ストライク・ザ・ブラッド 災厄を操る者   作:本条真司

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第8話

夜架は笑った

自分に眷獣を仕掛けない古城を見て、その程度の覚悟かと

そして向かってくる雪菜の斬撃を片手で跳ね除ける

 

 

「対刃防壁、ですわ。切断属性武器の攻撃を完全に無力化するものですわね。その槍はたしか、七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)でしたね。獅子王機関の対魔族兵器の一つですわ」

 

「…!何故雪霞狼のことを…!」

 

「ふふっ、いいですわね、その焦る顔。たまりませんわ。わたくしを含め、第零機関の者たちは既に、この世界をラーニングしておりますの。なので、あなた方が知らないことも、知ってることも全て知ってますわ」

 

「ラーニング…。そういえば、さっき結瞳のことを頼んだアイツも、去り際にそんなことを言ってたな…」

 

 

草薙は古城から離れる際、一言だけつげたのだ

「お前のことはラーニング済みだ」と

 

 

「ほら、早く眷獣を使わないと…その剣巫ちゃんが死にますわよ?」

 

 

クスクスと笑いながら、夜架は片手を上に上げた

そこに周辺の酸素と水素を合成して得たエネルギーが集まり、圧縮されていく

超高圧の電気が、夜架の頭上に生まれた

 

 

「俺は…普通の人に眷獣を使うわけには…!」

 

「ここまで見て普通とするあたり、あなたは異常ですわ。わたくしは一切加減はいたしません。ああ、それとその槍で防ぐことはできませんわよ?」

 

「…っ!」

 

 

雪菜は考えを見透かされたことに驚き、また防げないことに驚いた

 

 

「これは燃料電池の要領で取り出した電気を、魔術で集めたもの。たしかに魔術の核を破壊すればわたくしが操ることはできなくなりますわ。けど、制御を失った電気が暴走したらどうなるか…おわかりだと思いますわ。とくに、第四真祖の眷獣を知ってるあなたなら」

 

 

夜架は手を前に向けた

すなわち、雪菜と古城にだ

 

 

無方向性電磁砲(ノンディレクショナルレーザー)

 

 

夜架の頭上の電気の球から発されたレーザーが、雷にも似た勢いで古城を襲う

 

 

「ついでですわ。水遁・水龍の舞」

 

 

海が荒れ、海水が龍の形になり古城たちに降りかかった

それ自体には攻撃力はない。しかし

 

 

「塩化ナトリウムその他不純物の混ざった水は電気をよく通しますわ。まぁ、第四真祖は殺せなくてもあなたくらいなら…ね?」

 

 

夜架は笑っている

さながら悪魔のように

 

 

「先輩!一度逃げましょう!」

 

「ど、どこに?」

 

「クスキエリゼの潜水艦にです!」

 

 

言うが否や、雪菜は古城を掴んで海に飛び込んだ

レヴィアタンの背中に残された夜架は、頭の方を見やりつつ、またクスリと微笑んだ

 

 

「期待していますわ、草薙さん」

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