旧:【Fate/】転生したらエルキドゥな件【Grand Order】   作:金属粘性生命体

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エルキドゥ救出作戦その4

 

「そうか……なるほど、エルキドゥとはそういった存在だったか」

 

 だが、それがどうした?そう言い放ち目の前で杖をクルクルと回す男を睨む。自称邪神と名乗っているが、それだけの実力があるのだろう。弱体化している私では対抗は出来ぬな。

 

「しかし、それが事実である保証がどこにある?」

「えぇえぇ、それはご最もですがねぇ……邪神といえど私も神の端くれ。そして神は嘘をつけない、いえつくことを制限されてるのです。それではダメですかね?」

「フン、その言葉自体が嘘である可能性の方が高いからには信用出来ん」

 

 そう、今こいつが話したエルキドゥの出自が本当がどうかが怪しいのだ。人類どころか恐竜が産まれる前から存在する超古代兵器?そんな与太話誰が信じられるか、むしろ地球外から飛来してきたと言われた方がまだ納得出来る。

 

「いえいえ、これは事実です。神の歴史書にさえ乗っていますからね。まぁ外伝や0ページといった呼び方になりますが」

「ハッ、なぜとは聞かんぞ」

「えぇえぇ、別に聞かなくても構いませんとも……」

 

 外伝、0ページ。超古代文明が神の歴史書とやらに乗っているのであればなぜそうも別分類なのだろうか……いや、分かるには分かる。神とは人類が生み出した概念、ならば超古代文明とやらで神が居たかどうかが不明なのだからそういった別分類なのだろうな……

 

「しかし異世界より来たりし魂だと?いや、確かにそれは可能性があるだろう。まだ超古代兵器とやらは信用出来る。何しろ貴様の様な神が居るのだからな」

「おや、それは信用していただけるので?」

「何、古い友人に神とやらに不滅の存在にされた者がいるのでな……そこだけは信じてやれる」

 

 イシュト・カリン・オーテ。唯一神による罰と愛により死の概念を剥奪された古い友人。ここ数十年……いや、それ以上の期間会っていないが元気だろうか。死ぬことはなくとも精神的な死は存在する、そこだけが心配だ。

 

「しかし、しかしそれは重要では無いのだよ、ベルゼブブ」

「はて、それはどういうことで?」

「エルキドゥの現在だよ。何が起こってると言った?消滅の可能性、魂のすり潰し。話を聞くに貴様の世界の人間なのだろう、なら何故助けてやらぬ」

 

 エルキドゥはいずれ私が手に入れるべき人形だ。その前に消滅してもらっては困る……しかし、奴も一種の不死だと思っていたが、さすがに魂そのものを削られると死ぬか。もしかしたら他の不死共もそれにより死ねるかもしれぬな……

 

「いやー、助けようとはしたんですよ?したんですがね、うちのか狡知の神(バカ)がやらかしたことを原初の神(アルティメット・ワン)が知ってしまって過度な干渉が禁じられたんですよ」

「……」

「いやね?確かに助けようとはしましたとも。過度な干渉ができない、しかしこの世界の人間だと救えるか分からない、だから一時的とはいえ私たちの世界の人間を送り込んだんですがねぇ……」

 

 回していた杖を止め、ベルゼブブは床をコツンと軽く叩いた。途端に周りの光景が切り替わる。

 

「一人を除いて全滅しかけているようで……」

 

 この光景は……火星、魔法世界(ムンドゥス・マギクス)の地上か。そんな荒野と言えるような場所には4人の男女がいた。

 

 一人は盾を構えたまま仲間を守るように魔法を発動しながら前に出るもの。一人はその巨大な斧を用い、地面に巨大なひび割れを残しながら攻撃を。一人は無限に回復する体を引きちぎられながらも狂気の笑みを浮かべ殺しあっていて。一人は銃を構えながらも足りない片足を駆使して他のものの助けをしていた。

 

「これは……」

「はぁ……これじゃあダメそうですねー」

「お、おい。こいつらが相手しているのはなんだ?あんなもの火星に居たか……?」

「居ませんよ、あれは外来種。私達の世界から溢れた魔種です。私達はこう呼んでますよ」

 

──【旧支配者】

 

 それは話に聞くと古代の地球を支配していた地球外生命体のことを呼ぶらしい。一部のものは神を冠するほどに強力らしい。海の支配者に風の支配者、様々な支配者が存在し、今、火星で戦っているこの者たちが相手してるのはそういった存在。

 

「えぇっと、たしかこれには」

「……!?ウォェ……!」

「マスター!?」

「オイドウシタ……!?オイオイナンダソノホン!キミガワリィナ!」

 

 唐突にベルゼブブが取りだした本を思わず見てしまった。それはとてつもないほどの魔力を持ち、おぞましく、人の心を破壊するような気配を持っていた。チラ見しただけでこれなのだ……中身はいったいどんなにやばいものが書かれているのだ……

 

「あー、こりゃ失敬。地上の生き物ではこれを読むことは不可能でしたね。しかし、機械と人形には読めるのですかねぇ……」

 

 なにかベルゼブブが言っているが、今の私には聞こえない。この強烈な不快感が脳を抉るように蠢いているのだ。しばらくは戻らないと思っていたが……パチンと、なにかがなる音がしてその不快感が除かれた。

 

「さて、あれがどんなやつなのか。解説しますとですね……シアエガ、そう呼ばれる旧支配者であり、人間と旧神を恨むもの。何故ここにいるのかは知りませんが……いえ、どこぞの百貌の神(やらかし野郎)が連れてきましたね?はぁ……」

 

 シアエガ、人と旧神を恨むもの。封じ込められていた場所から目覚めたら即座に復讐に動くもの。タールのような液状の触手が、立っていた盾持ちを吹き飛ばす。

 

「……これ以上は無理ですね。仕方ありません……帰還させましょうか。良いですね、ニャ■ラ■■テプ」

 

 ノイズが走ったように。世界が割れる。そしてその先の世界を私の脳が認識しなかった。なにかが居る、それは分かる。分かるが認めてはいけない、認識してはいけない。覚えていてはいけない……そして私は気絶した。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「……ほむらちゃん……?どうしたの?」

 

 顔がかき消されている友人、暁美ほむらがおもむろに歩き出したので私は思わず追いかけてしまった。何かダメなような気がするのに、ほっとけない感覚になる。このままほむらちゃんを放置したらなにかいけないことが起こる。それだけは私にもわかった。

 

「ねぇ、どこに行くの?」

 

 先程から何回も声をかけているも、なんの反応もない。それにさっき見た空間のひび割れみたいなの、気になったけど言っちゃダメな感じしかないから行かない。そう思った瞬間、笑い声が聞こえたような気がした。

 

 

 

 歩き出して十分近くたった。周りの光景は徐々に歪んでいた。ねじれるように、回るように。もう既に視線の先は天地が逆転している。物理法則なんてここには存在しないのかもしれない。

 

「……」

 

 

 

 

 もう何分経ったのか分からない。多分一時間かな?それくらい歩いていた。もはや何が起こっているのか分からない……それでも認識できるものはあった、周りはすごく緩やかに広がっている、それだけだ。

 

 

 

 

 あれ?ここはどこだろう。どこか見た事がある光景だなぁ。それにしても綺麗だな、まるで花畑のような……あれれ?

 

 

 

 

 歪む歪む、視界が歪む。だけどほむらちゃんだけは変わらない。彼女だけがこの歪んだ世界の道標、未だに足が止まらないけどどこに向かってるんだろ。

 

 

 

 もう周りを見るのはやめた。既に何も無いから、暗闇だけだから。だから私はほむらちゃんだけを見る。ほむらちゃんだけを、私だけのほむらちゃんを。ほむらちゃんだけを、ほむらちゃんだけを、ほむらちゃんだけを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「……さやかさん?事情説明してもらってもいいですか?」

「あっははー!ごめーんね!」

 

 ここはマミさんの自室。先程まで何者かに操られていたであろうさやかと杏子と共に先程帰ってきたのである。

 

「おい、さっきのさやかはなんだったんだよ?」

「うーんとねー……わかんないかな〜」

「すっとぼけてんのか?」

「いや、ふつーにわかんないの」

 

 顎に人差し指を当て上を見ながら考えるもさっき起きたことはよく分からなかった。マミさんも考え込んでしまい話が出来そうにもない。

 

「てかいつの間に魔法少女になったんだ?教えてくれりゃ良かったのに」

「別にあたし魔法少女になってないよ?」

「……は?」

「キュウべぇだっけ?あんな変な生き物と契約なんかしてないよ」

「じゃ、じゃあさっきの姿はなんだったんだ?」

「んーとね……何となくできるようになってた!」

「それじゃ答えになってねぇよ……聞いたあたしが馬鹿だったよ……」

 

 ぐでーと、机に体を投げ出す。

 

 ここの空間だけはいつもの変わらない、平和な空間だった。

 

 

 

 





*まどか に なにか が おきた !

なお、次章で回収される伏線になります。今回はあまり関係ありません、マミさん達もね。

そして気絶するエヴァちん。仕方がないね、幾ら何年も生きようと精神だけは人のままですもの、ネクロノm()を見たらあぁなりますわ。ついでとばかりにニャルラト■■■もイタズラしましたし。うへへ……って感じで。

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