ミューズナイツ~SBY48~   作:赤月暁人

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第48話 ウォール・サタン

あかりたちはサイリウムを発行させて3回振り変身をする。

 

ゲーツィスは杖を持って仁王立ちをして変身を見守りニヤリと笑った。

 

変身を終えるとひかりと日菜子、エマと麻里奈は勢いに乗ったままゲーツィスに立ち向かった。

 

「テメェの野望をここで止めてやるよっ!」

 

「皇帝ゲーツィス…これでもくらえっ!」

 

「みんなの夢の邪魔はさせないのデース!」

 

「アタシらのドリームパワーをなめんなっ!」

 

「待ちなさい!」

 

「もう遅いっ!ぬうぅんっ!」

 

「うわっ!?」

 

「どうだ。これで無闇に近づけまい」

 

「杖を地面に叩いただけで鋼の壁…?」

 

「これでは攻撃が出来ません…!」

 

「私のウォール・サタンを越えられる者はいない。これを越えたくば私の顔に傷一つでもつけてみるといい」

 

「めっちゃ硬ぇ…!」

 

ひかりの斧も簡単に弾き返しエマや麻里奈の銃弾や矢をも貫通しなかった。

 

あのパワー派のひかりでさえも壊せないとなるとミューズナイツにとって最大の壁となった。

 

麻友美と加奈子はまず一呼吸置いて状況を把握する。

 

そう考えているうちにゲーツィスは加奈子と麻友美に杖で攻撃を仕掛けた。

 

「貴様ら二人は厄介だな…倒れるがよい」

 

「まずい…二人の頭脳を見破られたわ!二人を守って!」

 

「もう遅いぞっ!」

 

「きゃあぁっ!」

 

「麻友美ちゃんっ!加奈子先輩っ!」

 

「なんてパワーなの…!」

 

「こうなったら萌仁香が行くわ!えいっ!」

 

「うっ…!」

 

「そのまま強引に体勢を崩すわよ!くらいなさいっ!」

 

「なるほど…ハンマーで強引に地響きを起こすとはな。だが…まだまだ甘いぞ!」

 

「うっ…!」

 

「萌仁香っ!」

 

萌仁香はハンマーで強引に攻撃を通すもゲーツィスの魔法による片頭痛で萌仁香は倒れる。

 

ゲーツィスは催眠術で体調をコントロール出来るのであかりと結衣は厄介だと感じた。

 

あかりは勇気を出してレイピアを突き出して壁に攻撃をする。

 

「えいっ!えいっ!」

 

「あかり…!あなたのパワーじゃその壁は壊せない…!」

 

「いいえ、たとえ100回壊れる壁があっても大体の人は99回でやめちゃうものなのよ。あと1回で壊せるのに何回叩けばいいかわからないから諦めてしまうの。あかりは元々諦めが悪い子だから…私も続くわ!」

 

「結衣…!」

 

「無駄だ。100回叩いても私の壁は壊せない。あの三銃士が何回叩いても壊れる事がなかったのだからな」

 

「へっ…テメェはあの二人の事を何もわかってねぇ…」

 

「ほう…?」

 

「あかりと結衣は…その諦めの悪さで…何度も突破口を開いてきたのデース…」

 

「彼女たちは…大きな夢があって…その目標のために…努力を欠かしませんでした…」

 

「だからこそ…アタシらのリーダーであり…新人ながらも急成長したセンター候補ってワケ…」

 

「そして先輩たちは…萌仁香たちを受け入れ…猫を被っていた萌仁香を許し…そして今は対等な関係にもなれたの…」

 

「恋も…ダイエットも…センターやレギュラーメンバーの取り合いも…応援しながらも刺激し合って…自分自身も高めてきたんだ…」

 

「あかりと結衣は…そうやって自分を鍛えて成長させてきたから…私にとっても大きな脅威なんだよ…だから…」

 

「やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

「何っ…!?」

 

「あの子たちをあんまりなめない方がよかったね…」

 

あかりと結衣は諦めの悪さから全身にドリームパワーを溜め続け攻撃ラッシュを繰り返した。

 

するとウォール・サタンは1万回も叩いたおかげで崩落し突破口を本当に開いたのだ。

 

恐らく限界を超えてきたので相当なスピードで攻撃してきたのだろうと麻友美は考察しボロボロながらも立ち上がって二人を抱きかかえた。

 

そのまま倒れ込むとあかりと結衣は息が切れていて腕はパンパンに張っていた。

 

麻友美は労うように二人を抱きしめ嬉しそうに涙ぐんだ。

 

「お二人は本当に…私たちの誇りです…」

 

「えへへ…ちょっと無茶しちゃったかな…」

 

「私も…普段は無茶しないようにしているのに…負けたくなかったからかな…」

 

「お二人はここで少しだけう休んでてください…。後は私たちがやります…」

 

「あかりや結衣も頑張ってるんだ…。私が…こんなところで倒れるわけにはいかない!」

 

「オレだって…ここで諦めたら…やられっぱなしになっちまうぜ…。そんなの…オレのプライドが許さねぇ!」

 

「アタシにはまだ覚悟がなかったっつーか…あまりの強さに怖気づいちゃったって感じ…?でももう覚悟は決めた…アンタを…アタシたちが倒す!」

 

「日本だけじゃない…スコットランドにも応援してくれるファンがいマス…。こんなところで逃げたり諦めたら…彼らを裏切る事に…そんなのいやデース!」

 

「先輩としてカッコ悪いところ見せちゃったなぁ…。でももう大丈夫…私はこの一撃だけで負けるほど…ヤワじゃないよ!」

 

「うう…頭が痛い…。でも…お兄ちゃんのためにも…萌仁香自身のためにも…萌仁香は…アンタなんかに負けないんだからっ!」

 

「皆さん…!」

 

「さっきはよくもやったわね!アンタの事は許さないんだからっ!」

 

「もう立ちはだかる壁はねぇ!一気に決めさせてもらうぜ!」

 

「いいねそれ!さっさとあいつを倒して平和を取り戻そう!」

 

「援護は任せて!この矢で仕留めるからさ!」

 

「当たれっ!Fire!」

 

「ぬっ…!」

 

「ダメージが通った…!奴は無敵なんかじゃない!一気に総攻撃するよ!」

 

「やるではないか…。だがそう簡単に倒れるほど私は弱くはないぞ?」

 

「そんなモン…わかってるんだよ!それぇっ!」

 

「何…!?うわっ!」

 

「あかりたちの意志…無駄にしないのデース!突撃っ!」

 

「勢いだけはやるようだな。しかしいいのかね…?一人だけ動かぬ者もいるのだが?」

 

「動けないのではありません…動く必要がないのです…」

 

「何だと…?」

 

「あらかじめあなたの周りに陣形を作っておいたんだ!ゲーツィス!あなたには麻友美の術にかかってもらうよ!」

 

「なっ…動けぬ…!?」

 

「ここで一気に私が決めます…!シャドウトリックトランクィッロ!」

 

「なっ…ぐはぁっ!」

 

「やりましたか…?」

 

「いい一撃だったぞ…。しかし…貴様は私の戦術にかかったようだな」

 

「何ですって…?うっ…!」

 

「麻友美!」

 

「麻友美の右腕が…!」

 

「石になっていく…!」

 

「そんな…右腕が…動かない…!」

 

麻友美はゲーツィスダメージを与えたもののこっそりとツバを吐いて右腕にかけたことで麻友美の右腕が石になっていく。

 

大鎌だと両手で持たなければならないのでまともに持つことが出来ずに左腕だけで持つことになった。

 

あかりと結衣はまだ動ける状態になくついに3人も一時戦闘不能になる。

 

このままでミューズナイツは皇帝ゲーツィスに勝てるのか…?

 

つづく!


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