ビースト・マーダー   作:ヒシモチ

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えーっと、前回のあらすじ…かしら?
前回は廃マンションに調査をした4人は魔法の人形の仕組み、間接的に殺されてしまった被害者の人達…。
でも、そんな秘密を知りながらタダで帰すはずがなく、背後に現れた古代種、九尾の狐に陸と蒼太君の2人は、なすすべ無く人質として捕らえられてしまう…。
残った2人は九尾に見逃されて、逃げることに…。
…え?私が誰かですって?…ふふ、いずれわかるわ…。


第16話 「色」 惡

九尾が現れた頃、同時刻

 

禁忌の魔法使い達は、この異様な気配を感じ取っていた

 

アメリカ リサ・ウィリアムズ宅

 

リ「…!この感じは…嫌な予感がする…!」

 

「…どうした。」

 

デイビッド・ウィリアムズ(50) 闘牛種 リサの夫

 

リ「あなた!…ごめんなさい、今から私、日本に行かないと行けないの。だから…」

 

デ「大丈夫だ、行ってこい…。」

 

リ「…あなた。」

 

日本 シャルル宅

 

シ「…ッ!」

 

あやめ「…せんせー…いま…」

 

シ「…あやめ、彩花おばちゃんのところで、良い子にできるかい?」

 

あ「…うん、せんせー…怪我しないでね?」

 

シ「ごめんよ…あやめ…でも、ありがとう。」

 

千子 彩花宅

 

彩「今のは…!?」

 

「どうしたの?彩花。」

 

千子 秀ニ 「せんじ しゅうじ」(37)ライオン 彩花の夫

 

彩「…ごめん、ちょっと用事ができた…多分だけど、あやめちゃんが来るから、面倒見てあげて…。」

 

秀「…わかった。俺のことは いいから、…気をつけて行ってきて。」

 

彩「うん、…子ども達をお願い…」

 

伊豆大島 グローサー宅

 

グ「…そろそろか…あいつ等も集結してきてるのか…行くとするか…」

 

そして暫く。

 

「ネコ」と優希が逃げた後、九尾は少しボーッとしていた。

 

するとバーゲストがニヤニヤしながら現れた

 

九「…貴様、おったのか。」

 

バ「フフン、まあね…それにしてもこの■■■■■の子孫を無力化するなんて、やるねぇ…。」

 

九「色崎 蒼太が■■■■■とな、道理で強い魂と肉体の筈じゃな。」

 

するとバーゲストは閃き、嬉しそうに抜け殻の蒼太の肉体を見つめた

 

バ「…クフフ、イイコト思いついちゃった。ねぇ九尾、この肉体と上の階に投げた肉体を使って良い?」

 

九「…好きにしろ。」

 

バ「クフフ、あいつ等どんな顔するのかなァ?タノシミダナァ…」

 

1月27日 午前0時頃

事務所 

 

優「蒼太…陸…」

 

ネ「…」

 

優「目の前で2人がやられているのに…オレ…何も出来なかった…。」

 

七「優希さん…」

 

皆が項垂れ、室内が静寂に包まれていたが、青谷が破った

 

青「それで?話を聞く限りだと、優希は兎も角、「ネコ」…君が何も出来なかった…ってのは少しおかしくないか?君ともあろう魔法使いが、だよ?何か理由があるんじゃないか?…それか俺らに隠していることとかさ…」

 

皆の視線が集まる中、小さく息を吸い、「ネコ」は言った

 

ネ「…皆には言っていなかったね、こんなルールがあるんだ…「古代種同士は干渉してはいけない」だからボクは何も出来なかった。」

 

青「…」

 

七「古代種同士って…まさか…」

 

ネ「そう、ボクは古代種の一人…イギリスが旧人類の時代、ブリテン王国と呼ばれていた時代…アーサー王と殺し合った怪物の一体…ボクの本当の名はーー

 

青「…その名は「キャスパリーグ」フランス名シャパリュ。災厄の体現、英国の怪猫…だろ?まぁ何故、魔法が使えるのかは知らないけど。」

 

キ「…そこは追々話すよ…。」

 

優「…黙って聞いてたけどさ…要は助けられないってことなのかよ…!」

 

七「優希さん…何を…」

 

青「…。」

 

優「…助けに行く…殺されてでも助けに行く!」

 

その時、事務所の入り口のドアが開き、そこにはドラゴンの男が立っていた

 

「医者の目の前だってのに、なに命を粗末にする様なこと言ってやがる…ちったあ冷静になれ。」

 

グローサーだ

 

優「…アンタは…。」

 

グ「お前は人間なんだ。相手は化物の中の化物…縄張りに入った瞬間、喰われてお終いだ。」

 

そう言われ、優希は冷静さを取り戻し、黙り込んだ

 

キ「…とはいえど、いくらキミとはいえ、グローサー1人がどうこう出来る問題じゃないだろ?」

 

グ「いつ俺一人で行くと言った…。」

 

するとまた扉が開き、今度は彩花がやってきた

 

彩「師匠!突然ごめん!…ってグローサー、あんたも…」

 

グ「俺らだけじゃないぞ。」

 

彩「え?」

 

そしてシャルルとリサもやってきた

 

シ「先生!」

リ「マスター!って勢揃いじゃないの。」

 

シ「…皆やってきた理由は同じか…」

 

キャスパリーグの弟子達、4人の禁忌の魔法使い達が揃うとキャスパリーグは言った

 

キ「…来てもらって早々お願いがある。」

 

グ「…なんなりと。」

 

キ「白面金毛九尾の狐に仲間である色崎 蒼太と水月 陸が囚われた。よってキミたちには2人を救出してもらい、九尾達の計画を阻止してほしい!」

 

彩「合点承知!」

 

シ「C’est entendu.(承知しました。)」

 

リ「Yes my master .(ご下命のままに。)」

 

グ「Alles klar….(了解した…。)」

 

七「皆さん…」

 

彩「で、だ。アタシとリサ姉はマンションの結界と人形供を調べようと思うんだけど、あんた達はどうすんの?シャルル、グローサー。」

 

シャルルは、そう言われると七海に向き直り言った

 

シ「…僕と、一緒に来てくれるかい?七海君。」

 

七海はそう聞かれて少し驚いたが、すぐに答えた

 

七「も、もちろんです!一緒に行きます!」

 

リ「…聞くまでもないけど、貴方は?グローサー。」

 

グ「決まっている。おい、三神 優希…だったか、顔を上げろ。お前は俺と来い。」

 

優「…で、でも…」

 

グ「助けたいんだろ?」

 

優「…助けたい…!だから、一緒に…!」

 

グ「決まりだな。」

 

その後、彩花とリサはマンション周辺の結界の調査を開始し、七海とシャルルは陸が投げ飛ばされた5階付近へ、グローサーと優希は中央の広場を調査を開始していた。

 

広場

 

優「…なぁ、気になってたんだけど…そのカバン…何?」

 

グ「ん?ああ、これか?護身用の人形だ。…さて、このマンションの仕組みの方は、なんか聞いているか?」

 

優「仕組み?あるのか?」

 

グ「…アイツ(キャスパリーグ)のことだから言ってないだろうと思ったが…やっぱりか。このマンションはーー」

 

5階

 

シ「このマンションはね、「大勢の人間から負のエネルギーを集める為の装置」言わば発電機なんだ。」

 

七「装置…負のエネルギー?一体なんのためにですか?」

 

シ「負のエネルギーは、一部の悪霊や妖怪、そして妖精が必要とするものでね、九尾もその一人なんだ。」

 

七「九尾…だからと言って、人を大勢殺すだなんて!」

 

シ「確かにね…それに人間一人から得られるエネルギーは微々たるものだ。」

 

広場

 

グ「いちいち住人を補充していたんじゃ、効率が悪いにも程がある…そこで魔法人形の出番だ。」

 

優「人形…そういえば大量にいたな…」

 

グ「だろうな、…でだ。殺し殺された住人達の脳髄を何らかの方法で保存、その脳髄一つ一つを人形にインストールし、その人間が死んだ日を繰り返すことで、ある意味永久機関の完成という訳だ。」

 

優「っ…なんて惨い…地下にあった脳髄達は、そういうことか…。」

 

グ「地下?地下があるのか…案内してもらえるか?」

 

優「ああ、こっちだ。」

 

優希は脳髄達がどのように保存されていたのか、説明しながら案内をした

 

そして、地下駐車場

 

優「ここだ、この先に脳髄が入った黒い柱があるんだ。」

 

グ「…そうか…それと気付いていないかもしれんが、奴がいるぞ。」

 

優「奴…九尾か!?」

 

グ「…すぐにわかる。」

 

そう言って扉を開けると、部屋には人形の山が築かれていた。

 

その頂上に見覚えのある狼の男が背を向け座っていた。

 

優希が探していた人だった

 

優「蒼…太?蒼太だ!よかった…無事だったーー

 

グ「待て!!それ以上近づくな!」

 

蒼太?「…grrrr…」

 

血走った左目と燃えるように赤い右目。

 

剥き出しの牙。

 

返り血で染まった両手。

 

そこにいたのは、以前の物腰柔らかな青年ではなく紛れもない怪物、獣だった

 

獣「grrrrr…」

 

優「…蒼…太…そんな…。」

 

すると山の後ろから男が現れた

 

?「あーあ…もう少しで絶望しながら殺される姿を見れたのに…芸術が分かってないなぁ、グローサー?」

 

グ「…レーベ…テメェの仕業か。」

 

レ「ハッハッハ!なに、私だけじゃないさ…でもまあ、この「彼」と言う人形だが、これは貰ったモノだがね?…さて、試しに…ちょっと戯れあってもらおうか…」

 

グ「ハァ…やっぱりこうなるか…。」

 

そう言うと持っていたスーツケースを置き、軽く蹴った

 

グ「起きろ、出番だ。」

 

するとスーツケースからグローサーと同じくらいの大きさの人形が飛び出した。

 

銘は「ラドン」

 

黄金の果実を守る百頭竜の名を冠したグローサーの最高傑作の一体

 

レ「さて、殺し合うとしようじゃないか…」

 

グ「…やってみろ。」

 

一方、シャルル達は5階部分を隈無く探索し階段に向かっていた時だった

 

シ「…!」

 

七「どうしたんですか?」

 

シ「七海君…僕の後ろにいて。」

 

シャルルは身に覚えのある剣気を感じるとすぐに身構えた。

 

すると階段から黒い刀を持った、ある人物が現れた

 

シ「こんな形で…あの日の続きをすることになるなんてね…。」

 

七「陸…さん?」

 

赫く輝く瞳。

 

マズルガードのようなマスクで覆われた口元。

 

血が滴る刀。

 

そこに立っていたのは、いつも気怠そうな青年ではなく、ただ相手の死を見つめる死神であった。

 

死神「…。」

 

七「陸さん…。」

 

死神「…!」

 

七「…っ!」

 

シ「しまった!七海君!」

 

七「カッ…ハッ…ヒュー…ヒュー」

 

目を合わせてしまった七海は、死神が発する剣気に射抜かれてしまい、一気に恐怖に呑み込まれてしまった

 

シ「大丈夫、目を閉じて、ゆっくり深呼吸だ。」

 

死神「…。」

 

シ「…出来るのであれば、こんな形で死合いたくなかったんだけど…仕方ない、決着を着けよう。」

 

そう言ってシャルルは無銘の聖剣を構えた




キャラシート

キャスパリーグ

猫型 古代種 

性別なし 九尾と同じくらいの年齢

使用魔法

全て

本気であれば、ほぼ全て禁忌級

アーサー王伝説に登場する厄災を振り撒く一騎当千の怪物。

アーサー王に両手足を切り落とされたうえで倒された筈だが、ギリギリ生きていたらしく、アヴァロンに逃げ隠れて過ごしていたらしい。
その後、同じく逃げてきたマーリンに魔法を教えてもらっていたそうな

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