【忍殺実況】ヤモト・コキ育成計画.mp0【完結】 作:いらえ丸
……いやたくさん誤字がある事がよくないのは分かってはいるんですけど。ともあれ誤字報告兄貴謝謝茄子!
それと、いきなりドバーッと感想がきてクッソびっくりしましたが、クッソありがたかったです。続けて謝謝茄子!
オウイエスカマンスーハースーハーな実況プレイはーじまーるよー。
前回はヤモト=サンに誘われてお買い物にいく寸前で終わりましたね。
で、今現在は二人でバイク乗って目的地に向かっているところです。
普通にビュビュッとファストトラベルする事もできるんですけど、今回は道覚える目的でぶんぶん走っています。
それとですが、録画の関係で撮れなかった部分の話なんですけど、お着換えする時にヤモっさんにスケベェ……な服着せようとして「決定」押したら拒否られるというインシデントがありましたね。さすが絶対防御スカートの持ち主ってな感じで。
で、ランダムで選んだ某自我まで鋼鉄に武装する系女子めいた大正女学生の服ならOKってなったんでバイクのってみたら、悲しい事にハカマがバイク貫通しちゃって……。
私そういうの気にする人なんですよね。イメージしづらい兄貴はアレですよ、モンハンで防具と武器が干渉し合ってるの見てモニョる感覚です。マントは鬼門な。
そういう訳で、もう適当でいいやって思ってまたランダムしたら良い感じのパンクな服が出てきたんで、二人ともソレ着せました。実際バイクが良く似合う。
はいそうこうしてるうちに目的地に到着しました。
ここは……ショッピングモールじゃな?
とりま立体駐車場にバイクぶち込んで中に入るゾイ中々ゾイ!(DDD)
「こういうところ来るの初めて。ちょっと、楽しみかな……」
あっ、そっかぁ……(悲哀)
ヤモト=サン、けっこう暗い思春期送ってたっぽいっすからねー。
んで店内は、意外に広いっすね(レ)
◆拠点の設備を整えよう◆
おっ、ミッションが出ました。買うべきもの一覧も表示されてますね。
それと、でかでかとチュートリアルもポンと出てきましたがまぁ読まんでも何とかなるやろ(適当)
どうやら、店内ではヤモト=サンが後ろからついてくる仕様のようです。これ龍が如くで見たゾ。近くで立ちっぱなしだったら手つないだり……あ、ダメみたいですね。素直に指定されたアイテムを買いに行きましょう。
エート? 必要なのは……クランメンバー分の寝具、クラメン分の椅子と全員同時に使える机。それと戦略チャブかボードか、そういうクラン管理用アイテムと。こんなけでええの?
とりあえず、お店が近いのでフートンを見に行きましょうか。
おう、おっちゃん! この店で一番いいフートンくれや! 14万!? うせやろ?
GTさぁ~ん、俺知ってるんですよ~?(交渉開始)
あぁ……ダメみたいですね(交渉失敗)
交渉系のスキルなんてレイズちゃんが持ってる訳もなく完敗。定価で買うハメになったパコ。普段のプレイだったら殴って値切るんですけど、今回は奥ゆかしさ重点なのでNGだ。ケッ、テメェが今生きてるのは俺が優しいからだぜ。
ともかくフートンは手に入れたので次だ次。机はどこに売ってんだ? 店内マップは……ちょっと歩く事になりそう。
まぁいいや、歩こう。ヤモト=サンと並んでお買い物したいだけの人生だった。
ん……?
あそこのゲーセンエリアの景品コーナーにあるの、「モチヤッコぬいぐるみ(特大)」じゃないか!?
ま、まさか……あの抑えたViolenceは……!?
ヤツ……!?
んほぉぉおおお!(全力スプリント接近)
こいつは重畳! 実際レアですよクォレハ! ヒャッハー! 水だァー!
現金で買いたいところですが、残念ながらこのアイテムはミニゲームの景品なので実際スコアを頑張らないといけません。ポイント集めイクゾー!
デッデッデデデデッ!
ちーん(笑)
あぁ……(腕が)落ちたねぇ……。
実際この戦車ミニゲーム、普段あんまりやってないので、高スコア出すのキツいっすね。慣れが必要そうな。
んー、もっとこう良いのないかな?
おっ! パラッパな感じの音楽ゲームあるやん! やりますやります!
これ、収録楽曲にニンジャスレイヤー=サンがニンジャを殺す時に流れる曲があるんですよ。一時期、気が狂う程パラッパまみれになってましたねぇ!
さっそくプレイ開始や!
今度こそイクゾー! デッデッデデデデッ! カーン!
(カット!)
う、うーん……ちょっと普通、3点。
こう、思いっきりひでぇスコアって訳でもなく、誇れるほど高いスコアって訳でもなく、普通なスコアになりましたね。ま、やってたの本作発売直後だし多少はね?
えーと次、なんかあるかな?
お、あそこにあるのはUFOキャッチャー……じゃなくて、クレーンゲームじゃないの。並んでるのはアレは、ナンシー=サンぬいぐるみですね。カワイイ!(伝超サ並感)
これも景品ポイントになるのでやってみましょう。見とけよ見とけよー(コイン投入)
オォン!(横軸操作)
アォン!(縦軸操作)
あぁいいよいいよいいよぉ~(アーム降下)
ファッ!?(取り落とし)
あぁ……。
ふざけんな!(全ギレ)
お前もう生きて帰れねぇなぁ!?
こちとら何人ニンジャ殺してきたと思っとるんじゃ! 金ならある! 取れるまでやってやっかんなゴルァ!
今度こそイクゾー! デッデッデデデデッ! カーン!
(1919倍速……)
や り ま し た
くぅ~疲れましたwこれにてミニゲーム終了です!
ポイントは十分貯まりました。景品交換所に行きましょう。
おう、おっちゃん! そこの巨大モチヤッコくれや!
「あいよ、大事にしてくんな」
やったぜ。成し遂げたぜ。やりにけり。ブラボーブラボー!
ああ^~、たまらねぇぜ(大喜びエモ)
何で景品アイテムひとつでこんなに歓喜してるかってーと、理由は単純。この「モチヤッコぬいぐるみ(特大)」という拠点配置インテリアの効果が実際良いからです。まぁ普通にレアだからってのもありますが。
その効果というのが、これを拠点に設置するとPCに好感度上昇バフが付くというものです。唯一無二の固有永続バフです。
好感度バフの何がいいって、組織に入ってたら上司からの覚えめでたく昇進しやすくなりますし、某天狗との会話パートでも譲歩されやすかったりするんです。
加えてモチヤッコの前でザゼンすると「ニンジャ邪悪さ」が微減し続けるんですよ。これ普通に凄いんですよ。邪悪さって減らそうと思うとボランティアとか人助けイベしたりしなきゃなのでね。実際面倒なのだ。
いやー、にしても運が良かった。これさえあればいくらでも邪悪な事できるな!
おっと、ゲーセンで遊んでると何時まで経ってもミッション終わらないな。そろそろ家具を買いに行こう。
えーと? フートンは買ったねんな。
あとは、椅子とかテーブルとかか。
でも椅子言うたかてどないせえっちゅうんじゃい。椅子? ソファーでええんか?
人数分のソファーでええなら、この如何にも悪のボスが座ってそうな黒革のソファーが格好ええ思うんやけど。はいポチーで。
あ、椅子にチェック入ったね。
でも、何か足んねぇよなぁ? このダイニングチェアも買っちゃいましょう、ポチーで。和室用の座布団もポチーで。おっ、この座椅子もいいッスねぇ、ポチーで。
それじゃ後は机と管理用アイテムと……。
机はさっき買ったソファーに合う感じのこのローテーブルと、飯食う用のダイニングテーブル。色々あるなぁ……あっ、そこの公園でいい男が座ってそうなベンチもください! これどこに置こう?
管理用アイテムは、この如何にも学園アニメの生徒会室にありそうなアトモスフィアのホワイトボードくんでええやろ。ノスタルジック重点! 高機能戦略チャブって何だよ(困惑)
ついでやし家電とかも買おうかな。
冷蔵庫は某シムゲーみたく中に手を突っ込むと大抵の食材が入ってる不思議な家電なので、全性能が最高の一番高いコレを買います。おっちゃん! これくれ!
追加で飲み物用の四面ガラス冷蔵庫も買っちゃうゾ^~。コイツぁ中に入れたものが反映されるので、中には常に飲み物をギュウギュウに詰めてあげましょう。ギュウギュウになるまでやるからなー?
ついでに拠点の「環境」を良くする為に空気清浄機も買いましょうか、もちろん最高級のモノを。炊飯器も洗濯機も掃除機も一番いいのを頼む(72)
キッチン用品もセット購入しましょう。もちろんこれも一番いいのです。各種お料理アイテムも全部揃えましょう。これまではDIYしたボロまな板とか使ってましたからね。最高級のまな板を頼むぜ、まな板をよ頼むぜまな板をよ!
FOOOO! ずっと節制してきたからか、有り金溶かすのは気持ちいゾイ!
おじさん、思い切ってもっともっと散財しちゃうぞー!
じゃ、ちょっとこれからモール中かけまわって散財する映像が流れるんでね。家に帰るまで倍速かけまーす。ポチッとな。
(ニンジャ買い物中……)
入って、どうぞ(ガレージ)
バイクで拠点にファストトラベルすると毎回ガレージに駐車するムービー入るの地味に好きですね。ロボットアニメで機体が整備士に取り囲まれてる画ぐらい好きです。わからない? わかれ。
はいかえってきましたマイハウス。帰宅後、いつの間にか玄関先に大量のダンボールが投棄されてるのシュールですね、大型荷物はこのように届けられます。色々ダイジョブ?
あと、ちょっと……買いすぎたかな? まぁ金はまだあるし、ええやろ。
さて、二階に上がったら買ってきた家具をどんどん配置していきましょう。こう、置きたいモノを置きたいところにドーンとな。家具置きまくるだけなので軽く倍速かけます。
ソファーとかはこの広い空間でいいでしょ。ダイニングテーブルはキッチン近くのここにして、冷蔵庫はここに。スシセットと炊飯器はここに置いて、ホワイトボードはどうしよう? まぁ適当にここでいいか。
「レイズ=サン、私はどこで寝ればいい?」
◆クランメンバーに部屋を割り振りましょう◆
ん? またチュートリアルが出てきましたね。
軽く読んでみると……なるほどクランのメンバーにはそれぞれ私室を与えるといい事があるみたいですね。
どうやら自分用の部屋がない場合、拠点住みクラメンは拠点内にある睡眠可能なオブジェクトを使って寝るらしく、そうすると休息による回復効率が悪くなるとか。現状のヤモト=サンの場合、疲れたらリビングのソファーで寝るらしいです。
ちなみにソファーで寝るのは体力回復の効率がウンチなので論外です。なので、ヤモト=サンには私室を与えます。ま、部屋は普通に余ってるしね。
この余ってる和室をヤモト=サンの部屋にします。
◆このエリアを「ヤモト・コキ」の部屋にしますか?◆
そうだよ(決定)
ついでに最高級のフートンも置いてやろう。その他はまぁ「おまかせ」で。説明によると時間経過でキャラごとのルームメイクをしてくれるそうなので楽しみに待ちます。
「ありがとう。何から何まで」
ユウジョウは見返りを求めないのさ(至言)
まぁどっちかってーとレイズちゃんとヤモト=サンの関係は友達ではなく師弟なんですがね。メンターはアプレンティスの面倒を見なくっちゃあな。弟子が励んでる最中に身も心もスッキリするお店に行くようなどこぞのクソ師匠は見習ってほしいものです。
そんな感じで拠点を整えたら今度こそ本格的にトレーニングだ! もう夕方だけど、とにかくトレーニングだ!
やり方はさっき覚えました。このスケジュール管理用のアイテム、今あるのはホワイトボードですね。これを調べてスケジューリングしていきます。
まず、ホワボに近づいて「管理メニュー」から「メンバー管理」を開きます。するとクランに入ってるキャラの一覧が出るので、何かしらやらせたいクラメンを選択します。今回は「ヤモト・コキ」ですね。
現在、我が名無しのクランでヤモト=サンは「待機」の状態にあります。これは文字通り待機している状態で、トレーニングもビズも何もしてない状態の事をいいます。カメラを動かしてヤモト=サンの方を見てみると、ダンボール運んで自室に向かってますね。作りが細かい。
で、「待機」になってる部分を選択し、いくつか選択肢がある中の「トレーニング」を選びます。したらまたいくつも選択肢が出てきますので、その中からやらせたいトレーニングメニューを選べば良いと、そんな具合ですね。
とりあえず今は筋力重点で「ニンジャバーベル」を選択します。さっき買いました。「ニンジャ要素どこだよ」「ていうかニンジャに筋トレの意味あんの?」「そもそもそのバーベルでニンジャの筋トレになるの?」とか思っちゃったりしたけど私の知った事ではありません。うるせぇ! やろう! はい、アブドミナル・アンド・サイ!
ホワボから離れたらヤモト=サンがバーベルのある地下ドージョーで筋トレしてるはずです。あ、ヤモト=サン移動してますね。
それじゃ私も家具配置終わったらドージョーの方に顔を出しましょうか。
工具とかも一通り買ったんでガレージも何かソレっぽくしましょう。特に意味のない木箱とか置いちゃって……。
おぉ^~、秘密基地みたいで、ええやん(少年の眼の輝き)
そんな感じでガレージ内をごちゃごちゃし終わったら今度こそ地下ドージョーに行きましょう。
おう大将! やってるかい?
「ンッッ……! フゥー……。ンンッ……! フゥー……」
ドージョーに入ると、ヤモト=サンが汗垂らしつつ鏡の前でバーベルでスクワットしてますね。トレーニング中なので服もそれ用のジュー・ウェアに着替えてもらっています。
に、しても……。
苦悶の表情を浮かべながらバーベル担いで上下運動してるヤモト=サン。アーいい。遥かに良いです。フィヒ!
此方も抜かねば……無作法というもの……(KKSB)
という訳で頑張ってるヤモト=サンの隣で此方も筋トレしましょう。はい、モスト・マスキュラー!
どうやらTIPSによるとトレーニングしてるキャラと同じエリアでPCがトレーニングするとボーナスが付くらしく、お互いのトレーニング効率が上がるらしいんですよ。
はい! ヤモト=サンいいよ! キレてるよ! キレてるよ! そこまで絞るには眠れない夜もあったろう! 肩にちっちゃいジープ乗せてんのかい!
じゃあ二人の女の子が並んでスクワットしてる映像をバックに今回はここまで――。
「ねぇレイズ=サン」
はぁい?
「アタイ達、クラン? なんだよね? 名前とか付けないの?」
◆クランに名前をつけましょう◆
◆クラン名は「管理メニュー」でいつでも変更できます◆
あっ、そっかー。
ちょっとトレーニング中断して、ホワボに向かいましょう。あ、ヤモト=サンもついてくるのね。
んーっと、何がいいかな? 私こういうの苦手なんですよね。「迫真カラテ部」とかでよくない? いや、「迫真お嬢様部」かな? お嬢様要素どこだよ。
おっ、クラメンに「おまかせ」できるみたいですね。ピンクダイアモンズ的な? いいですね、ヤモト=サンに「おまかせ」しましょう。
「えっ、アタイが決めるの!?」
そうだよ(無茶ぶり)
ザ・ファントムとかでもええんやで。あるいは黄昏の旅団とかも好きよ私。港湾労働者組合でもええな。へへっ、無敵のコンビ!
……これ、フジキドにおまかせしたら「スレイヤーズ」とかになるんでしょうか。今度検証してみましょう。めっちゃ赤そう(小並感)
「エート、じゃあ……」
◆「サークル・ミカン」に決定しますか?◆
蜜柑ナンデ?
まぁいいですけどね。よし、今からこのクランは「サークル・ミカン」だ!
「な、なんか、恥ずかしいな……」
祝え! また一つ新たなクランが生まれた瞬間である!
◆「クラン命名」と「引っ越し」のお祝いをしましょう◆
ホントに祝うんだ(困惑)
と思ったらチュートリアル出てきましたね。なになに?
えー、まぁ特に変わった事は書いてなかったですね。何かしらの記念にお祝いパーティするとクラメンとの絆が強まるよって。今回は「命名」と「引っ越し」のお祝いみたいです。
で、お祝いの方法は簡単、みんなで御飯食べるだけだとか。祝いの席にだけ作れるメニューや注文できる料理があるみたいなので、普段のお食事とはそこが違うみたいですね。
どうせだし、今回はレイズ=サンの極まった料理スキルを振るうとしましょうか。キッチンもぜーんぶ最高の器具で統一したし、こりゃスゴイのができちゃうゾ^~。
「アタイも手伝うよ。何作ろっか」
あ、ヤモト=サンも手伝ってくれるのね。んー? じゃあ「デザート」と「サラダ」作ってもらいましょうか。
さーて、こっちは何作るべきか。あっ、その前にシャワー浴びよ。衛生ゲージがちょっと気になる。ヤモト=サン、一緒に入ら……やめときましょう。先にシャワー浴びてこいよ(イケボ)
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「イヤーッ!」真新しい調理用具が並ぶ広いシステムキッチンに、少女の甲高いカラテシャウトが木霊する。キッチンの隅でショーガムースを仕上げていたヤモトは驚いて背後を見た。するとそこには、超人的カラテ技巧でピザ生地を捏ね、円盤状にした生地をスリケン・ジャグリングめいて高速回転させるレイズの後ろ姿。その背にはタツジンめいた気迫。
「イヤーッ! イヤーッ!」続いて、二枚のピザ生地の表面に次々と魂を加えていく。ベースとなるトマトソースの赤。艶やかなチーズ。燻製サラミにオーガニックバジル。その他にも様々な食材が二つの円盤に積載されていく。左右二枚のピザそれぞれフレーバーが異なっていた。その手さばきには一切の惑いがない。
「ヤモト=サン」「ハイ」背中越しの声に、ヤモトは機械めいて応えた。「サラダお願いします」「ヨロコンデー」山なりにパスされた野菜をキャッチしたヤモトはカタナめいた包丁で次々と根や葉を裁断。以前より刃物の扱いが上手くなっていた。「イヤーッ!」背後にカラテシャウト。ヤモトは無心でオーガニック・ベジタブルを切った。
生地を仕上げたレイズは流れるようにハイテックオーブンを開き、「イヤーッ!」生地を投入した。オーブンが唸る。超高温の熱が内部の食材をピザに変えていく。メインが焼きあがる合間に、レイズは次なる行動に出た。手に取ったのはオーガニック牛肉塊。「イヤーッ!」BOOOOM! レイズの掌からカトンの炎が吹き上がった。ミディアムレア!
ローストしたビーフをヤモトに任せ、レイズは計算通り焼きあがったピザをニンジャ器用さで素早く皿に移し、ダイニングテーブルの中心に置いた。その後をサイドメニューを持ったヤモトが続き、やがてテーブル上には湯気を上げる二枚のピザと新鮮なサラダ、ニンジャ・ローストビーフが並んだ。冷蔵庫のムースが楽しみである。
席に着いたヤモトの鼻孔に、チーズの焼ける香ばしい匂いが運ばれてきた。眼を閉じ、フゥと息を吐いた。なんだか疲れた、ヤモトの胸中に安心感が広がる。その時だ。ドン、と音がしてヤモトが目を開けると、テーブル上に新たな物体が追加されていた。
それは瓶であった。表面のラベルには、「サイタマ・シュリンプ・ビール」と書いてある。レイズは右手にカラテを込め、ボトルネックカットチョップの構えを取っている。「それはダメ!」「ナンデ?」反射的なヤモトの否定に、レイズは常の無表情を返した。チョップは瓶に当たる寸前で止まった。
「レイズ=サン、今いくつ?」「12歳です」「12歳!?」未成年飲酒を止めようとしたヤモトは、レイズが予想より年少だった事に驚愕した。「え、じゃあちょっと前まで11歳だった?」「いいえ、もう少しで13歳になります」「あ、えっ、エー?」更なる驚愕にヤモトは口をパクパクさせた。キンギョめいている。
何を言えばいいか分からなくなっているヤモトを放置し、レイズは今度は栓抜きを使ってシュリンプ・ビールを開けようとした。だが、栓抜きの使い方がわからない。ニューロンを探ってみても、応答がない。レイズはビール瓶と栓抜きをヤモトに突き出した。「開けてください」「ダメ!」再起動したヤモトは瓶をひったくると、ドリンク用冷蔵庫からジンジャーエールを二つ持ってきた。
「おサケはハタチになってからだよ、レイズ=サン」トクトクトク……。レイズのガラスジョッキに健全炭酸飲料を注ぎつつ、ヤモトは年上の威厳を発揮した。「しかし、現在のネオサイタマではそのような法は実際形骸化しており……」「いいから」「アッハイ」レイズは分かった。「ピザ冷めちゃうよ、リーダー」自分のコップにも同じドリンクを注ぎ、ヤモトは努めて笑んだ。
二人はお互いのドリンクを手に取った。カンパイの音頭はクランリーダーが取るものだ。レイズは言葉に詰まった。台詞が出てこない。少し考えて、祝杯を挙げた。「サークル・ミカンの未来にカンパイ」「カ、カンパイ」一拍遅れて、二人の杯が涼やかな音を立てた。ヤモトはジンジャーエールを一口飲んで、さっそくピザに手を伸ばした。「イタダキマス」切り分けられたピザを持ち上げると、熱く溶けたチーズがナイアガラめいて糸の滝を作った。
実際これはどうすればいいんだろう、ヤモトは初めて見るチーズ・アーチを見て次なる行動に戸惑った、そのまま口に運べば、奥ゆかしさに欠けるからだ。「イヤーッ!」ダイニングにカラテシャウトが響き、瞬きと同時にチーズの橋は切断された。レイズのナイフが閃き、ピザの渕を切り裂いたのだ。「ありがとうございます」「問題ないです」レイズは自分の分のピザを小皿に移し、ナイフとフォークを使って食べ始めた。品のある完璧な所作だ。
ヤモトは手元のピザとナイフセットを見比べ、やはりそのまま頬張る事にした。瞬間、口に広がる美味の奔流。舌の上に肉汁と濃厚チーズが溢れ、トマトの酸味が味を引き締める。時折感じる野菜の清涼感がピザのネガティブなくどさを感じさせない。存分に咀嚼し、喉を鳴らして嚥下したヤモトは反射的にコップを手にしジンジャーエールを流し込んだ。ぷはぁ、と満足げに息を吐いた姿はティーン離れしていた。普段のヤモトではあり得ぬ振る舞いだ。
レイズがヤモトの方を見ている。ヤモトは少し顔を赤くした。すると、レイズは隠していた缶ビールをヤモトに差し出した。「おサケドーゾ」「飲まないよ!」反射的なヤモトの否定に、レイズは常の無表情を返した。レイズは分かっていなかった。そうして、サークル・ミカン初の祝宴は過ぎていった。
◆セルフタキギ・ジツ◆
使用中、自身の全パラメータを上昇させる。
また、使用中はHPを徐々に消費し続ける。
このジツはアペ・ニンジャクランにおいて、アペ・ニンジャ当人のみが修めていたという秘中の秘の奥義である。