草薙に与えられた任務は大きく分けて三つ
一つ、第四真祖、暁古城の監視
第零機関に害を成すと判断したらその場で抹殺する任務
二つ、獅子王機関姫柊雪菜の監視
一つ目と同じく、害を成すと判断したら報告と同時に姫柊を殺し、獅子王機関を壊滅させること
三つ目は、楽しむこと
三つ目に関しては何一つ指示を出されていないため、草薙は本当に自由気ままに楽しむつもりでいる
「つっても、二人同時に監視は無理ゲーだろ…。ノイズシリーズくらい貸してくれてもいいと思うんだけどな…」
草薙は3つ目のトリプルアイスを口にしながら呟いた
ノイズシリーズは、夜斗が作った人工生命体だ
とはいってもノイズシリーズの体に入ってるのは大部分が機械である
「貴方は、何者ですか」
「…!獅子王機関、よく俺に気がついたな」
「…っ!何故それを…!」
油断していた草薙の目の前に、雪菜が立っていた
草薙は焦るでもなく、淡々とアイスを食べ進めていく
「ふぅ。まぁ安心しな、俺の仕事は第四真祖の監視だから。一応名刺でも渡しておこうか?」
草薙は胸ポケットから名刺入れを取り出し、先程渡されたばかりの名刺を手渡す
書いてあるのは第零機関であることと、立場が第二部隊隊長であること
それだけだ
「第零機関…?初めて聞く組織ですね…」
「そーだろうな。まぁ特に危害を与える気はないよ、俺とか第零機関に損害がなきゃあな」
「あの先輩だとなんとと言えませんね…。何せ島一つ沈めかけてますから…」
「マジでやめろよ?スピリダス沈めたらマジで絃神島沈めるから」
「なっ…!」
草薙は飄々と言ってのけたが、雪菜にとってはデリケートゾーンだったようだ
と同時に、草薙にそれほどの力があると認識したのだろう。式神をバレないように飛ばした
草薙でなければ、それを認識することは困難だったことだろう
「さっさと戻ってやれよ、獅子王機関。待ってんだろ?第四真祖の妹と、友人がよ」
草薙はそう言いながら異能を起動した
仄かに霧が現れ、草薙を覆い隠し、濃度が高くなったかと思ったところで、何事もなかったかのように書き消えた
草薙の姿と共に
「…第零機関…霊桜草薙…」
雪菜はそう呟いて、凪沙や浅葱のもとへと戻っていった
その日の夜
「俺だ、主」
『草薙か。どうだ?初日は』
「特に不具合もなく、って感じだなぁ。あと住むところがないくらいか」
『暁古城の家の隣だ。鍵はポストに入れてある』
「先言ってくんない?俺このまま野宿かと思ったんだけど」
草薙は転移魔法で暁古城の自宅の隣の部屋に移動した
そして雪菜と出会ったことを報告し、継続の指示を受けて電話を終わらせた
「荷物…スピリダスに忘れたなぁ」
ため息をつきながら、草薙は兄である黒鉄に持ってきてもらうよう頼んだ