ピット君が幻想入りしたようです。〈パルテナの鏡〉×〈東方project〉 作:マピロくん
評価やアドバイスなどいただけたら嬉しいです。
プロローグ-未知の世界
今日は、とても天気がいい。
太陽が、銀色に美しく光り輝いている。
そういえば昔、パルテナさまからこんな伝説を聞かされたっけ___。
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太陽は、私たちが住んでいるエンジェランドよりも遥か彼方で輝いています。
あの光り輝いている太陽のその裏側の光の届かない場所には、影となった双子の吸血鬼がひっそりと暮らしているのです。
その二人の吸血鬼の名は_______。
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「それでは行ってきます。パルテナさま」
「はい。お気を付けて」
ボクは今日も人類を守るための仕事に出る。ボクたちパルテナ軍と冥府軍、自然軍との大戦争は572年前に終わったために、もう戦う必要はないのだが、また正体不明の軍隊に襲撃されないようにパトロールのようなものをやっている。
飛翔の奇跡もかけてもらったし、(ボクは天使で翼もあるが、生まれつき飛べないため、女神であるパルテナさまによって5分だけ飛べるようにさせてもらった。)準備は万端。
ゲートを踏み切り、勢い良く外に飛び出すや否や、いきなり吹いてきた強風に仰られて、バランスを崩してしまった。こんなにも天気がいいのに風はとても強い。
なんとか立て直そうと両手を広げたが、もう一度強風が吹き、ボクはエンジェランドの外壁に身体を打ちつけた。その衝撃で、真っ逆さまに落ちていった。
「うわあああああっ!?」
思わず悲鳴を上げると、ボクの様子を確認してくれていたパルテナさまが、ゲートから顔を出し、
「ピット!大丈夫ですか!?」
と叫んだ。
しかしその時は、もうすでに雲を突き抜けて、人間界が見えるほどにまで低く落下していた。
その後、パルテナさまがボクの脳内に
「一旦、回収します!」
と直接交信で伝えてきた。が、いつまでたってもエンジェランドに帰るときの天の光が降りてこない。
ボクはそのまま人間界の広い森に大の字になって落ちた。砂埃が舞う。
「やっと止まった…」
独り言を呟いて、ゆっくり身体を起こした。
何故か、身体にはケガ一つなかった。天使は身体が丈夫で、やわらかい土に落ちたのもあるが、あの高さから落ちてケガがないというのは、あり得ないはずだ。
もう一度飛ぼうと立ち上がった。けれど、飛ぶことができない。恐らくさっきの外壁にぶつかった時の衝撃で飛翔の奇跡が切れてしまったようだ。
とにかく、もう一度飛翔の奇跡を掛け直してもらわないと…。パルテナさまに交信で掛け直してもらおう。
「すみませんパルテナさま。ちょっとぶつかった時の衝撃で飛翔の奇跡が切れてしまったようで…。もう一度掛け直してもらえませんか?」
…返事が無い。
「パルテナさま?聞こえていますか?パルテナさま?」
やはり返事はかえって来ない。
どうしよう…。帰れなくなるかも…。
風のせいで木がざわざわ音を立てて揺れている。そんな音で、ますます不安になる。
「わかった…すぐ…から、…は…そこで…いて」
どこからか、途切れ途切れに若い女性の声がする。足音がだんだんと近付いてくる。
「確かこのへんだったはず…」
とさっきの女性が言う。と同時に、ボクの目の前の低木がガサリと揺れて、その低木の間から、ボクと同じくらいの背の高さの女性が服についた葉っぱを払いながら出てきた。たぶん年齢も、ボクのを人間の年に換算すれば同じくらいだろう。
その女性は、全体は赤く、袖の部分が白くなっているワンピースのようなものを着ていた。しかし、その女性のなかでとても特徴的だったのが、頭についている大きな赤いリボンと、襟のあたりに挟んである、巫女が持っている白い紙が付いた茶色い棒のようなものだった。
その子はボクを見るなり、
「ああ、またここに人が入り込んだのね」
と驚きもせず、喜びもせず、冷めた顔つきで言った。
「あの、天使を見ても驚かないんですか?」
「ええ。うちには妖怪や吸血鬼がうじゃうじゃいるもんで」
「妖怪?吸血鬼??」
するとその子は、驚くボクの隣に座りこんで、笑顔でこう言った。
「ねぇねぇねぇ、あなた、お金とかもってなあい?」
「え…今は持ってませんけど…」
と言うと、その子は手を後ろについて仰向けに座るようにした。
「なーんだ、お賽銭欲しかったのになぁー」
つまらなさそうに、ため息まじりに呟いた。
でも、お賽銭を求めているのと、この子が持っている棒。もしかして…。
「あの、あなたは巫女さんなのですか?」
ボクが尋ねると、その子は待ってましたとばかりに襟から棒を取り出した。
「そうよ。私は博麗神社の巫女、博麗 霊夢っていうの」
「博麗神社…。博麗霊夢…」
すると、次は霊夢さんが質問を返してきた。
「それで、あなたはどうやってここに来たの?」
「ああ、それは…」
ボクは霊夢さんに自分は飛べない天使で、天界に住んでいて、そこから落ちたということを手短に説明した。
「え、あなた天使なのに飛べないの!?…まあでも、あなた行く宛もないんでしょ。だったらうちの神社に来なよ。何もないトコだけど、そこなら近いし、第一、こんな森にいても退屈なだけよ」
ボクは一瞬躊躇った。仕事以外で人間界に入ることなんて、今まで一度もない。
でも、やっぱり霊夢さんの言う通り、行く宛もないし、ここにいても退屈なだけだ。
「わかりました。連れて行ってください」
すると霊夢さんは、にっこりと微笑んだ。
「よし、あの距離なら歩いて行けるわ。行きましょ」
「はい」
こうしてボクは、霊夢さんに案内されて、未知の世界へと足を踏み入れたのだった___。
プロローグ 未知の世界 ―完―
もしこの話を読んでいる方がいらっしゃいましたら、できれば感想、アドバイス等あればよろしくお願いします。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。