ストライク・ザ・ブラッド 災厄を操る者   作:本条真司

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第4話

あくまで成り行きで幼女もとい江口結瞳を助けることになった草薙は、夜斗がとったホテルの一室に結瞳を連れ込んでいた

 

 

(はたからみたら犯罪ですねこれ。まぁ別にいざとなりゃ逃げれるけど、さっき主にもらった情報によると魔族狩りとかいう魔女がいるんだよなぁ。空隙の魔女、だっけ。空間制御…いわゆる瞬間移動を使う…《災厄者》で再現できそうだな、災厄の魔女だし)

 

 

などと失礼なことを考えながら草薙は結瞳に五百円玉を投げた

 

 

「一階に自販機がある。俺のと君のジュースを買ってきてくれ」

 

「わかりました。何がいいですか?」

 

「甘い物で」

 

「意外と甘党なんですね。行ってきます」

 

 

草薙は《災厄者》。災厄のことならほぼ全てわかる

今、海底より近づいてくる災厄のことも

 

 

「この気配…レヴィアタンか…?いやそんなわけないか、こんな僻地にいるわけがない」

 

 

草薙は夜斗に電話をかけようとした。しかし

 

 

「圏外…。こんなところが圏外なんてありえないな…」

 

 

ため息をつきながら結瞳が開けていった窓を見る

人は通れない。そう思っていたが…

 

 

「…やはり魔族だったか」

 

「あれぇ?気づかれていたんですねぇ」

 

「起動申請。《災厄者》霊桜草薙」

 

『起動申請受託。システムオールグリーン…コンソール、無意識領域に接続開始…成功。神機【天津】起動しました』

 

 

草薙が声を発したと同時に、枕元にあった二本の剣のうち片方が草薙の元に飛んできた

そして草薙は、切っ先を結瞳に向ける

 

 

「災厄を操る俺が、君のような災厄に気づかない道理はない。尻尾あるし、魔力質的には夢魔…といったところか?まぁ何にせよ、俺に喧嘩を売ったんだから死ぬ覚悟はあるだろうな?」

 

 

草薙は魔力を圧縮したものを放出。並の魔族や人間であれば、これをプレッシャーと勘違いすることだろう

それほどに濃密で高圧なのだ

 

 

「…主はこれがわかっていたのかもしれないな。まぁそんなことはどうでもいい。君は解離性同一性障害といったところか?」

 

「え〜?つらい体験をした結瞳が、自分のココロを守るために生み出した人格ってことですかぁ?まぁ、当たらずといえども遠からずですかねぇ」

 

「イライラする喋り方だな…。で?その夢魔の能力でレヴィアタンを起こしてこの島に差し向けてるっつーわけか?」

 

「…そこまで…。貴方は…一体…?」

 

「第零機関第二部隊隊長、霊桜草薙。恩恵名称(ギフトネーム)は《災厄者》。レヴィアタンさえ、俺の支配下に置くことができる」

 

 

草薙はそう言うと同時に、狭い室内で後ろに飛んだ

背後には壁。これ以上後退することはできない

剣…というより槍を振り下ろしたのは、見たことのない黒髪の女だ

 

 

「…太史局か。どうやら、この国は俺たちをどうあっても敵にしたいらしい」

 

 

草薙は静かにキレつつ、女を睨めつけた

女は何も言わず、槍を構えているのみだ

 

 

「…仕方がない。ここで二人とも殺すことにしよう」

 

 

草薙はもう片方の剣を手に取り、十字になるように構えた

片方の切っ先は空を、もう片方の切っ先は女に向けられている

 

 

「厄災よ爆ぜろ。我が恩恵を以て、汝が敵を打ち滅ぼせ」

 

 

草薙を覆い隠す濃密な赤い霧が、剣に収束され、形状をかえる

二本が合わさり一つになり、機構的な造形が見られるものに変化した

 

 

「アマツマガツチ」

 

 

草薙が呼んだその剣が、青白い風を纏っている

アマツマガツチ。2つに分かれたときに名前が変わり、天津と禍津になる

 

 

「…お姉さん…」

 

「大丈夫よ、勝つから」

 

「なんで俺が悪役みたいな言い方するんですかねぇ…」

 

 

横一文字に薙ぎ払うと、アマツマガツチが風を起こして結瞳と女を外に追い出す

それを追いかけて草薙が窓から飛び降りた

 

 

「…もう一個の能力も使っとくか、試験的に。平和の創始者(ピースメーカー)!」

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