(クスキエリゼ、だったか。奴らがレヴィアタンを支配しても、取り返すことはできる。けど…その分レヴィアタンの負担がえげつないことになるな)
「あら、どうかされましたの?」
「ん…。いや、なんでもない。そろそろ行くか」
草薙は立ち上がり、浮上してきたレヴィアタンを見た
おそらく魔獣の動物園のような場所では、古城たちが奮闘しているのだろうと思いつつも、草薙は自分のやり方でレヴィアタンを海に返すつもりだ
「承りましたわ。《正体不明》、空間跳躍」
夜架が言い終わるとほぼ同時に、草薙と夜架はレヴィアタンの上にいた
空間跳躍は時間をゼロにする魔術を基に、夜架が改良したもの
時間だけでなく、体力や魔力さえ消費しない
「さて、と。じゃあお話と行きましょうか」
「わたくしは少し離れていますわ。第四真祖を遠ざけるのも、お任せくださいませ」
「つーかよく気づいたよな、古城。いや、獅子王機関の小娘が気づいたんかね?まぁ、あんだけ魔力放出してりゃあな…」
草薙はレヴィアタンの背を歩いて移動し、進行方向に立つようにして水面に降り立った
そして瘴気を身に纏い、周辺のすべての生物を怯えさせる
レヴィアタンといえども、多少は意識せざるを得ないだろう
「よう、レヴィアタン。俺は霊桜草薙っていうんだよろしくな」
返ってくる声は無い
「お怒りはごもっともなんだが、ちと身を引いちゃくれないかね?あの夢魔のガキは俺の方で叱っとくからさ」
レヴィアタンが首を傾げるように動いた
それだけで大波が起きるのだから、あまり動かないでほしいというのが草薙の心情だ
「お前を無理に起こして島に仕向けた奴がいるんだよ。けどさすがに島を消されると、俺とか住人が困るもんでね。なんだったらガキをここに連れてきてもいい」
『それには及ばんよ、人間。初めから沈める気などない』
「直接脳内に…。魔力を振動させてるのか。であれば、何故島に向かうんだ?」
『その夢魔のガキに、ビンタでもしておこうかと』
「そんなことしたら完全に沈むわ!体の大きさの比率見てみろ!」
レヴィアタンの全長は数キロにもなる。そんな巨大な体の手(それがあるかは別として)で叩かれようものなら、第四真祖の眷獣よりわかりやすく沈んでしまうのは明白だ
『であれば、どう落とし前をつけよう?』
「あー…んー…。どうしても自分でやりたいなら、うちの主呼んで対応してもらうけど…?」
『お願いしたい』
「りょーかい」
草薙は電話をかけた。主たる夜斗に
すぐに応答した夜斗は、スピリダスをスクランブル発進させることを決めた
(…ま、主がどうするかはわかんないけど)
草薙はかなり遠くで揉めている暁古城、姫柊雪菜と夜架を遠目に眺めた