「はー、疲れた。春休み何のゲームやろっかなー。たまにはオンラインゲーとかも楽しそう…」
「優里ってマジでゲーム好きだよねぇ。飽きないの?」
「いや、確かにゲーム好きだけど隣のクラスの小日向って子には負けると思う。噂で聞いただけだけど、大会とかで優勝してるらしいし。後、飽きないのかに関しては…瑠花もあの歌い手さん、小学校の高学年の時から好きやろ?それと同じやで」
「あ~、成程ね?」
スマホを片手に、横断歩道の信号が青になるのを待つ彼女達の名は、
時を同じくして、また別の空の下。
「ファ〜、推し来なすぎツラタニエン…やっぱ無課金大事?」
「瑞輝。お前の言う無課金だし、無理のない課金の事だと思うが…正直もう無理のある課金になるぞ。そろそろやめとけって」
「いやいや、葵氏、良く考えてみろください?好きな人に対してマジにならない男がいると?」
「…すまん、そりゃいないな。しかし、そんな四六時中ゲームやってて良く飽きないな?」
「神ゲーなんでしゃあないっすわ。いや、正直勉強危うくて試験の度葵氏に迷惑掛けてるのは申し訳ないと思う。が、しかしやめられないとまらない何とか海老煎餅」
「うーん…まあ、夢中になれる何かがあるってのは良い事だよな」
「流石葵氏、分かってくれるか」
木陰でゲームを楽しむ
ところで。
魔法やファンタジーが存在する世界は、フィクションだからこそ面白おかしく捉えられる。
自分達が暮らす今は、平凡で、普遍で、ありふれていて、退屈だけれど。
だからこそ、大切で、楽しいのだ。と、四人が別の空の下で思う事になるのは…これからずっとずっと後の話である。
だって、誰も目の前で起きた、大型トラックの横転事故に巻き込まれるとは思わないだろう?
だって、誰も何もない空間から突然列車が飛び出して来て、それに轢かれるとは…思わないだろう?
「ようこそ、アンダーランドへ。」
意識を失う瞬間、知らない声が聞こえた気がした。