レジアスがクビになったようです   作:ryanzi

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青銅時代プロの末路

羅輯から送られてきた情報は混沌をもたらした。

新設された最高評議会は例の無人世界に対する干渉を禁止した。

新たに設立された評議会は13人制で、腐敗は起こりにくいものとなった。

評議会は次に青銅時代プロの逮捕命令を発令した。

罪名は反人類罪。おりびえ革命の後、法改革が実施されたのだ。

管理局の法は『人類法典』という名前に変わったのだ。

青銅時代プロの航行船は藍色空間と比べれば、比較的スピードが遅かった。

そういうわけで、あっさりと彼らは逮捕された。

その時、意外な事実が発覚した。青銅時代プロと藍色空間は連絡を取り合っていたのだ。

それが発覚したのは、彼らが逮捕される寸前に、藍色空間に通信を送ったからだ。

 

逃げろ!管理局は我々を敵と見なした!

 

ちなみに、青銅時代プロの手掛けた作品のデータも送信された。

それを受けて、管理局は万有引力に加速を命じた。

そして、青銅時代プロに属していた者たちは三百年の冬眠刑が科された。

冬眠刑、というのはおりびえ革命による科学の急激な発展により、

新たに開発された冬眠技術を用いた刑罰である。

それだけでなく、青銅時代プロの所有していた絵コンテや資料、脚本は全て焼却された。

さらに、今まで青銅時代プロが世に出していた作品も次々と処分された。

海賊版サイトにアップされていたアニメも強制的に削除されてしまった。

これが多くの者たちの反感を買った。

まず、星杯アニメーションが管理局に対して反旗を翻した。

彼らは第九十七管理外世界の木星というガス惑星を拠点に反乱を開始した。

万有引力も離反宣言を発表し、藍色空間と行動を共にすることを決定した。

 

 

「・・・やりやがったね」

 

柊ねむの機嫌は使フレ2を見た時よりもずっと悪くなった。

多くの魔法少女たちが創造主に複雑な感情を抱いている中、ねむだけは畏敬の念を抱いていた。

彼らは自分たちの物語を紡いできたのだ。

作家であるねむにとっては彼らは実に偉大な作家であり、創造主だったのだ。

しかし、彼らは全てを奪われたのだ。創造したという罪で。

彼女は改めて管理局という存在を憎んだ。

彼らは稚拙な物語を描いただけではなく、創造主に生き地獄を与えたのだ。

ねむはそのように憎しみを募らせたが、他の魔法少女は違った。

マギアユニオンは計画の変更を余儀なくされた。青銅時代プロが行動不能に陥ったからだ。

時女一族も同様であった。ユニオンと時女はひとまず藍色空間に希望を見出した。

しかし、PROMISED BLOODは違った。彼女たちの憎しみは藍色空間に移ったのだ。

彼女たちにとっては憎むべき創造主が交代しただけに過ぎないからだ。

 

「こりゃ大変そうだ」

 

羅輯はいつものように平然としていた。ようやく彼はいつもの調子を取り戻したのだ。

 

「アンタ、よくそんな感じでいられるわね・・・」

 

水波レナに絡まれた。

 

「いいかい、レナ君。もともと僕にはアニメを作る以外に能がない。

だから、こうした事態の対処なんてできないんだ。

僕は最初から最後まで、多分流されるだけだろうね。

流されて流されて、最後は砂粒ぐらいまで削られるだろう」

 

その時、ふと羅輯はレジアスを恨めしく思った。

 

「なあ、煙花の脚本、本当に僕が書いたと思うかい?」

 

「えっ、やっぱり別の人が書いたの?」

 

「ひどいな。でも、君の言う通りだ。レジアスと言ってね、使フレ1も彼が作った。

彼が降板されていなかったら、いや、彼が生きていたら、まだ状況はマシだったかもね。

でも、アレは僕の目の前でぽっくりと逝きやがった。役目を果たしたと言わんばかりに。

それでどうだ?僕は管理局に追われ、管理局は君たちに滅ぼされそうになっている。

まるで国からは税を搾り取られ、ドールからは精を搾り取られてるような状況だ!

あのおっさんは僕に何もかも押し付けてさようならだ。

どうせ藍色空間は万有引力と駆け落ちして、誰にも知る由のない世界に逃げる。

そうなったら、君たちは今まで通りの日常を送ることになる。

日がな一日、魔女を倒し続け、グリーフシードを恵んでもらうんだ。

そして、その時が来たら円環の理(アンクル・サム)の求めに応じる!

どうだ、結局のところ何も変わらないじゃないか。だったら傍観したほうがいい。

どうせこっちも変わらないんだ。管理局は僕の引き起こした革命をいつかは抑圧する。

でも、誰のせいだと思う?レジアスのせいだよ。アレが死ななけりゃ、なんとかなった。

青銅時代は大人しく引き渡され、君たちは門の向こう側に帰る。

そして、僕は今までのように炎上する恋愛映画を作り続ける。

でも、もうそれは叶わない。だったら、残った時間を楽しむほかないんだ」

 

レナの答えは、平手打ちだった。

彼女は黙って、その場から去っていった。

そして、環いろはがやってきた。

 

「・・・大丈夫ですか?」

 

「大丈夫だ。以前は外から投げ込まれた石が頭に当たったこともある。

それと比べれば、だいぶマシだ」

 

「・・・レナさんのこと、悪く思わないでください」

 

「わかってる。僕も少し酷いことを言ってしまった。

君たちが何としても現状を変えたいと思ってるのはわかってる」

 

「・・・レジアスさんはどんな監督さんだったんですか?」

 

「正確に言えば、地上本部司令官だった。彼は公務員だったから。

でも、アニメにかける情熱は、人を守ろうとする意志と同じくらいすごかった」

 

「話してくれませんか?そのレジアスっていう人について」

 

「いいけど、そんな余裕はあるのかい?」

 

「ええ、キュゥべえたちが船の改造を終えるまで暇ですから」

 

「じゃあ、話すとするか。あの人は・・・」

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