【夜摩の黒剣】が飛行戦艦に向けて落下する
当てる前に止めるなどという甘えたことはせず、草薙は躊躇いなく本体にぶつけた
真っ二つに割れる戦艦から飛び出してきたのは、雪菜によく似た少女だった
「お前は…。暁零菜か」
「なんで知ってるんですか?」
「ラーニング済みだ。つかその眷獣、本当に雪霞狼に似てるんだな」
草薙は雪霞狼だったものを構える
ただし構えは夜架に教わった、夜架オリジナルのものだ
「その槍…ママの…それにさっきの眷獣はお父さんの奴ですよね?なんで貴方が使えるんですか?」
「さぁね。戦えばわかるんじゃねぇの?」
草薙は、破砕された戦艦の欠片が飛来し、その衝撃で墜落した3機目の戦艦が落水したのと同じタイミングで走り出した
(眷獣なら…雪霞狼が効くだろ!)
「【
「おらぁ!」
零菜の眷獣と競り合う草薙の槍は、何かを求めるように草薙の魔力を拒絶した
今、雪霞狼だったものから放出される神格振動波は必要最低限。眷獣を打ち消すことはできていない
「…まだ従わないか」
「…まさか無理矢理支配して…!?」
「…《災厄者》を知ってるのか。まぁ未来人なら当然かね」
ふと草薙は思った
この槍の呼び方は、現状【雪霞狼だったもの】
もしや、名前を欲しがっているのでは?と
「…
草薙が呟くと、雪霞狼だったものが黒く輝いた
一瞬のことだ。しかしそれが、草薙に確信をもたらすことになった
「…そうかい、お前も名前が欲しかったんだな。いくぞ、氷月華」
草薙は槍に魔力を流し込んだ
応じるように、完全な神格振動波が発せられたのを、草薙は感覚で認識した
「なっ…!」
「終わりだ、暁零菜。失せろ」
槍型眷獣を氷月華にて破壊した上で、そのまま心臓を貫こうと力を込める草薙
それに対抗してか、もう一度槍の黄金を召喚し、草薙の頭蓋を貫こうとする零菜
しかしそれを阻むものがいた
夜斗と、誰か草薙の知らない人だ
「…そこまでだ、草薙」
「これきりにしようか、零菜」
「主…!」「
「すまないね、夜斗。少々管理不十分だったらしい」
「構わん。俺らもお前の飛行戦艦ぶったぎったし」
状況が掴めない草薙と零菜は互いに顔を見合わせ、それぞれ攻撃をやめた
「…暁凱亜。これは貸しにしてやるから、生まれたら返せ」
「無茶にもほどがあるよ…。また過去渡りをして俺自身に伝えなきゃいけないじゃないか」
「待ってくれ主、どういうことだ?」
「ん?ああ、こいつらは敵じゃなかったってこと。暁零菜…つまり古城の未来の娘がきたのは、俺たちの存在を危険視したから。けどそこの凱亜…つまり息子は俺たちと交渉しに来た。それは絃神島を破壊しないようにするってこと」
「沈められてしまうと俺も萌葱も零菜も生まれなくなってしまうからね、可能な限り守ってもらおうと思ったのだよ。それはそうと…この人が草薙さんかい?随分と若い雰囲気だね」
「未来人なら知ってるんだよな、そこも。俺は草薙だよ」
零菜は思考を放棄した