ミューズナイツ~SBY48~   作:赤月暁人

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第56話 新年度

2019年度を迎えたミューズナイツはグループそのものの活動も増えついに日本でも人気のグループになった。

 

人々は夢を持ち大志を抱き、そして未来に向かって日々努力している。

 

後にアルコバレーノや京都の月光花が一緒に共演してレギュラー番組を持つなど大きく出世した。

 

そしてあかりたちもまた新しい一歩を踏み出した。

 

「ついに来た…。ミューズナイツのワンマンライブ」

 

「ここまで来るのにたくさんの挫折があったけれどようやく来たわね」

 

「うーっ!早くみんなの前で歌いたいな!」

 

「緊張しますが…ここまで楽しみだと思った事はありません…」

 

「オレたちだけのライブだぜ!うおー!」

 

「本当にここまで頑張った甲斐があるって感じ!」

 

「世界中にエマたちのパフォーマンスを見せるのデース!」

 

「萌仁香たちもアイドルの仲間入りですね!」

 

「みんな気合い入っているね。私も張り切っちゃうよ」

 

「あの加奈子先輩が武者震いするなんてな!」

 

「やっぱり緊張しますか?」

 

「もちろんするよ。はじめて自分が主体となって動いたんだもん。いつもはパパがやってたからプロデューサーと兼任しながらは大変なんだよ」

 

「加奈子先輩だからこそ出来たと思いマス。本当にお疲れ様デス」

 

「エマ…。その一言に報われた気がするよ。それじゃあいこう!掛け声は神7のトップのあかりからいこう!」

 

「やっぱり…?それじゃあ…ミューズナイツ!」

 

「レッツミュージック!」

 

ミューズナイツのライブ内容はSBY48のカバー曲だけでなくミューズナイツのシングル曲、たくさんの既存の応援ソングのカバーなどを歌う。

 

バックダンサーにはチアリーディングチームや大学の応援指導部なども駆けつけてくれている。

 

バンド音源もなるべく生演奏でより会場に臨場感を出そうとする加奈子の案だ。

 

バスドラムが大きく鳴り響くとファンのみんなもおおっ!と驚き応援指導部の団長がミューズナイツのエールを送り入場する。

 

ポップアップ形式で入場するとファンから黄色い歓声が湧き人気アイドルとなる。

 

最初の曲であるSBY48のカバー曲でスタートを切り最初のMCに入る。

 

「みんなー!せーの!」

 

「アッカリーン!」

 

「前田あかりです!みんなのおかげで神7に選ばれました!本当にありがとう!これからもミューズナイツとしてよろしくね!」

 

「結衣はいつでもー?」

 

「ストイックー!」

 

「大島結衣です!選挙の結果はいい成績だけどそこに驕らずこれからも成長していきます!」

 

「よっ!みんな元気?」

 

「めっちゃ元気ー!」

 

「日菜子を見たらー?」

 

「大元気ー!」

 

「みんなの幼なじみの篠田日菜子だよ!みんなの応援のおかげで大好きなみんなに出会えたんだ!本当にありがとう!」

 

「あの…えっと…キラッ☆」

 

「天使まゆっち俺の嫁ー!」

 

「うう…いざ言われると恥ずかしいです…。渡辺麻友美です…。まさか自分がこんな大きな場所で歌えると思いませんでした…。えっと…頑張ります…!」

 

「刻め!オレのダンスは!」

 

「ひかりのごとく!」

 

「高橋ひかりだぜ!アイドルとしての自覚はまだないと言われがちだけど…それでもオレなりのアイドル道を刻んでいくぜ!」

 

「アタシの花道は…ここよ!」

 

「ここが麻里奈ロード!」

 

「板野麻里奈です!こんなノリのいいファンに囲まれてアタシは幸せだよ!これからもノリノリでアゲていこう!」

 

「ハーイ!今日のギターソロは誰かなー?」

 

「ずっとエマのターン!」

 

「My name is 柏木エマ!スコットランドから日本に来てエマは毎日が楽しいデース!今日も楽しんでくだサーイ!」

 

「盛り上げるのはー?」

 

「加奈子かなーん?」

 

「秋山加奈子です!選挙は残念だったけどみんながいれば自然と力が湧いてくるし納得してます!それでも私のことを応援してくれる皆さんに感謝です!」

 

「お帰りなさいませご主人様!」

 

「萌え萌えきゅーん!」

 

「萌仁香は小嶋萌仁香でぇす♡萌仁香はぁ一生懸命頑張ります♡先輩方にも負けないパフォーマンスするから応援してね♡」

 

「お前まだそのキャラで売るのかよ」

 

「ちょっとぉ。キャラってどういう意味なんですかぁ?」

 

「そのぶりっ子、正直気持ち悪いデス」

 

「ちょっとどういう意味よ!」

 

「あの…萌仁香ちゃん…?」

 

「あ…」

 

「えっと…萌仁香は前のグループの名残でちょっと猫を被っていたけれど本当はこんな嘘の仮面を速く脱ぎたいけど脱ぐタイミングを逃しちゃって…。えっと…隠しちゃってごめんなさい!」

 

「か…」

 

「かわいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」

 

「僕も罵ってください!」

 

「ツンデレ萌え属性キターーーーー!」

 

「私も妹に欲しいわ!」

 

「嘘…こんな萌仁香を受け入れてくれるの…?」

 

「当たり前じゃない。どんな萌仁香でもファンは受け入れるし応援するに決まってるわよ」

 

「何か…肩の力が抜けてきたかも…。えっと…こんな不器用な萌仁香だけど…よろしくお願いします!」

 

「萌仁香!萌仁香!萌仁香!」

 

「あー!もっと早く本当の萌仁香ちゃんに気付いてれば投票したのに!」

 

「まぁまぁ…。ちょっと話が長くなったけど次の曲に行ってもいいかな?」

 

「いえーーーーーい!」

 

「それじゃあいくよ!ここからは帝応義塾大学、覇世田大学、皇京大学、聖教大学、永治大学、そして王政大学の応援指導部とチアリーディング部、ブラスバンド応援団も含む応援ソングメドレーをいくよー!」

 

応援ソングメドレーでもっとヒートアップした武道館はかつてないほどの盛り上がりを見せミューズナイツがいかに平和を取り戻したかがわかる。

 

萌仁香のツンデレで素直じゃない本当の姿もすぐに受け入れられファンからはツンデレ萌え属性と名付けられ人気になる。

 

元々正義感の強い子なので不正や不誠実が嫌いでよく突っかかってたがアイドル界ではそれだと売れないと圧迫されてぶりっ子を演じていたのだ。

 

それでもこんなキャラをやめてリラックスした本当の自分を見てほしい反面、本当の自分を出して嫌われるのが怖かったのだ。

 

だがメンバーはともかくファンも受け入れてくれるとは思ってなかったのか早着替えの休憩中には感極まって泣き出すほどだった。

 

そして最後のミューズナイツのシングル曲を歌いきりアンコールの新曲で締めくくった。

 

こうしてミューズナイツのワンマンライブは成功し秋山プロデューサーが不在でも何とか活動出来るようになる。

 

加奈子もプロデューサー業に慣れてきたのか徐々に敏腕さが出るようになった。

 

ミューズナイツ2019年度、ついに始動!

 

つづく!


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