Return to ZERO   作:ジェラール_

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相も変わらず更新が遅い。プロットは守るものであり守られるものだってそれ一番言われてるんだよな。

ところでスタマスの新キャラがジオウだのディケイドだの言われてて平成の残した爪痕の大きさを実感してます。やはりあんな醜い時代は舗装しないと(SOUGO並感)

それでは今回も少しの間お付き合いください。


Fly to the Sky①

 謝花さんが正式に283プロに入社してはや数日。彼女が日々の業務に慣れてきたところで、いよいよ新たなアイドルたちを迎え入れる運びとなった。朝から社員総出(二名だけだが)で歓迎の準備に奔走し、ようやくそれが終わったところだ。茶菓子が切れかけているのに気づいたときは肝が冷えたが、歓迎会が午後からのスタートであったのが幸いし事なきを得た。社長とはづきはアイドルたちの送迎のため既に車で出ているので、ぼくと謝花さんはその到着を待つのみだ。社長たちの帰還は予定では午後二時頃。後もう一時間もしたらいよいよアイドルたちとのご対面である。ぼくは彼女たちとは面接やスカウトを通じて会話をしたことがあるが、改めて言葉を交わすとなるとそれなりに緊張するものだ。

 

 

 一息入れるべく、デスクの上に纏めてあったアイドルたちの経歴書を手に取る。総勢十五名。今まで四人だったのが一気に四倍近く増えるわけだ。仕事量はさらに倍増えると思っていいだろう。忙しくなりそうだと思いつつ、彼女たちのプロフィールを改めて確認していく。こうしてみると実に個性的な面々が揃っている。第一印象の範疇を出ないが、一人ずつ思い出してみることにしよう。

 

 

 櫻木真乃。柔らかな羽のような印象を受けたことを覚えている。いわゆる癒し系というやつだが、趣味が登山やハイキングであることを鑑みるに相当なフィジカルも持ち合わせているようだ。確か鳩を飼っていると言っていた。

 

 八宮めぐる。見ているこっちも思わず体を動かしたくなるほどに元気いっぱいで明るい子だった。誰とでもすぐに打ち解けることができるコミュ力の持ち主でもあるので、灯織と組ませてみるのもいいかもしれない。

 

 月岡恋鐘。長崎の子だ。アイドルが天職という表現が最もしっくりくる。そのポジティブさと自分への自信はセンターを任せるに足る逸材だろう。今流行りらしい方言女子なのもポイントだろうか。

 

 三峰結華。アイドルオタクというやつで、初めて会った時もアイドルグッズを抱えていた。ファンの目線を持っているというのは非常に大きな武器になるだろう。サブカルにも強いようで、ぼくを見るなり「うそ、羽丘さん……刹那じゃん……!」と零していた。後でトランザムでもしてあげようか。

 

 白瀬咲耶。元モデルで、その長身と整った容姿がひときわ目を引く。しぐさや言動からも「人を喜ばせる」ことに長けていると感じた。しかしどうにも「ひとりになる」ことに強い忌避感を抱いているようなので少し見ておいたほうがいいかもしれない。ソロ活動よりもユニット単位で活動するほうがあっているだろうか。

 

 幽谷霧子。包帯や絆創膏を身に着けていたのでやや心臓に悪かった。本人曰くおまじないらしい。独特な感性を持っているようだ。やや遠慮がちかつ心配性のきらいがあるので、誰と組ませるべきか慎重に考える必要があるだろう。

 

 田中摩美々。わるい子を自称してはいるが、十分に思春期の範疇に収まっている。何を抱えているのか、何を考えているのか、彼女の心に寄り添ってやれば見えてくるだろうか。

 

 小宮果穂。今回スカウトしてきたアイドルの中で唯一の小学生だが、そのプロポーションは高校生と言っても十分に通用する……というか並の高校生なら蹴散らせるだろう。ぼくも最初は高校生か大学生かと思ったくらいだ。とにかく素直でいい子だ。守護ってやらねばならない。ゼロのことも知ってくれていたし猶更。

 

 有栖川夏葉。大学生でいいとこのお嬢様らしい。持って生まれたものに甘んじることなく努力を怠らないその姿勢は好感の持てるものだ。トップにかける想いも十二分にある。間違いなくリーダーの器だ。

 

 園田智代子。ザ・女子高生といった感じの女の子だ。明るく社交的で親しみやすい。このフレンドリーさはきっと大きな武器になるだろう。何よりとても可愛らしい。可愛いは正義だ。冬優子や灯織がそれを証明してくれているように。

 

 西城樹里。不良っぽい見た目をしているが本質は純情可憐な乙女といった具合の少女だ。本人は語気を強めて否定するだろうがそういうところが可愛いポイントだろう。陳腐で安易な表現にはなるが「ギャップ萌え」というやつだ。

 

 杜野凛世。大和撫子を絵にかいたような美人さんで、着物がとてもよく似合う。意外とお茶目さんでノリもいいため、小宮さんや園田さんと組ませてみるのもいいかもしれない。

 

 大崎甜花。双子である大崎姉妹の姉のほう。インドア派故か趣味故かぼくのことも知っているようだったが、人見知りする性格のためか会話自体はそこまで得意ではないようだった。だが彼女には光るものを感じる。きっと大きく羽ばたけるはずだ。

 

 大崎甘奈。大崎姉妹の妹のほう。とにかく姉の甜花さんのことが大好きで大好きでたまらないようだ。アイドルを志望した理由も甜花さんのためという側面が強いようだが、それがよい方向にいくか悪い方向にいくか、少しだけ不安もある。

 

 桑山千雪。柔和なお姉さんといった雰囲気の女性で、今回所属するアイドルたちの中では最年長となる。社長の袖を直してあげたのがスカウトのきっかけだったらしい。全く関係ないがはづきと仲良くなりそうな波動を感じる。ついでに言えば酒好きの気配もする。

 

 

 

 

「羽丘さん? 何を見てらっしゃるんですか?」

 

 ぼくが何をしているのか気になったのか、謝花さんが近寄ってくる。

 

「ああ、アイドルたちの経歴書を確認していたんですよ。ぼくは全員と一度会っていますし、もう数時間もしたら面と向かって話すこともできますが……書類(これ)から読み取れることもあるかと思いまして」

 

「なるほど……よろしければ私にも確認させていただけますか。これでもプロデューサー、ですから」

 

「ええ、もちろん」

 

 謝花さんは書類を受け取ると真剣な面持ちで読み始める。すっかり仕事モードに入っているようだったので、邪魔をしないように席を離れる。数日の付き合いではあるが、彼女について分かったことはいくつかある。普段はおっちょこちょいという言葉が似あううっかりさんだが、仕事となると人が変わったように厳格になる。手元の仕事が片付くと憑き物が落ちたかのように元に戻る。特撮、特にウルトラシリーズのファンで推しはガイアV1。好きな怪獣はミズノエノリュウ。清々しいまでのガイアオタクである。

 社会人としてはきっちりしている一方でオタクとしてはやや金銭面が散漫で、先日もガチャで爆死したらしい。「今回も天井かぁ……」と呻いているのを聞いた。曰く今年に入って7回目ということだが、天井はそう何度も手が届くものではないと思う。いったいどこから課金額を捻出しているのだろう。まさか食事代を削っているのではないだろうな。ガチャ禁止令を出すべきだろうか。節度を持ってある程度お金を浮かせておかないと、不意打ちでアーツやら大人用変身アイテムやらが出た時に泣きを見ることになる……というよりも、光熱費や家賃が心配である。

 まあ今考えても仕方のないことだ。ガチャ云々に関しても、一応社長との協議がいるだろうし。謝花さんの懐事情は一旦隅に置いておくことにしよう。

 

 

 時計は一時半を示していた。




ようやく名前だけでもアイドルたちが出た。つっても零斗さんの第一印象に過ぎませんが。

資格の勉強やら英文法の復習やら、以前にも増してやるべきことがたくさん。人生は学び続けるものなんやなって。


ここまで読んでいただきありがとうございました。今月中には更新します(宣誓)

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