エンプサーナを倒してお祈りを済ませたあかりたちは帰る準備をしてユメミール王国の民衆たちに見送られる。
ヴィオラ女王はこの国に残って再建を目指し秋山プロデューサーはあかりたちと一緒に人間界へ戻る事となった。
そして城で休養を取ったあかりたちも回復し墓地でお祈りを済ませて元の人間界へ戻ると代々木公園からはマスコミと民衆がたくさんいた。
「お!ミューズナイツだ!」
「あのライブの化け物はどうでしたか?」
「帰ってきたという事は勝ったのですか?」
「へへっ!あったりめーだ!」
「あんな化け物アタシらにかかれば勝つってことよ!」
「結構苦戦しましたが…やりました!」
「Victory!」
「みんなの応援のおかげだよ!ありがとう!」
「ビッグニュースです!ただいまミューズナイツがライブ中に現れた化け物を異世界で討伐してきました!そして見事帰還しました!」
「ミューズナイツ!ミューズナイツ!ミューズナイツ!……」
「見てください!この応援に来てくれたファンの皆さんを…!これだけのファンが代々木公園に集まりこんなにも応援してくれたのです!さぁ皆さん!ミューズナイツにまた大きな拍手を!」
こうして英雄になったあかりたちはテレビ出演も増えラジオでもMCを務めるようになりたくさんの作曲家たちがミューズナイツにうちのうたを歌ってほしいという依頼も増えた。
あれからあかりたちがエンプサーナを倒し何者かがその妹であるアンゴル・モアやホロビノミコを討伐し世界にまた平和が戻った。
秋山プロデューサーもその功績で謹慎処分が早く明けてSBY48の再始動をする。
そして秋山プロデューサーはミューズナイツの記者会見を開く。
そこには隣に加奈子もいる。
「秋山プロデューサー、謹慎処分明けお疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
「まずは…あの…その…凄い肉体改造ですね」
「はい。あれから僕はただ彼女たちを待つだけでなく自分もいざとなったら戦おうという決意をして体を鍛えたんです。前から不健康な身体を治したいと思っていましたので丁度良かったです」
「なるほど。では今回の戦いについてコメントをお願いします」
「はい。まず隣にいる娘の秋山加奈子が化け物の奇襲でファンの皆様を庇って負傷しましたが…それがきっかけで他のみんなも絶対に勝つという気持ちになりたくさんの試練を乗り越え見事勝利致しました。でも…化け物の死に際にまだ伏兵がいると聞いたらしいですが、名前を聞いたところアルコバレーノと月光花でしたか…彼女たちが倒した化け物と同じできっと彼女たちもまたミューズナイツとは別の力で悪魔を倒したのでしょう。僕自身はまた何も出来なかったけど、みんなはそれぞれの夢と未来を背負って戦った。それだけでも誇らしいよ。でも今度は…僕が指導者としてみんなを導く番だ」
「え…?パパ…アルコバレーノと月光花って…?」
「ん?ああ。アルコバレーノは何でもマイナスエネルギーと対峙する何かの魔法でアンゴル・モアを。月光花は罪魔の力と対峙する力でホロビノミコを倒したんだよ。まさかあの子たちが加奈子たちと同じだったとはね」
「そうなんだ…。だからあの子たちに不思議なパワーを…」
「コホン…。さてと…まず加奈子さんに私から謝罪しなければならないことがあります。あの時に見てしまったんです。病院からすぐに代々木公園まで急いで駆けつけたあなたの姿が。そして謎の金色の門の中に入っていったところを。そして私はこっそりついて来たんです。そしたら…ライブの時に見た悪魔と戦っている前田さんたちの姿があったんです。そこで私はあなたたちが眠っている間に秋山プロデューサーに情報を伝えてテレビで早とちりながらニュースにしてしまいました。勝手な行動をしてすみませんでした」
「えっと…顔を上げてください。確かに早とちりはいけないことですけど、その行動力のおかげで真実を報道する事が出来ましたし、何より危険な中で報道するプロのマスコミ魂を感じました。とても怖かったと思います。あなたの勇気ある行動のおかげであの子たちが誤解されずに済みました。本当にありがとうございます」
加奈子の行動を終始見ていたテレビ局のスタッフがずっとミューズナイツの戦いを見ていてその結果をいち早く報道しミューズナイツを英雄にしてくれていた。
そのおかげかミューズナイツの知名度もアルコバレーノや月光花と同じくらいに上がり世界でもその三つは英雄として扱われた。
記者会見を終えると秋山父子はプライベートの時間に入り二人でパフェを食べる。
「加奈子…君が負傷したと聞いたときはショックだったよ。僕がユメミール王国にいる間にそんなことがあったなんてね」
「心配かけてごめんね。ファンや後輩たちを巻き込みたくなかったんだ」
「その正義感は本当に君らしいよ。それで頑固な先輩たちをすぐに認めさせてルーキーながらセンターを勝ち取った。ひいきだって言われても結局実力で文句を言わせなかった。ひいきをすることが嫌いな僕でも安心してセンターを任せられるようになった。成長したね…僕の知らない間に」
「もうパパ。辛気臭いことはなしにしてパフェを食べようよ」
「それもそうだね」
父子水入らずの会話はあかりたちの話題になり今後は自分を越える存在になると予想したり自分がサポートしなくてももう一人前だと言ったりミューズナイツの今後の話などで盛り上がった。
秋山プロデューサーは娘の加奈子の成長を喜ぶ一方で加奈子の本当の夢であるプロデューサーへの夢は諦めたのだろうかという不安もあった。
実際に加奈子がプロデューサーになったら自分の築き上げたものを簡単に脅かす存在になるが自分の死後に後継者がいなくなり48グループがバラバラになる事を恐れてもいた。
しかしそれを加奈子も察していて自分はアイドルを続けるべきなのか本当の夢であるプロデューサーになるべきなのかを悩んでいた。
加奈子は実際に人を良く観察してその人の個性を磨かせてよりいい武器を神器にさせるのが上手い子だ。
こんな逸材をいつまでも取っておくわけにいかないだろう。
パフェを食べ終えた後は劇場に足を運びミューズナイツのレッスンに入る。
レッスンを終えると秋山プロデューサーに着信がありそれに出る。
「もしもし?秋山です。はい…はい…。それは本当ですか…?わかりました。あの子たち全員に伝えます。では…失礼します」
「プロデューサー、何かあったんですか?」
「今日19時に休みの子も研修生も仕事から帰った子も全員劇場に集まるように連絡してほしい。連絡を知らない子は僕がやるよ。大事なお知らせがあるんだ」
「え…?あ、はい。わかりました!」
秋山プロデューサーは何やら真剣な顔であかりたちにメンバー全員に連絡を入れろと必死になる。
あかりたちは何の事だかわからず考えながら知ってるメンバー全員の連絡先に集合の連絡をする。
19時になり全員が劇場に集まると秋山プロデューサーは深呼吸をして拡声器で重大発表をする。
「全員集まったね。今から重大な発表をするよ。実は昼頃に電話があってね…その電話の内容はね…今年の年末に全世界のアイドルを対象に武道館にてワールドアイドルオリンピックが行われるんだ」
「ざわ…ざわ…」
「そこで今回はSBY48として出るか、各グループで選抜制か立候補制か…または全グループ参戦かだ。最初に書類選考して合格した後に世界中の予選グループ会場でライブし、優勝したアイドルが武道館でライブをして世界中のリアルタイムで審査をされるんだ。じゃあみんなに聞くよ…SBY48として出たい人…!」
「はい!はい!はい!」
「おお…全員か…!正直言えば賞を確実に獲るならミューズナイツとSBY48は別々の方がいいだろう。だがミューズナイツのメンバー全員がSBY48として出たいと言ったという事は…みんなで団結して勝ちに行かなければならない。どうか選ばれなくても嫉妬せずに応援してほしい。以上!」
こうしてワールドアイドルオリンピックが行われることを知らされ各メンバーはやる気に満ちてレッスンしたり仕事に励んだりした。
つづく!