彼女の名は板野麻里奈。
上野衣服専門学校付属中学校に通う中学三年生だ。
麻里奈は女子高生に人気があるオシャレ番長で、いつもファッションのチェックを欠かさないイマドキギャルだ。
そんな彼女が何故アイドルをやっているのか…それはアイドル衣装に興味があり、いずれは自分でブランドを立ち上げてファッション界に貢献したいと思っているからである。
そして彼女にもまた新たな仕事のオファーがやってきた。
「イマドキ!ファッションショーラジオ?」
「そうだ。このラジオではMCがカリスマモデルである事を条件にして君を推薦したのだが…なんとそのMCに選ばれたんだ。君にラジオのMCを任せそして美容やメイク、ファッションなどに悩む女の子たちの悩みを解決させてあげるんだ」
「なるほど。じゃあアタシの出番ってワケね。読者モデルだったアタシでよければ力になるよ!」
「君ならそう言うと思っていたよ。じゃあ場所は原宿にあるスタジオだから遅刻しないようにね?」
「うっ…頑張ります!」
「そしてもう一人のメインMCはカリスマギャルモデルの小野愛梨だ」
「マジっすか!?これじゃあ遅刻なんて出来ないじゃん!よーし頑張るぞ!」
麻里奈は少々時間にルーズなところがあり学校でも遅刻癖がある女の子でプロアイドルの時間厳守に度々悩まされてきたが、それでもプロの自覚とファッション界の手本として遅刻癖を克服しつつある。
だけど今回は絶対に遅刻できないので麻里奈はアラームを設定してすぐ起きれるように早く眠りについた。
収録の日が訪れると麻里奈はいつもより早起きして髪や肌の手入れ、さらにメイクして発声練習をしてプロとしてスタートする。
そしてラジオ収録の時が来た。
「おはようございます!」
「おお、おはよう。今日から君がMCを務める板野麻里奈ちゃんだね」
「はい!」
「秋山プロデューサーから遅刻癖があるから遅れたらこの企画はなかったことにしてもいいよって言われたけど、どうやらいらない心配だったみたいだね。早速だけどもうお悩み相談が十通も来ているんだ。君は凄いね」
「いやぁ…アタシはまだまだモデルとしては無名な方ですよ。それでも選んでくれてありがとうございます!」
「ギャルだと思って砕けてるかと思ったけど、さすが秋山プロデューサーだ。しっかり教育されているね。」
「ちょっとどういう意味ですかw!?」
「ごめんごめんwじゃあ収録始めようか!」
「はい!」
「では5秒前!4!3!2!1…スタート!」
「イマドキ!ファッションショー!皆さんこんにちは!イマドキ!ファッションショーが今日、開局されました!メインMCはモデルの小野愛梨と…」
「はじめまして!元・読者モデルでSBY48の新人の板野麻里奈でーす!よろしくー!」
「まさか同じカリスマギャルと共演なんて嬉しいな!」
「それな!アタシもビックリしたッスよー!」
「今度渋谷のイチオーキューでコーディネートしてあげる!」
「マジっすか!?やったー!」
「さて、こうして新人と仲良くなったところで早速…イケてるお悩みコーナー!このコーナーでは悩める女の子たちによるメイクやファッション、ダイエットなど美容の悩みを相談して解決させていくコーナーになります!麻里奈ちゃん、早速読み上げて!」
「はい!えっと…ペンネーム・須賀文香さん。私は同い年の友達よりも食べてないのに、運動も毎日やっているのに…どうしてもすぐに太ってしまいます。そのために○○抜きダイエットしても有酸素運動をしても痩せるどころか体重が増える一方です。どうしたら体重が増えずに痩せる事が出来ますか?あー…体質で悩む女の子あるあるだわー…愛梨先輩、これどうッスか?」
「そうだねぇ…やっぱり運動という事は筋トレやストレッチも欠かさずしているだろうし、食べ物もある程度制限してストイックだなって思うんだけど…。やっぱり○○抜きダイエットといっても全部を抜いたら栄養失調になりかねないし、それこそ空腹や栄養不足による睡眠不足やストレスで知らないうちに過食あるいは拒食してさらにストレスが溜まって太るという事もあるよ。もしストイックにダイエットするなら自分の体質や性格、生活水準などと相談してムリなく楽しくそして厳しくダイエットを頑張ってみて。あんまりムリしたダイエットだと最初はいいかもしれないけど、遠い将来にリバウンドのリスクもあるからね」
「おお…さすが小野愛梨先輩ッス…!」
「実は私もデビューして間もない頃に同じ経験しているから須賀文香さんも同じ思いはしてほしくないのよね。ちょっとガチめなアドバイスして私らしくないけどね。」
「いえいえ!めっちゃ参考になりました!」
「はいOKです!う~ん…二人はとてもウマが合うね!いったん休憩入ろうか!」
「うす!」
~原宿郊外~
「はぁ…はぁ…!あのカリスマモデルの板野麻里奈ちゃん…私の憧れだから理想の体型になりたいな…!」
「けっ!自分に厳しくダイエットとはおめでたいな!まぁいい…その太っている理由を他人のせいにして理想など捨ててもらうか!ダークネスパワーよ…くだらない幻想を捨て、この世界を未来なき世界に変えよ!」
「うっ…うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「えっ…何…!?」
「大変です!太った女の子が檻の中に閉じ込められたと思ったら…突然化け物が現れた!」
「まさかモノクロ団…という感じではないか…」
「ちょっとアタシ見てきます!」
「麻里奈ちゃん!今は危険だって!行っちゃった…」
麻里奈は人が檻の中に閉じ込められてから魔物が現れるとアクムーン帝国が来るから避難してとあかりたちに言われてきたが、本当なのかわからなかった麻里奈は真実を確かめるべくその現場に向かった。
すると麻里奈は信じられない光景を目にし、あかりたちが言った事は本当だったと知る事になる。
麻里奈は無謀にも檻をこじ開けようと力ずくで引っ張る。
「ヤセナイ…!ミンナガワタシヲ…アマヤカスカラ…!」
「無駄だ!お前がいくら力ずくでこじ開けようともビクともしねぇよ!」
「は?何で勝手に決めつけんの?やってみないとわからないじゃん!ふんっ!」
「無駄だと言っているだろう!さぁダークネスモンスターよ!自分が太っているのは甘やかす周りのせいだと思って暴れてしまえ!」
「は…?何それ…!」
「ヤセタイノニフトル…!アマヤカスカラ…クロウシテモミズノアワ…!コンナセカイコワス…!ユメ…リソウ…イラナイ…!」
「どうして…どうしてこんなに頑張ってる人の理想を遠ざけようとすんの!?あの子…自分の体形がコンプレックスで、少しでも理想の美しい自分になろうとこんなに頑張ってるのに…誰かに邪魔された上に八つ当たりさせるとか…マジで最低!アタシはカリスマギャルの板野麻里奈!アンタなんかに邪魔されるほど彼女の美しさへの夢を…バカにすんなっ!」
強い気持ちで叫ぶと麻里奈の耳に美しいオルガンの音色と美しい混声合唱の歌声が聴こえる。
右手には青緑のサイリウムが現れ、後から駆けつけた結衣と麻友美がこう叫ぶ。
「板野さん…ついに騎士に…!」
「麻里奈!ミューズナイツ!レッツミュージック!と叫んでサイリウムを三回振って!」
「う、うん!ミューズナイツ!レッツミュージック!」
「HEY!HEY!HEY!」
サイリウムを振ると麻里奈の私服からピーコックグリーンのシングルボタンの詰襟にエメラルドグリーンの腰ベルトとスカート、みんなと同じ黒いブーツに着替える。
さらに木製のクロスボウが武器として召喚されふと浮かんだフレーズで名乗る。
「彩るは心のテンポ!板野麻里奈!あの子の理想を…無駄にはさせないから!」
つづく!