今回は意外な出来事が起こりますよ。
あれから数時間経ちわたしは村に着くまでの間、ある事に対して頭に考えを巡らせながら歩いていた。すると…
「暑くなってきただな〜…」
「なぁチチ、あそこに見えるのって!」
悟空さが村らしき場所を見つめている。
ようやくついたようで…パオズ山の下の村と言っても、そこそこ離れているようである。
さて、ここまでの道中で必死に考え尽くしていたのは他でもない。
〈悟空さが村に迷惑をかけないようにする方法〉である。
行く前に悟飯さんに言われた通り悟空さは今現在、少し常識知らずなところがある。
そこをカバーするのが今回の私の役割だ。
「悟空さ、いいだか?あの村に到着する前に何個か約束するだよ。」
「な、なんかオラ嫌な予感がするぞ…」
「なぁに、かるーい簡単な約束だべ!…まずその1、お買い物の計算はオラに任せるだ!」
まずこれは確定で通る約束だと思われる。悟空さには計算は厳しいと思うし、何より本人も進んでやりたがらない。
「なんだよー!はっはー、そのくらいなら全然いいぞ!」
「んじゃ次その2!人の性別を確かめるとき、パンパンしない!」
これも確定事項。村の人に迷惑をかけるわけにはいかないし、なにより一応1番近い村なのでここの住民の間がで悟空さに対しての心象が悪くなったら困る。
「い???じゃあどうやって確かめるんだ?」
見た目でわかる。と言いたいとこだけど悟空さ、こういうとこ鈍いからなぁ…いや、待て待て。よくよく考えると…
「…そもそも確かめる必要がある場面が今日あるだか?」
「そりゃねぇけど…」
「ずこーーーっ!」
「…じゃあ決まりだな。次、その3!…えーと、その…」
「…」
「溜めてねぇで早く教えてくれねぇか?ここで立ってるままなのは暑いし嫌だぞ…」
確かにこの暑さで立ち往生しては体が熱くなってしまう。
でも、今から私が口にする言葉はそれと同じくらい熱くなっちゃうことでもある…
「そ、その!オラから絶対に離れないでほしいだ!!!」
「い?どうしてだよ急に」
やっぱりこの言い方じゃ変に思われるよね…いや、薄々気づいてはいたけど…どうにも話し方がこれ以外思いつかなかった。
要するに私が伝えたいのは、土地勘が無い状態でバラけて迷子になるのを防ぎたいから一緒に行動しようってことである。
でもそのままじゃわかりにくいかと、悟空さにわかりやすいようにうまく縮めたつもりだった。
でもこれじゃ自分が恥ずかしいだけだ。
…変な勘違いされる前に!!!
「い、いやあのな!?だから、はぐれたら困るから一緒にいるってことだべ!?」
「わ、わかったから落ち着けよ…」
なんとかわかってくれたようだ…最初からこれでよかったじゃん。
幸い変な誤解はされていなかったようで、私がただ慌てているだけの状態になってしまったけども…まぁ恋してるってバレるよりはマシ。
「…やっぱチチって変なところあるなー。」
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結果から言うと、村でのお買い物は無事に終わった。
そんでもって悟空さが迷惑をかけることもなく、無事に2人揃って帰れそうな状態にある。
んー、ここまで順風満帆。何事もなく…いや強面な獣人にちょっかいはかけられたりはしたが、村についてからは特に何もなし。
ならこのまま帰るかと、なんならもう山に帰る帰路に向かっている。
「悟空さー、帰るだぞー?」
「…チチ、なんだあれ?アリの群れみたいに並んで。」
…アリの群れみたいに並んで?悟空さの言い分から考えると、統一された動きを何人もしているという事だろう。
まさか、レッドリボン軍…!!!こんな早くから行動を始めてたなんて!
狙いはやっぱりドラゴンボール?それともこの時点ではドラゴンボールは求めていない…?
どちらにせよ悪名高い組織だ。勝てるかと言われると不安も残るし、関わらないでさっさと帰ってしまうのが得策かな?
「チチ、考え込んでないで見てみろよー、あれすげぇぞ?」
「レッドリ…って、ありゃ?」
悟空さの目線の先に居たのは私が想像していた大の大人のキビキビした軍隊とは真逆の人達だった。
「あ、あれは…ただの幼稚園かなんかの子供達だべな…?」
遠足かなんかできたのだろうか?想像してた恐ろしい人達では無かったのでホッとした。
「幼稚園?なんだそれ?うめぇんか?」
「子供達が通う施設のことだべ。都会の子ってのはな、そういう施設で物事を学ぶだよ。」
「ふーん…」
あ、興味無さそう。
にしても少し変な光景だ。列を作って先行して1番前を担当してるのは先生で間違いないだろうが、問題は後ろの方。
最後尾にも先生がいるんだけど、なんとその先生…めっちゃ背の高いハンサムなイケメンにナンパされている。
しかも追っ払いもせず子供達の列に混ぜてるし。
いやいや、子供を担当する人としてそれはダメじゃないの?と思ってしまう。
「お嬢ちゃん、お茶でも2人でいかがかな。」
「はぁ〜…もう、いい加減そういう変化はやめなさいって…」
最後尾の先生はそれはもうダルそうに流そうとしているが、男は中々食い下がらない。
「そんなこと言わずに、さぁ僕の胸に飛び込んでおいで…」
などと口説き文句を先生に言っているハンサムイケメン。
だが、そんなハンサムイケメンに魔の手が迫る!
「ギィエエエエエエエ!」
ガシッ!
「わ、わーっ!!!離せ!離せよ〜!」
なんと翼竜にハンサムイケメンが捕まえられてしまった!元々列で行動してる都合上目立つ上、さらに他とは一線を画す身長。これは狙われても仕方ない。
「あ、ああぁ…!!!なんてこと…児童が攫われてしまったら、この場合責任は私に…」
最後尾の先生は捕らわれたハンサムイケメンを見ながら言う。
とてもじゃないが幼稚園生には見えない…もしかして、なにか事情があるのかな…?
「なぁ、おめぇアイツ取られて困ってるんか?」
「え、は、はい…その、君は?」
おっと、早速悟空さが人助けに入る。私も負けちゃいられない。
「オラ達この辺の山に住んでる子供だべ。」
「そ、そうなんだね…?じゃあ君達、どうにかあの翼竜に攫われた人を助ける方法とか知らない?」
こんなことを言われてしまっては…目の前であんな光景を見てしまっては…
「悟空さ。」
「あぁ!」
「「オラ達にまかせてくれ!(だよ!)」」
「え、えぇ…?」
助けないわけにはいかないだろう。
なにか深い事情と闇を感じるが、この際助けてから聞けばいい。今はあの翼竜からハンサムイケメンを取り返すことだけを考えよう。
謎のハンサムイケメン、一体何者なんだ…?
一応分からない方のためにヒントを言うと、彼は南部変身幼稚園の幼稚園生らしいですよ。