フィギュアヘッズ世界に来たので2footとフィギュアヘッズを愛でたいと思う   作:明田川

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Z&S社良いよね…



2.アセンブル

 

 

防衛戦もひとまず終わり、次なる戦闘に備えるべく2footの整備に赴いていた。

幾ら機体がリペアキットなどで修理できると言っても武器や摩耗して性能は落ちるし、装甲だって細やかなメンテナンスは必要だ。

 

「…ゲームと同じなら楽なんだが」

 

ゲーム本編での防衛戦は単調で、湧いてくる敵を重量級の機体でもって抑え続けておいてソルジャーが来れば袋叩きにして撃破するだけの比較的簡単なお仕事だった。

 

しかし現実となればそう簡単に事は運ばない、敵だって馬鹿ではないのだ。

広がった防衛線から送り込まれてくる敵2footや航空機は集団で進軍してきたり、今回のようにバラバラになって浸透してきたりするため対応は後手に回ってしまう。

 

「にしてもボロボロだな」

『装甲強度は本来の70%まで低下しています、本格的な整備は必要かと』

 

機体にインストールされていたフィギュアヘッズ、ケリーが搭載機の現状を教えてくれる。

ゲームのようにリペアキットが万能というわけでも無いようだ。

 

「…新品にした方が早いな」

『ニューアーマー!』

『やったぁ!セクシーになれますかね?』

 

新品の装甲と聞いた瞬間騒ぎ出すフィギュアヘッズ達を諫めて、使用可能な状態にある装甲を調べる。流石は企業連合の組織というだけはあり、品揃えは立派なものだ。

 

『…流通している装甲ばかりですね』

「そりゃあスポーツ装甲は優秀だが、BOTgame用の高級品を防衛戦で使い潰してどうする」

 

スポーツ装甲と呼ばれるのは各企業がしのぎを削るBOTgameにて使用され、注目の的となる最新鋭装甲のことだ。

レギュレーションにてフレームは三種類に分けられ、出力や装備重量まで細かく決められているため武器と装甲が鍵となる。スポーツ装甲の中には軍用機から転じた機体もあるため、全企業がスポーツ用に開発したというわけではないが高価なのは確かだ。

 

「まあ、BOTgameのレギュレーションから無縁なのは助かるがな」

 

こっちは戦争をやっているので、重量だのなんだのと口を出される事はない。

だからといって重量の嵩む装備ばかりを身につけるのは良くない、バランスはとても大事な要素でありセンスの見せ所だ。

 

「G.I.W社の装甲は優秀だが…いかんせん重いな」

『軍用の2footならその程度の重量、問題ナッシングデス!』

「うーむ、悩むな」

 

ロボットゲームをやった方なら分かると思うが、こうやって機体構成を練っている瞬間が楽しいのだ。このために防衛戦をやっていると言っても過言ではない。

 

「NNR社の機体はどうだ、性能バランスは良いし丸っこくて可愛いぞ」

『可愛いですね』

『深海探査用と書かれていますが』

「ええい、じゃあサリオ社の機体は…」

 

結局決まらずに、一時間が過ぎた。

三人のフィギュアヘッズ達はG.I.W社の娘達だからか、企業の方針通り重装甲に高火力武器を好むのだ。だから機体構成の話が合いにくいのが玉に瑕だ。

 

 

「…新型機の実戦テスト?」

「ああ、Z&Sからの要望だ」

 

上司に話があると言われ、呼び出された個室で話をされていた。

Z&S社といえば旧南米を拠点とする一大企業で、裏には怪しい噂もあるとかなんとか…

 

「説明は彼女がしてくれるそうだ、ガレージに戻って話を聞いてくれ」

 

そっと差し出されたのはホログラム投影機が接続された携帯端末だ、彼女ということはおそらくフィギュアヘッズでも中に入っているのだろう。

 

「了解しました」

「頑張ってくれたまえ」

 

Z&Sの新型機といえばゲーム本編の看板機体、オスクリダットだろうか?

それとも軽量機か、いや重量機かもしれない。

 

「この目で確かめるか!」

 

 

所変わって特設ガレージ、多数のハンガーに鎮座するのは多種多様のZ&S社製2footだった。ゲーム本編で見たハイエンド機からスポーツ装甲機、見たことのない機体すらあった。

いつも使用するガレージとは違い企業のロゴがデカデカと壁に描かれ、色々な箇所がテーマカラーの黄色に塗られていた。

 

「…そうだ、渡されたフィギュアヘッズ」

 

現状の理解が追いつかないので、解説役にご登場願おう。

端末の電源を入れてみると、幼めの少女のホログラムが浮かび上がった。

長い白髪の彼女はニッコリ笑って、こちらを向いた。

 

『あなたが隊長さんですか?』

「は、はい」

『レティシアって言います、よろしくなのです!』

「こちらこそ、よろしく」

『早速説明するのです!』

 

新たに製造された新型機は市街地戦闘でのデータが不足しており、BOTgame用に調整を行う前にあらゆる状況に対応すべく実戦テストが企画されたとのこと。

機体は防衛戦での破損や被撃破は問わないが、鹵獲だけはされないことが第一の条件。第二の条件とは、隊長機にレティシア、僚機にもZ&Sのフィギュアヘッズを搭載することだ。

 

『他社にデータを抜き取られるわけにはいかないのです!』

「まあ最新鋭機だからな、あと2人のフィギュアヘッズは…」

 

フィギュアヘッズのリストを確認すると、レティシアのほかに二名の名前があった。

モリィとカルディナ、双方敵の撃破で発動する固有能力持ちだった記憶がある。

 

「装備は?」

『こちらで用意してあるのです!』

 

つまり他社の装備は使えないということだろうか、これは困った。

Z&S社の武器は総じて尖った性能ばかりで、グレネードに至っては爆発ダメージではなく実弾ダメージを与える変わり種だったことは記憶に残っている。

 

「取り敢えず、装備決めるか…」

『何にするのです?』

「アサルトライフルとロケットランチャーかなぁ」

 

ゲーム本編でもZ&S社は好きだったが、その会社の装備だけで戦えと言われれば不安だ。

私は結局扱い易さからサリオ社の武器や機体を使い続けたような男だ、扱い切れるかどうか分からないし使用回数も少ない。

 

「やっぱりカッコいいなオスクリダットは、名前の意味はなんだった?」

『暗闇、なのです!』

「…良いな、くすぐられるネーミングだ」

 

次の戦闘は最新鋭機での戦闘になる。

使ったことのない武器、乗ったことのない機体に初対面のフィギュアヘッズと不安要素ばかりだがなんとかやり遂げなければならない。

 

 

2foot整備基地の一室にて

 

「対カルテル戦に継続して参加中、防衛戦ではソルジャー撃破数14機…上層部に目をつけられるだけはあるな」

 

戦闘記録も目を見張るものばかり、実力はかなりのものだ。

僚機もよく育っており、フィギュアヘッズが2footの性能をよく引き出せている。

 

「今回の実戦テストで見極めさせてもらおう、本物のランクスか否かを」






簡単な機体と武器の説明も投稿しましたので、良ければそちらもどうぞ
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