ビースト・マーダー   作:ヒシモチ

3 / 19
容疑者の弟、犬系雑種、逆島 穂(さかしま みのる)のアパートに赴いた二人、
到着後、陸は急に黙り込んでしまう。
そんな陸には、お構い無しに蒼太は情報収集を開始した


第3話 アルターエゴ

蒼「いやー、急にすみません。情報収集とはいえ…お茶まで出していただいて…。」

 

陸「ありがとうございます…。」

 

穂「フフっ、大丈夫ですよ。姉があんなで、しかも行方不明…疑われても仕方ありません。…心配なのは事実ですがね……」

今回の事件の容疑者となっている逆島 穂の姉、逆島 咲(さかしま えみ)。

数年前に自身の殺人衝動のために何人も殺傷した凶悪犯。

 

本来なら死刑または無期懲役を処されていたが、彼女の場合は精神的異常、精神病を患っていると見なされ、禁固刑となり、数ヶ月前に出所した人物であるが、出所した数日後に行方不明となっている。

 

蒼「さて、本題に入りましょう。…単刀直入に言います。我々、国や警察達は咲さんを捜索しています。いなくなる前に、何か言っていた。…そういうのは、聞いてたりしませんか?」

 

穂「ごめんなさい…何も聞いてないです…強いて言えば、最後に外に出ようとした時に「ちょっとそこまで。」としか言っていなくて…それっきりです。」

 

蒼「…そう…ですか。……それでは次に──────。」

 

穂「────、────────。」

 

蒼「──……。────、──────。」

 

陸「………………。」

 

陸は一応、会話の内容を要約しながら紙にまとめ、ずっと考えていた

 

それから2時間ほど情報収集をして

 

蒼「本日は本当にありがとうございました…。」

穂「いえ、こちらこそありがとうございました。お役に立てなくてすみません…。」

 

蒼「そんなことありません。また何かあれば、こちらからまた連絡しますので、お願いします。」

 

こうして帰り道。午後8:00

 

蒼「うーん…。やっぱり進展しないよなぁ…。陸はなんか解った?」

 

陸「…わからない…。」

 

蒼「そうだよねぇ…陸もわからな――――

 

陸「そうじゃない。わからないのは逆島 穂の方だ。」

 

蒼太を遮って言った

 

蒼「…どういうこと?」

 

陸「気のせいかもしれないが、何かを感じた。……本当に集中してないと気づかないくらいの…」

 

蒼「何か…ねぇ…幽霊の気配とか?」

 

陸「いや、奴らとはまた違うものだった。」

 

蒼「ふむ…なら、陸の目は特殊なんだろ?なんか見えたりとかは?」

 

陸「見えなかった。おそらく小さすぎるか、本当に気のせいか…。例えるなら肉眼で微生物を見ようとするのと一緒だ。だから確証も持てないし、断言もできない。」

 

蒼「じゃあしょうがないか…悪く言うつもりは無いんだけど、本当にそれが関係あったとしても、証拠とは言えないよね…」

 

陸「…悪い…変な期待させちまった…」

 

蒼「そんなことないさ。とりあえず今は帰ろう。話はそれから。」

 

陸「ああ、わかった。蒼太」

 

そうして帰宅した二人。もうじき午後9時になる頃、ちょうど青谷のもとに一通のメールが届いた。

 

蒼「ただいま~」

 

陸「今戻った。」

 

ネ「あっ!二人とも!」

 

七「今さっき警視庁から鑑識結果が届いたんです!」

 

蒼「情報は?被害者?加害者?」

 

青「被害者だよ。ただ、見た感じ無差別みたい。老若男女、若い人が多いけど。しかも種族、牙型・臼歯型さえも無差別だね。………何が狙いなんだか…。」

 

牙型→肉食系

 

臼歯型→草食系

 

陸「一つの種族に私怨を持っている…ということではないか…。」

蒼「僕も逆島 穂に話を聞いたけど…ダメだな…ますますわかんないや…。」

 

青「俺らも犯人のDNAが見つかったと思って期待したんだけどね……。」

 

ここまで来ると青谷もお手上げ状態のようだった。そんな中、ダメ元で先ほどの陸のことを説明した。

 

蒼「そういえば、陸が相手からなんか感じたような気がするって言ってたんだよ。ただ、あまりにも小さすぎる…のかな?見えなかったんだって。肉眼で微生物を見ようとするのと一緒だって」

 

ネ「小さすぎる…ねぇ……何とも言えないなぁ…申し訳ないけど。」

 

やはり「ネコ」もお手上げ状態だった。

 

陸「どうしたもんかな…。」

 

そこで七海が一旦リフレッシュするべきだと、口を開いた。

 

七「私が言うのもあれですが、一旦家に帰ってリフレッシュしませんか?そうすれば、何か見えてくると思います。」

 

青「それも…そうだね。一旦帰ろうか…。」

 

これに皆 賛成し、仕事場を後に「ネコ」を除く4人は、それぞれの自宅に帰って行った。

 

そして、ある日の事。

 

7月1日 10時半頃 陸の自宅

 

ピンポーン インターホンが鳴った

 

陸「誰だ……?」

扉を開けると、そこに七海が立っていた。

 

七「おはようございます!陸さん!」

 

陸「ハヨ…よくここがわかったな。」

 

七「「ネコ」さんに教えもらったんです。……陸さんのこと、色々知ってこいって…。」

 

陸「そんなことも出来んのか…アイツ…。なら、上がってけよ。立ち話もなんだしさ。」

 

七「え…良いんですか?」

 

陸「ちょうど退屈してたし、せっかく来てくれたんだ。無下になんてしねーよ。」

 

そして、

 

七「事前連絡もなかったのにすみません…。」

 

陸「退屈してたのは本当だし、別にいーよ。あっ、麦茶でいいか?」

 

七「あ、ありがとうございます!」

 

数分後

 

七「気になってたんですけど、よく見ると陸さんの瞳って猫系みたいですよね…。あと耳も若干大きいし…。」

 

陸「ああ、言ってなかったか…俺は狐と犬の混合種なんだ。父親がキタキツネで母親が甲斐犬、「カニド・ハイブリッド」ってやつ。」

 

カニド・ハイブリッドとは、犬科の中の種、亜種を越えた混合種のことであり、狼犬もこれに当たるが、本来はこのような場合で子供が産まれる時、例で犬の父親と鹿の母親の場合、母親の種に6割、父親の種に4割で、どちらかの種が産まれる。しかし、陸の親の場合のように、種族が近ければ、種族差はあるが最高値で父親と母親の種、双方種4,5割、混合種1割の確率で産まれる。

 

陸「説明どーも。」

 

七「……えっと…今のは…。」

 

陸「俺にもわからん。気にしたら負けだと思う。」

 

七「えぇ…」

 

そして七海が色々聞いた後、

 

陸「………なぁ。俺からも一つ聞いていいか?」

 

七「ええ、なんでしょう?」

 

陸「こんなこと聞くのもあれだが、「愛」ってなんだろうな。」

 

この時の陸の表情は、何ともないように見えたが、本当にどこか悲しさがあったという

 

七「……陸さん………。」

 

陸「俺には「両親」ってのがいないから、「愛される」とか「人の暖かみ」がわからないんだ…ましてや「愛する」ということさえも。」

 

七「…私も、その本質はまだ分かりません。でも、いつかは誰であれ「愛」が分かると思います。私も…陸さんも…。」

 

陸「………そうか………。」

 

そして、

 

七「今日はありがとうございました。」

 

陸「ああ、俺からも今日はありがとな。」

 

七「ハイ!では、また明日。」

 

陸「ああ、」

 

そんな1日が終わり、翌日。

 

ネ「…。」

 

青「…。」

 

蒼「…。」

 

七「…。」

 

陸「…。」

 

全員 何かないものかと考えを巡らせていた。そんな中、七海が何か思い付いたようだった。

 

七「そういえば陸さん、肉眼で微生物を見ようとするのと一緒だって言ってましたよね?なら顕微鏡を用意すればいいんじゃないかって、今 思ったのですが…どうでしょう?」

 

陸「顕微鏡…なぁ…。」

 

ネ「あっ、出来る!その手があったか!」

 

青「あー、そういうことか。」

 

蒼「えーっと…つまり?」

 

ネ「ボクが顕微鏡の代わりをすればいい。詳しく言えばボクが過去を映し出すと同時に、君の目の力を引き出してやればいい。」

 

陸「言ってることがハチャメチャすぎるが…それしかなさそうだな。」

 

ネ「ヨシ!早速準備しよう!」

 

しばらくして

 

ネ「陸!準備は良い?」

 

陸「ああ、いつでも。」

 

ネ「じゃあ…<過去を映せ>…。」

その瞬間、陸の目の前に逆島 穂のところに行った時の映像のようなものが映し出された

 

七「これは…」

 

ネ「蒼太と陸の記憶だよ。あとは陸の目を強化するだけ。」

 

陸「………やっぱり気のせいじゃない……「ネコ」!頼む!」

 

ネ「了解!強化!」

 

強化が完了すると、陸にあるものが見え始めた。

 

陸「………これは…!?」

 

ネ「何が見えた!?」

 

陸「……気配の正体がわかった。それと俺の予想が正しければ、犯人は明日の夜 池袋に現れると思う」

 

蒼「正体ってのは?」

 

陸「犯人の正体。犯人は──」

 

青「………わかった、明日だね。陸、蒼太、七海ちゃん、今のうちに準備を。」

 

そうして色々陸は聞かれ、翌日。

 

7月3日 午後11時頃 どこかの路地裏

 

男「ヒィ…ヒィ…いてぇよぉ……」

 

?「………。」

 

男は何度も左肩辺りをメッタ刺しされたらしく、血まみれだった。

 

男「や…やめてくれ…死にたくない…」

 

?「………。」

 

ナイフを振り上げたその時だった

 

蒼「やっと…見つけた」

 

?「!?」

 

振り向くとそこに蒼太と陸と七海が立っていた

 

陸「お前だな?殺人鬼は、」

 

七「………。」

 

男「ヒィィィ!助けてくれぇ!」

 

隙をついた男は蒼太達の方に逃げ出す…が。

 

陸「おいバカ!下手に動くな!」

 

ドズッ

 

男「ガフッ……え…。」ドサッ

 

倒れた男の背中、心臓辺りに深々とナイフが刺さっていた。

即死だった。

 

殺人鬼は男からナイフを抜き取り顔を上げた

 

陸「やっぱり、お前だったか…逆島 穂…いや、逆島 咲。」

 

逆島 穂の体をした逆島 咲が狂ったように笑い飛ばし、そして続けた。

 

咲?「アンタらさぁ…今さらアタシが犯人ってわかったんだァ…」

 

蒼「そりゃアンタの体が無いんだもん。分かるはずないだろ?………そんなことよりさ、いつも死体はどこやってんの?」

 

陸「聞いても無駄だと思うぞ。実際、処理してんのは穂の方だからさ。」

 

逆島 咲?は変わらずニヤついていたが

 

陸「という訳だ。逆島 穂の方を出せ。」

 

咲?「ハァ…ハイハイ出せばいいんでしょ?出せば。」

 

そう言うとすぐに逆島 穂が出てきたのが分かった

 

蒼「オイ」

 

穂「待ってくれ!僕はただ、中にいる姉さんを止めようと…」

 

陸「うるさい、そんな御託はどうでも良い。…正直に答えろ。………お前、何人喰った?」

 

その瞬間、逆島 穂の表情が冷酷なものに変わった

 

蒼「…始めは姉さん…逆島 咲を止めようと殺してしまい、遺体の処理に困ったアンタは、その遺体を食べて隠蔽しようとしたのが始まりだった。」

 

陸「そしてお前は人間の味が忘れられず、何らかの拍子に発現した、殺したはずの逆島 咲の人格に殺人を任せ、遺体はお前が喰って処理をするという形になり、現在に至る…こんなところか?」

 

そう、逆島 穂は二重人格者(アルターエゴ)であった。

 

穂「…正解…だね。始めは僕もだめだって思ったよ?でもさ、美味しくって…止まらなくってさ、殺人は姉さんに任せてたし、処理するくらいならいいかなって…血もちゃんと残さず飲んでいた時期もあったけど、飲まなくなってからだいたい10人目くらいで数えるのやめたかな?」

 

蒼「こいつ…」

 

七「悪魔…。」

 

陸「…どちらにせよ行動に移したのは、お前の体だろ?それに、お前は人間を喰った時点でもう戻れないんだ。」

 

穂「…何が言いたいの?」

 

陸「簡単だ…お前らは、ただの怪物だ。」




お待たせしました~ヒシモチです。次回からようやくバトルです。


キャラシート 種族の部分が破けている…

第2主人公

色崎 蒼太 男性

12月16日生まれ 24歳

狼(手書きだ…)
身長188cm 体重72kg


基本のらりくらり

戦闘時 凶悪な性格が現れる

趣味はないみたい

戦闘時に装備しているのは、デザートイーグル、S&W m500、トンプソン コンテンダーの3丁、弾薬は鋼鉄弾と通常弾、「ネコ」によって防音のエンチャントが施されている。

彼は昔、両親から虐待を受けていたが、ある日、両親 (ここから下はインクで塗り潰されているようだ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。