アイリスと呼ばれた少女が夜斗の前に到着した
「どしたの、夜斗」
「七式突撃降魔機槍を創れるか?」
「よゆーだよ。あんなの、恩恵使えば無限に創れるしね。そもそもアレに頼らなきゃいけないっていうのもどうなんだろうね」
「唯一真祖の眷獣を無力化できるらしいぞ」
「そんなの夜斗が召喚権限レベルを剥奪すればいいだけじゃん?」
「そうっちゃそうなんだけど、ただの人間が真祖を止める手段だからな」
「唯一を扱う人がただの人間、かな?」
アイリスはいたずらっぽく笑った
「さてな」
夜斗も口の端に笑みを浮かべて答えた
「作ったら草薙のとこに送ればいいの?」
「宅配便で第零機関として姫柊雪菜に送ってやってくれ」
「りょーかい」
デパートの中に戻った草薙と莉緒は、雪菜と古城のところに向かった
「古城。今いいか?」
「なんだよ…」
「先程、獅子王機関の煌坂紗矢華が襲撃してきた」
「え…?」
「目的は、突然現れたという第五の真祖の行方を探しているらしい」
「第五真祖、ってことか?」
「一概には言えないんだなぁこれが。その時使ってた眷獣が、サダルメリクと同じ見た目をしていたらしい。色は黒だったっぽいけど」
「え?つまり…どういうことだ?」
「お前…というより、第四真祖の試作品か廃棄する予定だったものが脱走したか復活したか、みたいな感じかな。っていうところか。ラーニングの中に含まれてないからなんとも言えないのがなぁ…」
「どうにかなるのか?」
「魔力量がお前の倍だから、お前で負けるレベル」
「マジかよ…相当やばいな」
(といってもその第五の真祖も俺の一割程度の保有量なんだけどな)
草薙はそう話し、残りは後で話すとした上で雪菜が試着室から出てくるのを待った
「せ、先輩…。これ、派手すぎませんか…?」
雪菜が着ていたのはワンショルダーと呼ばれるものだ
色はワインレッド。デニムのズボンとカーディガンを着用している
「なんか、こう…姫柊のイメージじゃないな」
「なんだろう…。姫柊雪菜の私服見ないせいで新鮮すぎて…」
「確かに、私を倒しに来たときも学校の制服だったな」
「3人がかりで言いますか!?」
そんな雪菜をみてまだ時間が掛かりそうだと判断した草薙は、クレジットカードを古城に渡して店を出た
待ちくたびれた様子の浅葱に声をかける
「飯の前に軽くデザートでも食うか」
「いいわね。るる屋のアイスとかどう?」
「美味いのか?」
「当然。この私が紹介するものに失敗はないのよ」
浅葱はそう言ってウインクした
姫柊雪菜の自宅に雪霞狼が届けられたのは、この日の夕方だった