SS形式を毎日更新できる人はほんと凄い
後、時系列は大体史実に沿っています。いわゆるオリ時空。
なのでテイオーやマックイーンはスペやスズカの先輩になっています。
春のGIシーズン・秋のGIシーズンになるとテレビ番組も特集を組んだりしている。実際、私の所にも直接取材が来たがそういうのはすべて拒否した。私が大怪我をした時に、あのクソ共が入院している私に突撃取材をしてきて病院に迷惑を掛けたからな。
実際に、あの騒動で入院患者の病状が悪化して、入院期間が延びてしまう事件が発生してしまい、突撃取材をしてきたクソ共は全員干された。
ただでさえああいうのに悪感情を抱いていたのに、あの事件が発生してからは、取材関係は全て拒否している。
テレビを見ていると、日曜日に行われる大阪杯についての展開などが討論されていた。大方の予想は
次のコーナーに番組が移る時に私は思わず顔を顰めてしまう。桜花賞・皐月賞についてのコーナーだったからだ。桜花賞はまだいい。牝バクラスの者達が出るレースだからな。コメンテーターなども盛んに展開予想などをしていた。だが皐月賞の事になると、途端に私一強ムードになる。
ここまで私は4戦しかしていない。しかし、4戦して2着から離した合計バ身は62バ身もあり、マルゼンスキーの
きさらぎ賞・弥生賞を連勝したナリタトップロードやホープフルステークスを勝ったアドマイヤベガも触れられていたが、最初の方で少しだけ語られていただけだった。後は全て私に関することばかり。三冠は確実とか無責任な事を言っている。
思わず、私はテレビの電源を切る。これ以上見たくなかった。
「こっちの気も知らないで……」
そう独り言ちながら、ベットの棚に置かれた封筒を見る。毎日杯が終わった後にトレーナーから貰った封筒。
―――皐月賞出走追加登録申請書
私は皐月賞の登録をしていない。あの大怪我で皐月賞は間に合わないと思ったから、東京優駿・菊花賞の登録だけをして皐月賞の登録をしていなかった。
"競走馬"だった時は調教師や馬主が色々決めていたから何も考えていなかったが、ウマ娘として生まれ変わったからこういう事も自分でやらなくちゃいけない。
「……外の空気でも吸ってくるか」
いろいろ考えるだけでも気分が滅入ってきた為、封筒をルームメイトであるビワハヤヒデに見つからないように隠した後、私は外に出た。
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ベンチに座って虚ろな気持ちで夜空を見上げる。勝っても虚しさが残るばかり。皐月賞の追加登録をして、皐月賞に出ても碌な勝負をさせてくれないだろう。若菜賞でも、若駒ステークスでもそうだった。あからさまに進路を封じたりしてきた者もいたし、タックルを仕掛けてくる者もいた。
全力で走りたい。そう思える同期はもう存在しないかもな。仮にいるとしてもメイショウドトウぐらいだ。アドマイヤベガもナリタトップロードも、私を避けている。メイクデビュー戦以降、私は周囲から疎まれている。追加登録するかどうかの相談なんて持ちかけたら、出るな!と言われるのが目に見えているだろう。
相談できる同期なんて私にはいない。去年までは何かと気に掛けてくれた
トレーナーやチームメイトにも相談したいが、皆忙しそうにしている為、頼ることもできない。仮にチームメイトに相談しても余計な軋みを生みそうで怖い。トレーナーは、皐月賞に出走してほしいのが本音なんだろうな。
海外に逃げることも考えたが、私にはその伝手がない。もし、行けたとしてもトレーナー達に迷惑が掛かる。パスポート申請とかもしなくちゃいけないし、宿泊先も決めなくちゃいけない。そもそもレースに出してくれるかどうかも分からないし、重賞を一つ勝っただけのウマ娘の為だけにURA者達が海外行く事を許可するとは思えない。
"掲示板"で
どうしたらいいか考えていたら、どんどん駄目な方向に考えているような気がする。やはり、"掲示板"の者達に頼った方がいいのだろうか。
そう思っていた時に―――
「あれ? オペラオーじゃん。
こんな時間にどうしたのさ?
何か悩んでるの?」
―――
「って、めっちゃ虚ろな目をしてんじゃん!?
本当に何があったの!?」
「……追加登録について考えていました」
「あー、そっか。
"競走馬"だった頃もそうだったもんね」
そう言って、
そう思い、私は悩みを打ち明けた。皐月賞の事。全力で走りたい事。周囲から疎まれている事。海外に逃げようかと悩んでいる事。
「そっか。
でも、海外には行かない方がいいよ。
旅費とか宿泊先の確保とかもそうだけど……」
「?」
「柳次さんが、バッシングを受けると思う。
世間はオペラオーが皐月賞に行くことが決定事項みたいな事になってるからね。
もし、この時期に海外に行くって事になったら、あのマスゴミ共が絶対に叩きに来るよ」
……海外に逃げるという手段は、既に潰されていたか。あいつ等は本当に腹立たしい。
「ダンス姉の時はさ。
弥生賞を見ていたEUA*1の人が、ダンス姉をフランスに誘ったから海外に行けたからね。
報道された時は凄かったなあ」
「そして、そのまま仏三冠を達成して日本に凱旋。
同一年で、仏三冠・秋シニア三冠ウマ娘になって年度代表ウマ娘になった」
「……本当、自慢のお姉ちゃんだよ」
この事は、テレビでもよく放送されていた。弥生賞が終わった数日後、フランスのグレフュール賞に招待されたという事を当時の
その時にナリタブライアンと一悶着あったみたいだが、詳しい事は知らない。だが、有馬記念が終わった後は仲良くなっていたみたいだ。
それにしても、海外に逃げることを封じられたから、やはり皐月賞に出走した方がいいのか。
「そうだね、出た方がいい。
間違いなく、進路を塞いだりする奴は出てくると思うけどね。
これからのレースもこういうのが続くと思うから、気を付けたほうがいいよ」
「……やはりそうなりますか」
「君を疎んでる奴等は、君の邪魔しかしない。
でも、君なら蹴散らせるでしょ?」
「邪魔する事だけしかできない者なんて、いなくなればいいです」
これは本気でそう思う。同期のウマ娘達も勝利を目指してトレーニングをしているのだろうけど、邪魔するだけならいなくなった方が遥かにましだ。
……こう思うと、
宝塚記念で、命を削りながらも
有馬記念で
安田記念・マイルCSでダブルノーブレスさん・リヴァーデュネットさんに勝利した
スターキャロルさんの牝バ四冠を阻止したメジロドーベル。
上の世代には最強姉妹と言われた彼女達に挑み続けた者達がいた。私の場合はどうだろうか。やはり、アグネスタキオン達が来るまで待たなくてはいけないのだろうか?
「ねぇ」
「なんですか?」
「……ちょっとはスッキリした?」
「ぁ……」
……確かに、悩みを言葉にして出したからか幾分か楽になった気がする。誰かに相談するというのはやはり大切なんだな。もしも、
逃げようと思ったけど、相談に乗ってくれたお陰で決心がついた。
「……ありがとうございます。
もう、迷いません」
「そっか。
それは良かった。
また悩み事ができたら、僕に相談するといいよ」
それから今後の事を話していたら、嬉しい事を言ってくれた。
―――僕は、君から逃げないよ。
―――君に勝ちたいからね。
そう言ってくれた時、思わず泣いてしまった。忌避され、疎まれていた私にこんな事を言ってくれた人はいなかった。だから
泣いた事を心配されてしまったが、嬉しくて泣いてしまったと言うと、今まで辛かったんだねと言い抱きしめてくれた。
思わずこのまま時間が止まったらいいのにと思ってしまったが、門限がせまって来ている為、部屋に戻ることにした。
その際、
何故渡してくれたのか聞いたところ、全力で走れる相手を用意しているとの事だそうだ。その相手を聞いた時、私は思わず驚いた。
留学生向けに、BCターフを勝ったティッカネン、パリ大賞典で
ダートの講師も米国のトリプルティアラ達成ウマ娘であるスカイビューティーや、サイテーションと同じ16連勝を達成したあのシガーまでいる。
夏休みに行くといいよと言って、
"掲示板"で解決しようとしていたら、ここまで気持ちは晴れなかっただろう。前を向いて走る気分にもなれなかったかもしれない。
もう、うじうじするのは止めだ。同期達には悪いが―――
―――"邪魔"しかしないのなら、潰す。
私は心にそう誓い、寮へと戻った。
【悲報】トレセン学園、ミスターシービーやナリタブライアンを引っこ抜かれる
この世界では、生徒会はナリタブライアンの代わりにビワハヤヒデが入っています
舞踊は仏三冠や凱旋門賞を勝っている為、世界中にコネを持っている設定
無敵の歌劇王の2001年のローテは?
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国内専念
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宝塚記念以降は海外レース
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海外専念