自作小説の世界に転移したから別ルートから魔王討伐を阻止する   作:九戸政景

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政実「どうも、旅をするなら仲間と一緒が良い片倉政実です」
創「どうも、幾世創です。たしかに仲間と一緒の方が楽しいからな」
政実「うん。一人旅も気にはなるけど、やるなら仲間と一緒かな」
創「そっか。さて……それじゃあそろそろ始めていくか」
政実「うん」
政実・創「それでは、第6話をどうぞ」


第6話 冒険者ギルド

 アルフレッド達と話をしながら一緒に歩く事数分、一軒の大きな建物が見えてくると、アルフレッドはそれを指差した。

 

「見えたぜ。あれがこの街の冒険者ギルドだ」

「あれが冒険者ギルドか」

『冒険者ギルド。この『リューオン』の各地に存在している冒険者を支援するための建物で、『リューオン』を旅する冒険者になるためには、必ず登録を済ませないといけない』

「……そっか。ありがとうな、クルス」

 

 俺専用のナビゲーターを自称するクルスに対してこっそりお礼を言っていた時、アルフレッドは首を傾げながら話し掛けてきた。

 

「ところで、訊くまでもないと思うけど、冒険者としての登録はどこかで済ませてるよな?」

「いや、まだだな。俺が住んでたところには冒険者ギルドは無かったから」

「わ、私もまだです……」

「私もだな」

『僕なんかはそもそも野良のスライムだったからね』

 

 俺達のその言葉にアルフレッドはとても驚いた様子を見せながら立ち止まった。 

 

「え、マジか!? それなら、さっさと登録を済ませちまおうぜ! 冒険者ギルドに登録しておけば、色々な特典があるからさ!」

「特典……ですか?」

「そうよ。例えば、冒険者ギルドと提携をしている宿屋に無料で泊まれるとか武器屋や防具屋で冒険者としての資格を見せればそのランクによって値下げをしてもらえるとか色々あるわ」

「ランク……そういえば、先程エスメラルダは自分達の事をGランクだと言っていたな」

「……Gランクは一番低くて、一番高いのはSSランク。登録したての冒険者はみんなGランク。受けられるクエストも簡単な物ばかりだけど、報酬もそんなに多くない」

「ただ、そのクエスト内で自分のランクよりも上位のクエストと同等の成果をあげれば、それ相応の報酬が手に入る。まあ、そうそう無いことじゃがな」

『そっかぁ。でも、ウチはみんな強いし、クエスト中に何かあっても安心だね』

「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、基本的には何も無いのが一番だな。さてと、それじゃあそろそろ登録をしに行こうか」

 

 俺のその言葉に全員が頷いた後、俺達は再び歩き出した。そして、冒険者ギルドに着き、中に入ってみると、中では数多くの冒険者達で賑わっていた。

 

「す、スゴい人の数ですね……」

「まあね。ここはクエストを受けに来た冒険者の他にも新しい仲間を探しに来た冒険者や情報屋を尋ねてきた冒険者までいるから」

「ふむ、情報屋か……お前達は情報屋から情報を買った事はあるのか?」

「……ある。それもその情報で助けられた事が結構ある」

「そうだったなぁ……それに、情報を買った事でエスメラルダとアンガスに会えたわけだし、情報屋には頭が上がらないぜ」

「そうだったのか」

「ああ。さて、その話は後にしてまずは登録だな。登録をするには受付に行けば良いぜ」

「受付……ああ、あそこか」

「そうだ。さあ、とりあえず行ってこい」

 

 それに対して頷いた後、俺達は揃って受付に向かって歩いていき、そこにいた女性に話し掛けた。

 

「すみません。冒険者登録をしたいんですけど……」

「冒険者登録ですね? 畏まりました。えーと、登録をなさるのは……」

「俺達3人と……フォル、お前はどうする?」

『うーん……興味はあるけど、そもそもモンスターは冒険者になれるの?』

 

 フォルがまるで首を傾げるように身体を軽く曲げながら訊いてきたその時、受付のお姉さんはとても驚いた様子でフォルに視線を向けた。

 

「……今、そちらのスライムがお話をされたんですか?」

『うん、そうだよ。ここにいるハジメの力で『魔物使い』以外とも話せるようになったんだ』

「そうなんですね! わあ、スゴいスゴい!! 私、モンスター──特にスライムが好きで、いつかお話してみたいと思っていたんです!」

「そ、そうなんですね……」

「はい! まさか、こんな形でその夢が叶うなんて……はあ、今スゴく幸せです……」

 

 受付のお姉さんがとても幸せそうな笑顔を浮かべていたその時、コホンと隣の受付の人が咳払いをすると、受付のお姉さんはハッとした様子を見せた後、とても申し訳なさそうな表情を浮かべた。

 

「失礼しました……あまりにも嬉しくてつい……」

「大丈夫ですよ。それで、フォルは冒険者になれるんでしょうか?」

「そうですね……そもそも『魔物使い』以外と話せるモンスターの前例が無いので、私では何とも……今、上の者と相談してきますので、少々お待ち下さい」

「わかりました」

 

 そして、受付のお姉さんが奥の方に引っ込み、戻ってくるのを待ち始めた時、ふと冒険者達の視線が俺達に注がれているのに気づいた。

 

「……まあ、仕方ないよな。『魔物使い』以外と話せるスライムを連れた奴なんて今までに見た事がないだろうから」

「そうですね……」

「その上、魔法まで使えると知られたら、その手の研究者がどんなに金を積んででもフォルの事を手にいれたいと思うだろうな」

『だろうね。けど、僕はどこにも行かないよ。僕はあくまでもみんなの仲間だからね』

「ああ、俺達だってフォルの事を誰かに渡す気なんて無いよ」

「はい。私、フォルさんともっと一緒にいたいですから」

「金で手放すくらいの仲間だとは私も思ってはいない。まあ、どんな条件でも手放すつもりはないがな」

『みんな……うん、ありがとう』

「どういたしまして。それにしても……やっぱり、結構掛かってるみたいだな」

「そうですね……前例が無い分、すぐには決められないという事でしょうか」

「そうだろうな」

 

 イア達とそんな話をしていたその時、受付のお姉さんは奥から戻ってくると、まるで自分の事のように嬉しそうな笑みを浮かべながら俺達に話し掛けてきた。

 

「お待たせしました。ギルド長と相談したところ、あるクエストを達成すれば、そちらのスライムを冒険者として認定するとの事でした」

「そうですか……良かったな、フォル」

『うん。でも、そのクエストって一体何?』

「あ、たしかに……」

「クエストの内容や 難易度、達成条件はどうなのだ?」

「クエストの内容は……この近くで目撃されたドラゴンの討伐もしくは使役(テイム)です」

 

 その受付のお姉さんの言葉にその場にいた冒険者達がざわめきだす中、「ちょ、ちょっと待ってくれよ!」とアルフレッドがエスメラルダ達を連れて受付に近付いてきた。

 

「アルフレッド」

「ドラゴンの討伐って……本来ならDランクから受けられるクエストのはずじゃないんですか?!」

「その通りです。ですが……ギルド長はそれを達成すれば認めるとしか言わなくて……」

「何よそれ! ハジメ達がどれだけ強いかはわからないけど、駆け出しの冒険者にやらせる内容じゃないのは確かでしょ!?」

「けど、それを達成すればフォルは史上初のモンスターの冒険者になれる。だったら、やるしかないな」

「ハジメ!」

「大丈夫だよ、アルフレッド。俺は『ちょっと変わった事』が出来る『魔物使い』だし、イアとアーヴィングさんだって一人でも戦える程の強さの持ち主だって信じてるからさ」

「は、はい! 私の魔法で皆さんを精一杯サポートします!」

「……私の目的を達するためには、その程度で怖じ気づいてなどいられないのでな。そのクエスト、受けさせてもらうとしよう」

『……みんな、自分の事じゃないのにそこまでやる気になっちゃって。まあ、それなら僕も全力で頑張るよ』

「お前達……」

 

 俺達の言葉にアルフレッドが少し不安そうな表情を浮かべる中、同じように俺達を不安そうに見つめる受付のお姉さんに俺は話し掛けた。

 

「それで、ドラゴンが目撃されたのはどの辺りですか?」

「基本的には空を飛んでいるところを目撃されているのですが、最近はこの近くの森の奥深くにある洞窟の付近で目撃される事が多いみたいです。そして、達成条件はドラゴンの討伐または先程も言ったように使役する事です。討伐だけではなく、使役も達成条件に含まれるのは『魔物使い』の方がいるためです」

「なるほど……フォル、その洞窟に心当たりはあるか?」

『洞窟……うん、バッチリわかるよ』

「オッケー。それじゃあ、早速行くか」

「はい……!」

「うむ」

『レッツゴー』

 

 そして、冒険者達と受付の人達が見守る中、俺達がギルドを出ていこうとしたその時、「お前達!」とアルフレッドが声をかけてきた。

 

「……何だ?」

「必ず……必ず、生きて帰ってこいよ!」

「……ああ、もちろんだ」

 

 アルフレッドの言葉に親指を立てながら答えた後、俺達は洞窟に棲むドラゴンに会いに行くため、ギルドを後にした。




政実「第6話、いかがでしたでしょうか」
創「旅も序盤なのに次回はドラゴン戦か。そういえば、この作品の外伝を書こうとしてるんだっけ?」
政実「うん。タイトルやおおよその内容は決まってるから、近日中に投稿していきたいと思ってるよ」
創「わかった。そして最後に、今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので、書いていただけると嬉しいです。よろしくお願いします」
政実「さてと、それじゃあそろそろ締めていこうか」
創「ああ」
政実・創「それでは、また次回」
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