スノードロップ   作:何かと影響されやすい作者

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はじまり

「一体何なのよこれ!?」

 

目の前で映し出された動画。その内容について、私たちの誰かが声を上げた。きっかけは誰かがネットサーフィンをしていた時だ。検索ランキングに載った『IS学園の闇』『織斑一夏自殺の真実』という文字。バカバカしいと思いながらもクリックした途端、この動画にたどり着いた。実際は、私たちが知る前にすでに出回っていたらしいけど会長…元会長がすでにオリジナルを削除させてたみたい。でもネットではすでにこの動画が広まっているらしい。


1:ワンサマー 2020/9/27 21:02:26 

これまじ?

 

2:ワンサマー Invalid Date

おいおいこれヤバいんじゃね…

 

3:ワンサマー Invalid Date

モザイクかかってるけどやばいのは解る

 

4:ワンサマー Invalid Date

てかここどこよ?

 

5:ワンサマー Invalid Date

友人にモザイク取っ払ってもらったら、IS学園の女子生徒って解ったんだけど…

 

6:ワンサマー Invalid Date

え、あのIS学園!?あそこでこんなこと起きてたの?やっぱ女子って怖いわ…

 

7:ワンサマー Invalid Date

なんでお前の友人モザイク処理外せるんですかねぇ?

 

8:ワンサマー Invalid Date

モザイク処理はずせれるの!?ちょっとお姉ちゃんとお友達になりましょう!

 

9:ワンサマー Invalid Date

女じゃー!女が紛れ込んだぞー!全員警戒態勢!

 

10:ワンサマー Invalid Date

友達になってナニをしようとするんでしょうかね?

 

11:ワンサマー Invalid Date

私の好きな乙女ゲーのセックスシーンでさ、肝心なところがモザイクでさぁ…

 

12:ワンサマー Invalid Date

なんでマジレスで答える上にエロ目的なんですか

 

13:ワンサマー Invalid Date

女だって欲求不満なのよ…。一部の過激派のせいで出合いすらないし、恋人どころか男友達もいないのよ!ふざけんなバカァ!

 

14:ワンサマー Invalid Date

うわぁ生々しい…

 

そんな下らないチャットの馴れ合い。だが途中から彼らの雰囲気は変わる。

 

38:ワンサマー Invalid Date

おいおいこれ洒落にならんぞ

 

39:ワンサマー Invalid Date

うわぁ…これ虐めってレベルじゃないわ

 

40:ワンサマー Invalid Date

やはり現実の女はくそでござる。二次元最高ですわ

 

41:ワンサマー Invalid Date

いや、冗談言える雰囲気じゃないから

 

42:ワンサマー Invalid Date

あっはい、すみません

 

43:ワンサマー Invalid Date

なあ、今こいつら、織斑一夏って言ってたよね?

 

44:ワンサマー Invalid Date

織斑一夏って、確か世界で最初に見つかった男性IS操縦者で、IS学園で自殺したっていう…?

 

45:ワンサマー Invalid Date

確か自殺扱いだけど、不振な点はあったって噂だったよね

 

46:ワンサマー Invalid Date

テレビど大っぴらに取り扱っといて、いざ入学させてこの扱い?女子のサンドバッグやん…

 

47:ワンサマー Invalid Date

この映像が本当なら、IS学園まじやべぇ

 

48:ワンサマー Invalid Date

男子操縦者を保護とか言っといてこれって、完全に潰す気やん

 

49:ワンサマー Invalid Date

IS学園でこんなこと起きてたらそりゃ精神的に病むぞ

 

 

映像に対して、口を揃えて好き勝手になことを言う奴ら。こっちの気持ちも現実も知らないくせに言いたい放題。はっきり言って、こいつらの目は節穴でしかない。

 

62:ワンサマー 2020/9/27 22:36:34

まって!こいつらどっかで見たと思ったら、全員元代表じゃん!それに織斑千冬って一夏の姉だったよね。しかも初代ブリュンヒルデ

 

63:ワンサマー Invalid Date

クラスメイトどころか教師、しかも姉からも虐められるとかなんなん?

 

64:ワンサマー Invalid Date

うわぁ!うわぁ!?こいつらヤりまくってる!?

 

65:ワンサマー Invalid Date

あ!竿役の奴、二人目のIS操縦者じゃねぇか!

 

66:ワンサマー Invalid Date

ちょっまてよ!?もしかして学生時から関係持ってたってこと?こいつら二人目の奥さんになったらしいけど、え、どういうこと!?

 

67:ワンサマー Invalid Date

おいおいIS学園はいつからラブホに変わったんですかねぇ!?てか教師もいるし、学園も黙認してたのかこれ!?

 

68:ワンサマー Invalid Date

な、なんで山田先生が映ってるの?先生、私たちには優しいのに…なんで…?

 

69:ワンサマー Invalid Date

あれれー?おかしいぞー?なんで学園側はこれを把握してなかったのかなー?

 

70:ワンサマー Invalid Date

うっわ!こいつらワンサマー罵倒しながらヤってるとか頭おかしい

 

71:ワンサマー Invalid Date

ワンサマー?

 

 

そんな好き勝手なことを言っている奴等に腹が立ったが、今はそんなことは問題じゃなかった。私たちの目に留まったのは誰かが発した言葉。

 

74:ワンサマー Invalid Date

もしかしてさぁ、織斑一夏が自殺したのってこいつらが原因なんじゃないの?

 

81:ワンサマー Invalid Date

 

82:ワンサマー Invalid Date

 

83:ワンサマー Invalid Date

なにそれ…

 

誰かの発言でチャットの雰囲気が凍った。

 

91:ワンサマー

さ、流石に推察だけで決めつけは不味いって…

 

93:ワンサマー

だってさ、こいつら織斑一夏を邪魔な扱いしてるじゃん。しかもこいつら、今は二人目と結婚してるんだぜ?で、一方の男子を痛めつけて、一方の男子とは関係を持ってたって絶対におかしいぜ。しかも現職の教師までヤッてたわけだし。挙句に実の姉までそっち側。どう考えても織斑一夏の周りには敵しかいない。それにヤってる時の映像で、これでもかと織斑一夏を罵倒してたじゃん

 

94:ワンサマー

たしかにさっきの映像を見れば、こいつらは無実って言えないわけだが…

 

95:ワンサマー

いやまぁ、状況証拠からしたらあながち無関係とは言えないけどさぁ

 

97:ワンサマー

てかそんな事言って大丈夫?確か元動画っていきなり削除されたんでしょ?それってつまり、ヤバイのに監視されてるってことじゃん!

 

98:ワンサマー

ならそれこそ怪しいでしょ。わざわざ弁明もなく削除って、明らかにおかしいじゃん

 

99:ワンサマー

まてまて、一旦落ち着こう!

 


 

「ふ、ふざけるな!好き勝手と言いたい放題!」

 

「それにしても、一体だれがこんな映像を…?」

 

「疑いたくないけどIS学園内の映像からして、それも私たちがいた時の生徒か教師の可能性があるわ…。仮に部外者だとしても、こうも簡単に侵入を許すわけないし」

 

「それにしたって酷すぎるよ!まるで僕たちが悪者みたいじゃないか!」

 

「全くもって心外だな。こんな映像を作る奴も、騙される奴等も」

 

「そうよそうよ!私たちはここまで酷いことをしてないわよ!それに悪いのはあいつで、私たちがむしろ被害者よ!」

 

パチンと室内の電灯が光り、映像を映していたプロジェクターが上がっていく。

 

「ま、これもすぐに削除させたけど、同じ映像はどんどん増えてるのが現状ね。愉快犯や便乗犯も含めて、どいつもこいつもばらまくせいで人手が足りない状況よ。削除するこっちの身にもなってほしいわ」

 

動画に対する憤りや不安を口にする私たち。そんな中、黙っていた英雄が声を挙げた。

 

「このくそったれな動画はどこから?投稿した奴は?」

 

「私の手の者で調べてみたら、ネットカフェから投稿されたみたい。その時使っていた人物を追ってはいるけど、どうも使用者の名前も住所も出鱈目な情報らしくてね。店員も顔をはっきりと覚えてないみたい」

 

「まぁいいさ。俺やみんなを辱しめた奴を許さない。誰に喧嘩を売ったのか後悔させるまでさ」

 

静かな声だけど、その内には怒りが込められているのが感じられた。いつだって英雄はそう、私たちのために怒ってくれる。私たちのために優しい心を鬼にする。心では泣きながらも、私たちを心配させないように、いつも優しい笑みを浮かべる。IS学園の時もそうだった。謎の無人ISに襲われた時も、謎の組織に襲われた時も、あいつに付きまとわれてた時も、すぐに駆けつけてくれた。あんな口先だけの偽善者とは違う。英雄はまさに私たちのヒーローだ。

 

「私もできうる限りのことはするわ。でもみんなも気をつけなさいよ。それこそ一人で出かける際はね」

 

まあでも、私たちにはISがあるからいらぬ心配かしら?

 

会長…元会長がクスリと笑った。

元とは言え、私たちはISの代表にまで至ったんだ。また色々な敵と戦ってもきたんだ。それにもしもの時は英雄がいる。私たちに怖いものはない。

 

そんなことを思っていると、ふと誰かが気付いた。

 

「あれ?そういえば千冬さんは?荷物を取りに実家に行ったみたいだけどまだ帰ってないの?」

 

「おかしいですわね。先ほどすぐに帰ると連絡がありましたのに。心配ですわ」

 

「教官なら問題ないだろう。なにしろ教官なのだからな」

 

「ラウラ、それは理由になるけど理由になってないよ」

 

そんなことを言いながら、私たちはさして気にすることなく部屋へと戻っていった。だが織斑千冬が帰ってくることはなかった。おかしいと思った私たちが彼女の実家に向かい、それを見つけた。

 

織斑一夏の部屋の中で、椅子に縛られた織斑千冬の遺体を

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