ミューズナイツ~SBY48~   作:赤月暁人

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第84話 開幕

秋になり、ついにミューズナイツだけでなくSBY48として最大のイベントが行われる。

 

2020年から始まるワールドアイドルオリンピックに向けて、選ばれたメンバーはそれぞれ仕事をこなし準備をして来た。

 

その48人はこの日のためにレッスンも積み、予選ブロックまで努力をし続けた結果…書類選考で合格し、予選ブロックの抽選票が届く。

 

Aブロック アメリカ・ニューヨーク

 

Bブロック イギリス・ロンドン

 

Cブロック オーストラリア・シドニー

 

Dブロック アメリカ・ロサンゼルス

 

Eブロック 中国・上海←ここ

 

Fブロック インド・ムンバイ

 

Gブロック ブラジル・リオデジャネイロ

 

Hブロック 韓国・ソウル

 

決勝ブロック 日本・東京

 

参加グループ

 

SBY48・日本

 

WLD48・国際グループ

 

TYT48・日本

 

マトリョーシュカ・ロシア

 

クレオパトラ・エジプト

 

St.MARIA・日本

 

娘々好・中国

 

Vita・ドイツ

 

となった。

 

「いきなりWLD48や愛知のTYT48と当たるのかー…」

 

「身内同士の潰し合いデスネ…」

 

「秋山プロデューサーが直接指導できない以上は私たちにもある意味ハンデってところだね」

 

「うーん…ちょっと違うと思う」

 

「あかり?どういう事なの?」

 

「多分だけど私たちは秋山プロデューサーに依存しすぎているから、いなくても機能できるか試されてるんだと思う。おそらくアルコバレーノや月光花も同じだとしか思えない」

 

「となれば私たちがトップになるために証明しないといけないわね」

 

「結衣さんの言う通りですね…。気を引き締めていかないと…!うう…緊張でめまいが…」

 

「麻友美先輩!ほら酔い止めあげますからしっかりして!」

 

「萌仁香さん…申し訳ないです…」

 

「とにかくこれで王者としてよりも挑戦者としてこのオリンピックに挑むんだ。誇りだけでなく向上心を持って行かないとね。ここで驕ったらパパに申し訳がなくなってしまうし」

 

「確かにそうですね…。ミューズナイツだけでなく他の子たちもいますからね。私たちだけじゃないってところを見せなければ」

 

「層の厚さを思い知らせるためにも私だけでなく、ミューズナイツのみんなも周りの先導を頼むよ」

 

「う、うす!」

 

飛行機の中でトップであるミューズナイツによる作戦会議の中で麻友美はあまりの緊張で寄ってしまい少しだけ横になる。

 

萌仁香は背中をさすって後輩らしい気遣いをして、作戦会議の際はちゃんとメモをする。

 

加奈子だけでなくリーダーの結衣も発言が増え、あかりやエマも副リーダーとしての責任も持てるようになりまとめ役になるようになった。

 

上海に着くとたくさんの中国人にお出迎えされる。

 

「ミューズナイツだ!」

 

「俺、ファンなんだよ!会えてよかった!」

 

「私もファンなの!生で見れて生きてるって感じ!」

 

「おう!お出迎えサンキューな!」

 

「ひかりさん…あんなにはしゃいで楽しそうですね…うぷっ…!」

 

「麻友美は無理しないの。ほら、歩ける?」

 

「はい…何とか…」

 

「それにしても上海ってビルが多く建っててすごいなぁー!」

 

「中国の中でも香港に並ぶ国際都市でよく外国人観光客だけでなく海外企業も訪れているそうだよ」

 

「日本企業も例外じゃないわね。さぁ会場に行きましょう。誰か麻友美を支えてあげて。二人がいいわ」

 

「じゃあオレが」

 

「萌仁香もエマも手伝いマス」

 

上海に到着した48人はホテルでチェックインする前に少しだけ観光を堪能する。

 

中国の屋台に感動した日菜子はインストグラムに投稿し、中国のファッションに興味津々な麻里奈はキックトックに、中国でも日本のアニメは盛んなんだと喜びつつも、まだ緊張で疲れ切っている麻友美はそれぞれ嬉しそうだった。

 

ひかりとエマも麻友美が少しずつ回復していくのを見て徐々に支えるのをやめ、自分たちも上海を楽しもうと観光していった。

 

ホテルに戻ると早速宴会場のステージを貸しきってレッスンを始める。

 

といってもハードなものは一切やらず最後の調整程度にした。

 

そして夜を迎えて48人それぞれの部屋に戻り、すぐに眠りについた。

 

翌日の本番にはもう全員準備は出来ていて会場に向かう。

 

そこでリハーサルをしてリアルタイムでのファン投票で1位になれば決勝ブロックに進出できる。

 

リハーサルを終えてすぐに楽屋に戻り開演を待つ。

 

そして…

 

「皆さん大変なが楽お待たせしました!ワールドアイドルオリンピックEブロック予選、これより開催します!今回の優勝候補は…ミューズナイツ率いるSBY48!東海地区を総なめするTYT48!そして日本以外の世界中のアイドルを集めた国際精鋭アイドルグループWLD48です!さぁこの出場するアイドルグループはどんなパフォーマンスを見せるのか!?まず最初に…SBY48からです!」

 

決勝ブロックでも優勝候補と言われているからか抽選もなしにいきなり先頭を任されるSBY48。

 

加奈子は抽選に行こうとしたらスタッフに呼び止められてしまい、メンバー全員を集めて戦闘は完全に確定となった。

 

これはハンデだとスタッフに言われたが、ひかりとエマ、日菜子と麻里奈、萌仁香は納得しなかったが結衣の説得で落ち着く事に成功する。

 

だがあかりと加奈子は逆に燃えていて他のメンバーもこの二人に負けるなと言わんばかりに気合いが入っていた。

 

その事を日菜子たちは反省し円陣を組む。

 

「じゃあ最後の円陣だから私が掛け声出すね」

 

「加奈子先輩、お願いします!」

 

「私たちは王者なんかじゃないよね?」

 

「え…?」

 

「今ここで王者の誇りを捨てて挑戦者としてここに挑むんだよ。だから…無駄な驕りを捨てて自分たちが最高のパフォーマンスが出来るという誇りを胸に!音楽を奏でよう!S!B!Y!」

 

「48!」

 

予選ブロックのルールで完全な新曲で勝負したSBY48。

 

その曲には王が亡き国を騎士たちが団結して王の遺志を継ぎ発展させるミュージカルものを5分でまとめた曲で挑む。

 

モチーフは…9人の騎士たちでミューズナイツを中心にダンスをする。

 

他のメンバーは民衆ながらも自ら行動し騎士だけにいい格好はさせないようにする。

 

そのパフォーマンスが功を成し99点という高得点を取った。

 

しかし後続はあのTYT48やWLD48でさえプレッシャーとなり、思うようにパフォーマンスが出来なくなるなどSBY48の王者の貫禄は見事なものだった。

 

ましてや味わったことのなかったロシアのマトリョーシュカ、エジプトのクレオパトラ、中国の娘々好は戦意を失うほどだ。

 

ただ唯一対抗していたのは…聖英学園のスクールアイドルのSt.MARIAだった。

 

「この前の文化祭をこの目で見てきたけど…そんな子たちを中心としたグループと同じステージに立つなんて私たちは幸運なんだよ!その幸運を噛みしめて全力のパフォーマンスをしよう!Oh Maria!」

 

「Hallelujah!」

 

St.MARIAはSBY48のパフォーマンスを目の前にしても諦めず、むしろ憧れと同じステージに建てる事がラッキーなんだと開き直り、今までにないパフォーマンスをした。

 

宗教は違えど人を思う気持ちはひとつなんだという願いの歌で国籍も民族もバラバラなスクールアイドルたちは団結して全力を出した。

 

しかし反撃もここまで…

 

「では得点です!得点は…95点!ということは…SBY48の優勝です!」

 

「やったー!」

 

「SBY48さん、おめでとうございます。やっぱり王者には敵わなかったなぁ…」

 

「日本のアイドルとは何かを思い知ったよ。WLD48は選挙でも今回でも負けましたが次は負けません」

 

「エジプトの神々は言っています。あなた方が金メダルを取ると…。頑張って」

 

「これ、実家の小籠包です。ゲン担ぎに食べてください」

 

「ミューズナイツのアイドル力は本物…。悔しいけど認める…。負けたら承知しない…」

 

「あーあ残念。ロシアから来たけど最下位かぁ。でもあなたたちなら優勝するのも納得だよ。ロシアから応援してるよ!」

 

「文化祭の時は来てくれてありがとうございました。おかげでこの大会に出る決意が固まり、あなた方と共演出来たことを誇りに思います。次はその…私たち3年生は引退ですが、後輩たちはあなた方を越えてくれるでしょう。絶対に…負けちゃいやですよ?」

 

「皆さん…ありがとうございます!皆さんの分まで頑張ります!」

 

ミューズナイツ率いるSBY48はEブロックを優勝し上海を後にする。

 

次は年末に行われる武道館での決勝ブロックだ。

 

その日に備えて無理せず追い込みレッスンを積み重ねた。

 

つづく!

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