秋山P系列アイドル運動会を終えた彼女たちはそれぞれの学校でテストを行う。
麻友美と結衣は成績がよくテストも満点を取るなど好成績を残す。
あかりと加奈子もそれなりに高い点数を誇り調子は上々と思われた。
ところが…
「だぁーもう!何でテストなんかやんなきゃいけねーんだよ!」
「うわ…アタシってホントバカだわ…!」
「Oh my god…!」
「うう…アイツに勉強教わったのにどうして…!」
「あなたたち…アイドルとして成績が悪いと活動休止だってあれほど言われてたでしょう?」
「そんなのわかってるもん…!」
「でも苦手なものは苦手なんだよ…!」
「日菜子と麻里奈はともかく、何で英語圏にいたひかりとエマは英語の点数が赤点なのよ…」
「仕方ねぇだろ!アメリカの英語と日本で学ぶ英語は全然違ぇもん!」
「イギリスにはこんな英語の並べ方しまセーン!日本の英語は日本式のビジネスなら通じマスが本場では通じまセーン!」
「まぁまぁ結衣。それよりもこの子たちの苦手教科を見てから追試に控えて勉強しましょう」
「とは言っても先輩…この子たちの全教科を見てください…」
「どれどれ…?」
加奈子は興味本位で4人のテストの点数を覗いてみる。
日菜子とエマは音楽、ひかりは体育、麻里奈は家庭科がそれなりの点数だったがそれ以外の点数が赤点だらけで加奈子は途中から頭を抱え始める。
とくに日菜子と麻里奈、ひかりの3人は赤点どころか一桁の点数とあまりの壊滅的な学力にため息がつくほどだった。
あかりと麻友美もさすがに困惑してしまい結衣はついにあの手段を使う。
「こうなったら仕方ないわね…私たち全員でプロデューサーに交渉して追試終了まで仕事をなしにして勉強会をするわよ」
「えっ?私たちも?」
「ですがプロデューサーは許可しないんじゃあ…?」
「まぁ…パパもこの成績を見たらさすがに賛成すると思う。とりあえずみんなはまだ新人だから言いづらいだろうし私が説得してみるよ」
「ぜひお願いします」
「うう…申し訳ありません…!」
「これはミューズナイツとして活動しないとドリームパワーを集められないんだからあなたたちにはキッチリ追試を乗り越えてもらうわよ」
「ひっ…!Daemon teacher…!」
「鬼教官がここにいるー!」
加奈子が秋山Pに交渉した結果はテストの成績を言った直後にため息が大きく聞こえるくらい呆れ果てて仕事を犠牲に勉強会合宿が許可される。
条件として集合場所は秋山親子の家になりみんなは私服で加奈子たちの家に向かう。
そこには大きな豪邸の家が建てられ一同は上を見上げる。
「パねぇ…これが世界一のアイドルプロデューサーの家なんだ…!」
「数々の世界中のアイドルをプロデュースしたからこんなに大きいんだね…!」
「見惚れるのはいいけど中に入るよ。私の部屋に全員で勉強するんだから」
「お世話になります…!」
「それにしても加奈子先輩って…お嬢さまだったんですね…」
「けど麻友美の家も確かコスプレでかなり儲かってなかったっけ?」
「私はあくまでもアマチュアだから…収入はプロと比べるとそこまでですね…。イラストでも有償依頼は来ますけど…プロと比べたら高額ではないですね…」
「そう言えばあかりの家もお金持ちじゃなかった?渋谷芸術学校ってセレブな学校って聞いたけど?」
「音楽や美術、文芸をやる場合はやっぱりお金がどうしても必要だからそう感じるんだと思うよ。それに私は中学受験組だから初等部からの進学組と比べるとそこまでじゃないかも」
「私が通う山手芸能学校もセレブというよりタレント二世が多いからセレブっぽく感じるだけで一般家庭出身や現役芸能人も多くいるからそう感じるだけだよ。私でさえ主席は取れなかったんだからね。さぁ着いたわ、ここが私の部屋だよ」
「完全に客が来る前提じゃん…!」
「マイルームなのに大きいデース…!」
「ここでよくクラスメイトたちとお泊り会をやったり自主レッスンしたりしてるから広くないとダメなんだ。それにこれ以上広いとやっぱり一人だと寂しいかな」
「そうなんですね。じゃあ早速…赤点4人組の勉強会を始めます。わからないところがあったらすぐに聞くようにね」
「はい!」
勉強会が始まり結衣と麻友美を中心に4人を教える事になる。
あかりと加奈子は2人ほどではないので補佐的役割だがわかりやすく説明するのが上手かったためスムーズ…かと思われた。
ひかりと麻里奈はすぐに飽きてしまい、日菜子は彼氏である幼なじみとすぐに通話し、エマは寝込んでしまった。
結衣はさすがに頭を抱えて溜息をつく。
「なるほどね…あなたたちの芸能界への思いはその程度だとわかったわ…」
「結衣さん…?」
「日菜子、あまりにもそのやる気がない状態のまま追試で不合格なら彼氏と別れなさい」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!やりますごめんなさい!」
「ひかり、あなたの場合はフリフリのロリータ服を着て卒業までそれを私服にしなさい」
「それだけは勘弁してくれえぇぇぇぇぇぇぇ!」
「麻里奈はそうね…食事は私が管理する代わりにダイエット禁止にする?」
「モデルにそれは理不尽だああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「エマはいつでもイギリスに強制送還できるように準備するからね?」
「Noooooooooooooo!」
「それが嫌なら勉強頑張りましょうね?」
「鬼!悪魔!勉強大魔王ー!」
「あはは…。結衣ちゃんって厳しいところあるんだね…」
「結衣は普段は他人に厳しくないけど、みんなで活動したいから最終手段に出ただけだと思うよ。それに…私が引いたとはいえリーダーの責任というのもあるんじゃないかな」
「やっぱり結衣さんは凄いですね…。私も…もっと皆さんにわかりやすいように教えてみます…」
勉強会合宿の結果は追試当日まで泊まり込んだ甲斐があって全員赤点脱出するものの点数がギリギリで秋山Pから合格点をもらう。
あまりにも疲れ果てた結衣は3日間のオフをもらう代わりに1か月間だけ赤点組の給料の3割をもらう約束をする。
あかりと麻友美、加奈子は赤点組の給料の1割をもらい、今後4人は給料カットは嫌なのでもっと勉強をしっかりやって仕事に専念できるようになろうと誓い合うのでした。
つづく!