かつて極東には聖杯戦争があったらしい   作:つどい

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レンとの感応反応後、リーダーは初恋ジュースを落としたのも気にせず研究室に走ります。この時の缶の躍ね方、明らかに中身空なんですよ。
つまりリーダーは「初恋の名に相応しく、ほろ苦さと甘酸っぱさが同居した、全てを阿鼻叫喚の渦に叩き込む、まさに殺人ドリンク」を飲み切る味覚持ち。

なら激辛麻婆だっていけるいける(白目)



そして日常へ

 

 青白い一閃が、神機使いを薙ぎ払う。

 

 アリサが涙を浮かべる。

 

 ソーマの剣筋が鈍る。

 

 リンドウさんが狙いを外す。

 

 コウタが歯を食いしばる。

 

 氷の息吹が地を這い、四人に襲いかかる。

 

 このアラガミには勝てない。

 なぜだか、そう確信できた。

 

 でも一人足りない。隊長がいない。

 俺私は何をしているんだ。

 

 盾になれ。

 仲間を守れ。

 生きて帰還させろ──!

 

 

 

 

 

 

 

 

 意識の浮上と共に目を開けると、いつもの天井だった。

 すごく嫌な夢を見た気がする。頭痛はないが、背骨が折れそうに痛い。ひどい目覚めだ。

 

「ム、起きたのか。調子は──まだ悪そうだな」

 

 ドアを開けて入って来たのはライダーさんだった。見慣れた茶碗とペットボトルを持ち、小脇に薄い袋を挟んでいる。

 

「川にいたはずじゃ……夢?」

「あの活躍を一夜の幻にして良いのか?それではキャスターが浮かばれんぞ」

 

 奇妙な怪物が現れて、頭痛をこらえて戦って──と振り返るが、その後どうなったのか、記憶が抜け落ちたように思い出せない。

 

「あの人は……」

「満足げに還ったわい。全く人騒がせな奴よのぅ」

 

 サーヴァントとは、地上に投げ落とされた影法師。体は魔力で構成され、霊基が破損すれば座に還る幻想。

 いつか()()も、死体も残さず消滅してしまうのだろう。まだ死んだ覚えはないのだが、死んでなければここにはいない。

 

「お主はキャスターを下した後、突然倒れたのだ。聞きたいことはあるか?余に何でも聞くが良い」

 

 ライダーさんは自分の拳で厚い胸板を叩いた。

 特に聞きたいことはないのだが、話したいことはある。

 

「……本当に()()がサーヴァントなのか、まだ自信を持てません。クラスっていう枠組みも、サーヴァントには必要なものなんですよね?」

「必要不可欠だな。だが一番妙なのは、お主のマスターが出て来ないことだ」

「……」

「というかパスでわからんのか?弱った今なら、魔力を辿れそうなもんだが」

 

 魔力と言われても……と思ったが、魔力反応はアラガミ反応と同じ──そもそも魔力という点ではアラガミも同じだった。なんだ、アラガミ反応を探せばいいのか。

 

 さっそく周囲に意識を集中させてみる。

 しかしウェイバーらしき反応があるだけで、誰か一人と繋がっている感覚はない。むしろ大量の糸が伸びているような、輪郭が溶け込むような感じがする。

 

「まあ余は魔術師ではないからな。小僧に聞いた方が早いかもしれん」

「わかりました。起こすのも悪いし、後で行きますね」

「マスターなら下で朝食の最中だが?」

 

 おや、珍しい。昼夜逆転していると、いつもマーサさんから聞いていたのに。

 

「思うところがあったのだろう。今朝から身長が云々と息巻いておったわ」

 

 では馳走になったら連れて来よう、と言って、ライダーさんは粥が入った茶碗とペットボトル、そして冷却シートを置いて部屋を出ていった。

 すぐに階段を降りる足音が、それから賑やかな声が聞こえてくる。どうやら入居者が増えたらしい。

 

「……さてと」

 

 ベッドから起き上がり、体をほぐす。風邪だと思われているようだが、体調に問題はない。

 でも誤解を解こうにも、倒れたのは事実。夫妻を納得させるいい理由が思いつかない。

 

 結局冷却シートをターミナルに保管し、部屋を出た。

 グレンさんとマーサさんに顔を見せたかった、というのもあるけど。

 

「せめてスプーンがほしい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 時は少し遡り、黎明に差し掛かる頃。遠坂時臣は頭を悩ませていた。

 

(あのサーヴァントのおかげで未曾有の大災害は免れた。だがしかし……)

 

 庭は霜が降り、架線は凍結し、電車は運行を見合わせた。一夜にしてあらゆる屋根から氷柱が下がり、未遠川は底まで凍っている。

 キャスターの目撃者は聖堂教会が対応したが、この現状は隠しようがない。

 

 しかしこれだけではない。

 災害は冬木に留まらなかった。

 

 一地方が過去最低気温を記録した程度であれば、話題にもならなかっただろう。何より、遠坂の力で隠蔽することができる。

 だが同時に冬木周辺の気温が上昇したのは良くなかった。

 

 共謀者である綺礼から入った連絡──

 

『簡単に言うと冬木は冬木周辺に熱エネルギーを奪われたのでは、という議論が上がっています』

「ふむ。つまりどういうことかね?」

『……戦闘の形跡を観測された、ということです』

 

 生粋の魔術師である時臣にとって、科学や機械は天敵だ。

 だがもちろん、そういったものを生業としている人がいるのは承知している。魔術の隠蔽に際し、関わることも少なくない。

 

 とはいえ、御三家の一角としてそれなりの権力を持つ遠坂でも気象庁のデータを改竄することは難しい。いっそだんまりを決めようか、と時臣は割と本気で考えていた。

 

(いや、それでは遠坂家としての威信が……しかし如何せん規模が大きすぎる……)

 

 連日の無差別惨殺事件と、ここ最近は音沙汰がないが児童行方不明事件に悩まされていたところに、今回のキャスター暴走と冬木凍結だ。キリキリと痛む胃を摩るが、解決すべき問題は窓の外からじっと時臣を見つめている。

 

(サーヴァントは所詮使い魔。その本質は水面に映る月のようなもの。……だが、あれほどの威力で戦われては冬木が──下手をすると日本の半分が地図から消えてしまう)

 

 時臣は朝顔を象った通信機を起動させると、綺礼を呼び出した。

 

「気温については沈黙を貫こう。幸いにも今は冬だ。市民の動揺も小さい。こちらから動かずとも、冬の一風景として忘却されていくだろう」

『承知しました』

「時に綺礼、あのサーヴァントについて何かわかったことは?」

『はい』

 

 綺礼は冬木を凍結せしめたサーヴァントについて滔々と述べた。

 

 ライダー陣営と拠点を共有していること。

 間桐の娘と交友関係があること。

 商店街の人々に可愛がられていること。

 中でもコロッケ屋に餌づけされていること。

 よく公園で子供達の相手をしていること。

 たまに着ぐるみを着ていること。

 アサシンの気配を察知したことがあること。

 魔術界隈を揺るがすものを売っていたこと。

 聖杯から知識を得ていない節があること。

 真名を忘れている可能性が高いこと。

 

「ほう……一夜にしてこれほどの情報を集めるとは、君のアサシンは優秀だな」

『いえ、どうやら予め目をつけていたようです。実は私も一度接触したことがありまして』

「そうだったのか?」

『はい。まさかサーヴァントだったとは思いませんでしたが……』

 

 声を固くする綺礼。

 バザーで対面していたが、あの時は征服王というビッグネームに気を取られ、彼女の素性を蔑ろにしていた。だから昨晩、アサシンの視界とリンクさせた時は驚いたものだ。別人だと思いたかったが、押しつけられそうだったピンクのパーカーと色違いのパーカーが現実逃避させてくれなかった。

 

「そうか、それは災難だったな」

 

 部下を労る上司のように苦笑する時臣。その内心は冷や汗をかいていた。

 

(私も見覚えあるとか絶対言えない)

 

 しかも手作りのバターケーキを持って来られた、なんて平和すぎて言えない。アーチャーが不機嫌だったからすぐに追い返したが、サーヴァントだと気づけなかったと知られれば遠坂の権威に関わるかもしれない。

 

「……さ、さて、残るクラスはバーサーカーだが」

『あの威力からして、高ランクの狂化スキルを持つのでしょう。意思疎通はできるようですが、何かしら地雷があると見るべきです』

 

 アサシンと自分の視覚情報を基に報告する綺礼に、しかし時臣は「……それは違うぞ、綺礼」と机の上で手を組んだ。

 

「昨晩の戦い、私もアーチャーの宝具で上空から見ていたが──彼女に狂化スキルはなかった」

 

 その声は些かの苛立ちと、多分の疲労を含んでいた。

 

『私も確認しましたが……しかし狂化スキルを持たないバーサーカーがいるでしょうか。クラス同様、隠しているのでは?』

「エクストラクラスという線もある。間桐の支配者は五百年生きた実力者だ。先のアインツベルンのように何らかの策を用意していても不思議ではない」

『エクストラ……』

 

 父からある程度聞いていた綺礼は、エクストラクラスについて知っていた。

 確か、第三次聖杯戦争でアインツベルンが召喚したのがアヴェンジャーだったはずだ。しかしエクストラクラスの召喚はルール違反である。

 

『アーチャーはどんな反応を?』

「裁きの時は近い、と仰っていたよ」

『……よくわかりませんが、機嫌を損ねていないなら何よりです』

「全くだ」

 

 時限爆弾を扱うような反応だが、アーチャーはそれだけ脅威たりえるサーヴァントである。敵に回せば一溜まりもなく、味方にするには接遇が難しい。

 

 話題に出すだけでも精神的なエネルギーが削られる気がして、時臣は失格になるべきマスターに話を戻した。

 

「間桐の娘と交友関係がある、と言ったね」

『はい』

 

 時臣は間桐家に養子を出している。間桐の娘といえば、間違いなく桜のことだろう。そして間桐家は聖杯戦争に参加している。

 

(しかし桜はまだ幼すぎる……となると、間桐家の誰かだが──)

 

 雁夜は深山町を出て行き、残されたのは兄の鶴野だけ。名目上は当代の間桐家当主だが、しかし彼は魔術師としての素質に乏しいと聞き及んでいる。もし召喚できたとして、サーヴァントのステータスは自ずと低くなるはずだ。令呪を使えば不可能ではないかもしれないが……率先してキャスターを倒す旨味はあまりない。

 

「ライダーの拠点にマスターらしき人物はいるのか?」

『そのことですが……冬木在住の老夫婦と、青年が一人いました』

「ではその青年がマスターか」

『いえ、確かに令呪持ちでしたが、昨日の正午の時点で消えていたそうです』

「消えた……?」

 

 サーヴァントはマスターを依代に魔力を譲受し、現界を保っている。マスターとのパスが切れれば、他から補うしかない。

 

「まさかっ、最近の事件は奴の仕業か?」

『いえ、彼女──リーダーの行動はアサシンが監視していましたが、怪しい行動はありませんでした。おそらくキャスターの仕業でしょう。青年がキャスターのマスターで、キャスターはそれを破棄して魂食いに走ったと思われます』

「………………そうか」

 

 複数の感情が交錯して、ようやく口から出てきたのはたった三文字だった。

 そんな時臣の心情を知ってか知らずか、綺礼は最後の情報を報告する。

 

『先程、死体が二体発見されました』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人は誰しも、他人には言えない秘密がある。親しくても、あるいは親しいからこそ絶対に隠そうとする秘め事がある。

 

 言峰綺礼もその一人だ。

 

 あらゆる物が凍った翌日、冬木市民はスタッドレスのタイヤに交換したり電車の代わりに徒歩で通勤したりと、対応を余儀なくされていた。

 

 積雪であれば、足跡に沿って歩けば良かった。雪を潰し、水分に変え、蒸発させることができた。

 だが凍結した道路は、いわばスケートリンクのようなものだ。革靴やスニーカーで歩くなど、困難を極める。北国の者であればスタスタ歩けるだろうが……冬木は温暖で、まず雪が積もることが珍しい。

 

「うぉっ!?」

「ぎゃっ!?」

 

 夕方になっても溶ける様子はなく、学生から社会人まで、あちこちで尻餅をつく始末。

 その中を綺礼は鍛えた体幹を駆使し、優然と歩いていた。その足取りは安定していて、誰も自問自答に集中しているとは思わないだろう。

 

 

(外出しているのは、被害をこの目で確認するためだ)

 

(人通りの多い道を進むのは、まず大部分を把握するためだ)

 

 

 順調に自問自答を繰り返す綺礼。

 だが何度繰り返そうと「ある質問」で止まってしまう。

 

(では人が転ぶ度にニヤけてしまうのはなぜだ?)

 

 答えられない。

 否定したいのに、窓に反射する像が真実を突きつける。

 

 綺礼は生来、大衆が美しいと思うものを美しいと思えなかった。病気を乗り越えた男女の結婚、子犬と子供の絆、動物の親子愛──感動すべきものに、何一つ心を動かされなかった。

 

(その答えがこれか?神父とあろうものが、このような性質を持って良いものか──)

 

 だが過去の己を鑑みれば、心当たりはあるのだ。

 

 凛の背中を押してタンスの角に足の小指をぶつけるよう仕向けたり──

 凛がトイレに入るのを見計らってトイレットペーパーを回収したり──

 凛の小学校の下駄箱に呪いの手紙を入れたり──

 

 道徳の教えに反する、逆しまな心。冬木の交通網を麻痺させるのに比べたら可愛らしいものだが、己の内に善心があると信じ続けてきた綺礼には、にわかに信じがたい真相だった。

 

 しかし。

 足を滑らせて顔面を強打するサラリーマンを見ながら、綺礼は思う。

 

(悪心の内在は善心の否定ではない。他人の救済を祈り、妻の死を悼む感情が存在するはずなのだ。小指の爪程度かもしれないが、他人の不幸を愉しむばかりが私の性ではない。問題は確認の仕方だが……)

 

 などと考えていると、いつの間にか紅洲宴歳館・泰山の前にいた。この店は綺礼の行きつけで、特に麻婆豆腐は行くと必ず頼んでいる。

 

 少し早いが気分転換に食べて行こう、とドアを開けた綺礼は、

 

「あ、神父の人」

「だれ?」

 

 無垢なる元凶と師の実娘に見つかった。

 

 

 

 

 

 綺礼は桜と顔を合わせたことはないが、アサシンの調べで容姿は聞いていた。特徴の一致と、リーダーとの関係。この二つを考慮すれば、名前を問うまでもなかった。

 

「……なぜ君達がここに?」

「おいしいと評判の中華料理屋に()()が出向かない理由があると思いますか?」

「質問を質問で返すな」

「反語だからノーカンです」

「殴ってもいいか?」

 

「アイ、揚げ鶏の甘酢あんかけおまたせアルー!」

 

 コトン、と皿が置かれる。唐揚げを覆う()()は照明を反射し、とろりとした茶色の艶めきを放っている。

 

 泰山の料理はほとんどが唐辛子まみれの激辛料理だが、甘酢あんかけ系だけは別だ。甘酢なのだから当然ではあるが、チンジャオロースもホイコーローも魃にかかれば真っ赤に大変身。一見さんを逃げ帰らせる辛さを持っている。

 

 安全策に走ったな、と綺礼は口角を上げた。

 

「この店のオススメは麻婆豆腐だ。君も食べてみてはどうだ?」

「じゃあ魃さん、同じものをお願いします」

「アイヨー!」

 

 悪魔の囁きにのせられたリーダー。

 泰山の麻婆豆腐は、激辛なんて言葉では足りないくらい辛い。その辛さは舌が溶ける錯覚を起こすほどである。それを食べればどうなるか……勧めるべきではないが、綺礼は不本意ながら相席を選んだ。

 

「これなら食べれそう?」

「うん」

 

 店主は調理しつつ、大量の皿洗いに勤しんでいる。あまり繁盛しているところを見ないが、今日は別らしい。もう少し早く来ればよかったな、と綺礼は少し悔やんだ。

 

「マーボードーフおまたせアルー!」

 

 程なくして、煮立った釜のような麻婆豆腐が二つ到着する。

 唐辛子をふんだんに使った真っ赤な色彩。匂いだけで桜を涙目にする刺激臭。

 

「辛そうだなぁ……」

 

(これを見てまだ余裕があるか……。しかし嗅覚と視覚はまだ序の口。食べてこそ本当の戦いが始まるのだ。さあ、辛さに悶えるがいい──!)

 

 しかし一足先に食べ始めた綺礼は、ふと気づいた。

 桜が食べている甘酢あんかけ──その鶏の大きさが、子供用の一口サイズになっていることに。

 

(甘酢あんかけはフェイク……!最初から少女の分だったのか!ではまさか、厨房に溜まっていた皿は全てコイツ一人が……!?)

 

 思わず取り乱すが、すぐに冷静を取り戻す。

 麻婆豆腐の辛さは常連である綺礼が一番知っている。何も焦ることはない、綺礼はただ顛末を座視するだけでいいのだ。

 

 

 そして泰山最恐の麻婆豆腐が、リーダーを試す。

 

 

 マグマのような辛さが全身に染み渡る感覚。

 

 口にする度に、脳を焼く痛み。

 

 舌の触覚は既になく、額から汗が垂れる。

 

 

「これは……なんか…………違う」

「ほう?」

 

 予想していたリアクションと違うことに落胆つつ、綺礼は「何が違うんだ?」と尋ねた。

 

「辛味は痛みに通じるけど、極めすぎると痛みしか残らない。これはその典型です。もちろんマズイってわけじゃなくて、辛さの奥にある旨味に気づけてないだけかもしれないけど……求めてた『おいしさ』じゃない。食べた気がしないのもマイナスポイントです」

「そういう割に食べているが」

「食べた気がしないので食べてません」

「お前は何を言っているんだ」

「この暑さ、痛み、ハンニバル級」

「日本語で頼む」

「炎の手刀で焦がされたり火炎放射で吹き飛ばされたりしたけど、私は元気です」

「英霊が魔女宅を観るな」

「私、英霊のリーダーです。この子は虫嫌いの桜」

 

 俗世に浸かりすぎだろう、このサーヴァント。

 

「いや、待て、ハンニバル?君は紀元前の英霊なのか?」

「多分違います」

「まあそうだろうな……」

 

 リーダーという英霊はすべてがチグハグだ。

 現代に近いのに現代を知らず、かといって紀元前後のサーヴァントでもない。自前らしき服は明らかに現代風なのに、所持品は強い神秘を宿している。まずは真名を探ろうにも、本人が覚えていないと来た。

 

 決定的な情報を得られず、青年の死亡でも話そうかと思った時だった。

 

「リーダーさんは未来から来たの」

 

 わたしの方が詳しいんだから、と言いたげに、桜はドヤ顔で言った。

 

 

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