映す機器を見据えるは、巨大な赤きツインアイ!「プレゼン中のシツレイ、セプク覚悟でございます! ALAS! それはともかく聢と見よ! 我がチームが作り上げた傑作兵器の大威容! 株価上昇待ったなし!」

 

「ピガー!」モータードクロイマダの胴体に桁違いの質量が圧し掛かり、動きを封殺する!「讃えよ! 我が子を! 栄えあるその名も、ヒャッキ・ショウ!」CRAAAAAASH!「ピガガガガガーッ!」モータードクロイマダはしめやかに機能停止した。「これよりは、我がチームのプレゼンに付き合って頂きたい!」暗銀のボディが煌めき、更なるジゴクの再現を宣言した。「では、ハックします!」

 

 

 

◆ーーーーーーーーーー◆ーーーーーーーーーー◆

 

 

 

「アイエエエエエエ!」「重点! 重点な!」「アバーッ!」「近接重点!」「アイエエエエエエ!」「近接重点!」「アババババーッ!」「アイエエエエエエ!」「アイエエエエエエ!」「アイエエエエエエ!」「「「弾幕重点! 重点な!」」」「「「アババババババババーッ!」」」

 

 銃声。悲鳴。駆動音。脳漿が飛散し、ヒトガタが倒れる。血だまりを踏む足音。重金属酸性雨の止んだ空に、マッタキ赤の雨が降った。「「「殲滅重点!」」」つい先ほどまで生命だったモノを踏みつけ、機械の甲虫型無人兵器が進軍する。それは優れた人工知能と、優れた指揮官により統率された命なき鉄の兵隊だった。

 

「いいぞヒャッキ・ヘイ! はははっ! けっこう良いじゃないか、こういうのも」統率者は鋼鉄の巨人の胸中、狭いコクピット内で哄笑する。その声は幼い。優秀な操縦士は捧腹絶倒しようとも常人離れした高速タイプは止まる事はない。「よし、次はこれにしよう! 追い詰めて……ドンだ!」冷徹なニンジャ指揮官は次なるコマンドを発信した。

 

「「「重点!」」」カメラアイを点滅させ、指揮官の命に従い動く無人兵器。「「「アイエエエエエ!」」」死にゆくオオヌギ住民。ナムアミダブツ! なんたる効率的殺戮風景であろうか。命なき兵が命ある民を蹂躙し、命を尊ばぬ指揮官が命を発して命を奪い去る。統率機たるヒャッキ・ショウとそのパイロットは、威圧的な腕組み姿勢で命がけの鬼ごっこを鑑賞していた。

 

 ヒャッキ・ショウの各種レーダーはヘイのカメラを通して統合されたデータを反映し続ける。赤と青の光点、示しているのは敵と味方だ。北、赤が逃げている。西、青が回り込む。南、赤が散っている。東、青の群れが……減った?「何が起こった? 撃墜? 奴らの武装でか?」ヒャッキ・ショウ専属操縦士――ホワイトファングは超人的速度でログを確認。そして、口の端を歪めた。「来たかい! ニンジャ!」

 

 オオヌギ地区東。「「アイエエエエエ!」」薄汚い身なりの親子は迫りくる脅威から必死に逃走していた。「近接重点!」追いかけるヘイの頭部にはハサミ状の両断ブレード。そのシルエットはまさに巨大バイオクワガタそのもの。その時だ、走りながらも恐怖で振り返った子供が転倒!「アイエ!?」ナムサン! 転んだ子供に母は自らを盾にせんと覆いかぶさる!「重点! 近接重点な!」震える親子にブレードの影が差す。モハヤコレマデ! 子供は精一杯の声で叫んだ。「誰か助けてー!」

 

「「イヤーッ!」」「ピガーッ!」CRAAAAAASH! 重なったカラテシャウト。何かの破砕音。恐る恐る目を開ける親子。その瞳に、二つの影が映る。「大丈夫、もう怖くないよ」影の片割れが振り返った。それは年端も行かぬ少女だった。艶やかな黒髪、桜色の双眸。桜色に光るスカーフに、黒の……ニンジャ装束!「に、ニンジャの……女の子!」

 

「イクサはアタイ達に任せて、早く逃げて下さい」言って、少女は親子二人を悠々持ち上げると、ひとりでに近づいてきたモーターサイクルに親子をタンデムさせた。「戦うの?」子供が怯えている。ヤモトは安心させるように、頭を撫でた。「うん。戦うよ」「頑張って」「うん!」クロイヌは親子を乗せて走り出した。優秀なインテリジェント・モーターサイクルは彼女らを安全な場所まで送り届けてくれる事だろう。

 

「……クロイヌはあった方が便利でした」破壊したヘイを見分しつつ、レイズは呟く。「けど置いてはおけないよ」ヤモトはグローブの付け心地を確かめ、地を踏みしめてブーツの調子を整えた。「……同意します」立ち上がるレイズ。痩身に宿るカラテが、不可視のキリング・オーラを放散した。「「絶対に守る」」声が重なる。意思が伝わる。見れば、周囲の影から無人の兵器がこちらを見ている。「「イヤーッ!」」ニンジャの師弟は全く同時に駆けだした。

 

 

 

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 はい、イベント開始のムービーが終了しました(諦観)

 

 シークバーぶっ飛ばし兄貴の為に軽く説明すると、ビズを終えて帰路につく二人だったが、疲れからか黒塗りの高級謎イベントに追突されちゃったんですよ。なにこれ?

 

 で、何か知りませんけど強制的にこのクワガタか、カブトムシか、みたいなデカい虫くんと戦う羽目になってます。

 

「イヤーッ!」「ピガー!」「イヤーッ!」「ピガー!」「イヤーッ!」「ピガガガガーッ!」

 

 ていうか、このそこら中にいる虫みたいな無人兵器くんは一体なんなんだよっていう。

 一応、クワガタっぽい「ヒャッキ・ヘイ(近距離重点型)」と、カブトムシっぽい「ヒャッキ・ヘイ(遠距離重点型)」という名前が表示されてはいるんですけど、ワイこんなん知らんで。

 見当は付きますけどね。これアレでしょ? アプデ追加のイベントとエネミーでしょ? わかってるって。俺は詳しいんだ。

 

「イヤーッ!」「ピガーッ!」

 

 で、ある程度戦ってみてわかったんですけど、レイズちゃんの場合こいつとの相性そんなよくないみたいなんですよね。

 

「イヤーッ!」「ピガー!」「イヤーッ!」「ピガー!」「イヤーッ!」「ピガガガー!」

 

 こんな感じで、何回も殴らないと壊せないんですよ。

 理由はたぶん、コッポドーのモーション値の低さ故だと思われ。コッポは攻撃力が低い代わりにクリヒット時にスタン値を蓄積させる事ができるという感じのカラテスタイルなので、直接的な物理攻撃力が必要な対機械では本領を発揮できないっぽいです。筋力補正も乗りませんしね。

 ジュー・ジツが上手く決められればいいんですけどねぇ。ちょっと難しいなって(ワザマエ不足)

 サマソも周囲のカブトムシくんが絶えず援護射撃してくるせいで足を止められないので如何せん威力がね……。カポエラも立ち回りの為だけに覚えさせたんでろくな威力出ないんですよねぇ。

 

「イヤーッ!」「「「ピガガガガーッ!」」」

 

 そんな情けない師匠に比べて弟子のヤモト=サンはマジでスゴイ。オリガミの一斉掃射で無双しています。近づけばサクラパンチが炸裂して哀れ無人兵器は爆発四散! ゴウランガ!

 カトンもなぁ……効けばよかったのよなぁ……(悲しみ) 

 

「レイズ=サン! 代わるよ!」

 

 アッハイ(退散)

 まぁここは適材適所で機械どもはヤモト=サンにお任せしましょう。

 

 私は……瓦礫に潰されてるオオヌギ民の救出でもしましょうかね。

 こう、瓦礫をどかして、お米様抱っこで「安全地帯」にビャッとやって完了。救出に成功した人が多いほどスコアも上がるみたいですし。どんどん救ってあげましょう。まるでクレイジータクシーみたいだぁ(懐古)

 ドーモ、私が来ましたよっと。

 

「あ、ありがとうございます……。アナタの名は……?」

 

 通りすがりのKMNライダーだ、覚えておけ(大嘘)

 

 さて、周囲からは救援反応が消えたので、微力ながらヤモト=サンの援護に行きましょう。

 

「レイズ=サン! こっちは終わったよ!」

 

 お~はえ! もう終わりましたわ!(賞賛)

 なんだかんだ言ってヤモト=サンのオリガミの殲滅力は大したものですね。

 レイズ=サンの場合はちょっと、対ニンジャ戦に傾倒し過ぎちゃって対機械はちょっとねぇ……。

 

 そんな事ぁともかく、ヤモト=サンに新しい「指示」を出しましょう。

 

 見 敵 必 殺!

 従僕! 私は命令を下したぞ! 何も変わらない! 我々の邪魔をするあらゆる勢力を叩いて潰せ!

 

「了解!」

 

 あ、その前にこのスシのお弁当持ってってね。カラテが足りなくなったら食べるんだよ。

 

 さて、私の方もイベントを消化していきましょう。

 周囲のモータルを助けてる間に他の救援反応が全部消えてしまったので、あとやるべきは……避難誘導? とかいうのがありますね。

 どうやらレーダーの緑の魚群みたいなのを護衛すればいいみたいです。行きましょう。

 

 よう! 助けに来たぜ!

 

「君はバイクの!? ここはアブナイ! ワシらが持ちこたえてるうちに君も逃げるんだ!」

 

 うるせぇ! 行こう!(アペ・スリケン)

 

 迫りくる無人兵器くんに炎上BZかましっつ突出しすぎないよう前に出ましょう。なに、爆破でよろけは取れる。なおダメージ。

 

 どうやら、現状のレイズちゃんの手札ではデッカーガンのゼロ距離射撃で頭部を部位破壊するのが一番いいみたいですね。

 はい、ブレード掻い潜って頭に乗って、お尻にガムが付いてるから取ってあげる(銃口押し付け)

 

「イヤーッ!」BLAMBLAMBLAM!「ピガガガガーッ!」

 

 おうヒューマン共はよ動け、俺はニンジャだ。

 

「アイエ!? と、とにかくあの娘に任せて撤退だ!」

 

 あくしろよ(ニンジャはせっかち)

 

 で、いい感じに上手い事隘路に誘導して隙間を抜けさせぬよう立ち回りましょうか。たぶんこれが一番安全だと思います。ソイヤ! 真上がお留守だぜ!

 

(0M0)<この距離ならバリアは張れないな!

 

 無人兵器の口に重金属弾をドバーッと出してきた。

 

 FOOOO! この接射ムーブ、クッッッッッソ格好いいですねぇ! 私こういうアクション好きなんですよぉ! 普段からドンドン使っ――。

 

 カチッ……カチッ……。

 

 あぁ……弾切れみたいですね、

 

 ど、どうすっぺどうすっぺ……! デッカーガンがねぇとコイツらにゃあろくなダメージ与えらんねぇよ!?

 

 ととととにかく、護衛対象は逃げ切ったようなので、広いところに誘導してカラテしましょう。時間こそかかりますがやってやれない事ぁないはずです。ナセバナルって偉い人が言ってたし、何とかなるはず!

 

「スゥーッ! コォーッ!」

 

 ついでにイロリ呼吸で血中カラテを回復しつつ……オラオラ来いよオラァ!(おじさんインストール)

 

「重点!」「重点な!」「「「包囲重点!」」」

 

 ん? あれ、何かイベントムービー流れはじめましたね。ボス戦かな?

 ま、こいつらと戦うよかマシでしょ。オイラぁニンジャと戦いたいよ。

 

 CRAAAAAAASH!「ヌゥーッ!」

 

 ファッ!? クゥーン……(砂埃)

 

 何かでっかいロボットが建物突き破ってエントリーしてきましたね。デカいけど……デカくない? F91よりは……小さいかな?

 

「はははは! どうだ! 僕のヒャッキの性能は! ははははは!」

 

 ファッ!? しょ、ショタボ!? 忍殺では実際珍しいショタボナンデ!?

 このロボのパイロットは少年か! そして恐らくニンジャ!

 

「おやァ!? そこにいるのはマヌケなニンジャ! 加点対象! 実際ボーナス! 100点でなく120点狙い重点! ドーモ、僕はヒャッキ・ショウ試作1号機の専属操縦士、ホワイトファングです」「ドーモ、ホワイトファング=サン、レイズです」

 

 フィヒ! おじさんねぇ、君みたいなねぇ! 可愛いねぇ、ショタ声のニンジャが大好きなんだよ! 後ろにガムが付いてるから取ってあげる(殺害宣言)

 

 はいそんな訳でボス戦開始です。初見なんよなー。

 見た感じ相手は最低野郎めいたロボに乗るショタニンジャらしいので、引きずりだしてなぶり殺しにしたいと思います。こうも殺しが少ねぇとフラストレーションが溜まっちまう。

 

 まぁ初見なので、いったん距離を取って相手の動きを見ましょうかね。ダクソ重点な。

 

「ゆけ! ヒャッキ・ヘイども!」「「「近接重点!」」」

 

 おっと、奴さんの命令と同時にさっきの無人兵器くんが三体襲い掛かってきましたね。全部クワガタか。これマリオみたいに踏みつければいけんじゃね? あ、できた。けどダメージはないよね、うん。

 

 さて、コイツの殺り方ですが、こういう取り巻きが襲い掛かってくる系のボスって大概取り巻きは無限湧きだったりするものですよね。なので、まずはそのような想定で立ち回りましょうか。

 オラそこ退けそこ退け幼女が通る! 必殺、勇者パーンチ!(空強P)

 

「知能指数の低い奴め! ヒャッキの装甲を舐めるなよ!」

 

 ファッ!? ダメージ5とかうせやろ!? いくらレイズでも普通30は出るモンやぞ!

 しかも反撃の足バタバタ攻撃も避けにくいったらありゃしません。あっ、一発もらった!

 

「ンアーッ!」

 

 ひえっ、なんつー削りダメージ。ガードしてたんよねぇ?

 え、今のどう避ければいいんだ?

 ていうかパンチ効かないのか、じゃあ、やっぱコッポも効かない? あ~んダメダメダメ!(3ダメージ)

 

 ナルホド。

 つまりこうだ、こいつはジツに弱い、俺は知能指数が高いから分かる!

 足バタ掻い潜って、そのまたぐらにぃ! 大発火だ!

 

「イヤーッ!」BOOOOOM!「イディオットめ! ヒャッキはアンタイ・カトン・コーティングが施されているのだ! カトンは無効だ!」

 

 アペ・ジツもノーダメとかうせやろ……?(絶望)

 

 こ、これは実際詰みでは……?

 

 カラテは耐性持ち、カトンは無効。デッカーガンも弾切れでナイフも……ダメですね折れました、デスヨネー(諦め)

 実際これは逃げるが勝ちのイベントでは?

 

「くははは! どうだ僕のカラテは? 実際手も足も出ないだろう! 撃て、ヒャッキ・ヘイ!」「「「弾幕重点!」」」BRATATATATATATATATA!「「「敵弾重点!」」」KABOOOOOM!

 

 ひえーっ! クォレハ……負けないにしても勝てないのが実情! ここはやはり逃げの一手しかありませんねぇ!

 三十六計逃げるに如かずと言いますし、アッシはここらでドロン致しやす。じゃ、俺ギャラもらって帰るから(逃走)

 

「むっ、きさま待て! 逃げるんじゃない! ヒャッキ・ヘイ! あいつを逃がすな!」「「「追跡重点!」」」

 

 あ~ばよとっつぁ~ん!(神出鬼没の大泥棒並みの捨て台詞)

 待てと言われて待つのはちゃんと飼育されてるワンちゃんだけだぜ。ワン、ワンワン!(挑発エモ)

 

 どうせだし、逃げるついでにそこらに堕ちてた無人兵器くんの残骸を……ロープで引っ張って、ヒャッキの頭部にシュゥゥゥゥゥゥゥ!

 

「グワーッ! 貴様なんて事を!」

 

 超☆エキサイティンッ!

 

 ……ん? あれ、いまコイツHPがっつり減ってなかった?

 まさか、この無人兵器くんの残骸を投げつけたら、ダメージ通る系のボス? ギミックな?

 確認の為にもう一機。

 

「グワーッ!」

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 計画通り!(新世界の神)

 

 いやぁ! いやね?

 そもそも、倒したはずの無人兵器のオブジェクトがずっと残ってるの何か変だな~ってね? 思ってたんスわ! 最初からね? ウン。

 間違いなくこれがキーになると踏んでた訳でね? ま、これくらいのギミック解くのなんてベイビー・サブミッションなんすわ!

 

 じゃ、今までの仕返しをたっぷりさせてもらおうじゃねぇか。

 

 ホラホラホラホラ!(残骸投擲)

 

「グワーッ!」

 

 ホラホラホラホラ!(残骸投擲)

 

「グワーッ!」

 

 ホラホラホラホラ!(残骸投擲)

 

「グワーッ!」

 

 FOOOOO! 気持ちいい^~!

 

 ヒャッキの攻撃モーションは概ね既にイクサで確認してるので実際高PSの私に当たる要素はもうありません。

 ギミックさえ解けばもう、この通り! HPバーもあとちょっとでなくなっちゃうね? カワイイねぇカワイイねぇ!

 

「グワーッ! ブッダファック! 背部ラックが脱落だと! 何ぃ!?」

 

 おっ、いいねぇいいねぇ! 何やオメェおあつらえ向きに良いモン落とすじゃねぇかよ、エ?

 このボス作った人はユーザーの気持ちをようわかっとる。最後に気持ちよく終わらせてくれる最高のボスじゃ。

 ほらよ! テメェの最期はテメェのパーツでフィニッシュだ! 

 

 脱落したパーツに近づいて、ロープ引っ掛けて……ぐーるぐーる!(錬金術師並の回転)

 そして……ドリャアアアアアアアアア!(変態糞サイヤ人)

 

 アリーヴェ・デルチ!

 

「グワーッ!」

 

 あばよヒャッキ、おまえもまさしく強敵だった(決め台詞)

 

 ま、こんなもんですわ(玄人の風格)

 

 初見のボス相手に被弾数回で撃破できるあたり、ワイってやっぱこのゲーム上手いんやなって……。

 ……HPバーがゼロになってるはずなのに撃破アナウンスないのナンデ?

 

「アー! ブルシット! こうなったらアレをやりますよ、ノキアミ=サン!」

 

 アレ?

 

「合体だァーッ!」

 

 第二形態とはたまげたなぁ(諦観)

 

 

 

◆ーーーーーーーーーー◆ーーーーーーーーーー◆

 

 

 

 ヒャッキ・ショウから放たれた電脳コマンドは、まさに獣の咆哮そのものだった。そして個にして群を成す鉄機兵は、即座に鋼鉄の長の招集に従った。オオヌギ地区全域に散らばっていた稼働状態のヒャッキ・ヘイ全てがたった一人のニンジャを殺すべく乾坤一擲の決戦形態を敢行するのだ!

 

「後部補助脚部、パージ!」まずヒャッキの八本足のうち後部四本がオミット。「前部主要脚部、接合!」ついで前部の脚部四本が前後脚部で折りたたまれ、蒸気を噴き上げ二脚接合。「対ニンジャ近接カラテ形態、システム総じ緑な!」二脚となったヒャッキのつま先から各部位目掛け、従順ヘイがその身を鎧とすべく次々と登攀装着。「カラテ!」「ニンジャ!」「ヨロイ!」暗銀の装甲は見る間にヘイの外殻を纏い屹立!

 

 次いでパージされた後部脚部が中心線で連結解除され、運搬ヘイ群が将に献上。ガギン! と分裂後部パーツがガントレットめいて左右前腕装着!「カラテ合体!!」操縦士が高らかに声を上げ、百鬼を率いる巨大鎧武者は力強く拳を打ち鳴らした。「ヒャッキ・ムシャ!」BOOOOOM! ムシャの背後で不必要廃部ラックが爆発炎上!

 

「エルボー・ロケットォ!」BOOOOOM! 先攻はヒャッキの拳だ。虫めいて地上にいるレイズ目掛け、肘部ジェット噴射を伴った右鉄塊拳が振り下ろされる! 無論、レイズに大味なカラテが通じるはずもないが、CRAAAAAASH! ヒャッキのカワラワリ・パンチはオオヌギの脆い地表を割り砕き、蜘蛛の巣状の亀裂を生んで壮絶な砂塵を巻き上げた!

 

 次の瞬間、砂塵の中から小さな影が飛び出した。カトンの線を引くあの矮躯はレイズ。大質量カラテ余波を意に介さず、傷だらけのインバネスコートがなびく。稲妻めいて疾駆する影はヒャッキの鈍重足払いを悠々と跳躍回避。「イヤーッ!」直線軌道で突貫し。炎を纏ったパンチを鉄鬼の胸部装甲に叩き込む! BOOOM! しかしヒャッキ・ムシャはノーダメージ!「無駄だと言っている!」

 

「イヤッ! イヤッ! イヤッ!」勢いそのまま右肩に登攀したレイズは間髪入れず側頭部に連続カラテを振るった。「イィヤァーッ!」装甲の継ぎ目が緩んだところに、全力カラテストレート! 追加装甲がひしゃげ爆発四散! 爆炎の端から巨大な影が迫る。ヒャッキの掌だ。レイズは大きく跳躍して巨人の背後に着地しカラテ警戒を厳にした。

 

 のっそりと、鋼鉄の鬼が振り返る。鉄の軋む音が獣の唸りめいて響く。「残念! ノーダメージ! ヒャッキはムテキだ!」レイズのニンジャ観察力は、先ほど爆発四散させた追加装甲がウロコめいて脱落し、空いた隙間に新たなヒャッキ・ヘイがその身を以て装甲を埋めた様を見て取った。「言っておくが、エネルギは随時装甲ヘイから供給される仕組みだ。その上、ヘイの数もまだまだある。貴様は所謂、詰みだ」狭いコクピットの中、ホワイトファングの幼い相貌に不似合いな嗜虐心が浮かび上がった。

 

 カラテは通じぬ。ジツも無意味。フーリンカザンは敵のモノ。弾切れスシ切れジリー・プアー。実際レイズの現状は絶望的と言わざるを得ない。しかし、おお……見よ! レイズの幼げな双眸には篝火めいて不屈の意思が猛っている!「私は、絶対に死なない……」ごく小さな呟き、それはレイズ自身にしか聞き取れない不退転の決意の表れであった。「跪け! 忠誠を誓え! 今なら僕の配下にしてやる!」レイズは拳を握りしめ、不屈のカラテを構えた。「やってみろ……!」




◆忍◆ニンジャ名鑑#■■■ 【ホワイトファング】 ◆殺◆
 キラボシ・マーセナリーズ所属。小柄なティーンエイジャー。
 カラテは弱いが、ニンジャと比してなお圧倒的な情報処理能力を持つ。ラバーズに心酔している。
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