ストライク・ザ・ブラッド 災厄を操る者   作:本条真司

17 / 22
第17話

草薙は見ていた

スピリダスが予告もなく飛ぶ瞬間を

 

 

(スクランブルか…?俺に連絡できないほど急に?ってなると襲撃か)

 

 

草薙は立ち上がり、雪霞狼だったものを掴む

雪菜に届いた雪霞狼は、アイリスが作ったもの。であれば本家より性能はいいはずだと考え、草薙はこの場を雪菜と古城に任せることにした

 

 

「すまんが少し出る。スピリダスがスクランブルした。姫柊雪菜のところに連絡は?」

 

「特に何もありません。第零機関の問題なのでは?」

 

「そういうことだな。…うん?あれは…飛行戦艦!?現代の技術じゃまだ作れないはず…ってことは、まさか…!」

 

 

草薙は窓から飛び出し、携帯電話で主たる夜斗を呼び出す

しかし、応答はない

 

 

「もう来やがったのか、暁の帝国…!」

 

 

夜斗は過去に、『暁の帝国』を名乗る組織が、現代の絃神島を襲撃してくることを予測していた

その日取りまではわからなかったものの、かねてから訓練を重ねてきたのだ

 

スピリダスとの砲撃戦が始まった

スピリダスの武装は空対空広範囲破砕弾頭と、大陸間弾道ミサイルの二つのみ

あのままでは確実に撃墜されてしまう

 

 

「くっ…!眷獣も射程外だな…、仕方がない。シフトアップ、フォースギア」

 

草薙の中にある魔力のギアが一つ、上がった

これは魔力の放出量や圧力に関わるもので、ギアを上げれば上げるほど放出量が増える

しかし圧力が低下するため、ギアが一つ上がるごとに単発の威力が半分になる

2つ上がれば更に半分、3つ上がればもう半分…と徐々に減少していく

最大のオーバーギアにすると、元の4%以下になるが、射程は約30倍

であれば通常時の1段階上、フォースギアまででも眷獣――というより《災厄者(ディザスター)》が届く

 

 

「!あれは…F35か!ってことは乗ってるのは主…!?」

 

 

草薙は驚くと同時にギアを戻した

そして走り出し、空間転移を思い出して転移する

 

 

「あの光は…汎用恩恵の《攻撃機(アタッタカー)》…。あれじゃ間に合わねぇ…!」

 

 

こういうときに限って、夜斗に次ぐ実力を持つ夜架が非番である

草薙は舌打ちをしながら、雷雲を発生させて戦艦に高圧雷を落とした

しかし

 

 

(あれで落ちねぇのか…!)

 

 

全く効果があるように見えない

 

 

 

疾く在れ(したがえ)、【夜摩の黒剣】!」

 

 

ギアをトップ…つまりは5に上げて、眷獣を放つ

これにより、古城が使うときの半分程度になったはずではあるが

 

 

「は!?雷で撃ち落とした!?」

 

『草薙か』

 

「主!どうなってやがる!?」

 

 

【夜摩の黒剣】が撃ち落とされた以上、トップギアでは眷獣を使う意味がない

そのため、急に通信してきた夜斗に問うしかなかった

 

 

『第四真祖の第二世代だ。トップギアにしたら叩き潰せない。ファーストに入れろ』

 

「けどそれだと、古城が使うときの10倍近くなるぞ!?」

 

『問題ない。紗奈の《拒絶者(リヴァイダー)》で絃神島は守ってるし、スピリダスは緊急退避させる。俺もお前がファーストギアで眷獣を使うなら、さっさと逃げるさ』

 

「…了解。責任はとってくれよ?」

 

 

草薙はギアをファーストに入れた

単純計算では、サードで放つときの4倍だ

しかし、古城と同じ威力にするためにはフォースギアにする必要がある

つまり、ファーストギアで放った場合は8倍の威力

普通に使えば島どころか本州まで影響が出てしまう

 

 

「…ギア、ファースト。疾く在れ(したがえ)、【夜摩の黒剣】!」

 

 

第四真祖のものであるはずの巨大な剣型眷獣の色が、一段と黒く見える

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。