フィギュアヘッズ世界に来たので2footとフィギュアヘッズを愛でたいと思う 作:明田川
今日のは短めです
ソルジャーのガトリングガンはコンクリート製の障害物を破壊し、逃げ場を奪ってゆく。
隙を狙いロケットランチャーを構えるが、下手に顔を出せばオスクリダットといえど穴だらけになるだろう。
「EMPグレネードを使う、ソルジャー相手には効きが悪いだろうが…」
オスクリダットの頭部に取り付けられたグレネードランチャーに装填されているEMPグレネード、電磁波により2footの電子機械にダメージを与える物を頼りに作戦を立てる。
「グレネードは二発だ、それを使って二度数秒だけ隙を作るからロケットランチャーを叩き込め」
『通常の2foot相手ならシステム再起動に追い込むだけの威力があるのに、それでも動くのです?』
「ソルジャー舐めんな、俺もそう思っていた時期はあったがな!」
銃だけを障害物から出して備え付けのセンサ頼りで弾をばら撒き牽制するが、ソルジャーは全く怯まない。ゲーム内で怯み無効だったのは覚えているが、こちら側にまで持ち込まなくてもいいだろうに。
「周囲にも牽制頼む、EMPグレネード行くぞ!」
『任せて!』
間を置いて放たれた二つのEMPグレネードは間隔をおいて起爆し、強力な電磁波をソルジャーに浴びせた。ライフル弾による衝撃と、電磁波による障害で攻撃の手が止まった瞬間に三機のオスクリダットからロケットランチャーが叩き込まれた。
「続けて第二射撃て!ここで仕留めるぞ!」
なんとか動こうとするソルジャーだが、更に三発ロケットランチャーが命中したことで仰向けに倒れ込む。それでも腕を動かしてなんとか立ち上がろうとする様は恐怖すら覚える。
「トドメを刺す、雑魚を散らしてくれ」
『何する気?』
「コアを破壊する、でなきゃ止まらない」
ソルジャーの強固な装甲の隙間の一つである首の関節部にライフルを向け、その奥にあるコアを破壊すべく連続して引き金を引く。
装甲に反して耐弾性に大きく劣るフレームは簡単に銃弾を通し、コアの破壊を許した。
「よし、ソルジャー撃破確認」
『上なのです!上!』
「ん?」
上を見ればガトリングガンを吊り下げた敵航空機がいた、いつもソルジャーを運ぶ輸送機とは段違いの攻撃能力と装甲を持つ相手だ。
「…ソルジャーより、よっぽど不味い相手だな」
こちらを見つけていたのか、大雑把に砲弾をばら撒きながら飛び去って行ったがこちらに被害は無かった。
肝心の向かった方向は自分達の真後ろ、物資の集積地及び戦力の再集結地点だ。
『こちら補給部隊です、聞こえますか隊長!』
「ケリーか!」
『敵航空機多数、味方の航空戦力も足りておらず劣勢です』
「被害は?」
『逃げ遅れていた機体がやられました、それもかなりの数が』
『隊長さん、さっき逃した味方が撃破されたのです』
「…無駄骨になったか、取り敢えず最寄りの補給ポイントを経由して再集結地点へ向かう」
発射レートが高いアサルトライフルは弾丸の消費が激しく、7割あった弾薬が既に4割だ。
やはりソルジャーは一分隊で相手をするような機体じゃあない。
「ソルジャーの次は航空機か、今回に限って敵の数の多いこと…」
『いつもはどれくらいなのです?』
「この半分程度だよ、ソルジャーと航空機に至っては三分の一だ」
逐次投入をやめて強力な兵器を集中運用するのはこちら側でも、ゲーム内でも無かった戦法だ。
バベルは物量にものを言わせる方法を理解してしまったようだ。
「そうだよな、そうそう上手くいくことなんてないか」
『どうしたのです?』
「なんでもない、さあ行くぞ」
今までの防衛戦だって戦うたびに少しずつ敵も動きを変えていた。
もし自分と同じように転生した人間がバベルに居て、それが司令官に近い役職に就いていたら…
ー
再集結地点では大量のミサイルが飛び交い、航空機を撃ち落とすべく2foot達が奮闘していた。
「機体を晒すな、見せる面積を最小限にするんだ!」
「撃ったら場所を移動しろ、吹っ飛ばされる!」
それでも敵の数と耐久性は恐ろしく、ミサイルを撃って位置がバレた仲間が次々と破壊されている。
航空機が貴重なこのご時世で、これまで大規模な対空戦闘を行ったことなんて一度もないのだ。
「駄目だ、もう弾が無い!」
「ライフルでもいい、排熱部を狙って撃て!」
「ひ、被弾した!動けない!」
だがそんな中でも、戦う彼らを支えるため一つの分隊が行動していた。
『補給に来たヨ!』
「た、助かる!これが最後の一発だったんだ」
『ユーアーウェルカム、みんなで頑張るヨ!』
補給部隊として残された三人は、任された役割を充分に果たしていた。
『損傷機、回収しましたー!』
「助かるよ、もう駄目かと思ってたんだ」
『ど〜んと私に任せてください、すぐに直してみせます!』
弾薬を運び仲間に配り、行動不能になりかけた機体を回収して修理して戦線に復帰させ、投下された敵2footを撃破するべく銃を撃つ。
恐ろしいのは、これを本来指示を出す筈の隊長機が居ない状態でやってのけていることだ。
『こんなに沢山居るなんて…』
『敵も味方も入り乱れてます、集まっても再編成出来ないのでは纏まりがありません』
分隊長を失い、動きが単調になった僚機のフィギュアヘッズ達は撃破され易い。
また反対に僚機を失った分隊長機はフォローしてくれる味方が居なくなり、囲まれた際に弱くなってしまう。
『兎に角今は集積地を守って味方に弾薬を渡すヨ!』
『そ、そうですね!』
隊長の帰還には、まだ時間がかかる。
Z&Sの実戦テストが終われば、別企業のストーリーも書きたいですね