ミューズナイツ~SBY48~   作:赤月暁人

77 / 100
第76話 帰ろう

ミューズナイツが心を一つにしエンプサーナとの戦いに決着をつけようとする。

 

エンプサーナは崩れかけの体で悪あがきして剣を強く握りしめて抵抗する。

 

さすがにプレートアーマーもボロボロになりいつ剥がされてもおかしくない状態だ。

 

あかりは自分の武器では切っ先が細くて無理だと判断し一歩下がってみんなに指示を出す。

 

「みんな!私のレイピアじゃあとてもじゃないけどエンプサーナの頑丈な装備を貫くことは無理だと思う!だからみんなは装備を剥がすようにしてほしい!私はみんなが剥がしやすいように援護に集中するから!」

 

「確かにあかりのレイピアだと威力は強いけどあのプレートアーマーじゃまともなダメージは通らなさそうね…」

 

「それなら私のメイスと…」

 

「オレのこの斧で…」

 

「ちょっと!萌仁香のハンマーも忘れないでください!」

 

「大鎌ならある程度リーチもありますから奇襲にもいけます…」

 

「それに私もハルバードだからある程度殴打出来るわね」

 

「私もランスで突き刺す事も出来るし」

 

「アタシのクロスボウなら牽制になるだけじゃないし」

 

「エマもマスケット銃なら威力も十分デス」

 

「でもやっぱりドリームパワーが最も大きいのはあかり…あなたよ」

 

「私…?」

 

「あなたに最後の一撃を託すわ。私たちはあの装備を剥がしいつでも必殺技を放てるようにしましょう!」

 

「うん!」

 

「じゃああかり!援護を頼んだよ!」

 

「うん!任せて!やぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

「ぐご…無駄だ…!我の身体にダメージなど通らぬ…!この鎧がある限りな…」

 

「だからって攻撃をやめたりしないよ!隙間からいっけぇぇぇぇぇっ!」

 

「なっ…ぐふっ…!」

 

「そうか!レイピアは突き刺すだけじゃなくて一応斬る事も出来るんだっけ!?」

 

「だから一撃必殺よりも鎧の隙間を突いて動きを封じるのデスネ!」

 

「これならいけます…!ゴーストロック!」

 

「なっ…体が動かぬ…!」

 

「さっすが麻友美!」

 

「これで狙いが定まったって感じ!いっけぇぇぇぇぇっ!」

 

「Fire!」

 

「ぐごごぉ…!」

 

「まだ終わらないよ!これでもくらえっ!」

 

「いくわよ!ドッカーン!」

 

「ぶっ飛ばしてやるぜぇっ!」

 

「あなたを倒して世界に未来を与えるのよ!」

 

「ぐがぁ…!」

 

あかりたちの猛追がエンプサーナを襲いついに鎧も錆びてきていつ剥がれてもおかしくない状態になった。

 

このままならいける……そう思った瞬間だった。

 

エンプサーナは苦しみながらも瞑想して何かを唱え始めた。

 

まだ攻撃をしていない加奈子は攻めようとしたがエンプサーナの不審な動きを見て攻撃を中断しみんなに叫ぶ。

 

「みんな!早くエンプサーナから離れて!嫌な予感がするんだ!」

 

「えっ…?」

 

「もう遅い!ここで地獄の悪夢にうなされてるがいい!アトミックナイトメア…ビッグバン!」

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…!」

 

エンプサーナは自分の体力を犠牲にしミューズナイツもろとも心中して亡き者にしようと爆風に巻き込んだ。

 

その爆発はあまりにも大きく周りの町は爆風と炎で完全に破壊された。

 

ミューズナイツはそれを至近距離で被爆してしまいもう終わりかと思った…

 

「あれ…?私たち確か爆発に巻き込まれたんじゃあ…?」

 

「そうよね…?でも何で無事なのかしら…?」

 

「おいっ!あれを見ろっ!」

 

「え…?」

 

「しかも聞こえますか…?あの美しいオルガンの音色と混声合唱の声が…」

 

「Yes…聴こえマス…」

 

「もしかしてあれが…私たちミューズナイツに力を与えたミューズ…!?」

 

「皆さまの後ろを振り返りつつも前に進む姿勢と過去を受け入れつつも未来に希望を持つ心…しかと見届けました。ミューズナイツは元々私が生み出した子どもたちで結成されたのです。そしてその我が子たちの意志を受け継いだ子孫たちが何代もいました。そしてあなたたちは我が子たちを越えエンプサーナを最後まで追い詰めました。私の力を持ってしても敵わなかった彼女に…です。さぁミューズナイツよ…私が編み出した最後の必殺技を放ちなさい。今のあなたたちのドリームパワーなら出来るはずですよ。その名は…ミューズナイツドリーミンググランドフィナーレです。心を一つにしつつ未来の自分を想像し描き出しながら祈りを捧げダークネスパワーにぶつけるのですよ。さぁお行きなさい愛する後継者たちよ…」

 

こうして突然現れた女神ミューズはあかりたちにドリームパワーを分け与えて天に昇っていった。

 

あかりたちはあまりの神々しさに見惚れ戦っていることすら忘れてしまいそうだった。

 

そして最後の力を分けてもらい心身共にドリームパワーが漲ってきた。

 

エンプサーナは自分を封印した忌々しい記憶がよみがえり発狂する。

 

「おのれミューズゥゥゥゥゥゥゥゥッ…!貴様がいなければ人間共から夢と未来を奪い感情をなくし…無気力な人形として駒にする計画がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…!」

 

「ミューズ…ありがとう…。みんな!心を一つに祈りを捧げよう!」

 

「はい!」

 

「ぐが…うごぉぉぉぉぉぉぉっ…!」

 

「エンプサーナ!ここで全て終わらせて…私たちはみんなと一緒に元の世界に帰るんだ!そして…人々に夢を見て叶える素晴らしさをまた伝えに行くんだ!だから…ネガティブな夢なんて出ていって!」

 

「ミューズナイツ!ドリームパワー…グランドフィナーレェェェェェェェェェェェェッ!」

 

「くっ…こんなもの…!ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ…!」

 

あかりたちが祈りを捧げて現れたのは光で作られたプレートアーマーの大男の騎士で両手剣をエンプサーナを突き刺そうと切っ先を向け閃光を放った。

 

一方のエンプサーナは崩れかけの体で受け止め弾き返そうとする。

 

あまりの粘りにあかりたちも疲弊しいつ光の騎士が消えてもおかしくはなかった。

 

あかりたちは今一度自分たちの夢を浮かべ思いを全力で叫ぶ。

 

「私の夢は!アイドルになってみんなに私の歌を聴いてみんなの未来の懸け橋になる事!そして自分自身の未来の架け橋も作って世界中に夢と未来を与えるんだっ!」

 

「私はこのアイドルを卒業したら本格的にもう一度女優になって芝居を通じて新しい自分に出会う事よ!そうすれば新しい道が切り開かれ進路に悩むみんなの手本になれると信じているんだからっ!」

 

「私は大好きな彼と結婚して…子どもを産んで幸せな家庭になる事!それと同時に歌手としてたくさん彼と歌を作って音楽は素晴らしいんだと世界中の人々に思わせる事だっ!」

 

「私はネットアイドルを続けつつコスプレも出来る声優になって…日本のアニメは世界一だという事を証明したいです…!日本が誇るアニメとゲーム文化は…私自身でもっと素晴らしいものだと伝えてみせますっ…!」

 

「オレは少しでも女らしくなろうと思ったがそれは違ったんだとみんなを見て気付いたぜ!オレはオレらしく自分を貫いて最高のストリートダンサーになってオレのダンスで世界中を熱くさせてぇっ!」

 

「アタシはもう太ってて暗かった頃の自分を思い出しながらもっと健康的にスタイルをよくしてパリコレなどファッションショーで入賞する!同時に自分だけのファッションブランドを立ち上げてオシャレを極めてやるっ!」

 

「エマはもう一度仲間たちを集めてバンドを再結成するのデース!だからその再結成を信じてみんな日本に来れるようにして資金を集めるために…世界一のギタリストになってエマともう一度やりたいって思わせるデース!」

 

「私はアイドルを引退したら世界中を旅してアイドルの原石を見つけ出しそれを育ててアイドル最盛期を創り上げるんだ!パパを越えるプロデューサーになってもっと世界中のみんなの事を知りたいっ!」

 

「萌仁香はまだ新しい将来の夢はないけど…こんな自分をもっと好きになっていつかは芸能界を席巻するほどの影響力のあるタレントになってみせるんだからっ!」

 

「私たちの夢も…」

 

「「みんなの夢も…」」

 

「「叶えてみせるっ!!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」」

 

「ぬわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…!」

 

こうしてエンプサーナは最後の切り札に飲み込まれてついに朽ち果てる。

 

あかりたちは最後の切り札を使った反動で崩れ落ちしばらく動けなかった。

 

果たしてあかりたちの運命は…?

 

つづく!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。