ビースト・マーダー   作:ヒシモチ

18 / 19
青「えーっと…前回までのあらすじ。」

七「廃マンションを調査、以上です。今回って私達の出番無いみたいですね…大技キャンセルナイスです。」

青「仕方ないよ…閃光ナイス。」

七「次回に期待しましょうか…このまま削り切っちゃいましょう。」

青・七「イエーイ!裸でバル●ァルク討伐たっせーい!」


第15話 「色」 序

■年前

 

■月■日

 

■階 ■0■号室

 

ああ…、事業も失敗…負債だらけ…どうして…何で…どこで間違えた……もう終わりだ………そうだ、トラロープがあったな…死んでしまえば…楽に…

 

■年前

 

■月■日

 

■階 ■0■号室

 

そうやって…お酒ばっかり飲んで…少しは働くなり、仕事を探したらどうなのよ…!

 

ああ?うるせぇな…俺の勝手だろうが!テメェこそ働いてねぇじゃねぇか!……なんだ?その目は…生意気だなあ!

 

な…何よ!止めて…キャッ!……うぅ…

 

…チッ、面倒な女だな…

 

……もう、耐えられない…こんな人生いらない…

 

あ?何をごちゃごちゃと…な、お前…何で包丁を……ッ!!待てっ!考え直せ!

 

あなた…一緒に…死んで。

 

■年前

 

■月■日

■階 ■0■号室

 

…スー…スー…

 

…よく寝てる…、もう何年ぐらいこの子の介護をしたんだっけな……

 

…スー…スー…

 

…なりたくて障害者になった訳じゃないもんね…

 

…スー…スー…

 

…君のせいじゃないのは分かってる…君が悪い訳じゃないのも分かってる…でも…もう疲れちゃった…

 

…スー…スー…

 

…もう、死にたい…

 

…スー…スー…

 

…練炭なら楽だよね…一緒に逝こう……ごめんね…。

 

■年前

 

■月■日

 

■階 ■0■号室

 

…────…―。

 

■年前

 

■月■日

 

■階 ■0■号室

 

……………。

 

現在

 

廃マンション 階段

 

4人は階段をゆっくりと降りながら、このマンションのことを話していた。

 

特に優希は背筋がゾッとするような悪寒とマンション中に漂う薄い死臭に嫌気がさしていたようだ

 

優「…本当、このマンションは何なんだ?その…肉が腐ったような…死臭だっけ?ずっと漂ってるし…それに、時々…実体の無い何かに触られたり視線を感じたり…ウッ……なんだか気持ち悪くなってき──

 

ネ「…優希!」

 

優「うわっ!…な、何?」

 

ネ「それは「気のせい」だよ。死臭はともかく…ね。」

 

蒼「そうだったとしても僕達がいるんだ、心配ないよ。」

 

そう言って優希の肩をポンッと叩いた

 

陸「落ち着いたか?」

 

優「…ああ、ありがと。」

 

陸「なら良し。」

 

「ネコ」が軽く咳払いをすると、本題に入った

 

ネ「さて、1階から10階の開いていた部屋を見て周った訳だけど、確認できた死体は6体程。でも、鍵が掛かった部屋を考慮すればもっと有ると思う…。」

 

優「だとしても…腐敗状況もまばらだったし…やけに多かったな…。」

 

蒼「それもそうだけど…見た死体全部がさ、「老衰」じゃないんだよね。」

 

優「え?…あ。」

 

陸「全部、他殺か自殺のオンパレード。…もし、他の住人達が同じ自殺、他殺とかだったら、もう偶然とは言えない。」

 

優「で、でも!死体がいつまでたっても警察とかに見つからないのは、おかしくないか?」

 

陸「確かにな…でもまぁ、この部屋を見ればほとんどが分かると思うが。」

 

ネ「着いたね…。」

 

4人が話している間に、地下の駐車場と思わしき空間の扉の前に着いた

 

蒼「…もう古いけど、まだ臭いが濃いね…血と臓物の臭いだ。」

 

陸「当たりだな…さ、開けるぜ?答え合わせだ。」

 

そう言って扉を開けた。

 

4人が見た扉の向こうは

 

陸「…。」

 

蒼「…これは、」

 

ネ「悪趣味。」

 

優「…は?」

 

死体、惨殺体、死臭、散らばる内臓のカケラ

 

優「…なんだよ…これ…。」

 

蒼「…優希。」

 

腐乱死体、バラバラの人形…赤黒い床、新しいものから古いもの。

 

まさに地獄と見紛う光景

優「…ウッ!…ウップ……。」

 

蒼「優希…!吐くな…耐えろ。この人達は「死にたくて死んだんじゃない」。」

 

優「フゥ…フゥ…分かってる…ありがとう。」

 

蒼「…さて、まずは…ここが駐車場なら出入り口が…あるはずだけど……やっぱ何処もかしこも崩れてるなぁ…」

 

その頃、陸と「ネコ」は部屋の中央奥に「ある物」を見つけたようだった

 

ネ「これは…。」

陸「…確定だな。」

 

ネ「2人とも!こっちに!」

陸達は何を見つけたのか。

 

優希は「それ」を見た瞬間、目を丸くした

 

優「なんだ…これ。」

 

太い締縄が巻かれ、赤い何かの文字が書かれた大きな黒い柱の様な物

陸「…2人とも、よく見てみろ。」

 

優「…え?これって…」

 

蒼「…おいおい…これじゃ何処ぞの映画じゃんか。」

 

よく見ると柱の内部で、大量の人間の脳髄が浮き沈みをしながら保管されていた。

 

優「……。」

 

ネ「……人間に対する屈辱だ、死を分かってない。」

 

「ネコ」は怒りで今にも我を忘れそうになったが、なんとか冷静を保った

 

陸「…本当、見てると呆れてくる。」

 

優「え?り…陸?」

 

すると陸は、スタスタと階段へ歩いて行ってしまった。

 

それに驚き、優希は陸を追いかけ1階まで階段を駆け上がった。

 

階段を登った先に陸は立っていた

 

陸「…。」

 

優「おい!待てって…あ!いた…まだ調査は…」

 

陸「…。」

 

優「…陸?」

 

返事もせず、陸は只一点を睨んでいた。

 

視線の先はマンションの出口。

 

疑問に思った優希は、ふと視線を出口に移した。

 

そこには––––––––

 

優「…お前なんで出口なんか見て……え?」

 

何処から湧いて出てきたのか。

大量の人形達がキリキリと音を立て、出口付近で陸達を見つめていた

 

優「ヒッ…な、なんだよアイツら…。」

 

陸「…人形。」

 

優「え?」

 

陸「元人間のな。…生きる意味を奪われた悲しい奴ら。…お前も工房で見たろ?」

 

すると蒼太達が調査を終えて上がってきた

 

蒼「あ、いたいた。急に出てくもんだからびっくりしたよ…っと、それどころじゃないみたいだ。」

 

ネ「…秘密を知った以上、タダでは帰さないってことか。」

 

蒼「ざっと数えて…100以上はいるな…どうする?陸。」

 

陸「コイツらは、どんなに苦しくても今は死ぬことが出来ないんだ…やるなら一瞬だ。」

そう言って陸はナイフを構え、蒼太は2丁の拳銃を構えながら応えた

 

蒼「一瞬…ね。永久に苦しませるくらいなら、一思いにしてやった方が慈悲か…流れ弾には、お気を付けて。」

 

陸「ハッ、お前はそんなヘマしねえだろ。」

 

蒼「フッ…それはどーも。「ネコ」はバリアを張っててよ。」

 

ネ「はいリョーカイ。」

 

優「えと…オレは、どうすれば…?」

 

その質問に陸は踏み込み、蒼太は歩きながら答えた

 

陸「そこでじっとしてろ!」

蒼「そこでじっとしてて。」

 

その瞬間、人形達も動きだし襲いかかったが、次々に首を刎ねられ、心臓または脳を撃ち抜かれて、機能を停止されていった

優「すごい…」

 

ネ「2人が規格外に強くて助かったよ。おかげでボクは電撃のバリアを張るだけだからね。」

 

そして、2人が互いに背中を預けてから暫く、最後の人形を破壊した。

 

「ネコ」もバリアを解き、2人に向かって歩いて行った…その時だった

 

優「すごい…本当に全部壊して…あれ?出入り口に誰かいる…?」

 

ネ「ヒュウ、素晴らしいね。」

 

蒼「よし、ひとまずは一件落着かな。って…弾薬補充しなきゃ…あと3発…。」

陸「流石、見事な腕前だったぜ。」

 

すると、いつの間にか現れていた「それ」は

 

優「狐の人?…え、尻尾が…!陸も…「ネコ」も気づいていないの!?」

 

優希が3人に向かって叫んだ

 

優「3人とも!後ろ!!」

 

蒼「…!」

 

陸「…ッ!」

 

その呼び掛けに蒼太と陸は真っ先に反応し、振り向いた。

 

後ろに立っていた「それ」は狐の女性の形をしていたが、尻尾が9本あった。

 

「それ」と目が合った瞬間、2人は異様なものを感じ取り、一気に後ろへ飛び退いた。

 

だが、目を合わせても平常、冷静を保つ者がいた

 

ネ「…驚いた、誰かと思えば…。」

 

?「…ああ、久しいのう…「英国の」。こうして顔を合わせるのも何年ぶりだったか。」

 

ネ「…まぁ、どうでもいいんだけどさ。…このマンションは君の縄張りかい?「白面金毛九尾の狐」さん?それとも、「玉藻前」と呼んだ方がいいかな?」

 

白面金毛九尾の狐、または、玉藻前、古代種

 

九「懐かしい呼び名じゃの、…しかし妾の縄張りときたか…それで?だとしたら?」

 

ネ「やめさせる。何が目的かは知らないけどね。」

 

九「…フッ、ククク…。」

 

ネ「…。」

 

九「アッハッハッハッハ!!やめさせる!そうきたか!フククク………」

 

ネ「…やめさせるさ。君等の目的が何であれ、結局は破滅だからね。」

 

九「はぁ…この妾の領域に張り巡らせた呪術を弾けもしなかった貴様と、たかだか人間3匹に何ができる?笑わせるでないわ……「ヒレフセ」。」

 

優「うわっ!…あぁ…。」

 

蒼「ぐっ…!」

 

ネ・陸「ッ!」

 

その瞬間、4人に途轍もない重量が加わり、跪き、優希はうつ伏せで今にも押し潰されそうになっていた。

 

ネ「九尾…いつのまに…こんな力を…」

 

九「…ハッ、貴様が堕ちただけであろう。…それはさておき──」

 

そう言うと九尾は蒼太に向き直り

 

九「おいそこな人間。」

 

蒼「クッ…僕かな…?」

 

九「おー、おー、そうじゃそうじゃ。貴様…名は何という?」

 

蒼「…色崎…蒼太…だけど?」

 

九「良い名だな、肉体も強い。…さっそく、貴様の魂もらうぞ。」

 

ネ「お前!一体何を…!」

 

九「此奴のことは前から見ておったのでな、その魂が欲しいと思っておった。」

 

蒼「はは…そう言うことか…でもお生憎様、僕はね…2人目の物にはならないって決めてるからさっ!」

 

九「…!」

 

その瞬間、蒼太は九尾が放った重力を自慢の怪力で振り払い、残り3発の弾丸を九尾の眉間に命中させ、九尾の頭部上半分を消し飛ばした。

 

しかし

 

蒼「な、何で…ぐあっ!」

 

九「…戯けが。」

頭部の大部分が損傷してるにも関わらず、倒れなかった九尾に驚いて油断してしまった蒼太は首を鷲掴みにされてしまった

 

九「小賢しい真似を…折角の術が解けてしまったわ。」

 

蒼「…アアァ…ガァァ…」

 

九「さて、そろそろ貴様の魂をもらうとしよう。」

 

そう言いながら、損傷した頭部を煙のように復活させると瞳を赤く光らせた

 

優「蒼太?…蒼太!?」

 

蒼「優…希…逃げ──

 

ドサッ

 

ネ・陸「…ッ!」

 

優「ああ…ああ…蒼太あああ!!」

 

九尾は魂を奪うと、抜け殻となった肉体を投げ捨てた。

 

そして、そこに残ったのは蒼太の肉体と優希の悲痛な叫びだった

 

陸「…「ネコ」優希。」

 

ネ「…何?」

 

陸「離れてろ。」

 

陸は刀を抜刀し、九尾に歩み寄った

 

九「ほぉ?妾に畏れを為さず近寄るか…面白い、愛でてやろう。」

 

陸は一気に踏み込み、斬りかかる…が

 

陸「…ッ!…クソッ!」

 

陸の刀は九尾の尻尾によって受け止められてしまった

 

九「…甘いのぉ。」

 

陸「ああ、そうかもな…でも、まだだ!」

 

九「何!?」

 

その瞬間、陸は刀を手放し、懐から取り出したナイフで九尾の心臓部を「カツンッ」と言う音とともに突き刺した

 

だが

 

陸「…クソッ…浅かったか…」

 

九「…ふふ…これは効いたぞ…。」

 

九尾はニタリと笑うと地中から真っ黒な鎖を出現させ、陸を捕らえた

 

九「貴様…水月と言ったな…貴様のことも見ておったが…気に入ったわ、妾のものにしてやろう。…言い残すことはあるかえ?」

 

そう言って陸の頭を掴んだ

 

陸「ねぇよ。絶対に殺してやる…。」

 

九「その威勢や良し…「トジヨ」。」

 

陸「ッ!!……」

 

そして陸は眠りや、失神よりも深い機能の停止、魂を監禁させられ、そのまま5階あたりに投げられてしまった。

 

投げられた陸は壁に当たると、そのまま壁の中にズルズルと取り込まれていった

 

九「残るは貴様等じゃが…まぁ良い、逃げるなり何なり好きにすると良い。」

 

ネ「……優希、逃げるよ。」

 

優希は2人も目の前で失ったことに絶望していたが、

 

優希は涙をグッと堪えて立ち上がった

 

優「…ごめん!」

 

九「…良い判断じゃな…。」

 

そうして「ネコ」と優希は走り去り、マンションを後にした




キャラシート

???

白面金毛九尾の狐、玉藻前

性別無し、身体上女性

狐型古代種

身長、体重、自由自在(接敵時、175cm、64kg)

冷酷な性格

太古の妖術と呪術を使用(1つ1つが最上級魔法に匹敵)

呪術 ??? (禁忌級魔法に匹敵)

4000年以上生きる太古の大妖怪、九尾の狐その人

旧人類の時代に退治され殺生石になった(封印されたとも)が、どう言う訳かバーゲストに復活させられる。

実際の所、この計画がバーゲスト含め全ての破滅と知りながらも何故、加担するのかは不明。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。