ピット君が幻想入りしたようです。〈パルテナの鏡〉×〈東方project〉 作:マピロくん
「で…、ピット君はその、天使だから神様の使いなんだよね?だれに仕えているの?」
ボクたちは、霊夢さんの案内で、博麗神社へとやってきた。この神社は、なんだかとても寂しいところでもあり、神秘的なところでもあった。
正面には7メートル程の鳥居があり、地面は石畳となっている。中心には、小さめの境内がぽつんとたっているだけの神社だ。
ふいに、霊夢さんが尋ねた。
「あ…、ボクが仕えているのは、光の女神のパルテナという…」
パルテナさまのことを説明しようとしたときだった。
「光の女神パルテナ…。聞いたことあるわ。」
「うわあっ!?」
「紫…」
いきなり落ちついた女性の声が聞こえたと思ったら、端に赤いリボンが結ばれていて、紫色の目玉のような模様が空間を裂いた。
そして派手な服を着た女性が現れた。
手に鮮やかな扇子を畳んで持っていた。
その紫と呼ばれた女性は、上品に口を開けて言った。
「そのパルテナという女神は、500年ほど前に天界で人間をも巻き込んだ神々の大戦争のうち一つの軍の神…違ったかしら」
「たしかに大戦争は起こりましたが、ボク達の軍は人間を巻き込むなんてしていませんよ!ほかの軍が人間を攻撃していたので、ボク達もそう誤解されるように…」
逆上して反論しかけて、はっと気付いた。
誤解をしている人を責めるのは可笑しい。
ましてや初対面でこの発言はあまりにも失礼すぎる。
ボクが何か言うよりも先に、紫さんは口元で扇子を広げて
「あら、ごめんなさい。悪気はなかったのよ」
といい、ふふっと笑った。
「いえ…謝るのはこっちの方です。でも…」
なんだか少し切なくなり、何となく空を見上げた。
「でも、まずボク達の戦争は、人間が原因となったことには変わりありません。ただ、ボクたちパルテナ軍は人間を守ろうとして戦ったんです。自然軍と冥府軍、という軍隊が人間に攻撃したせいで、人間にとってはボクたちも敵のように思われてしまうので…」
「なんじゃその言い方は!わらわ達が黒幕だとでも言いたいのか!」
声が空に響いた。
「また変な声が聞こえたわね」
「あら、また訪問者かしら」
「…!」
ボクは声の主がすぐに分かった。
忘れない、忘れることのできない、あの声。
幼い女の子のような。それでいて似合わない偉そうな口調の。
「…ナチュレ?」
「ピット君、知り合い?」
「ほお、さすがに覚えておるわな。記憶力だけは一人前じゃの」
と聞こえたあと、天から光の柱が降りてきた。
数秒後、空から降りてきたのは、独特の赤色と胸元に薔薇の花がついたワンピース。身長ほどある長い杖。
ナチュレだった。
ナチュレが足を地面につけ、神社の広場の中心あたりに歩いていくと、光は消えた。
博麗さんと紫さんは、気を遣ってくれているのか、黙って見ていた。
そしてナチュレは、ボクに子供のようにニッと笑った。
「本当に久しぶりじゃの、ピット」
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