メリー・ウィドウに酔わされて。(1)   作:魅華月 ミフネ

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初めまして
魅華月 ミフネと申します。

右も左も全くわからない
ど素人の初投稿です。
短いですが、少し大人の女性向け…かもしれません…。


モヒート〜渇きを癒して〜

空はどっぷりと夜に包まれ、

目に優しくないほどの眩い夜景と

人々の喧騒の中

会社員の桜庭 純恋(さくらにわ すみれ)は

仕事で疲れ切っていた。

 

こんな時は、嫌なことを思い出すのだ。

もう、できれば二度と思い出したくないような恋。

 

今でも、思い出すだけで悔しくなって泣きそうになる。

 

(嫌なこと思い出しちゃった…お酒飲も…)

 

そう思いながら、行きつけのバーへ向かう。

桜庭の行きつけのバーは、自宅から15分ほど

細い路地を歩いたところにある。

 

バーの名前はperfume

 

落ち着いた音楽が流れる店内に、オレンジ色の照明に照らされる

曇り一点ない綺麗なグラスたちと瓶。

いつも通り、カウンターの右端に座って注文をする。

グラスに注がれ、出されたのは

ミントとライムが飾られた、冷たいモヒート。

 

グラスを唇へ傾ける。

ミントとライムの香り…しゅわしゅわとした炭酸

渇きが癒されていくような。

 

(あぁ…今日は酔うのが早い…)

 

そんなことを思いながら

そのカクテルを味わう。

 

桜庭は、このひと時が

たまらなく好きなのだ。

 

不意に、後ろから声をかけられた。

 

「お一人ですか?

よければ、ご一緒しても?」

 

赤いルージュをつけた唇は弧を描いた。

 

「ええ、もちろん、一人は寂しいわ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

シーツの擦れる音で目がさめる。

寝ぼけた視界に飛び込んできたのは

知らない天井、皺の寄ったベッドと

床に落ちている女物の下着。

 

そして、隣には

煙を燻らせる煙草を咥えながら

滑るようにスマートフォンの画面を、指先でタップしている男

その顔は、とても焦っているように見えたのは

気のせいではないだろう。

 

(この人誰だっけ?)

 

思い出そうとしたが、飲み過ぎたらしい。

酷く頭がズキズキと痛むが

今日は、仕事で大事な会議がある日なのである。

遅れでもしたら…と、そんな考えがよぎったが、考えるのをやめた。

 

のろのろとベッドから出る。

フローリングの床が、素足には冷たい。

 

知らない男が、こちらに気づいたようで

先ほどの表情とは違い、優しげに微笑む。

 

「よく眠れましたか?」

 

「ええ…まぁ、それなりに。」

 

言葉は丁寧だが、

絡みつくような視線を背に感じながら

スーツに着替え、髪を整えて応える。

 

「ベッドの上の貴女は、本当に可愛らしかった。

楽しめましたか?」

 

「次、また会えたら教えてあげるわ」

 

男が何かを言いかけた。

その時、桜庭のものとは違う

着信音が鳴り響く。

明らかに焦っている男。

 

「それじゃあね」

 

重たい部屋の扉を開く。

男は、電話で誰かと話していて、揉めているのか

声が荒くなっている。どうでもいい…

もう夜は明けた、太陽が眩しい。

 

(昔の自分と重ねるなんて馬鹿みたいね)

 

コツコツとヒールを鳴らしながら

仕事へと向かう。

ヒールの音がほんの少しだけ、寂しく聞こえた。

 




読み苦しいところも多々あったかと思いますが
読んでいただき、ありがとうございます。
少しビターで大人な、それでもきゅんっとするような
素敵な続きを書けるように頑張ります。
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