ストライク・ザ・ブラッド 災厄を操る者   作:本条真司

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第6話

草薙はふと、レヴィアタンのことが気にかかった

《災厄者》で操り、海底に返すことはできる。しかしそのためには、一定の距離まで近づかなければならない

それに適した異能持ちが、第零機関にいるのだが…

 

 

「クスクス。お久しぶりですわね、霊桜草薙」

 

「ああ、ちょうどよかった。呼ぼうと思ってたんだよ、夜架」

 

「あら、わたくしになにか御用が?」

 

「ああ。お前の恩恵(ギフト)でレヴィアタンが浮上した瞬間に真横に飛ばしてほしくてな」

 

「そのつもりですわ。主様直々に、あの厄災へ対応するように命じられておりますの。殺すだけなら簡単ですけれど、あの子に罪はありませんわ」

 

 

夜架は妖艶な笑みを浮かべながら言う

こういうところが草薙が彼女を好きになれない要素の一つだった

 

 

「…そういや、恩恵名称(ギフトネーム)は何なんだよ?お前の能力だけ行方不明だろ?」

 

「…わたくしの恩恵は、《正体不明(アンノウン)》ですわ。データベースに載っている限りでは、唯一四文字かつ人を示さない名前ですわね」

 

「…たしかに、俺の恩恵にしろ主のにしろ、恩恵は三文字で人を示してるな」

 

「気にしていても仕方ありませんわ。とりあえず、あと一時間で浮上してきますし、装備を整えてはいかがですの?」

 

「その必要はない。どうせ、戦うわけじゃないしね」

 

 

草薙はレヴィアタンを憐れみ、戦わずに元いた場所に返そうとしているのだ

キャッチアンドリリース。…それにはサイズが桁違いではあるが

 

 

「わかりましたわ。では、帰りの手段を考慮してわたくしも一緒に飛びますわよ?津波なんか起こされても困りますし」

 

「起こさねぇよ…。まぁそうしてくれると助かる」

 

 

草薙はため息をつきながら、キーストーンゲートの屋上からレヴィアタンがいる方角を見た

夜架もつられてその方角を眺める

 

 

「怒ってる…だろうな」

 

「えぇ。カインの巫女…藍羽浅葱を殺すためとはいえ、レヴィアタンを悪用しようとしているわけですもの。利用されて怒らない存在はありませんわ。まぁわたくしを利用しようとしたらけします」

 

「怖いこと言うなよ…。お前の能力ただでさえおっそろしいのに」

 

 

草薙は夜架に視線を移し、反応を伺った

夜架はクスリと笑って、髪を耳にかけながら草薙を見る

そんな仕草にドキッとしたことを隠すように、草薙はまたレヴィアタンの方角を眺めた

 

 

「恩恵だけなら、貴方のほうが末恐ろしいと思いますわ、草薙さん?」

 

「それは否めんな。俺が起こした災厄は、わりと制御できなくなるし。異能込でようやっと一つの能力、って感じだ」

 

「そう考えると、わたくしの恩恵は児戯にも等しいかと」

 

 

そう言って夜架は空を見上げた

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