ミューズナイツ~SBY48~   作:赤月暁人

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第4章
第35話 紅白へ


新暦2018年も年末に近づきついに紅白歌合戦の選出が発表された。

 

SBY48は安定して選ばれ秋山プロデューサーは紅白の準備で忙しくなった。

 

だが同時にレギュラーメンバーの脱退や卒業、研修生からの昇格など研修生にとってチャンスでもある。

 

萌仁香は前の事務所と地下アイドルグループを脱退しSBY48の専属事務所に移籍し、あかりにもレギュラーメンバー入りのチャンスが訪れる。

 

そしてついに紅白歌合戦の準備が始まった。

 

「さてと…こんなものかな。ミューズナイツも活動を始めたし、グループのソロライブでも出番もあるしいい感じだね。それに…2月の秋山拓也の48グループ総選挙と3月には研修生期間終了の知らせもあるしあの子たちのためにも心を鬼にしないとだね…。ん…?」

 

「失礼します。秋山加奈子です」

 

「加奈子か、どうぞ」

 

「ついに紅白歌合戦の出場が決まったんだね」

 

「うん。その紅白のメンバーに前田さんを入れ、今後はレギュラーメンバーに昇格しようと思う。それに教育係の研修生3年目の5人も昇格だ。彼女たちのサポートのおかげで前田さんも一人前のアイドルになれたし、彼女たち自身も教える立場になって急激に成長した。今日の夕方に全員を劇場に集めるよう伝えてほしい」

 

「わかった。あかりやその子たちにも昇格の知らせも伝えておくね」

 

「頼んだよ。ふぅ…」

 

「お疲れ様、あなた」

 

「ヴィオラ…君には本当に苦労をかけたよ。君の国は今どうなっているんだい?」

 

「国民たちは無気力になったり卑屈になったりとまだダークネスパワーに侵されているわ。でもあの子たち9人がいい感じにドリームパワーを集めたおかげで少しずつ心を取り戻しつつあるわ」

 

「そうか…僕もそろそろ…自分を変える必要があるね…」

 

「あら、あなたはまだおじさんだと言うの?」

 

「うん…大島さんを見るといつまでも年を言い訳にしてられないからね。この事件が終わったら覚悟を決めるよ」

 

「応援してるわ、あなた」

 

「さて、残るは紅白出場メンバーの選出だ。最後の一仕事を二人で終わらせよう」

 

秋山プロデューサーとヴィオラ女王は二人でSBY48の紅白出場メンバー48人を選出すべく最後の仕事に入った。

 

他の同じ系列のUMD48やTYT48などは秋山プロデューサーの弟子たちがプロデュースしておりその人たちに全権を任せている。

 

本家でありナンバーワンのSBY48は直接プロデュースをできる唯一のグループだ。

 

そのためか研修生でさえプロ意識が高くレベルで言えば地方のグループでセンターを取れる程度の実力が揃っている。

 

そんな中で紅白に出れるのは総勢100人の中から48人のみで厳しい登竜門が今晩行われるのだ。

 

そして夕方になり100人全員が集まり紅白出場メンバーの発表をする。

 

「皆さんよく仕事を頑張り集まってくれたね。もうみんなは知ってると思うけど紅白歌合戦に10年連続出場が決まった。そしてその出場するメンバーを研修生含め48人選出する。それと…研修生の中からレギュラーメンバー入りをする6人を発表する。長門有梨さん、松実柊さん、萩原瑞歩さん、有原亜里沙さん、東郷実里さん、そして…前田あかりさんおめでとう。では続いて紅白歌合戦メンバーの発表をする。最初に呼ばれた人ほどセンター側だよ。ではまず…秋山加奈子」

 

「はい」

 

「続いて…」

 

こうしてメンバーは続々と発表され以下の48人が選ばれた。

 

秋山加奈子

 

長門有梨

 

松実柊

 

萩原瑞歩

 

有原亜里沙

 

東郷実里

 

伊吹未来

 

大島結衣

 

七島春歌

 

新田美優

 

石川あゆみ

 

遠藤沙綾

 

篠田日菜子

 

高橋ひかり

 

板野麻里奈

 

柏木エマ

 

渡辺麻友美

 

織田竜華

 

松田李衣奈

 

趙真理

 

西野里花

 

波野あさり

 

矢部桃花

 

林綾香

 

園城寺さやか

 

近藤レナ

 

前田あかり

 

森島七海

 

園田つばき

 

桜坂美波

 

横山光代

 

大崎照

 

黄瀬さつき

 

青木麗子

 

緑川直美

 

大坂沙織

 

虹野夢美

 

菊池真

 

小嶋萌仁香

 

飛鳥明日香

 

小池恵美

 

加藤絵里奈

 

山田花子

 

田中里美

 

沢村栄子

 

岡和恵

 

礒部美里

 

岸部由香

 

「以上です。残りの子たちはそれぞれ別の仕事を振ってある。選ばれなかったからと落ち込まず次のワンマンライブに選ばれるように備えてほしい。それから…秋山加奈子、前田あかりさん、大島結衣さん、篠田日菜子さん、渡辺麻友美さん、高橋ひかりさん、板野麻里奈さん、柏木エマさん、そして小嶋萌仁香さんは個人的に話があるから残ってほしい」

 

「はい!」

 

「おめでとう前田さん。といっても私たちも選ばれたんだけどね」

 

「先輩たちがずっとご指導してくださったおかげです。先輩方もおめでとうございます」

 

「いいの。これでようやく3年目の終了という名のクビを間逃れたから」

 

「それよりも前田さん、プロデューサーが個人的に残るように言ってたけど何かやった?」

 

「えっと…わかりません…。何も身に覚えがないです…」

 

「そう。まぁあなたは何も悪い事してないからきっとあの子たちと何か新しい仕事でも来たんでしょう。どんな話であっても頑張って」

 

「はい!」

 

あかりたちは秋山プロデューサーの個人的な話が気になりつつもまさか引退勧告ではと不安になる麻友美と日菜子、新しい仕事なんだとワクワクするひかりと麻里奈、何か悪いことしたっけと考えるあかりと結衣、そしていきなり呼ばれてワケが分からない萌仁香がそわそわしながら移動する。

 

加奈子はもう何の話なのかはすでに知っていてミューズナイツの今後の事だろうなと思いつつもまた別の話がありそうと考察していた。

 

呼ばれたメンバー以外全員劇場から出ると秋山プロデューサーは咳払いをして深刻な顔をして話を始めた。

 

「いきなり悪い話ですまないが…アクムーン帝国がついに人間界に宣戦布告をするらしい」

 

「えっ…?」

 

「ヴィオラの手元から脅迫状が届いたんだ。この世界の暦が1になった時、お前たちの夢とやらを奪い壊しそして無力だと思い知らせてやる。それまでせいぜいくだらない夢見るお姫さまにでもなっているがいい…と」

 

「ママ…」

 

「それに我が国民たちがどうやら希望を持った人から奴隷として働かされているの。このままではユメミール王国はアクムーン帝国に完全に乗っ取られてしまうわ。そこであなたたちが人間界でドリームパワーを集めアイドルグループのミューズナイツとして本格的に始動してほしいの。最初のデビュー曲は…夢を見るあなた専属応援チアリーダーをテーマに本気・やる気・頑張る気という曲名よ。松田智也くんが専属作曲家として曲を作ってくれたの。これがあなたたちのデビューシングルよ」

 

「どれどれ…?」

 

「なるほど…ありがとう…智也…」

 

「メッチャいい曲じゃんか…」

 

「これなら…皆さんに夢を与えられますね…」

 

「紅白歌合戦を終えた翌日に君たちだけ先に会場を後にしてPVやレコーディングの準備をするよ。そしてミューズナイツは3月にSBY48のワンマンライブがあるだろう?そこで空前絶後の音楽の騎士現るとしてデビューを飾ってほしい。ミューズナイツプロジェクトはここから始まりだ。一緒に頑張ろう」

 

「はい!」

 

ミューズナイツ…新暦2019年にて始動!

 

つづく!


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