フィギュアヘッズ世界に来たので2footとフィギュアヘッズを愛でたいと思う 作:明田川
オスクリダット分隊の初戦闘ですよー!
バベルの2footの集結が確認されており、次の攻勢は大規模なものになることが予測されていた。
地上戦力だけでなく航空戦力も確認されており、かなり厳しい戦いになるのは目に見えている。
敵の攻撃により破壊された防衛拠点の復旧と損傷箇所の修理が急がれる中、御射鹿の主戦力である2foot達は敵の攻撃予測地点の近隣に配置されていた。
「シンディ、聞こえるか?」
『聞こえますヨ』
「三人は補給部隊として集積所からこっちの部隊に物資を運んでくれ、成長した三人ならやれるはずだ」
『『『ラジャー!』』』
今回共に行動できない三人に後方支援を任せ、Z&S社の依頼通り最前線にて敵を迎え撃つ。
あくまでも今回はオスクリダットの実地テストということで、三機全員がオスクリダットである。
重量機を連れてこさせて欲しかったが、オスクリダットの性能があれば何かあってもなんとかなると信じたい。
「機体の調子は?」
『この程度の環境なんてへっちゃらなのです!』
「そりゃよかった」
航空機によって大量に配置されたコンクリート製の障害物を遮蔽物に使い、バベルが侵攻してくるのを待つ毎日だ。
遠隔操作なので前線に自分自身が居るわけではないが、それでもいつ敵が来るか分からない状況は少し不安を感じる。
「…頼むぞオスクリダット、信じてるからな」
未だ敵の姿は見えないが、それでも僚機の2人はライフルを構え、敵が来るであろう方向を見つめていた。司令部からは敵が来るまでに1時間はかかると言っており、かなりの時間を待機に費やすことになるだろう。
「まだ敵は来ないらしい、少し話でもするか」
『隊長さん、気を抜いてもいいのー?』
「奴らの2footの行軍速度は遅い、それに2人と話す時間も殆ど無かったしな」
『ふーん』
モリィとカルディナは濃い見た目をしたフィギュアヘッズだ。
こちら側でも2人とも人気があるらしく、BOTgameでは別の彼女達が活躍している様子を何回か見たことがある。
『ねぇ、この街にも人がいっぱい住んでたのかな』
『うーん、確かに気になるね』
「いい話題だな、知ってる範囲で教えよう…レティシアは聞くか?」
『気になるのです!』
よし、いいだろう。
転生してきた身として、美しかった時期の地球の話をしよう。まあこちらの地球とは少し差異があるかもしれないが、彼女達は気づけないし大丈夫だろう。
「地上で人が歩ける時はな、山にいってキャンプというものを楽しんだり…」
年甲斐もなく話は進んだ、山へ行った話から海に行った話に、次は水上機や船に乗った時の話にまで発展してしまった。
外を出歩けないということは、自分が知らないながらにストレスの原因となっているのかもしれない。
「さあ監視に戻ってくれ、こんな話を聞いてくれて感謝するよ」
『作戦終わったら海、海行きたいのです!』
「馬鹿言え、どうやって許可取るんだ」
『海岸部での機体劣化速度について調べるって言えば大丈夫なのです、テストということにすれば上も納得します!』
「よーく頭が回るな…」
この作戦が終わったら俺、仲間と一緒に海に行くんだ。
なんて言った日には部隊全滅確定である、フラグを建てるのはよしていただきたい。
非科学的と言われようが、私はジンクスは信じる派なのだ。
「…司令部から連絡だ、敵部隊がそろそろ見えてくるぞ」
『足を撃つ、で良いんだよね?』
「ああ、最小限の攻撃で敵の戦力を削ぐのはこの方法が一番だ」
そうこう言っているとこちらに向かってくる大量の2footの姿をカメラが捉える、戦闘の始まりだ。
「射程圏内に入り次第射撃開始だ、侵略者どもに目に物見せてやるぞ!」
『いいねー隊長さん、その感じ好きだよ』
「ええい茶化すな!」
地平線を埋め尽くすような数の敵を相手をしていたら簡単に追い込まれる、敵を撃破するのはガトリングガンを構えた重量級2footに任せて自分達はサポートと遊撃に回るべきだ。
「主力の重量級は足が遅い、何かあったらサポートに入るからいつでも動けるようにしておけ」
Z&S社製のライフルの引き金を引けば、その連射力であっという間に敵の膝を破壊した。
僚機も上手くやっているようで、敵2footの足を止めることに集中している。
「思ったより敵の進行速度が速い…こちら側の重量級が捌き切れていないのか?」
ゴツく大きな装甲を見に纏い、ガトリングガンやキャノン砲にて敵を抑え込んでくれる重量級2footが今回に限って調子が悪いという訳ではあるまい。
何かしらの要因があるはずだ。
『こちらストライカー、指定ポイントへ砲撃を行う!』
背中にキャノン砲を背負った重量級が空に向かって砲弾を放ち、前線へ支援を行ってくれる。
敵の攻撃を食い止め、仲間の攻撃を支援する戦場の女神は今日もご機嫌だ。
敵部隊へ降り注いだ砲弾は爆煙と土埃、2footの破片を巻き上げる。
「…砲撃を免れた軽量級がそのまま突っ込んでくるな、通すなよ」
『りょーかい!』
爆煙を抜けて走ってくるのは足の速い軽量級の2footだ。
手に持つレールガンやスナイパーライフルは粗雑なものだが、威力はそれなりにあるため最新鋭機といえども注意は必要だ。
『こちらポイント○○!敵航空機の攻撃を受けている!』
「運が悪いな、ここ以外に敵の本隊が居るらしい」
『そ、ソルジャー確認!4機…訂正6機!』
『ポイント○○!ソルジャー確認、数2機!』
「ほらな、ここは味方に任せて援護に向かうぞ」
こちらに向かっていた補給部隊の三機にルート変更を指示、進行する敵本隊を押さえ込む味方の救援に当たらせる。
「各員、残弾報告!当機は残弾7割だ」
『こちらも残弾7割』
『こっちは残弾6割』
「向こう側で補給する、リロードはしておけ」
オスクリダットの快速を活かして敵本隊の位置する防衛線右側へと向かう。
「止まるな、走り続けろ」
重量級の2footが敵を薙ぎ倒すのを尻目に、周りより明らかに砲撃の密度が高い激戦区に突入する。予備戦力が投入されたが敵の勢いは止まらず、大量の敵機が雪崩れ込んで来ている。
「重量級が減り過ぎると勝機が無くなる、逃げ遅れを助けるぞ」
『根性入れますかー!』
「頼むぞ、ついて来い!」
ー
足の遅い重量級は撤退に時間を要するため、逃げ遅れる機体は少なからず出てきてしまう。
今回は敵の進行速度も想定以上に早く、多数の逃げ遅れが囲まれて撃破されていた。
取り回しの悪いガトリングガンでは近距離の撃ち合いに弱く、自衛用の火器では捌き切れない相手に次々と数を減らしてしまっている。
「敵はこっちが受け持つ、撤退しろ!」
『助かる!』
本来ならここまで早く押し込まれることは無いのだが、ソルジャーと航空機の集中運用はかなりの大打撃を与えているらしい。対空兵器が2footのホーミングミサイル程度しか無いのが悪いのだ、本腰を入れて対空砲でもなんでも配備してくれ。
『救援を求める信号をマップに表示するのです!』
「助かっ…なんだこれは?」
マップに散らばる信号を表す赤い点は増えたり消えたりを繰り返している。
これだけ分散しているのは敵に追われたためだろうか?
「取り敢えず近い機体からだ、こっちの補給部隊も救援に当たらせる!」
『聞こえてるヨ!』
「赤い点が助けを求める友軍だ、近い順から助けてやれ」
『『『了解!』』』
味方の軽量、中量級も重量級の救援と防衛線の再構築を行なっているようだが数が足りない。
航空機による攻撃と、救援に向かった先でソルジャーに撃破されたためのようだ。
「…本当に大丈夫なのか?」
『隊長さん、3時の方向にソルジャー!』
僚機のモリィに言われ、反射的にロケットランチャーを構える。
照準器の中にソルジャーを納め、弾頭を放つがどうせ一撃では撃破出来ない。
「逃した味方の撤退状況は?」
『まだまだなのです、あと五分はかかると思うのですよ』
「ええい仕方ない、時間を稼ぐぞ!」
ばーっと書いた小説なので、そのうち改訂します。