逃亡し世界を乱す者 作:脊椎
一軒家
我が輩は少年である、名は織斑一夏。比較的普通の少年である。家庭は唯一、姉だけである。両親はどうなのかと姉に問うた事があるが、問うた後にどうなったか覚えていない。頭痛だけが残っていた。取り敢えずその時は怖くなり、小学校時代のサスペンスドラマオタクの知り合いに聞いたが、恐らく聞かない方が良い。と言われた。自分の面倒を学業などで見られなくなった姉は、俺の小学・中学生時代は新しくできた友や、その数年前に隣に越してきた少女の家でお手伝いをする代わりに面倒を見て貰った。ただ、たまに不運モードが発動してトラブルに巻き込まれる事もあった。幸いなのはお手伝いをしている時は酷い案件が発生しなかった、いや、発動したときは休ませて貰った事か。そんな俺だが遂には不運モードのせいで女しか動かせないと言われていた知人の発明したISを動かしてしまうこととなる。そのせいで女子高のIS学園という俺自身はそこまで目指してない学力の学校に行くことになってしまった。政府の役人はテロ組織等からの保護と宣っていたが、IS学園はIS学園で大変なことになる未来しか見えない。今までの経験がそう言っている。普段、彼女が欲しいと呟いたりたまーに猥談をしたり、よく様々なジャンルのゲームをやる仲の赤髪の友人が良いなぁとかこぼした後、『いや、お前の場合とんでもなく洒落にならねぇな。俺にゃお前の幸運を祈るしかない。俺にゃそれしか出来ることがないからな。』たまに帰ってくる姉に相談したほうが良いだろうか?どこで働いてるのか知らんが。ともかく、姉はあの知人と知り合いでもあるし。というか、唯一の友人だったか。あの人はコミュニケーション能力がなさ過ぎる。せめて、ポケットティッシュから核融合炉を作るクマさん並みにないとな。んで、片付けで忙しいので結局専門用語ばかりの能無しタウンページを読み込めと言われたが最初の単元の十数ページしか結局読む時間が無かった。明日だもんな。はぁ、取り敢えず精神耐久力を上げるために満足しておいたが大丈夫かな。そう思考に浸りながら埃を被らないように色々仕舞ったり、整理していると、固定電話が鳴った。どうやら姉らしい。やはり、相談する必要があったろう。怒られないと良いなとため息をつきながら携帯電話の受話器を取った。
「はーい、いつも不運なスマイルボーイ織斑一夏ですがなにか?」
『久し振りだな一夏。元気か?』
「うーん(-”-;)、元気ではないかな。何か難解な専門用語ばっかりの理系工学ので良いのかな、参考書を渡されてIS学園入学までに全部読んでおけとか言われたけど、結局諸々の家事とか相談事聞いて貰ったりとか、解読するのに時間が掛かるとかで、結局十数ページの何が書いてあるかについて、専門用語について調べたのも含めて纏めて、ってやってたから。」
『そ、そうか、すまん。でだ、一夏、教室の机の位置は何処ら辺が好みなんだ?』
「唐突にどうしたのさ?そんな事聞いて。」
『いや、単純に気になってな。』
「ふむ、………まぁ良いけど。窓際族な俺は序でに一番後ろにあると良いよね。って思う。目立たないし、背中に視線を感じることもないしね。」
『なるほどな、確かにそうだ。背中から視線は嫌だものな。』
「そういえばさ千冬姉、二人目の男が樹海に逃げ込んで消息不明っていうけど、凄いよなその家族。みんなそういう経験が大事になるよね。とか言って、ネットで叩かれてるのに全然気にしてないし。それどころか当の本人を信じきってるみたいだし。」
『あぁ、〔あの〕か。フフフ、本当にあの少年は凄い物だな。少々破天荒過ぎるが、お前も似たようなところがある気がするな。』
「それを言えば、千冬姉だって唯一の肉親に職場の名前すら教えないじゃないか。家事も出来ないし。俺はアンタが美人であるのに結婚出来ないまま老いを迎える様をいくら生活費を稼いでくれたりとかしてても嫌だよ。アンタの子供の顔を速く見せてくれって公衆の前に呼び出して叫んでも良いんだぜ。」
『その脅しは辞めろぉ一夏ァ!私だってなぁ。……んで、準備は出来ているのか?保険証とか、モバイルバッテリーとか、後服とか。』
「あぁ、勿論。怪我もいつするか解らないしね。( ̄ー ̄)」
『あぁ、少しはお前の不運っぷりが直れば良いのだが。』
「そのせいでIS動かしたりだもん。ホントにやんなっちゃうよ。」
『まぁ、そうだろうな。』
「弾にも目茶苦茶心配されたよ。死亡フラグは建てないようにしないと。」
『あぁ、気をつけろよ一夏。お前の平穏を祈って、乾杯。カシャッ』ゴクッゴクップハァ
「千冬姉、酒もほどほどにしろよ?」
『あぁ、解っている。最近の疲れのせいだ。』
「そっか。じゃぁ、準備もあるし、そろそろ電話切るね。」
『うん、お休み一夏。』
俺はお休みと返して、電話を切った。さて、準備の確認をしなくては。
IS学園
比較的新しい校舎の白い教室に甲高い黄色い声が響いている。本来女しかいないであろう教室に顔立ちの整った十分にイケメンと言えよう男子がいるからだ。そんな窓際最後列に座っている少年を話題に彼女らは話をしていた。
「ねぇねぇ、あの子噂の一人目だよね?」
「うん、あのブリュンヒルデの弟っていう。」
「遺伝子的に近いから動かせた?」
などと初対面の相手と会話を繰り広げている。
すると、緑色の髪の身長低めでやたらと同性からの恨みを買いそうなスタイルの良さの眼鏡の女性が教室に入り、教卓に立った。キリッとした表情で口を開く。
「皆さんご入学おめでとうございます。今年から三年間皆さんにはこの学校でISについてのことを学んでもらいます。」
そんな第一声と共に軽く自己紹介をさせた後、生徒の自己紹介をする番になった。中にはやけにゆるふわな雰囲気で周りに花が舞ってるように見えるツインテや、金髪のイギリスの高飛車な如何にもというお嬢様キャラの人とかいたので、一夏はこの先不運体質でやってけるのかと不安になった。そんなことを考えているうちに自分の番が回ってきたようだ。副担任の先生が自分を呼んでいる。起立して自己紹介をする。
「えと、お、織斑一夏です。そ、そのぉ……、3年間真面に生活が送れれば良いなと思っています。取り敢えずその…1年間、よろしくお願いします。」
緊張と不安でどもってしまったがまぁ、一応出来たので問題ないだろう。なんか、教室の雰囲気固まってるような気がするけど。一夏はそう考える。周りの女子は真面に生活できたらという一夏の一言に不運系男子かな?とか思考を巡らせたり、母性本能を何となく擽られたりしている者もいる。すると、黒髪長髪のスーツ姿の女性が眼に入る恐らく彼女が担任だろう。そして、生徒一同には見覚えがあった。世界大会で1位を取ったブリュンヒルデ、そう、織斑千冬である。彼女はハイヒール特有のカツンという音を響かせ教卓の方へ歩む。そして、教卓の隣に立った。
「お前達の担任を務めることになった織斑千冬だ。よろしく頼む。」
「き……」
「「「「「キャァァァァァァァァァッァァァァアアアアアアアア!!!」」」」」
生徒一同に挨拶をした千冬に大興奮のファン達、その歓声さることながら、さながら音響兵器というレベルだった。
それに被害を受け鼓膜が大変なことになる者も中には存在する訳で、一夏や、イギリスガールはぐでっとして灰色に染まっていた。中には微動だにしない者も数人いる。そんな女子を黙らせ、初日から速くも授業が始まるのだった。
休み時間、授業でついていける自信が無いため俺は参考書を読みふけっていた。そんな俺に話しかけた者がいた。イギリスの代表候補選手さんだった。
「ご機嫌よう?」
「えと、ど、どーも。代表候補選手さん。」
「惜しいですわね。代表候補生ですわ。織斑一夏さん。」
「あ、御免なさい。ISに関しては知識がないもので。」
「まぁ良いですわ。改めて、セシリア・オルコットですわ。よろしく。それで、貴方何を読んでいらっしゃるのですか?参考書?」
「えと、IS学園に入学するまでに読んでおけって言われて、でも、時間が無くて十数ページしか読めなくて、一応その、少しでも追いつけるようにって思って。その、……理系はあんまり得意じゃないから。」
「そうでしたの。私が教えてさしあげましょうか?」
「え、じゃぁ、お願いします。その、俺は理系は得意じゃなくて少し壊滅的なんですけれども良いんですか?」
セシリアの回想シーン
「フフ、例外もございますが誰だって最初は出来ないものですし、何度もやって経験を重ねて人は成長するものですから。努力しようとしている方の意志を無下にするのは高貴なる者の行いではございませんもの。」
「オルコットさんって、多分ですけどお嬢様ですよね?」
俺の問いにオルコットさんは一瞬戸惑いながらも答えた。
「えぇ、財閥の御曹司ですわ。」
「じゃぁ、凄いですね。そうやって、世間の風潮に流されず、自分の意志を持って正しいと思える行動を出来るのは。」
「いえ、私だって下手をすれば連中と同じクズでしたわ。両親の言葉あってこそですもの。」
「そうなんですか。でも、今、こうしてここにそのセシリアさんがいるのは本人の意志がそうさせたのではないんですか?」
思わず聞いてしまった。ちと失礼だったかな。
「フフ、そうですわね。あ、もうお時間ですわね。では、一応これを置いておきますわ。邪魔して御免なさいね。」
そう言って、オルコットさんは戻っていった。確かに授業開始一分前だ。準備をしよう、そう思い机を見ると、机に何か置いてある。何だ?名刺か。えっと、裏面をご覧下さい?いつの間に書いたんだろう?えぇっと…………………
「………はい。で、このISコアですが………そして、選手等一部の………」
ISの絶対数やISコアに関しての授業内容が今行われている。一応、予習しておけた範囲内だ。まだいける。そおそて、山田先生の話を聞いていると、何故居るのか解らないが千冬姉が話を切り出した。
「山田先生、あれを忘れていた。と言うことで、突然だがクラス代表及びその補佐を決めたいと思う。自薦他薦は問わん。意見があるヤツは手をあげろ。」
その一言に女子が動き出した。
「はい!織斑君が良いと思います!」
「私も!織斑君が良いと思います!!」
「で、織斑、当のお前はどうなんだ?」
なんか、ノリと勢いみたいな感じで推薦された気がする。俺はモルモットではない。(憤怒)
「俺は、…セシリア・オルコットさんが良いと思う。俺自身纏め上げるよりケツ蹴り飛ばして後押ししたり、見てる方が性に合ってる。補佐ならやっても良いけど。それにオルコットさんは信頼できる人だと思う。初心者の俺に努力しようという意志は無下にされるべきではないって言ってくれたから。」
「………だから、だから俺は、クラス代表にセシリア・オルコットさんを推薦したい。」
柄にもなく熱く語ってしまった。千冬姉も少し意外だという表情をしている。そこまでセシリアさんに驚いたのだろうか、鳩が豆鉄砲喰らったような表情だ。クラス全体の生徒一同の表情もあれ?みたいな感じだったり、ガッカリしていたり。でも、これでいいんだと思う。動物園のパンダ扱いは嫌だし、しっかりと意見も言えたし。そんな中、暫く止まっていた千冬姉が動き出した。
「オルコット、お前はどうなんだ?織斑はああ言っているが。」
「フフ、そうですわね。私自身クラス代表でも問題ありませんが……、クラスの皆さんはどうでしょうか織斑先生。不満がなければ私がやらせていただきますが。」
「ではお前達、オルコットがクラス代表、織斑がクラス代表補佐で問題ないな?」
そこに反論する者は居なかった。
「では、決定だな。1年間頼むぞ二人とも。はいやってくれる二人に拍手!」パチパチパチパチ
「では、授業を再会しますね。」
そうして、授業は恙なく進んでいった。
織斑一夏
若干フラグ体質(どのフラグ体質かは言ってない)。就職率の高い文系の高校に入る予定だった。時偶不運モードが発動する。中学生時代は酷かったので要介護認定を受けかけた。ので、鍛えることにした。誘拐されそうになった事は無かった。(本人談)
織斑千冬
ブラコン。せめて速く相手見つけてくれ。結婚式は?(弟談)お仕事忙しいんだ一夏ァ~~。
山田先生
スタイルお化け。癒し枠。肉弾戦は得意では無い。
セシリア・オルコット
あれ、俺の言うこと聞かないな。キャラが暴走した。書いてて一番楽しかったし、大して才の無い筆が乗った。高貴なる者には高貴なる振る舞いを。一夏を狼略しろとか言われてるがそんなの知ったこっちゃない。己の道を進む。料理は苦手。
なんか一人忘れてる気がする。まぁ、良いか。(・∀・)