「えっ、解雇ですか?」
「うん、いやホント申し訳ないんだけどね。ほら、昨日の怪獣災害で家の工場がやられちゃったからさ、建て直しの為にも人員減らさなきゃなのよ。ただでさえ儲けが少なくなってきてるからさ」
「まぁ、それは分かりますけど、、」
「それに、玲君はまだ若いし、年齢の割に凄い技術力だからさ。もっと良いところに行くべきだと思うんだ。それこそ、大手の工場でその技術を生かすべきだと思うから。だから、今回は申し訳ないんだけど、、」
「はぁ、分かりました。今まで5ヶ月間ありがとうございました」
「ホントごめんね。次のとこでは頑張って!」
これが今日の出来事だ。僕の名前は宇ノ町玲19歳。さっきまで工場で勤務していた。ホントは大学まで行きたかったのだが、怪獣災害により家の金が生活ギリギリまで減っているため断念し、近くの工場に就職。そこで、働き出して5ヶ月、工場が怪獣の攻撃で被害に遭ったため行われた人員整理の犠牲になった。ホントこれからどうしようか。最近爺さんも病気で死んじまったし。かといって実家からとなると他の工場に行くのは大変だ。
「ホントこれからどうしたらいいんだよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ただいまー」
「おかえりなさい、玲。今日はずいぶん早いのね」
「いや、母さん、そのー、仕事クビになった」
「そっかー、まあ怪獣災害に巻き込まれてだもんねあそこらへんは」
「父さんは、、ああ、防衛軍の仕事か」
「そうそう。今回の件の後処理だってさ」
「ホント大変だよね、最近は。急に怪獣の出現頻度が増えて来たし」
「ホントにね〜、何でこうなったんだか」
今もテレビでは怪獣災害に関するニュースがやっている。ここ最近、世界各地で怪獣の活動が活発になりだした。理由は不明。これまでも怪獣が出てくる事はあったが頻度は1〜2年に1度有るか無いかぐらいだった。人々はこの事態を『地球温暖化の影響』だの『世界滅亡の始まり』だの『地球による人間への罰』だの言っている。
ピンポーン
「玲〜、私今手が離せないから出てくれない」
「分かった」
ピンポーン
「はいはーい、今行きますよー」
ガチャッ
「すいません。ここは、宇ノ町さんお宅で間違えないでしょうか?」
「ああ、はい。そうですけど、どちら様でしょうか?」
「あ、すいません。私、晴谷という者でして昭二さん、ああ、貴方のお爺さまの元部下でして今日、日本に戻って来たのですが同僚から昭二さんが亡くなったと聞きましてここに来た次第です。お葬式はもう終えられてしまったようなのでせめて、手だけでも合わさせて頂けないかと」
「ああ、そうですか。ちょっと待って下さいね」
一旦家に引っ込む。
「母さーん、爺さんの部下だったって人が手合わせたいって来たんだけどどうする?」
「名前は?聞いたことある人かもしれないし」
「えっと、待って晴谷さんだったかな」
「ああ、知ってる人よ。優秀なやつだったってお父さんが言ってたわ」
「じゃ、家にあげるよ」
「あとでお茶持っていくから、それまでお願いね」
はーいと返事をして、玄関の方に戻る。
「大丈夫なんで、入ってください」
「ええ、お邪魔します」
「仏間はこっちですね」
「失礼します」
爺さんの遺影の前で晴谷さんが手を合わす。
「昭二さんは何でお亡くなりに?」
「病気で、確か肺炎が悪化したか何かで、、、」
「そうですか、、」
「失礼します。この度は父に手を合わしに来て下さりありがとうございました。えっと粗茶ですがどうぞ」
「ああ、ありがとうございます。頂きます」
「えっと、何で帰って来てすぐここへ?」
「ああ、えっとですね。昭二さんからとあることを言われていてですね。内容が、『孫の世話を頼む』というものでして、去年メールで届いたんです。という訳で何か出来ることが有れば手伝おうと思いまして、、」
「あら、じゃちょうどいいですね。この子今日仕事クビになっちゃったんで何処か新しい職場紹介して欲しいのとその近くのアパートかどこかにでも済ませてあげられませんか?」
「そうなんですか。流石に仕事場を斡旋するのは無理ですが、住む場所の提供は出来ます。ある程度アクセスが良いところにするのでそこから職場を探して頂くという事でよろしいでしょうか」
「ええ、それでお願いします」
「ちょっと、僕の意見は!」
「玲、アンタどうせ仕事見つけなきゃなんだから。それに、一人暮らししたかったんでしょう?」
「そりゃそうだけど、今このご時世でアパートは、、」
「大丈夫です」
「いや、でも、、」
「玲、行きなさいな。この人お父さんの部下だったってことは研究職よ。頭いい人が大丈夫って言ってるなら大丈夫でしょ」
「そうそうことじゃ、、はぁー、もう良いよ。それで、お願いします。
「分かりました。じゃあまた明日来ますので」
「はい、お願いしますね」
こうして僕は念願の一人暮らしを叶えることになった。ものすごく不本意な形だが。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の日僕は、晴谷さんに連れられとあるアパートの前まで来ていた。
「ここが貴方の新しい家になる銀宙荘です」
「銀宙荘ですか」
「はい、見た目は古いですが部屋や設備は新しいものですし、それに頑丈ですから」
「そう、なんですか」
「まあ、取り敢えず大家さんのところに行きましょう。ついて来てください」
「は、はい」
晴谷さんは1番端の大きな部屋の扉をノックする。
ガチャッと扉が開き、
「どちら様ですか」
女性が出てきた。
「先日お電話した晴谷というものです。馬頭誠二さんはどちらに?」
「ああ、はい分かりました。誠二さーん電話下さった方がいらっしゃいましたよー」
「もう来ちまったのかい。予定まではまだ30分あるんだが、まあ良いよ。あがんな」
「はい、上がらせて頂きます」
「し、失礼します」
廊下を歩いて突き当たりの客間のような部屋に通された。
「さてと、そっちの若い兄ちゃんが入居希望者かい」
「は、はいそうです」
「そうかい、で、何処の部屋が希望なんだ?」
「えっと。二階の階段横の部屋が空いてるならそこでお願いします。」
取り敢えず逃げるのが楽そうな部屋を提案しておこう。
「おう、ちょうど今空いてるから大丈夫だ。隣に人いるけど大丈夫か?騒音とか」
「あ、はい。大丈夫です」
「じゃあOKだ。今日からアンタはここの住人だ。荷物は持って来たかい?」
「必要最低限の物は持って来ました」
「そうか。じゃあこれ、部屋の鍵だから。無くさないでくれよ」
「はい」
「それじゃ、私達はこの辺で失礼します」
大家さんの部屋を出てすぐに自分の部屋に向かう。
「中は思ったよりも広いですね」
「それなりにいいところだと言ってたじゃないですか」
「まあ、そうなんですけどね」
こうして僕の新生活が始まるのだった。
ウルトラマンZが面白くて勢いで書いてしまった。後悔はない。案外これが1番早く完結まで書けるかもしれない。