ビースト・マーダー   作:ヒシモチ

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夫婦だった…とある二人の話。


幕間 番外 オー・ルボワール

フランス ブルターニュ

 

10月 日曜 昼頃

 

「…この街も変わらないな…5年前と変わらない…」

 

この街はシャルルの古郷であり、愛を育み、愛を壊した街

 

「…。」

 

貴方はいつだってそう!仕事、仕事って!いつも大事な時に限っていないじゃない!!

 

「……さて、この道だったかな。」

 

道を抜けると、海が見える広場に出た

 

「…。」

 

仕方ないだろ!休みたくても休めないんだよ!遊びでやってるんじゃないんだ!!

 

「相変わらずだな…ここも…」

 

「貴方も…変わってないのね…。」

 

「…!」

 

ノエル フォンテーヌ(34)キタキツネ

 

シャルルの元妻

 

「ありがとう、来てくれたんだね…ノエル。」

 

「ええ、シャルル…久しぶりね。」

「5年ぶりだよね…」

 

「…。」

 

「…。」

 

君だってそうだ!毎回、毎回だ!いつもわがままを言って!僕の気持ちを考えたことあるのか!?

 

貴方に言われたくないわ!そんなこと言って!いっつも私とお腹のこの子をほったらかしじゃない!!貴方こそ!私達のこと考えてるの!?

 

「…ここに来たのは、君に伝えたいことがあるんだ。」

 

「…何?」

 

「…僕はもう…ここには戻らない。君にも会わないつもりだ…。」

 

「…はぁ、何を言い出すかと思えば…5年も連絡しない上に顔すら出さなかった人が、今更何言ってるのよ…」

 

「うん…それに関しては、申し訳ない…」

 

「それで?もう戻らないって言うあたり、何か目的とかできたの?」

 

「目的かどうかは、わからないけど、日本に引っ越して養子を迎えたんだ…これが写真。」

 

「…この虎の子?あら…かわいいじゃない。名前は?いくつなの?」

 

「名前は、あやめ、5歳だよ。」

 

「あやめちゃんかぁ…私の子と同い年なのね…そう言えば、貴方まだ私の子見てなかったでしょ。はい、写真。」

 

「…男の子だったんだ…名前は?」

 

「名前は「ジャン」よ。」

 

「フフッ、良い名前だね。やっぱり大変かい?」

 

「そりゃそうよ。フフッこの前何か――」

 

「アハハ、そんなことがあったんだ。大変だね。」

 

「ウフフ、大変なんてものじゃないわよ。」

 

「…。」

 

「…シャルル?」

 

「…ねぇ、ノエル。」

 

「なに?」

「…どこかで間違えてなければ…僕らは家族として…こんな風に…笑えたのかな…」

 

「…ええ…、私も同じように思う時が何度もあったわ…」

 

「…初めてここで僕らは出会って…」

 

「…ここで貴方に告白されて…プロポーズされた…」

 

「…でも、僕らは何度もぶつかり合ってしまった。」

 

「…ホント、お互い子どもみたいに、いがみ合いの繰り返しだったわね…」

 

「この先ずっと…お互いに心を傷つけ合うくらいなら…そう思って…」

「ええ…」

 

「…僕から…「別れよう」って言った…」

 

「……そう…貴方は正しかったと…思うわ…」

 

「…。」

 

もういい…!限界だ…!もうやってられない…!君に家は渡すよ!

 

え?…なによ…!なにが言いたいのよ!?

 

別れよう…!僕は出ていく…!

 

わか…ッ!…ああそう!?じゃあ好きにしなさいよ!

 

………ああ…好きにさせてもらうさ…君と言い合うくらいならね……さよなら。

 

……………なによ…なんなのよ…

 

「……今でも思い出すわ…あの日のこと…私のエゴで貴方を振り回そうとした…」

 

「…そうだね…でも、あの時の君の言い分も正しかった…頑なに拒否したのは…僕だ…」

 

「…。」

 

今思えば…いつも、お互いが悪かったんだ

 

「色々思い出すわね…。」

「うん…今日の朝、君に会うって思うと、どんな顔していいかわからなかった…」

 

「私は…ため息ばっかりついていたわ…まだ怒っているんじゃないかって…」

 

「そんなことないさ…僕だって同じだったよ…」

 

それでも…思い出すのは、ケンカの光景ばかり。お互いが笑い合っている光景は見えなかった。

 

いや…お互い忘れてしまった…だが、その方が幸せなのかもしれない…なぜなら

 

「…。」

 

「後悔」という炎が、今よりもっと燃えて、渦を巻くと思うから

 

「…。」

 

でも、その炎が燃えているのは、今も同じ。

 

誰が予想できた?紡いだ糸が、縦に裂けてしまうなんて…

 

「…この広場は――」

 

「…?」

 

「相変わらず…人がいない…」

 

「ええ、そうね。」

 

「…ここから見える海も綺麗なのに。」

 

「…ええ、そうね。」

 

なのに…僕らの愛は…どうしてここまで、汚れきってしまったんだろう…

 

いや…わかっていたんだ。いつか必ず、ぶつかり会うだろうって…お互いに、わかっていたはずだった。

 

それでも、お互いに仮面を被って暮らした。

前から小さなケンカは、よくあったから、またケンカしたら仲直りすれば良い…そう思っていた。

 

その結果がこれだ…

 

「…。」

 

結局、僕らは何も変われない。

 

でも…別れなければ「今」は無かった…これが正解なんだ

 

「…ねえ、シャルル…お願いがあるんだけど…」

 

「なに?ノエル。」

 

「…――――、―――――――――。――――」

 

「…は?冗談だろ?」

 

「失礼ね…冗談なわけないでしょ。知ってる人が貴方しかいないからいってるのよ。」

 

「いやでも…だからって…」

 

「それに、万が一のことがあれば、赤の他人じゃないほうが良いでしょ?それとも…私の最後のお願いくらい、聞いてくれないの?」

 

「うぅ…わかった、わかったよ…」

 

「フフッ…流石、私の元旦那。…貴方しか信用できないの…」

 

「ハァ…そういう強引なとこ、変わってないね…」

 

「あら、お互い様じゃない?(笑)」

 

「フッ、そうでした。」

 

「…あらやだ、もうこんな時間。…じゃあ、そういうことだから…」

 

「ああ、わかったよ。…会えて良かった…」

 

「ええ、…精々、私より良い奥さん見つけなさいね(笑)」

 

「アハハ…言うじゃんか。君も、僕より良い人見つけなよ(笑)」

 

「フフッ、何よ。」

 

「ハハッ、そっちこそ。」

 

「…さようなら、シャルル。」

 

「…さようなら、ノエル。」

 

 

そして二人は、わらい合い、振り替えることは無かった。

 

 

さようなら、愛していた人。

 




七「こんにちは!こんばんは!おはようございます!いつも読んでくださってる方もありがとうございます!」

七「今回、作者は忙しいみたいなので、私からお知らせを。」

七「12月の中旬までおやすみだそうです。なので、楽しみにしてくださってる方々、大変申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします…では!さよならです!」

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