番外編は本編とは別物と考えてもらった方がいいです。
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「黎お姉ちゃーん!遊びに来たよー!」
「おー白ちゃん白さん、イラッしゃーい!」
「いらっしゃい!」
とある空間、黎と雷のもとへ、白式と白騎士が遊びに来る。
2人を笑顔で出迎える黎の横で、雷は何やら円形のものを七輪の上に乗せて焼いている。
「雷お兄ちゃん、何やってるの?」
「んー?ちょっと待ってなー、もうすぐ煎餅ができるところだから」
「お前、そんなこと出来たのか?」
「まだ勉強したばっかだけどな」
雷は煎餅にタレを塗っていく。
ココ最近、雷はネットワーク内にあるものからこうやって料理を作ることがマイブームになっているのだ。
「いやぁ、うちの雷にこんな趣味がおアリとはねぇ、料理ができる男はいいですなぁ」
「お前には負けるよ。てか煎餅に関してはお前が食いたいって言ってたじゃないか」
「そうだっけ?」
そう言いながら、黎は雷が作った煎餅(失敗作)が入っている袋から煎餅を取り出し、口に運ぶ。
「そんな失敗作食って美味いのか?」
「味が良ければ問題ナッシング。それに私は焦げ多めの方が好きなんでね」
「ふーん。よし、出来た」
雷は煎餅を紙に包み、白式と白騎士に差し出す。
「暑いから気をつけて」
「ありがと……あっつ……」
「白騎士もほら」
「うむ…………ところで」
「?」
「なんであいつはあんな死んだ目をしているのだ?」
白騎士がある人物を指さす。
それはとある番組のエンディングが流れるテレビの前で、虚ろな目をする打鉄弐式であった。
「………………」
「に、弐式、しっかりして」
「だ、大丈夫です、きっとお2人は生きていますわ」
「…………じゃああの勾玉は?」
「あ、あれは……」
「最後に2人が夕日の中振り返ったのは?」
「え、えっと、多分魂が天に「ティア!」…………は!
「………………ひぐっ」
「あーもうティアったら!泣かせちゃだめでしょ!」
「も、申し訳ございません!」
泣き始める弐式を、ティアと甲龍が必死に宥める。
「何があったの?」
「なんかね、テレビで応援してたヒーローが生死不明になっちゃったんだって」
「でも生きているかもしれないのだろう?」
「いやぁあれはダメっしょ」
「ちょ、黎。そういうこと言うなって、弐式先輩に聞こえたらどうすんだよ」
弐式は数日前にとあるヒーロー番組にハマったのだ。剣や銃を使わず、己の体で戦うシンプルなヒーローであり、追加戦士も最終回直後で、それまでずっと1人で戦っていたのだ。が、そのヒーローは最終回で人類滅亡を止めるため、自ら突撃したのだ。
「大丈夫よ!ご〇さんは生きてr「ご〇さ“ぁぁぁぁん!」あーもうどうすればいいのよこれ……」
「ミスティさんは何処をほっつき歩いているのでしょうか…………」
「な、何か大変そうだね…………」
「あいつは操縦者の影響を受けすぎだ」
「あんさんも大概や」
「ん?何か言ったか黎?」
「いいえ何も?さあて、そんじゃあっしは準備でもしますか」
「何の準備だよ?」
「いやぁ、もうそろそろ皆さんお腹まわりが気になるころおわっ!?」
突然黎は躓く。黎が手に持っていた煎餅(失敗作)の入った袋は宙を舞い、白騎士と白式に煎餅の欠片の雨及び粉の雨が降り注ぐ。
「きゃっ!」
「うわ!?」
「いてて……ん?あらま」
「あらまじゃねえよ、全く」
雷は白式と白騎士に降り注いだ煎餅と粉を払う。
「悪い、うちの黎がドジっちまって」
「あ、ああ、大丈夫だ」
「ひえぇ……ワンピースが粉だらけ……」
「ごめんごめん、今度弁償するから」
「……よし、取れた」
雷と黎は、2人に降りかかった煎餅の残骸を払い終える。
「…………あ、白騎士」
「なんだ?」
ふいに雷は白騎士の頭を撫でる。
「な!」
「おい、じっとしてろって」
突然のことで混乱する白騎士を差し置いて、雷は白騎士の頭を撫で続ける。
「よし、取れた。まだ髪に煎餅がついてたから…………白騎士?」
「…………」
パシンっ!
白騎士は徐々に顔を真っ赤にさせると、雷の頬にビンタを放つ。
「いって!なんすかいきなり!」
「知るか!」
白騎士は怒りながらそっぽを向き、煎餅を齧る。
「おやおや、伝説の白騎士にもこんな一面が……雷には驚かされますなぁ」
「黎お姉ちゃん、どうしたの?」
「んー?ひみつ」
「?」
私も、あの二人は生きてると信じてます。