羅輯は寝床の上で、こちら側の世界に侵入してきたアニメについて考えた。
どうにも不安で寝られないのだ。時刻は現世界時刻で午前三時。
「BETAだったら、あいつら来れないからな・・・」
BETA、というのは究極の法則プロが制作していたゲームに出てくる敵の名前だ。
彼らはさすがに次元跳躍とかの技術はないので、丁儀が逃げろという必要はない。
それに、次元跳躍レベルの技術を持っているのであれば、こちらの世界に攻めてくる必要はない、
そういったレベルの文明は、別の文明の資源に頼らずとも、自立できるからだ。
「・・・前提が間違っているな」
古代ベルカは何故、戦争を引き起こしたのか?
彼らは次元跳躍技術を持っていた。だが、彼らの文明はそこまでレベルが高くなかった。
だから、資源を求めて戦争を起こしたのか?
だが、一つの次元世界に何兆の星系があると思う?資源は自給可能なのだ。
彼らが最初に次元の海を観測したとき、何が起こったのか?
征服する必要のない世界。だが、その世界にはもしかしたら強大な文明が芽生えるかもしれない。
その疑念に支配されたとき、彼らは何をしでかすか?なぜ、宇宙を滅ぼす兵器が製造されたのか?
「・・・まさか」
資源目的という前提は完全に間違っていた。
資源があろうとなかろうと、向こうは攻撃してくるのだ。
「・・・それだけじゃないはずだ。ぼくたちは酷いことをしてしまった」
羅輯自身も、神を何度か恨んだことがある。
そして、アニメ制作者はまさに神として、キャラクターに苦しみを与えてきた。
もちろん、ほのぼのアニメは例外だが、そうではないアニメはどうだろうか?
そして、その世界の人間が創造主の存在を知った時、彼らはどう思うだろうか?
創造主たちは金が儲けれる限り、いつまでも続編を作り続ける。
藍色空間が機動戦士ガンボーイという金字塔的アニメを世に出してから、
その続編はいつまでも作られ続けた。その度に、あの世界では戦争が何度も起きている。
全ての悲しみが、創造主たちの金儲けのためだとわかったら、彼らはどう思うのか?
そして、いつ恐るべき続編が作られるのか、彼らはいつまでも疑い続ける。
一方的な猜疑は、連鎖し続ける。
「・・・真っ暗だ。真っ暗な森だ」
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おりびえ革命の後、新しいアニメ会社がどんどん設立された。
万有引力もそんな会社の一つだった。
特徴としては、藍色空間を捕縛するために設立されたことだ。
それは自然選択スタジオの再建時に発覚したことだった。
章北海の仕事机が二重底になっていたことがわかり、いくつかのメモが発見された。
そのメモから、藍色空間が事前に章北海から情報を受け取っていたことが発覚したのだ。
彼らは内戦が勃発するとわかっていたにもかかわらず、それを極秘にしていたのだ。
そして、自分たちだけ生き残って、逃げ出したのだ。
これは多くのアニメーターたちの怒りを買った。
万有引力の本社は最新型の航行艦であった。藍色空間の戦艦よりも少し速い。
彼らは藍色空間が逃げたと思われる方向にむけて出発した。
追跡中でも、データ送信でアニメを放送することになっていた。
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「・・・そりゃ、暗い眺めだな。ほのぼのアニメを除いて、どんなアニメの世界でも、
俺たちの世界に攻めてくるってか。本当に、暗い眺めだ」
「今までどうして思いつきもしなかったのか不思議なくらいだよ」
「それで、どうするんだ?管理局に頼んで、この世界を崩壊させてもらうか?」
「・・・スカリエッティのガジェットドローンは破壊された」
「くそっ、俺達以上の科学力を持ってるのか。じゃあ、宇宙の維持も余裕だな」
「宇宙の維持・・・まさか!大史、今すぐ管理局に連絡を取ってくれ!」
「はあ?それをやったらこっちの居場所がバレるぞ」
「管理局や侵入してきた彼女たちにもね。でも、問題は管理局なんだよ。
管理局がどうして管理世界を支配できていると思う?
圧倒的な武力だ。でも、それは相手が自分よりも小規模な武力だからこそ成り立つ。
管理局は僕を逮捕するついでに、侵入してきた彼女たちを鎮圧しようとするだろう。
でも、彼女たちのバックにはとてつもない文明が控えている!」
「お、おい。さっきから彼女たちって言ってるが・・・クソッ!あの淫獣のアニメか!」
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しかし、すでに手遅れであった。
おりびえ革命によって、人間性の解放が促された。
それに伴い、科学や魔法も大いに発展した。
それに酔いしれた人々は何の不安も抱かなかったのだ。
「うむ!この海のリハクがいれば皆、安全よ!」
リハク提督により、例の無人世界の奪還作戦が立てられた。
出撃する戦艦は百隻。これは異例の数であった。
だが、技術力の発展により、戦艦の量産が今までにないスピードで実現したのだ。
今回の出撃には、本局の誇る精鋭部隊の鉄華団も参加した。
「へっ、俺は鉄華団団長オルガ・イツカだぞ?負けるもんか」
彼らだけではなく、様々な局員が参加した。
例えば、妻と娘がいて人生の絶頂期にいるヒューズ。
「可愛い家族がいるんだ。必ず生きて帰るさ」
歴戦の戦場カメラマン、富岡。
「僕には経験があるからね・・・必ず勝ってみせるよ」
人間だけではない。リハクの乗る戦艦にはAIの如月が搭載された。
「頼りがいのある人たちばかりですもの。沈みませんよ♪」
なんか時代背景を間違えている局員もいた。
「こげんな武士さいれば大丈夫にごつ!」
とにかくすごい局員が集まった。
後方要員(近くの管理世界で待機)にもすごい局員が集まった。
例えば、コブラという凄腕局員。
「如月は俺のヒロインだ。必ず生きて帰ってくるさ」
頭脳は大人、体は子供な局員。
「うっわー、これなら勝てそうだー(CV.高山みなみ)」
変態だが、名探偵の孫である局員。
「俺も戦いに行きたかったな・・・」
目的地に向かう途中でも、どんどん局員が加わった。
次回予告で永遠に語り継がれそうな局員。
「マリクに勝つために、まずはこの戦いで鍛えるか」
しょっちゅう無茶しやがる局員。
「なあに、サイバイマンよりかはマシだろう」
すっごい強そうで、暁で死にそうな老兵。
「ふっ、これが最後のガンボーイファイトよ・・・」
技術の発達で、その老兵はようやくガンボーイに乗るという夢が叶った。
勝利は確実。誰もがそう確信していた。