国民的人気を誇る『ツヴァイウィング』のライブが開催されるドーム付近には、ファンが長蛇の列を作っておりその中に1人の少女が電話をしていた。
「えー!ライブに行けなくなっちゃったって、どうして!?」
『ごめんね。盛岡のおばあちゃんが怪我をしたらしくて、今お父さんが車を出すの』
親友である小日向未来からの連絡で、唐突な謝罪とライブに同行できない旨を聞き少女『立花 響』はげんなりと落胆を示す。
「えぇ・・・でも私、あまりツヴァイウィングのこと知らないし・・・大丈夫かな」
「大丈夫だよ!きっと響も楽しめる筈だから!」
親友の小日向 未来は、響にそう言うと電話を切った。携帯の画面を見た響は自分だけが参加することに罪悪感を感じながらせめて親友に思い出話を聞かせようと思い列に並んだ。
だが彼女は知らない。それが地獄への片道切符であることを。そして終わりなき復讐への道が続いていることを・・・・・彼女はまだ知らない。
16時43分、『ツヴァイウィング』のライブを襲ったノイズによる未曾有の大災害。
その場には、観客、関係者あわせて10万を超える人間が居合わせており、 死者、行方不明者の総数が、12874人にのぼる大惨事となった。
死者の中にはツヴァイウィングのひとり、天羽奏も含まれており、 これを契機として、ツヴァイウィングは解散となった。
そしてあの事件から一月が経った後、生存者への迫害が始まった。あの事件の死者の約7割はなんと人間による2次被害で起きた被害で実質ノイズによる被害は3割にも満たなかった。世間の人間は何を思ったのか自分達は『正義の味方』を気取っているのかその生存者又は、その生存者の親族に対し激しい迫害を始めた。家に張り紙を貼ることはもちろん、ある人は生存者から仕事を奪い、ある人はイジメをして生存者を自殺に追い込んだり、ある人は自身の歪んだ正義を信じて生存者の命を自らの手で刈り取った。
立花 響もその被害者の1人だった。響は、何があったのか封鎖された工場におり泣いていた。しかし彼女の目は涙を流してこそいるがその瞳には憎悪の炎が映っていた。
「許さない。絶対に許さない。私が何をした。私はただあの女に誘われてライブに行ったんだ。なんであの女が責められず私だけが責められるんだ。あの女もあいつもノイズも全部絶対に許さない。お前らがお前らがそうやって私を否定するなら私もお前らの全てを否定してやる。生きることも死ぬことも全部全部全部全部否定してやる!!」
響は、泣きながらそうやって呪詛を吐いていた。そして工場にあった電動丸ノコを持ちそして自分の左腕を机の上に置くと。
「見ていろよ。お前らみたいな奴らなんかと絶対に手を繋がない。お前らと手を繋ぐくらいなら!!」
響は、そう言って刃が激しく動く電動丸ノコを振り上げそして
ブジュゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!グジュゥゥゥゥゥぅぅぅぅ!!!!!!!!!
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」