結衣と加奈子は灰崎記者に依頼をするももう既に行動に移しており高飛車財閥の裏の顔を調査していた。
同時に桃井さくらと生徒会役員の活動が自粛されいかに高飛車財閥の影響が大きいかがわかった。
萌仁香は脅迫されただけで済んだもののそのせいか委縮してしまい思うようにパフォーマンスが出来なくなる。
そんな仲間の恐怖を見過ごせないみんなはある行動に出た。
「高飛車財閥…一体どんな所なんだろう…?」
「何かに執着しているというか…何だか憑りつかれているみたいに利益ばかり求めてる感じする…」
「でもこれ以上オレたちの仲間を苦しめるのは許せねぇ…!」
「でもどうやって萌仁香さんを助けるのでしょう…?」
「決まってマス…。敵陣に乗り込むのデス」
「だけどそれは私たちが捕まるリスクと隣り合わせよ。それに本h差のセキュリティはかなり頑丈だと聞いたわ」
「でもこのまま放っておくワケ?」
「かと言って何もせず黙って見過ごすわけにはいかないわ。そこで…同じジムに通う高飛車財閥に勤めている人に協力を申し出たの。社会見学として高飛車財閥の下見してどんな職場なのかを知りたいって言ったら会長に交渉しに行ったわ。そしたら…駒として使う丁度いい機会だからいいだろうって答えだったわ」
「何それ…?従業員を駒だと言いきるの…?」
「彼も凄く悔しそうだったから彼のためにも調査をする必要があるの。そこで社員証を利用して見学という名の調査よ。萌仁香の無念を私たちで晴らしましょう」
「いいねそれ。私も行動に出ようと思ってたけど後輩に先手を打たれちゃったよ。ただ本名ではなく偽名で予約をした方がいいと思うよ。もし本名ならスパイだと思われるし」
「だと思って偽名と変装用のメイクやウィッグを用意しました。演じるのにそういうのも必要だと思ってたけどまさかこのタイミングで使うと思わなかったわ」
「おし…そうと決まれば早速行こうぜ!」
「Yes!」
「オッケー!」
「うん!」
結衣の行動でミューズナイツは変装しながら高飛車財閥に社会見学という名の調査の準備をする。
偽名はそれぞれ前田ありさ、大島芽衣、篠田美奈子、渡辺亜由美、高橋のぞみ、板野恵理奈、柏木ニーナ、秋山可奈美、そして小嶋萌になる。
巣の自分を出さないように結衣が訓練をして演技力を磨く。
数日経つと灰崎記者から高飛車勝利会長の情報を得る事に成功する。
元々捨て子で親戚に預けられ優秀だったものの認めてもらえず親も親で犯罪などの経歴もあり学校からも悪い扱いを受けトップになって跪かせてやると闇堕ちしていき、アイドルのプロデューサーになるもなかなか売れず芸能界に復讐を誓った元アイドルと結婚し妻の方は報道会社を設立。
さらにその一人娘を利用して芸能界を牛耳り、その影響力を示すべく不正で手に入れた資金力で数々の大企業や世界の財閥を強引に吸収合併し名実ともに世界一の企業にさせるなど抜かりない人物という情報が入った。
さらに従業員を安月給で働かせ辞めようものなら圧力をかけて辞めさせないなどブラック企業でもあった。
だが訴えても資金力で弁護士を操りすべて無罪にされるなど誰も逆らえなくなり今に至るという事だ。
そんな高飛車財閥に9人で乗り込んだ。
「ここが本社の受付だ。君たちはまだガキだからわからないがわが社を陥れようとたまにスパイが入り込むんだ。そんなスパイを行方不明にすべく受付嬢も戦闘のプロにしているのだ」
「抜かりないんですね…。さすが世界一の大企業です」
「君たちは見たところ中高生だろうからあまり奥には進ませないがこの辺までなら自由に見学しておけ。わが社は商社で吸収した子会社を動かして生産しているのだ。会長室には絶対に近づかない事だ」
「はい」
「そろそろ昼休憩だな。食堂で昼休みにしたまえ。それ以降は見学は勝手にしろ」
「はい」
「はぁ…何で私がこんなガキどもを…。こっちは有給で休めるはずだったのにあいつめ…余計な仕事を押し付けやがって…」
「何か案内が雑だね…」
「よほど彼に休みを奪われて機嫌が悪いのね…」
「これで自由行動になったわけだが…昼飯食ってさっさと会長室へ行こうぜ」
「ひかりに賛成」
「そうと決まればお昼ごはんにしよう。お腹が減ったら全力で逃げられないもんね」
「はい」
食堂で昼食を食べあかりたちは会長室へ向かう。
あまりの規模の大きさに迷い込み社員に怪しまれないように挙動に注意する。
六本木ヒルズ並みの規模なのでエレベーターで上の階に行かないと体力的にも厳しくなるのが欠点でまだ学生のあかりたちには気が遠くなるほどの調査だった。
だがしかし…ここで最悪の人物に見つかる。
「そこのあなたたち!ここで何をしているんですの!」
「げっ!高飛車きらら!」
「マジかよ!何でそこにいるんだよ!」
「Oh no…こんな時に見つかるなんて…!」
「まさかパパの本性を突き止めようと言いますの?」
「テメェのせいで萌仁香を追い詰めたことを覚えているからな!」
「アンタ…まさかまた萌仁香たちを…」
「まったく…だったらもう少し早くわたくしに言ってくださる?わたくしだってパパのやり方にはもう…」
「何をブツブツ言っているのデス!アナタのしたことがどれだけ多くの人を苦しめたか思い知るデス!」
「待って!ここは私に任せて。きらら、さっきの独り言はどういう事?」
「……。」
「何とか言ってよ!」
「日菜子ちゃん落ち着いて!」
「もしかして…きららさんはお父さんの邪悪さに薄々気が付いていたのですか…?」
「そちらのお二人は気付いてましたのね…。もうすべて白状しますわ。パパは昔から人に認められずに育ってきたせいか蹴落としてでもトップになるという使命がありますの。そこで一人娘のわたくしにアイドルのトップにさせるべく英才教育を受けましたわ。勉強も運動も芸術もすべてトップになるためにですわ。だけど…はじめて勉強で負けた時にそのわたくしに勝った幼なじみを…強制的に日本から追放させて本性に気付きましたわ…。パパはわたくしを利用して自分をトップにさせようとしていたと…。でももし逆らえばわたくしでさえ排除し社会的に潰しにかかりますわ。だからこそ逆らわずネコを被ってあんな高飛車で自分勝手なキャラを作りましたわ。正直辛いですわ…。他人を陥れてトップになるのは好きではなくてよ…」
「そう言えば月光花のもみじちゃんが言ってた…。きららちゃんの本当の姿は負けず嫌いの努力家だって」
「あの子の知り合いでしたのね。負けず嫌いはお互い様ですわよ。もしパパに近づくのならおススメしませんわ。パパはもう…人間としての心を失い悪魔と契約を結びましたの。わたくしはそれを桃井さくらに伝えなければなりませんわ」
「そんな見え透いた嘘をついて保身でもするつもりなの?バッカじゃ…」
「待って。彼女の言ってることは恐らく本当。目がそう訴えている。私にはわかるよ。でもごめんね高飛車さん…どうしてもこの目で確かめたいんだ。だからあなたは急いで桃井さんに伝えてきて」
「酷い事を散々したのに…優しいですわね。あなたたちのお言葉に甘えわすわ。会長室ならここをまっすぐ行けば着きますわよ。ではごきげんよう…」
そう言い残しきららは急いで走っていった。
きららの言った事が本当ならばエンプサーナが関係しているかもしれない。
そう思うと急いで会長室に向かった。
そこで見たものとは…
つづく!