第79話 お知らせ
ワールドアイドルオリンピックが開催されることを知った各メンバーたちは張り切りだしそれぞれの仕事とレッスンに打ち込んだ。
それだけでなく自分をいかに売りだせるかなどの自己プロデュース力を上げるために見次から営業に出る子も少なくなかった。
あかりたちもいつまでも神7のままではいられないと意気込み加奈子を越えるアイドルになろうと必死に努力を続けた。
しかしそんな中でSBY48を揺るがす問題が二つほど出てしまう。
「今日もお仕事お疲れ様。ここでワールドアイドルオリンピックについてこれから説明をするよ。まずワールドアイドルオリンピックの選抜メンバー48人だ。センターは…前田あかりさんに任命する」
「は、はい!」
「おめでとうあかり」
「私もセンターになりたかったなー」
「でもミューズナイツを仕事で引っ張ったのは彼女だもの。誰も文句は言えないよ」
「それで選抜メンバーを発表するよ」
前田あかり
大島結衣
篠田日菜子
渡辺麻友美
高橋ひかり
板野麻里奈
柏木エマ
秋山加奈子
小嶋萌仁香
長門有梨
松実柊
萩原瑞歩
有原亜里沙
東郷実里
伊吹未来
七島春歌
新田美優
石川あゆみ
遠藤沙綾
織田竜華
松田李衣奈
趙真理
西野里花
波野あさり
矢部桃花
林綾香
園城寺さやか
近藤レナ
森島七海
春江さくら
桜坂美波
冬島あさ美
大崎照
黄瀬さつき
青木麗子
緑川直美
大坂沙織
虹野夢美
菊池真
飛鳥明日香
小池恵美
加藤絵里奈
山田花子
田中里美
千葉六花
岡和恵
礒部美里
岸部由香
「以上になる。そして悲しいお知らせが二つほどあるんだ。まずは…秋山加奈子はプロデューサーになるために世界中を旅するという事で今季限りのアイドル引退となる。つまりワールドアイドルオリンピックで有終の美を飾るために有償を狙うしかなくなった。加奈子、一言頼むよ」
「実は私には父である秋山プロデューサーの背中を追ってここにいるみんなの事を観察して自分を磨きすぐにセンターになった理由は…プロデューサーとして今後の世界のアイドル界の発展のために何か恩返しがしたいって思っててこの決断をしました。ここに飛び級で入ってもう5年になるけど…私の最後だからって委縮したりしないで今まで通りみんなのアイドル道を究めていってほしいな。私はみんなが自分らしく輝いてくれるその姿が大好きだよ。だから…優勝も大事だけど自分を見失わないようにしてね。そしてアイドル引退後は…世界中を旅してアイドル界を牽引するプロデューサーを目指す。だからみんなは私の引退後は…応援してください。今までありがとうございました」
「加奈子先輩…!」
「あの子が引退…?」
「このままだと私たち誰を頼れば…!」
「夢のためだから仕方ないけど…」
「秋山さんが抜けると穴が大きいなぁ…」
「加奈子の卒業ライブは3月の第一日曜日になる。ちゃんと見送ってあげてね」
加奈子の固い決意をした顔を見てあかりたちはただ見守るしか出来なかった。
ミューズナイツの今後については恐らくまた後日に話をするのだろう。
加奈子の卒業ライブと同時にワールドアイドルオリンピックに向けてライブをしなければならないのでグループとしてはかなり忙しくなるだろう。
だがもう一つ悲しいお知らせとは何なのか今から口にする。
「もう一つは…実は僕はワールドアイドルオリンピックの決勝ブロックの審査員に選ばれたんだ。それが何だという話になるが…審査員に選ばれたプロデューサーとマネージャーやスタッフはそのアイドルのプロデュースを一切禁じられている。当然レッスンも見てあげられないし指導も出来ない。そこでプロデューサーの修行として加奈子をまた臨時プロデューサーに任命する。加奈子、また君に負担をかけてしまって申し訳がないと思ってる。でも…君が一番の頼りだという事も忘れないでほしい」
「わかってるよ。パパも大一番の仕事を任命されたから娘である私はそれを誇りにみんなを優勝に導いてみせるよ」
「ありがとう…。お知らせは以上だ。お疲れ様でした」
「お疲れ様でした!」
劇場ではしばらく加奈子の話題になり引退と卒業でもう寂しさが溢れてくる。
何せ5年も陰から支えた上に自分の成長も忘れないストイックな精神と観察眼で鍛えたアイドルとしての実力と勤勉性で精神的支柱だったのだから。
そしてそこに大きな影響を受けるのはSBY48だけではない。
ミューズナイツも例外なく大きな影響を受けるのだ。
「そんな…加奈子先輩がいなくなるなんて…!」
「これからは私たち8人で頑張るしかないわね」
「でもなんか…応援したいのにいなくなってほしくないなぁー…」
「加奈子先輩には助けられてばかりでしたからね…」
「最後の戦いの時も…加奈子先輩がいなかったら負けてたっつーか…」
「こんなにも存在感のある先輩だったんだな…」
「なんだか寂しいデス…」
「先輩たち…」
「私…加奈子先輩を引き留めたい…!せめてアイドルは引退してもプロデューサーとして残っててほしい!こんな形でお別れなんて嫌だよ…!」
「あかり!まだわからないの!?加奈子先輩は自分をより成長させるために自ら苦渋の決断を下したのよ!ここで引き留めたら加奈子先輩の夢も叶わなくなっちゃう…。ミューズナイツは夢と未来の騎士よ、そんなことでいいの…?それともあなたの応援する気持ちはこの程度なの…?」
「それは…」
「まぁ気持ちはわかるよ。私だってお別れなんて嫌だもん。でも結衣の言う通り加奈子先輩の進路を邪魔する権利は私たちにはないと思う。もし加奈子先輩日本刀に戻ってきてほしかったらさ…私たちがもっと成長していつでも戻って来れるようにお出迎えする準備をしようよ!」
「そうデース。あかりは優しい事は知っていマスが…ここまでワガママ言うなんて珍しいって思いマシタ。エマたちも同じで加奈子先輩にはいなくなってほしくないデス」
「ミューズナイツはこんな形で終わらないってゆーか、終わらせないって思えばいいじゃん」
「私も寂しいですが…心から応援したいと思っています…」
「先輩…それでも引き留めるつもりですか…?前田あかりはその程度の気持ちでアイドルをやって、萌仁香をスカウトしたのですか…?」
「うん…そうだよね…。私、もう決めたよ…。加奈子先輩の夢を応援する。そして…例えミューズナイツは解散しても私たちの心はひとつだってことを証明しよう!」
「それでこそあかりってモンだぜ!あかりはやっぱりポジティブでなきゃな!」
「加奈子先輩に有終の美を飾れるようにミューズナイツも頑張ろうね!」
「おー!」
つづく!