ビースト・マーダー   作:ヒシモチ

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第2話 キョウリョクシャ

 陸が仲間になったその日の翌日。

 

 6月28日 午前9時34分

 

 新宿 とある路地裏

 

 刑A「これで何件目だ?」

 

 刑B「……はい、6件目です。報道されていないのと合わせると20件超え……同一犯と見て間違いでしょう」

 

 昨日、蒼太が言っていた「被害者の遺体の変わりに大きな血溜まりが残されてる」事件だ。

 

 刑A「ところで……アイツはいるのか?」

 

 刑B「いないですしむしろ呼びませんよ! あんなのに来られたら捜査の邪魔ですよ! 大体! 何で上はあんなイヌ野郎に見方してるんですかね!? ホント」

 

 蒼太は一部の者に「手柄を全部持っていかれる」等と思われているようで割りと毛嫌いされている。だが当の本人はというと、

 

 蒼「ヒドイなー、そこまで言わなくてもいいだろー。あと僕イヌじゃなくて狼だから」

 

 刑B「!?」

 

 この通り…神出鬼没な上に全く気にしてすらいない

 

 刑A「……いつからそこに?」

 

 蒼「刑B君が罵倒し始めた時から。」

 

 刑B「……聞いてたのかよ…」

 

 蒼「まぁ、いつものことだし、どうでもいいけど(笑)……さて本題に入ろう。被害者は誰か解った?」

 

 刑A「いや、まだ解らん。通報も今さっきと言うこともあって、DNA鑑定もまだだし、男か女かも判明してない状態だ」

 

 蒼「うーん……そっか……。了解」

 

 しばらくすると蒼太が血溜まりを見て言った。

 

 蒼「ねえ、刑Aさん。もうちょっと近くで見てもいい?」

 

 刑A「構わんが……触るんじゃねえぞ?」

 

 蒼「そんな野暮なことしないよ。」

 

 基本、自由奔放な蒼太だが、こういうものはしっかりと許可をもらうらしい。

 そして蒼太は血溜まりに近づきしゃがみこんだ。

 

 蒼「……渇きはじめて…8時間以上は経過してるか?」

 

 刑A「どうだ? なんか解ったか?」

 

 蒼「んー…参考になるか分からないけど…この人が死んだのが昨日の深夜くらいってことかなぁ…。血の渇き具合から見てだけどさ。」

 

 刑A「ふむ……了解した。とりあえず刑Bがそこにいるから。それを伝えてくれないか? 俺はもうちょっと調べにゃならん。」

 

 蒼「はいよー。」

 

 蒼太は刑Bにそれを伝えると、

 

 蒼「じゃあ、僕は帰るから。またなんかあったらよろしく~」

 

 刑B「……分かりました。(ツーン)」

 

 蒼「つれないなぁ。じゃ、そういうことで」

 

 そう言って現場を後にした。

 

 しばらくして

 

 蒼「ただいま~」

 

 ネ「おかえりー。なんか進んだ?」

 

 蒼「全然だよ……ところで、青谷は?」

 

 ネ「今コンビニにいる。もう帰ってくる頃合いだよ。陸と七海も一緒かな」

 

 蒼「もう終わったんだ、あいつ」

 

 二人の会話によると、青谷は警視庁に呼び出された後、今日の午前7時過ぎくらいに終わって帰ってきているらしい。そして

 

 ?「ただいまー……疲れた……」

 

 ネ「噂をすればなんとやら。帰ってきたね」

 

 青谷 将大(あおや まさひろ)24歳 蛇系獣人

 蛇系獣人の特徴は足が無く、代わりに巨大な尻尾が足代わりとなっている。本人曰くアオダイショウらしいが……

 

 七「私達も戻りましたー」

 

 陸「頼まれたやつ買ってきたぞー」

 

 続いて二人も一緒に帰ってきた。ちなみに陸の紹介は蒼太が事前に連絡していたため、コンビニで挨拶は済ませたそうな。

 

 ネ「青谷はどうだった?」

 

 青「うん……出来る限り情報は伝えたけど……まだ進まなさそう……そういえば、容疑者が一人挙がったんだけど、だいぶ前に釈放された直後に、行方不明になった奴なんだけどさ、一応ってことでそいつの弟に後程、アポ取るから話聞いてきてって言われたよ。」

 

 蒼「うーん、確率は低そうだけど、行くだけ行ってみよっか。初仕事ってことで陸も行かない?」

 

 陸「ああ、解った。俺も行く」

 

 青「決まりだね。詳しい日時はまた後程送るみたいだから、そん時に」

 

 蒼「りょーかーい」

 

しばらくして。

 

 青「そういえば陸ってさ「古代種」とか「神獣種」って知ってる?」

 

 陸「いや、「幻獣種」又は「魔獣種」なら聞いたことはあるが……その二つは聞いたことがないな」

 

 七「そういえば、私もないです…」

 

 青「俺達人間は大まかに分けて二つに分かれているのは知っているね。通常種と、さっき陸が言ってくれた幻獣・魔獣種だね」

 

 幻獣・魔獣種とは、ペガサスやユニコーン、グリフォン等の幻獣・魔獣が獣人としての種族をいう。ちなみにドラゴン系は人口が意外にも多いので通常種となっている。

 

 青「まず神獣種だけど、神様に直接遣えてた…または神様の兄弟、もしくは神様から生まれたやつの子孫があたる。例えばそうだな……ケルベロスって知ってる?」

 

 七「確か、旧人類の神話上に出てくる、三つ首が特徴の地獄の番犬でしたっけ?」

 

 陸「ハーデスっていう神様に遣えてて、ヘラクレスっていうのにボコボコにされたんだっけか」

 

 青「うん。間違ってはないけど……。そのケルベロスの子孫が現代のギリシャで大学教授やってる」

 

 七「え!? 本当ですか!?」

 

 青「うん、三つ首ってこともあってトーク力がすごいから講義が本当に面白いうえに分かりやすいらしい」

 

 陸「よく考えれば教授が3人もいるんだもんな。出来るなら受けてみたいな」

 

 青「さて次に古代種だけど……単刀直入に言おう。こいつらは次元が違う。寿命にあっては、幾千、幾万、幾億の年月を生きている」

 

 七「そんなに……」

 

 青「ちなみに俺の母さんがこれにあたる。ヒュドラだ」

 

 陸「不死身で猛毒を司る伝説の怪物か……じゃあ、まさかお前は……」

 

 青「神獣種だね。確かに母さんの遺伝子もあって。寿命を除けば不死身だよ。」

 

七「ところで、青谷さんはなぜ「アオダイショウ」と種族を偽ったのですか?」

 

青「古代種や神獣種は、裏社会だと研究対象でね…こうでもしないと普通に生活が出来ないんだよね…」

 

七「そう…だったんですね…」

 

青「ついでに言うと父さんは神獣種のバシュムだったりする」

 

 七「全神話上、最強の毒を持つ蛇ですか…………うん? バシュムとヒュドラのハイブリッド? …………あ」

 

 青「ご明察。俺は歩く劇物ってこと」

 

 陸「とんでもないな……あとお前、さっき「不死身」って言わなかったか?」

 

 青「うん。言ったね。細胞がどーのこーの関係無しに秒で再生できる」

 

 陸「……悪い。さすがに凄い通り越して引くわ…………」

 

 七「私も、さすがにそれはちょっと………………」

 

 青「えぇ……そんなぁ……」

 

 そんな会話を横で聞いていた「ネコ」はニヤリと悪魔のような笑みを浮かべて、こんなことを言い出した

 

 ネ「じゃあさ、実際に見せてあげれば? 手伝うよ? むしろ見せよう(笑)」

 

 青「うん、君がそういう顔してる時は大抵ろくでもないこと考えてるの俺知ってるからな?」

 

 ネ「大丈夫、大丈夫(笑)一瞬だから痛みは無いからさぁ……結界発動。陸! 七海ちゃん! 嫌かもしんないけどしっかり見てて!」

 

「ネコ」が発動と言った瞬間、青谷の周りに結界が張られた。内側からは出てこれないらしい。そして

 

 青「え? あ…、ちょっ!ちょっと待って!! まだ心の準備が出来てな──」

 

ネ「開始。」

 

青「ちょっ!ホントに待っぷぇ…(ドロリ…」

溶けた。成人男性が一瞬にして跡形もなく、血と細胞が混ざり合った赤黒い液体と化した。

 

蒼「うへー、相変わらず派手にやるねぇ…」

 

陸「……死ん……だのか?」

 

当然の反応。七海にあっては卒倒しかけた。しかし「ネコ」は笑みを浮かべながら

 

ネ「ああ、普通の人間ならね。」

 

次の瞬間、目の前の赤黒い液体が少しずつ泡立ち始めた。

 

泡はどんどん増え、幾つかの泡の塊ができた。そして

 

ネ「……ここからだ…」

 

「ネコ」がそう言うと、泡からズルリと右腕が生えた。

 

七「え……。」

 

陸「嘘…だろ……。」

 

ネ「言っとくけど、魔法は一切使ってないよ。」

 

蒼「………。」

 

二人が驚愕している間にも、左腕、尻尾、上半身、頭、目玉、次々に泡から再生し、同時に赤黒い液体は比例してどんどん小さくなっていく。

 

青「オォ…エェ…オォォォ……」

 

次第に再生したパーツ達は集合していき、元の「青谷 将大」を形成していった。

 

ネ「はい、服。そしてお疲れ様。」

 

青「………………うん。」

 

ネ「どうかした?」

 

青「どうかした?じゃないよ!!いきなり人溶かす奴があるか!!確かに痛みは無かったけどさぁ!!心の準備があるってもんでしょ!心の準備が!!あーホントびっくりした!(怒)」

 

蒼「そらキレるわな。」

 

陸・七「……。」

そんな二人のやり取りを見ながら、ふと、陸は気になったことがあるようだ

 

陸「なあ蒼太。青谷を溶かす前になんで「ネコ」は結界を張ったんだ?」

 

蒼「ん?ああ、そのことか。青谷は自分でも「歩く劇物」って言ってたけど、劇物の枠内に収まんないんだよね。」

 

陸「えーと……つまり、」

 

蒼「本当に例えるなら「この世の地獄」とか「死そのもの」って言ったほうが正しいくらい彼が精製する毒は強力。さっきの赤黒い液体だって気化とかしていたら…ね。」

 

七「どれだけの被害が出るか…なんですね…」

 

蒼「そうだね、ここの四人だけならまだ本当にいい方。だけど下手に広がりでもしたら…この住宅街だけでなく、町や都市の一つや二つ…軽く潰せてしまう…。だから結界を張ったんだよ。」

 

青谷の毒の効果は、内臓という内臓を破壊しつくし、さらに全身の激痛、幻覚作用、極度の吐き気、めまい、頭痛、溶血、末端からの壊死等々…様々な効果。恐ろしいのは「すぐに死ぬことができないこと。」最長で約10分間、この地獄を体感しなければならない。

…………万が一、青谷の血液がそのまま体内に入り込めば………考えたくもない。

 

陸「…もはや生物兵器だな……。」

 

このような会話をしてしばらく。落ち着いた頃。

 

午後 5時頃

ピロン♪青谷の携帯が鳴った

 

青「誰からだろ?…あ、警視庁からだ。」

 

蒼「指示メール?」

 

青「そうだね。パソコン、パソコン…。」

 

警察や国からの指示、依頼は全て暗号化され、青谷のパソコンに行く。

 

ネ「内容は?」

 

青「待ってね……。えっと…昼過ぎぐらいに言ってた容疑者の弟のアポ取れたみたい。時間は今日の6時からでいいみたいだね。住所は…ここだね。」

 

蒼「よし!じゃあ準備したら行きますか。」

 

陸「ああ、了解した。」

 

 

そして、例のアパート前

 

蒼「このアパートだね。204…二階か。」

 

陸「………。」

 

蒼「うん?陸どうしたの?」

 

陸「…………。」

 

蒼「…陸?」

 

陸「……いや、何でもない。」

 

蒼「?」

 

蒼太はいきなり黙り込んだ陸が少し気になったが、とりあえず204号室のインターホンを鳴らした。そして目的の男性が出てきた

 

?「ハイ。あっ、連絡のあった人達ですか?」

 

蒼「そうです!今回、担当する色崎 蒼太です!わざわざすみません。「逆島 穂(さかしま みのる)」さんですよね。よろしくお願いしますね。」

 

穂「ええ、よろしくお願いいたします。」

 

陸「………。」

 

そして3人は部屋に入っていった。

 




ヒシモチです。今回もありがとうございました。
キャラシートです。今回は二枚です。(七海と「ネコ」)

第1ヒロイン

篠原 七海 (しのはら ななみ) 女性
(癖毛のセミショートカット)
4月10日生まれ(20)

ボーダーコリー

身長155cm 体重ヒミツ

ゆるふわ天然系

ゲームが得意だったりする

いろんなところで運が良かったりする

一応こう見えて公務員…の下っ端。色崎 蒼太の監視員としてここにいる。
特に蒼太が戦闘となる場合は必ず一緒にいる。



重要人物

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君達には、まだボクの情報は早い






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