【忍殺実況】ヤモト・コキ育成計画.mp0【完結】 作:いらえ丸
(今回実況パートはほぼ)ないです。なので前話より少し短いです。
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#GOKUHI:ESIAR:上記指定日時に、上記指定エリアに向かえ。 ///
#GOKUHI:ESIAR:私に従え。 ///
#GOKUHI:SS:腐れハッカーめ。俺の知った事じゃねぇな。 ///
#GOKUHI:ESIAR:お前にとっても、悪くない話のはずだ。 ///
#GOKUHI:SS:何の話だ。 ///
#GOKUHI:SS:そもそもテメェは何処の誰だ。 ///
#GOKUHI:ESIAR:明かす事はできない。 ///
#GOKUHI:SS:なんで俺にこんなふざけた事しやがる。理由を言え。 ///
#GOKUHI:ESIAR:明かす事はできない。 ///
#GOKUHI:SS:最高だね、笑えるぜ。 ///
#GOKUHI:ESIAR:協力してほしい。 ///
#GOKUHI:SS:信用できねぇ。 ///
#GOKUHI:SS:俺は忙しい。 ///
#GOKUHI:SS:ブルシット。答えはノーだ。 ///
#GOKUHI:ESIAR:少し待て。 ///
#GOKUHI:ESIAR:た ///
#GOKUHI:ESIAR:少し待て。 ///
#GOKUHI:ESIAR:仲間が捕まっている。 ///
#GOKUHI:SS:で? ///
#GOKUHI:ESIAR:カネモチ・インフェルノ事件の真実を知るチャンスかもしれない。 ///
#GOKUHI:SS:カネモチ? 真実だと? ///
#GOKUHI:ESIAR:Nもいる。恐らく私より強い。 ///
#GOKUHI:ESIAR:私一人では手が足りない。 ///
#GOKUHI:SS:機動隊が行くんだろ。 ///
#GOKUHI:ESIAR:お前でないと意味がない。 ///
#GOKUHI:SS:だとしても、俺は市警と協力する。 ///
#GOKUHI:SS:テメェよりはまだ信用できるからな。 ///
#GOKUHI:SS:情報ありがとよ。俺は俺でやらせてもらうぜ。 ///
#GOKUHI:ESIAR:少し待て。 ///
#GOKUHI:ESIAR:少し待て。 ///
#GOKUHI:ESIAR:少し待て。 ///
#GOKUHI:ESIAR:助けて、叔父さん。 ///
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夢を見ていた気がする。時系列や登場人物もバラバラな支離滅裂なシーンの連続。現実逃避で折るオリガミ。友と折るオリガミ。イクサ支度で折るオリガミ。決して長くない人生はオリガミと共にあったのだと思う。朦朧とする意識の中、ヤモトはバイオ水牛めいた鈍さで覚醒した。
「目が覚めたかい?」聞き慣れない声。瞬時に状況判断してカラテを構えようとしたヤモトだったが、手足に強い抵抗があり、身動きができない。堅く重い椅子に拘束されている。視界は薄暗く、呼吸に混じる埃は屋内のもの。ジャージは脱がされ、装束姿だ。装備は何故か揃っている。メンターに叩き込まれたイクサ・セオリーがヤモトのニューロンを急速に冷却した。「あなたは?」ヤモトは氷めいて問うた。
「アイサツはしたよ。一方通行だったが……」そういうと、声の主はメンポを外し、羽根付き帽子を脱いだ。その顔には既視感があった。「アラン=サン?」にやり、とアランは口の端を歪め、舞台役者めいてオジギした。「ドーモ、ヤモト・コキ=サン。今の私はキラボシ・マーセナリーズのラバーズです」「ドーモ、ラバーズ=サン、ヤモト・コキです」アイサツをされたならば、返さなくてはならない。メンターの教えにあったニンジャ同士の礼節である。これを疎かにすれば、不利益なインシデントしか起こらない。今激昂されると、確実に殺される。
「ふふっ、アイサツもバッチリ。冷静で、それでいて闘志に満ちている。ウーン、美しい……」背の高いラバーズは屈んでヤモトと目線を合わせた。「良い眼だ。真っすぐで、無垢で、迷いと葛藤に揺れている。過去と、未来と、現在に……怯えているんだね」ラバーズはヤモトの双眸を覗き込んだ。ヤモトは意思力を重点して睨み返した。「ここは何処? アタイをどうするつもり?」
「ハハハハハッ!」ヤモトの問いに、ラバーズは高らかに哄笑した。「君のメンターは優秀だったようだが如何せん時間が足りなかったか。本来、次の問いは私からなんだがね? まぁ仕方ないよね、君はニンジャになって日が浅い。若いんだ、そうでなきゃあ!」なおも嬉しそうに笑むラバーズに、ヤモトは得体の知れないモノでも見るような目を向けた。努めてニンジャ的本能を抑え込んでいるヤモトは、問い返しを理解できない。教わっていないのだ。「答えようじゃないか。ここはオムラのとある開発チームが使っている秘密の地下研究施設。これから君をどうするかは、あの娘次第さ」
ゾクリと、ヤモトの心臓が冷えた。「……あの娘?」ヤモトは自分の予想が間違っている事を願った。でなければ、また彼女が傷つく事になる。「そうとも。そろそろ来るんじゃないかな?」ラバーズは大仰に両手を掲げた。その時である。
CRAAAAAAAAAAAAAAAAAASH! 上階で激しい破砕音。次いで聞こえてくるのは怒号と銃声。KABOOOON! 爆発音! ヤモトは歯を食いしばり、全身に力を込めて拘束を解こうとするが、ニンジャの拘束具がそう容易く破れるはずもなし。「さぁ! レイズ王子のおなりだ!」ラバーズがパーティの開演を宣言した。「歓迎しようじゃないか!」
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BRATATATATATATATATA! BLAMBLAMBLAM! BOOOM! BOOOM! KABOOOOM!「「「グワーッ!」」」「「「グワーッ!」」」「「「グワーッ!」」」
銃弾の雨を掻い潜り、疾風の影が駆ける。影の動きには一切の遊びがなく、最速で効率的な殺戮軌道を描き疾駆。「「「グワーッ!」」」瞬きをした間に警備クローンヤクザの首が複数飛んだ。舞い上がった生首は味方警備員の一斉射で即ネギトロ!「「「グワーッ!」」」射撃ヤクザ瞬殺!
「「「重点! 重点な!」」」クローンヤクザを狩りつくしたその時だ。物資搬入用エレベータに警備ヒャッキ・ヘイがエントリーしてきた。「「「包囲! 重点!」」」ヘイはシステマティックに包囲陣形を敷くが、「イヤーッ!」ニンジャが速い。飢餓肉食獣めいた殺戮者は従順なる機械兵にスプリント接近すると、懐から取り出した改造スタン警棒を叩きつけた!「ピガーッ!」
一切惑わぬ。殺戮者は一時停止したヘイをロープで縛りつけ、「イヤーッ!」「ピガーッ!」即席フレイルとしてリサイクルした!「ピガーッ!」即席フレイル殴打で一機破壊! 「ピガーッ!」即席フレイル殴打で一機破壊! 「ピガーッ!」即席フレイル殴打で一機破壊!
「ピガ……ピガガガ……」残る機能停止寸前のヘイを踏みつぶし、エレベーターに近づく。その時だ! CRAAAASH! エレベーター隔壁を突き破った巨漢ニンジャのエントリーだ!「ドーモ、レイズ=サン、キラボシ・マーセナリーズのアーマーナイトです。覚悟!」「ドーモ、アーマーナイト=サン、レイズです……死ね」
アイサツ終了後コンマ以下秒、両者は彼我の距離を消し飛ばし激突!「「イヤーッ!」」拳が迫り、コッポ・ドーが閃く。打ち合い、捌き合い、鬩ぎ合う。息もつかせぬ攻防はやがて不可避の終焉へと向かっていく。
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
「イヤーッ!」「グワーッ!」完璧なタイミングでレイズのボールブレイカーが炸裂し、アーマーナイトの痛覚が閾値を超越した。「イヤーッ!」「サヨナラ!」ナムサン! サマーソルトキックを受け首がねじ切れたアーマーナイトはしめやかに爆発四散した。インガオホー!
レイズはアーマーナイトの事など忘れ、地下に続く階段を降りた。地下通路を歩いた先のリラクゼーションルームに、一人のイアイド・ニンジャが座していた。「ドーモ、レイズ=サン、キラボシ・マーセナリーズのエピタフです。我がカミナリ・イアイドの錆にしてくれる!」「ドーモ、エピタフ=サン、レイズです……死ね」
アイサツ終了後コンマ以下秒、両者は彼我の距離を消し飛ばし激突!「「イヤーッ!」」カタナが迫り、コッポ・ドーが閃く。打ち合い、捌き合い、鬩ぎ合う。息もつかせぬ攻防はやがて不可避の終焉へと向かっていく。
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
「イヤーッ!」「グワーッ!」完璧なタイミングでレイズのボールブレイカーが炸裂し、エピタフの無防備股間が沈黙した。「イヤーッ!」「サヨナラ!」ナムサン! ダーカイ掌打を受け首がねじ切れたエピタフはしめやかに爆発四散した。ショッギョ・ムッジョ!
レイズはエピタフの事など忘れ、地下に続く階段を降りた。地下通路を歩いた先の食堂に、長身痩躯の赤ひげニンジャが座していた。「ドーモ。レイズ=サン、キラボシ・マーセナリーズのバルバロッサです。貴様のようなガキ、瞬殺だ」「ドーモ、バルバロッサ=サン、レイズです……死ね」
アイサツ終了後コンマ以下秒、両者は彼我の距離を消し飛ばし激突!「「イヤーッ!」」チョップが迫り、コッポ・ドーが閃く。打ち合い、捌き合い、鬩ぎ合う。息もつかせぬ攻防はやがて不可避の終焉へと向かっていく。
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
「イヤーッ!」「グワーッ!」完璧なタイミングでレイズのボールブレイカーが炸裂し、ナムサン! バルバロッサの意識が月まで吹き飛んだ。「イヤーッ!」「サヨナラ!」フォーリャセッカを受け首がねじ切れたバルバロッサはしめやかに爆発四散。ナムアミダブツ!
レイズはバルバロッサの事など忘れ、地下に続く階段を降りた。地下通路を歩いた先のトレーニングルームに、闘士めいた屈強な体躯のニンジャが座していた。「ドーモ、レイズ=サン、キラボシ・マーセナリーズのホプロマクスです。練りに練った我が古代ローマカラテの神髄、その身を以て味わうが良い!」「ドーモ、ホプロマクス=サン、レイズです……殺してやる」
ホプロマクスと名乗ったニンジャは獅子めいて勇ましい構えをとった。その立ち姿、油断ならぬカラテの持ち主に相違ない。「さぁ来いレイズ=サン、貴様の信念を見せてみよ!」レイズは殺意に満ちたコッポ・ドーを構え、ジリジリと間合いを測った。両者の間に不可視の稲妻が迸る。決死のイクサが始まった。「「イヤーッ!」」
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「ヒャッキ・ヘイ投入! 投入重点!」「全機沈黙! シレモノはなおも進行! 阻めません!」「キラボシ・マーセナリーズより待機ニンジャが到着! イクサ開始しました!」「うわっ、ニンジャが死んだ!」「シレモノ進行! 地下に!」「キラボシのニンジャ到着! イクサ始まりました!」「ニンジャ戦死!」「シレモノ地下へ進行!」「キラボシのニンジャがイクサ開始!」「ダメです! 突破されました!」「「「アイエエエエエ!」」」「ホプロマクス=サンとイクサ開始! いいぞやれ! やれ! コロセー!」「「「コロセー!」」」
ノキアミ率いるヒャッキ開発チーム秘密施設警備管制室は、ハチの巣を突いたような喧騒に包まれていた。怒号めいた指示と悲鳴めいた報告が絶える事なく響き渡り、非常時に不慣れな研究者達は誰もかれもが混乱のるつぼにあった。
そんなケオス極まる管制室中心に、開発チームリーダーのノキアミが憤怒の形相で座していた。「ええい、ラバーズ=サンは何をしている!」ノキアミは怒っていた。役に立たない傭兵警備ニンジャをいくら派遣したところでヒャッキのデビュー戦を邪魔したあの白髪ニンジャを止める事はできないのだ。タツジンにはタツジンをぶつけるしかない。
「ノキアミ=サン! キラボシ・マーセナリーズとの通信不可です! ラバーズ=サンとの通信繋がりません! 何処にいるのかも不明!」「なにやっとるかァー!」怒りのあまりデスクに拳を振り下ろすノキアミ。無意味なはずの行為はしかし、如何なる偶然か蜘蛛糸めいて希望の道筋を照らし出す事となった。いくつもの書類がフジサンめいて積みあがったデスクから、ひらりと一枚のメモ用紙がノキアミの膝に舞い落ちる。邪魔な紙を放り捨てるべく手に取ったノキアミは見た。これは、ラバーズとの直通番号!
ノキアミは急いでIRC端末を操作しコールした。それはかつて、プライベートでラバーズがノキアミに手渡ししてきたものだ。あの時はすぐに捨てるつもりで手に取ったが、今こうして希望が繋がった。ノキアミは久々にブッダに感謝した。「ドーモ、ノキアミ=サン、ラバーズです」端末から声、音声通話が繋がった。ノキアミは沸き上がる焦燥を自制して言葉を選んだ。「ハァーッ! ハァーッ! 現在、我が研究室がニンジャの襲撃を受けている。君のところのニンジャも何人かやられた。君の出番じゃあないのかね?」
「フフフ……」端末越しの笑声。ラバーズの美声には慣れたはずのノキアミの耳朶が幸福感に包まれた。だが、今はそれどころではない、「聞いているのかねラバーズ=サン、緊急事態だ、キラボシのニンジャも死んだのだぞ」「ええ、ええ、存じております」「なに?」ノキアミは訝しんだ。その物言いではまるで、現状を把握しながらも傍観者の目線でいるような。「私、現場におりますもの」「だったら行けー!」しかし怒鳴り声はノーレン・プッシュだ。「お断りします」「なん……ッ!?」
「ネオサイタマでの遊びはおしまい。そろそろ故郷のスシが恋しくなってきまして、お暇しようかと」「なにを……!」「私、キョートのニンジャなので。つまり、そういう事です」「キ、サ、マ! 裏切ったなァーッ!」ノキアミの怒りが頂点に達した。鍛え上げられた太い腕がうなり、デスク上の全書類が吹き飛んだ。「順序が違いますよ。ですが、貴方がもっと早く私を誘ってくれれば、貴方だけの私になってさしあげたのに……女を寂しくさせるのは罪ですよ、ノキアミ=サン」「バカ! バカ! スゴイ・バカ! 契約違反だぞ!」ノキアミは憤死寸前だ。
「サヨナラの前におひとつ。此処はもう終わりなのでお早く逃げる事をお勧めしますよ。さもないと……」視界の端でドアが開いた。やがて、BLAM! 聴きなれない銃声。凶器の持ち主はシレモノでもヨタモノでもない、国家権力の象徴であった。「ネオサイタマ市警所属のクラダだ! 君らもう包囲されてっから! 諦めて投降しドゲザしろ!」「おやおや、お早いご到着で。ちょっと段取りと違うような……? まぁいずれにせよ」サヨナラです。通信が途切れた。「「「アイエエエエエエエ!」」」研究室に職員の悲鳴が木霊する。「「「大人しくしろー!」」」ケンドー機動隊突入! ノキアミはIRC端末を落とし、静かに絶望した。
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遠くで響く喧噪を聞き流しながら、非常灯の点いた薄暗い廊下を歩く。上階ではネオサイタマ市警が突入し、本社に尻尾切りされた元オムラ社員が必死の抵抗をしているのだろう。レイズにとって、それら全ては興味の埒外であった。
ぽたり、ぽたり、レイズの歩いた後に血の雫が落ちていく。先のホプロマクスとのイクサによる傷がまだ癒えていないのだ。しかし、傷の大小は足を止める理由にはならない。今はとにかく、時間とのイクサだ。
やがてレイズは大きな扉の前に立った。奥からひときわ強いソウルを感じ取れる。誘っているのだ。それと馴染みがあるソウルの感覚も。胸中に広がる少しの安堵感、気のせいだ。レイズはホルスターのデッカーガンを確かめつつ、ゆっくりと扉を開けた。
室内は倉庫だった。中央に大きく空けたスペースがあり、四方をコンテナや機械部品の箱を収める骨組み棚が囲んでいる。一瞬の環境把握の後、レイズの視線は中央スペースの奥に注がれた。バン! と音を立てて天井ライトが点灯し。ソレの全容を照らし出す。椅子に拘束され、身動きの取れないヤモトと、傍らで立つニンジャの姿を。
「やぁやぁドーモドーモ、よく来てくれたねぇ」肩マントのニンジャが静寂を破った。レイズは機械人形めいて無表情だ。「ンー、怒りに任せて暴れない、というのも高得点だ。実際私がこの娘に何をするか分からないからね」三角帽のニンジャはヤモトの顎を撫でた。ヤモトは無言で耐えている。「私は美しいモノが大好きでね。それでいてコレクター気質なんだよ。未成熟であるならなお素晴らしいと思っている」歌劇めいてヤモトの周囲を歩く華美装束のニンジャ。広い倉庫に堅いブーツの音が響く。「交渉さ、タント・チョクニュに訊くよ。私のモノにならないかい?」
「「お断りだ!」」インシデントは刹那のうちに起こった。まず動いたのはレイズ、デッカーガンを取り出し発砲。次に動いたのはヤモト、手枷足枷をエンハンスメント爆破で開錠しサマーソルトキック。最後に動いたのはラバーズ、迫る弾丸を見て、解放されたヤモトのカラテを見て、さてどうすれば愉しいか考えてから。「そうこなくっちゃ」それら全てに対応した。
ラバーズのカラテが躍動する。右手をオキツネ・サインにして重金属弾をつまみ取り、一歩踏み込んですり抜けるようにしてヤモトのカラテを回避。すれ違い様、ヤモトの髪を撫で、「ンアーッ!」軽く押す要領で投げ飛ばした。BLAMBLAM! 追撃の弾には手中の弾頭を弾き跳弾させ対処。なんたるカラテ、なんたる瞬時の判断で欲望と見栄を両立させたムーブか!
「まず一度心をへし折ってあげよう」両手を広げて見得を切るラバーズ。彼女の装束、マントの内側から大量の羽根が舞い上がり疑似的な花吹雪を演出する。「ドーモ! ドーモ! サークル・ミカンのお二方! 私はキラボシ・マーセナリーズの元リーダーにして、ザイバツ・シャドーギルドのエリートエージェント! この世全ての美を収集する恋多き探求者! 人呼んで、“虹”のラバーズにございます! ドーゾ、お見知りおきを」ラバーズは英国紳士めいて大仰にオジギした。「ドーモ、ラバーズ=サン、ヤモト・コキです」ヤモトの首に桜色スカーフ・メンポ生成。
「……やっとだ」レイズの胸に、これまで燻っていた感情が沸き上がる。「この時を、どれだけ待ったか……」禁が解けていく。自我の奥底、堅く閉じていた感情が、暴れ狂って泣き叫ぶ。「お父さん、お母さん……」徐々に、徐々に、レイズの人間性が表出していく。「ぶっ殺してやる……!」
「……ドーモ、ラバーズ=サン」ソウルが爆ぜ、制御下にないカトンが吹き上がる。黒のコートが翻り、赤のマフラーに炎が宿る。パン! と柏手を打った掌に火花が散った。「私の名前はレイズです」虚無を讃えた双眸に、憎悪の火が灯った。「貴様を殺す者の名だ!」
ーーーーーーーーーー読み込み中なーーーーーーーーーー
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
◆忍◆ニンジャ名鑑#■■■ 【ラバーズ】 ◆殺◆
ザイバツ所属。マスター位階。真のニンジャネームは「プリンシパル」。
新たなグランドマスターの席を狙う野心家であり、既に相応の実力を有している。