和風ファンタジーな鬱エロゲーの名無し戦闘員に転生したんだが周囲の女がヤベー奴ばかりで嫌な予感しかしない件   作:鉄鋼怪人

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 貫咲賢希さんよりチェストバスターされそうな娘のイラストを頂いたのでご紹介致します。

 https://www.pixiv.net/artworks/89051461

 こんな優しそうな娘が異種姦されてお腹からあれすると思うと………とってもゾクゾクしますね(満面の微笑み)


第五〇話●(挿し絵あり) 三つ子の魂は風上におけぬ

 朧気な記憶、灰色の記憶の中で彼女は踊っていた。屋敷の稽古場で扇子を片手に、白拍子を真似たのだろう白い出で立ちに大きさの合わない烏帽子を被り、まるで囀ずるように唄いながら足を運んで、舞い踊る。

 

 そうだ、舞いである。事に神楽を始めとして古来より朝廷や地方に、あるいは民間で伝わるそれは単なる芸技や娯楽以上に呪術的な意味合いも強く、かつては神族や妖、あるいは悪霊の類を封じ、あるいは浄化し、あるいは鎮定する儀式としての意味合いもまたあった。特に今目の前で行われている舞いは朝廷が認めし一〇八派の流派の内でも特に有力な七派の内の一つである。

 

 北土の寺社巫女らが地方神を鎮め封じるために編み出した儀式をその源流とする憐華流扶桑舞踊………それが彼女の舞いの正体であった。

 

 

 柔らかく、優雅に、流暢に、しかし何処か拙い所があるその踊る様は彼女が決して芸事に対して天賦の才がある訳ではなくて、しかしこれまで幾度も必死に練習したのであろう事が察せられる。

 

 そう。彼女は密かに、しかし必死に練習したのだ。誰のためでもなくて、ただ一人目の前の彼にこの踊りを見てもらいたくて………。

 

 最後に一礼して格式ばった踊りを止める……と、そのまま少女はてくてくと稽古場の一角で柱に凭れながら踊りを観賞していた彼に。

 

「ねぇねぇ。今のどうだった?」

「ん?あぁ……あの舞踊。確かこの前来た舞踊家から教え込まれたのか?」

「うん!こっそりね。どう?見惚れるくらい良かった?」

 

 北土でも古い歴史を持つ艶麗寺は憐華宗に属する寺社仏閣であった。荘厳で煌びやかな営みを認める宗の特徴は、同時に芸技に対しての保護にも繋がり、故に艶麗寺は多くの高名な芸道者の後援となり、またその道の信者や関係者は少なくない。

 

 特に自宗の名が冠された憐華流扶桑国舞踊についてはその儀式的な意味合いにおける実用性も相まって特に手厚く保護し、普及に力を入れていた。比較的扶桑国に編入されるのが遅かった北土にはその版土拡大の過程で多くの古き神々を貶め、あるいは霊脈の炉に封じ込めており、その封印管理と補強のためにも儀式の舞踊に携われる人材の需要は高い。

 

 さて、先日本妻の間に生まれた姉の舞踊の稽古のために屋敷を訪れた高名な舞踊家もそんな艶麗寺における稚児上がりであり、憐華流の達人でもあった。恐らくは父親が寺に寄進をした序でに住職に姉の稽古役の紹介を御願いしたのだろう。そして少女はそんな客人に対してこっそりと稽古のお願いをして秘密裏に手解きを受けていたらしい。その成果は思いの外上々と言える。

 

「調子に乗るな餓鬼め。………悪いが俺はその方面はさっぱりでな。良し悪しなんて聞かれても答えられんよ」

「そんなの分かっているわ。聞いてるのは今の踊りが可愛かったかよ?」

 

 苦笑する下人に対して少女は子供扱いされた事も含めてむすっと若干拗ねたような表情で答える。その会話は主従のそれというにはかなり砕け過ぎていた。どちらかと言えば兄妹か、歳の離れた友人とでも言うべきであった。

 

 退魔士家に限らぬが地元の名家と言えども小所帯ともなると、どうしても目上と目下の関係が近いものになるものであった。無論、それを差し引いても二人の距離は異様とも言える程に近すぎるのだが………。

 

「………ん、あぁ。まぁ確かに可愛らしい踊りだったよ。お前のようなやんちゃ娘があんなに優雅に踊れるとはびっくりしたぜ?」

 

 専属の下人兼雑人として何年も目の前の少女の面倒を押し付けられ、見てきた青年は相手の期待する言葉を理解していた。故ににこりと微笑みながら砕けた口調で主君を褒め称える。その物言いは下手をすれば無礼討ちされかねないものであったが………。

 

「本当?へへへ、やった!」

 

 しかしながら、期待通りの称賛に少女は幼い美貌を綻ばせて喜んだ。年相応の、屈託も、表裏もない純情で純粋な笑顔だった。それは誉められた事それ自体もあるが、それ以上に相手の青年が喜んでくれた事が何よりも彼女にとっては嬉しかった。

 

 ………彼女の記憶にある限り、彼女に対して親愛をもって接してくれたのは彼と今は亡き母親だけであったのだから。

 

「だが、流石にもう納め時だな。夕刻だ、汗もかいただろ?風呂に行け」

 

 元よりそれを知らせるために青年はこの稽古場に足を運んだのだ。一応鬼月の一族の一員である少女は明日の法事の出席が求められていた。故にそれに合わせて早く就寝する必要があり、当然ながら入浴や夕食も早めに済まさなければならなかった。

 

 そのために青年は少女を探し回っていたのだが………稽古場で彼女が舞踊の練習をしている姿に一瞬呆れてしまったがいざじっくり見ると思っていたよりもずっと見事で暫し魅いられてしまった。

 

 しかし、そろそろ役目を果たすべきだろう。ましてや踊りでそれなりに汗をかいているようなのでそれを鬼月の一族の誰かに見られる前に風呂に入れたかった。男子ならば兎も角女子で汗をかく程動くのは鬼月のような名家では必ずしも誉められた事ではない。

 

「分かった。……あ、どうせだったら一緒に入る?」

「抜かせ餓鬼」

「きゃん?」

 

 大人ぶりたくて冗談半分に誘惑した少女に待ち構えていたのは従者のデコピンだった。相当手加減した、跡も残らないようなデコピン……尤も、受ける方はいきなりの事で驚いて尻餅をついてしまったが。

 

「うぅ……痛いわぁ。淑女に対して無礼じゃないの!」

「誰が淑女だチンチクリンめ。さっきの台詞もそうだがな、そういうのはもっと大きくなってから言うこったな。俺は俎板に興味はねぇ」

「この前口説いていた女中みたいに?」

「おい、てめぇ。また式神で尾行してやがったな……?」

 

 少女は監視につけていた式神で知っていた。屋敷の女中とこのお付きの下人が度々仲良く雑談していたのを。身分は高くなさそうであるが……背丈にしては随分立派なものをつけていたのを少女は覚えている。何がとは言わないが。

 

「いいもん。どうせ私はチンチクリンだもん!何処ででもほっつき歩いて女遊びしてたら良いじゃない!」

 

 

 頬を膨らませて少女は青年を恨みがましそうに睨み付ける。何なら少し涙目になっていた。こうなったら対応を間違えると長々と拗ねるのを青年は知っていた。対応方法は大きく二つである。下手に出てひたすら煽てるか、あるいは自然と話題をそらしてやるか……普段ならば前者を選ぶが今回は違う。注意していても尾行してくるのは流石に減点対象だ。

 

「おいおい、泣くなよ。こんな姿お前の家族に見られたら俺、打ち首だぜ?」

「あいつら、私のためにそんな事するかな?」

「少なくともお前さんを一族の一員としては扱っているからな。面子のためにも処罰はするさ」

 

 青年は肩を竦めつつそう答える。……あいつら、と少女が憎らしげに口にした時僅かに悲しげな視線を向けていた事に、少なくともこの時の彼女は気付けなかった。

 

「ふーん、じゃあきっと斬首じゃなくて鋸挽きね。面子のためならきっと打ち首なんて簡単に死なせてくれないもん」

「はは、洒落にならねぇ……!!」

 

 罪人相手の打ち首なんて、大概切れ味の悪い刀でやられる上に相当の玄人でなければ一撃で首を落とせないので意外と苦しむ事になるが……鋸挽きともなれば正に地獄の苦しみだろう。想像するだけで恐ろしい。

 

 そして少女は自分の血縁上の家族らが家名や面子のためには妥協しない事を理解していた。故に処罰に関しては何処までも残虐に見せしめる事を幼心に良く良く理解していたのだ。少女は彼女が慕う目の前の青年と違い、家族というものに甘い幻想なぞ一切抱いていなかった。いや、正確には自身の本物の家族について、か………。

 

「ふーんだ!!」

「待て待て、臍を曲げるな。……悪かったよお姫様。さぁ、手を差し出して下さいな。御先導致しますのでどうぞ浴場までどうぞ?」

 

 話題逸らし作戦は失敗であった。流石にチクられて鋸挽きは笑えない。方針をおもねり作戦に変更した青年は主君に手を差し出して誠心誠意謝罪する。頭を下げて謝罪する。少女はそんな情けない下人を見て、尋ねる。

 

「中まで?」

「手前の戸口までに決まっておりますでしょう?」

「むー……分かったわよ」

 

 どさくさ紛れに言ってみたが見事に断られるし、困惑もしてくれなかった。即答である。そんな青年の態度に僅かにもやもやするものを感じつつも、しかし最終的には少女はその差し出された手を掴む。少女も決して彼を心から憎んでいる訳ではなかったし、実の所無礼をチクるなんて本気で考えていなかったのだから。

 

「じゃあ、はい。先導御願いね?」

 

 差し出された手を握り力強く引っ張られるとそのまま腕に抱き着いて少女は笑う。そんな少女に青年は肩を竦めていた。面の下からでも分かる呆れ具合である。少女はそんな青年の態度を見て一層破顔する。

 

 それは少女にとって、彼女にとって一番幸福な日々であった。何も不安はなく、柵もなく、ただひたすらに自分に正直に、純粋になれた時代。取り繕う事も、裏切られる心配もない大切な人がただ傍らにいるだけで、しかしそれが何よりも貴重である事を知らないという贅沢。そして砂糖菓子のように考えの幼く甘い少女はこんな日々が永遠に続くと信じていて………。

 

 

 

 

 

「………また随分と古い夢を見たものね」

 

 天幕の内にて、敷かれた畳の上で脇息にかけながら転た寝をしていた女はその瞼をゆっくりと見開くと小さく呟いた。嘆息するように、名残惜しむように、憂いるように小さく紡がれた言葉………。

 

「御意見番殿、そろそろ御準備を………」

「……えぇ、そうね。そろそろ夜明けかしら?仕事の時間ね。………気付けに茶の一杯でも貰えるかしら?」

 

 天幕の向こう側から声が響いた。伝令であった。老退魔士はそれに緩やかに応じると、次いで茶を所望する。伝令はそれに応じると一旦その場を立ち去る。

 

「………後に悔やむからこその後悔。あの子達はまだそんな事も分からないのかしらねぇ」

 

 胡蝶は思う。余りにも悪い意味で自分に似すぎてしまった孫娘達を哀れみ、そして嫌悪しながら思う。嫌いたくなくても、しかしどうしても昔の自分を思い起こしてしまう彼女らの存在は、それだけで疎ましく、憎らしく思えてしまうのだ。そして、その事が一層自身が汚れた大人になったのだと自覚させられて、それ故にあらゆる意味で彼の生き写しのようなあの青年が恋しくて、いとおしくて、守りたく思えてしまうのだ。

 

「……ふふ、それにしても滑稽よね。よりによってあの頃の思い出なんて、ね」

 

 よりによってあの人に踊りを見てもらっていた時の光景、それをこの時に思い出す事に、胡蝶はある種の皮肉を感じ取る。同時に此度の討伐に参列するあの子にこれから踊る姿を見せる事にどうしようもない抵抗を感じ取ってしまう。

 

「出来れば見せたくはなかったのだけれど、ね………」

 

 そう、出来れば見せたくなかった。あの人の生き写しのようなあの子には。

 

 何せ、此度の舞は愛しかった人を魅了するために必死に頑張り着飾ったものではないのだ。これから踊るそれは何処までも恐ろしく、醜悪で、おぞましい舞であるのだから………。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 河童は妖共の中においては比較的知恵のある存在であり、尚且つ、念話によって距離のある同胞と会話すら可能な怪物であった。

 

 朝方……その時間帯を襲撃時刻に選んだのもまた、その知恵が為せる業である。人間に限らず生物は睡眠を必要としており、そして人間は夜に眠る生き物である。故に襲撃を警戒して夜間の警戒を厳しくしているだろう事を彼らは理解していた。そして、日の光が上がってくる直前こそ最も油断しているだろう事も。

 

 夜目が利く彼らは式神や鳴子を警戒して距離を取りつつも夜陰に乗じて森や叢に隠れながらその陣地を包囲していた。その数凡そ一万、一部は川を潜って接近する事も計画している。敢えて目立つ場所に展開して意識を陽動する集団すら用意していた。

 

 河童共は物音を立てずに少しずつ森の中を進軍する。遠目に見える逆茂木と柵の陣地……しかしながら河童の腕力は鉄の棒を折り曲げる事すら出来る剛腕である。時間こそかかるがあの程度の陣地を突破するのは不可能ではない。

 

 陣地に控え、警戒する人間共はその所作からして明らかに眠たげであった。これも想定通り。注意力散漫になった彼らを、交替の要員と入れ替わる前に一気に呑み込む積もりだった。

 

 そして河童達は一気に突撃の準備に入る。突貫の最初の一歩を踏み出す。

 

『キッ………?』

 

 次の瞬間、彼らは目の前をひらひらと飛ぶ蝶の姿を捉える。そしてそれは彼ら人外の怪物共に「死」を届ける舞いであった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これはまた………」

 

 それが行われている中、俺はただそう呟く事しか出来なかった。其れほどまでに目の前の光景は衝撃的なものであったからだ。

 

 それは蝶の演舞だった。妖艶で、不気味で、それでいて鮮やかな蝶達の舞い……しかしてそれは死の宣告であった。蝶達がこの土に運びいれるのは文字通り「死」であった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「告死蝶」……ゲーム「闇夜の蛍」及びその派生媒体にて鬼月胡蝶が使いしその技は所謂マップ攻撃であり、凶悪な「技術」であった。

 

 そう、「技術」なのだ。何の事はない。それ自体は単なる式神の使役に過ぎない。それも本道式ではなく札を使った簡易式に過ぎぬ。やろうと思えば多少の心得がある者ならば誰でも扱えよう。俺とて細かい動きに頓着しなければ二、三同時に運用するくらいは可能だ。

 

 規模。そう、問題はその規模である。

 

 一四万と跳んで四三七………それが鬼月胡蝶が今目の前で使役する漆黒の蝶達の総数である。

 

 ある程度大雑把に動かしているとしても、相手が思考も自我もなき簡易式としても、一枚当たりに必要な霊力が微々たるものとしても、この数の式神を同時に運用するとなればそれは驚愕し、驚嘆するべき偉業である。

 

 しかし、その真の恐ろしさはこれら式神が運びこむ「死」であったろう。それも、余りに生々しく冷酷な死である。

 

 霊術の効かぬ河童共に襲いかかったその「死」の正体は毒であった。毒瓦斯、化学兵器………。

 

 亜硫酸瓦斯は呼吸器官を不全にし、その表皮を著しく損傷させる効果があった。ましてや、河童共の呼吸器官は水陸両用で、身体は全身粘膜である。効果は絶大だった。絶大過ぎる。

 

 事前に用意した亜硫酸瓦斯の原材料、大量の馬車にて慎重に運ばれたそれは防護服を着込んだ理究衆により無数の式神の札と共に所定の場所に設置された。そして化合による化学反応によって発生した毒を、同時に起動した式神達は纏う。

 

 後は簡単だ。毒に浸された式神達が郡を覆うように、空を覆うように飛び回る。そして事前に偵察用の式神によって索敵・発見した河童の集団に向けて蝶の形を取る「死」は大挙して襲いかかった。

 

 恐らくは自らが霊力が効かぬ事に油断していた河童達は殆ど一方的に虐殺された。蝶達が撒き散らす亜硫酸の鱗粉が周囲に漂えば、化物共は口から泡を吹き出し、全身を爛れさせながら地面にのたうち回り、苦しみ抜いて死に至る。中々効果がない個体にはより直接的に式神達がそれの口の中に何十何百と入り込み内側より毒に冒す。

 

 こうして野本郡における一万余りの河童共は、その九割以上が一刻もせずに死滅する事になった。

 

「はは、今更ながらファンタジーって銘打ってる癖に容赦ないな」

 

 小さく呟く冷笑。それはこの作品の製作陣に対してか、もしくはこの世界に生きる人間の業についてか。

 

 和風ファンタジーといいつつ毒瓦斯という現代的な禁忌兵器は、しかしその実大乱時代にも当然のように運用されていたし、何なら亜硫酸瓦斯なぞまだまだ可愛い方だった。霊術、それも呪いに類するものを活用して精製した毒瓦斯なんて更に惨たらしい効果があるし、それを使用しなかったのはただ単に河童相手には相性が悪かったためだけなのだ。

 

 そもそも大乱時代の朝廷は毒瓦斯よりも更にエゲツない手段も使っていたし、今や亡き西方帝国や大陸王朝が開発・運用していたものに比べればまだ精度が落ちる完成度。それどころか朝廷が運用する毒瓦斯の幾分かは本を正せば崩壊した両国から製法が流出したもの……というのは製作陣が語った裏設定だったか。

 

「何にせよ、これで決まったな………」

 

 扇子片手に、膨大な式神共を踊るように舞いながら使役する鬼月の御意見番様を一瞥しながら、俺は呟いた。

 

「者共!河童共は粗方息の根を止めてやったぞ!!急ぎ残敵の掃討を始めよ!一体ごとに一分銀を一枚支給するぞ、決して逃がすな……!!」

 

 鬼月、久木と並び北土の退魔の名家である宮鷹家から派遣された老退魔士が叫ぶ。それは主に数合わせのために雇いこまれたモグリの者らに向けてのものであった。

 

「よし、行くぞ!!へへ、折角の機会だ。たっぷり稼がねぇとな……!!」

 

 その掛け声とともに雇われ退魔士やその手下共らは取り零した河童共の殲滅に向かう。

 

「全く調子の良い奴らな事だ。昨日までは不平不満の嵐だったのにな」

 

 現地までの旅費食費支給、報奨は相場の倍で活躍次第で追加報酬に召し抱えもあり……異例の厚待遇の条件に集まったモグリの退魔士達は、現地について敵が河童と分かった途端に不満をぶちまけて契約破棄しようとする輩も少なくなかったのだが………鬼月の御意見番の凄まじい業を目にしてまず瞠目し、次いで一変した状況と賞金によって再び勤労意欲に目覚めたようであった。孤立し、あるいは少数に点在する河童共は次々と虐殺されていく。

 

 飛び道具もなく、個々の戦闘能力も傑出している訳でもない河童から数や隠密性を奪ってしまえば感染の危険こそ無くしきれなくてもそこまで恐ろしい存在ではない。一対一に持ち込めば霊力で強化した身体能力さえあればどうにかなるのだ。

 

「しかし……これならば態態破落戸なんぞ雇わなくても良かった気もするがな」

 

 モグリの退魔士というものも色々あるが、半数以上は破落戸のならず者である。当然だ。モグリになる輩は正規の退魔の家以外から生まれた霊力持ちで、そういう輩の多くは俺同様大半は退魔士家各衆に、あるいは寺社なり大名家になりに売られるものなのだ。

 

 即ち、勘当なり自ら実家の退魔の一族を抜けぬ限り、モグリの退魔士の多くは町民なり農民、あるいは前述の相手に売られた後に上手く逃げ出せたのか………何にせよ、故郷や所属していた共同体を捨てて尚も荒事に関わろうというアウトロー共という事だ。

 

 故に教養がなく、素行が悪い者が大多数を占めるのもある意味当然。禁術に手を伸ばしたり、下手に霊力がある事を良い事に質の悪い呪具を売ったり、用心棒と称して護衛を押し売りして断られたり報奨が少ないと相手を襲うような盗賊染みた奴もいる。同じ霊力を持つ者達として、部分的であれ仕事を奪われるだけでなく、風評被害も受ける事もあって正規の退魔士らのモグリへの印象は決して良くはない。

 

 ましてや退魔士なんぞ矜持が強い奴らが多い。そんな中で決して絶対的に必要という訳でもないのにこれ程の数のモグリを、しかも厚待遇で雇うとなれば当然裏を考えたくもなるもので………。

 

「まぁ、考えても仕方無いな。………よし、作戦通り俺達も行こうか。功は焦るな。危ない橋は傭兵に任せれば良い。被害を出さぬように慎重に、囲んで殺せ」

 

 只でさえ人員がカツカツなのだ。実力もまだまだ十分と言える者は少ない。欲をかいて損失が出たら困るので安全マージンをとりながら掃討作戦に従事するように俺は部下の下人達に念入りに厳命する。モグリ共の存在は気になるがこの際俺達には都合は良い。精々利用させて貰うとする。

 

「標本の回収作業は出来るのでしょうな?」

「そちらの方も最善を尽くします。ですが断言は出来ぬ事は御容赦下さい」

 

 次いで黒死病医着を着込んだ朝廷の理究衆から派遣された数名の研究員の質問に向けて俺は事務的に答える。掃討作戦に従事する各家の下人衆に同行する彼らの目的は此度の毒瓦斯の性能評価と河童の標本採取であった。

 

 若干不満そうな理究衆の者達を無視するように俺は視線から外す。そして、前衛の部下達が前進を開始した頃合いに俺はこの場で一番注意をしてやる必要のある少年の名前を呼ぶ。

 

「白若丸!」

「んっ!?な、何だよ……!?」

 

 先程までの蝶の大演舞と虐殺を見せつけられて放心状態だった少年は俺の声に漸く我に返るとむすっとした表情を浮かべる。おいおい、不機嫌そうにするなよ………苦笑しながら俺は彼の姿を改めて確認する。

 

 その出で立ちは狐娘と同じ白丁姿、動きやすさを重視させるために着替えさせたものであった。背中には背負える程度に荷物を、腰元には脇差しを掛けているが碌に武術も学んでいないので所詮はこけおどしに過ぎない。実際、いざという時はどちらも捨てて逃げるように言い含めている。

 

「これから俺達も前進する。周囲に味方はいるが何処に河童が潜んでいるかは分からん。警戒は怠るなよ。違和感があれば誰でもいいから教えろ」

 

 本当ならば安全な天幕に待機させた方が良いのだが……人手不足なのもあって荷物運びだけでもして欲しいし、将来の事を考えればここで妖退治の空気だけでも触れさせたかったので俺は白若丸を連れてきていて、それ故に万一に備えて念入りに注意をする。

 

「わ、分かったよ………何かあったら報告、だろ?」

 

 もう似たような事を何度も言って来たのでうんざりとした口調で、しかし緊張と恐怖に僅かに声が震えている事に俺は気付いていた。当然だろう、寺育ちは寺育ちで色々あっただろうが少なくとも生き死にに関わるような光景は見た事は無かろう。ましてや毒瓦斯でくたばった妖の姿なぞ………。

 

「………油断は困るが必要以上に怖がらなくても良いから安心しろ。お前は預かっている立場だからな。怪我はさせんよ」

「怖がってねぇし……!!勝手に決めつけるなよ!!」

「決め付け、ねぇ……」

「むっ、文句あるのかよ?」

 

 むすっとした態度で俺の反応に拗ねる白若丸である。

 

(ゲームをプレイしていた時の印象に比べて意外と感情豊かだな……)

 

 果たしてそれがまだ原作まで時系列が進んでないからか、この時点で某かの変化があったのか、あるいは単に俺の勘違いか、この時点ではその答えを出す事は難しかった。

 

「何にせよ……行くとしようかな?」

 

 そう嘯くと、俺は周囲の部下達と相互に支援が出来る陣形と距離を維持しつつ河童共の生き残りが潜む森の中へと歩を進め………。

 

「ん………?」

 

 ふと、その気配を感じた俺は足を止めて周囲を見渡した。これは……誰かの視線?

 

「えっ……?」

 

 きょろきょろと目を動かした俺はそこで視線を止める。陣地の築かれた丘の上、そこにある人影と目があったからだ。いや、正確にはそう思ったからか。

 

 未だに艶やかに舞う式神使いの鬼月の御意見番の、その黄金色の瞳と視線が重なりあった気がした。有り得ぬ事のように思えた、しかし確かに彼女は此方を見つめていた。踊りながらも尚、此方を見つめる視線、そしてそこに含まれる感情はとても複雑で………。  

 

「允職……」

「………」

「……允職?」

「ん?あぁそうか。いや悪い。少し考え事をしてしまっていてな」

 

 暫し考え込み過ぎていて部下の一人の報告に一瞬遅れて、しかし冷静に、事前の予定通りの内容で俺は命令を発した。

 

 そして再び足を踏み出す前に再び俺は丘の上に視線を向けた。此方を見据える視線の気配は、もう感じ取れなかった………。

 

 

 

 

 

 

 死体、死体、ひたすら連なる死体の連なり。積み重なる人形の死体の山………掃討作戦はその始まりからして陰鬱でしかなかった。

 

「うっ………酷い匂いだ」

 

 未だに残る亜硫酸の独特の臭いが鼻腔を擽り生理的な吐き気を招き入れるようで傍らの少年は気持ち悪そうにする。俺はそんな少年を尻目に地面に倒れる肉の塊に次々と槍を突き立てる。死んだ振りをした個体がいないかどうか確認するためだ。

 

 実際、河童共は知恵が回るので死んだ振りをするのは珍しくない。スピンオフに某海外ゲーム会社が製作した人妖大乱時代を舞台にした異色のホラーアクションゲーム『闇夜の蛍外伝・人妖生存戦争』では死体と思っていた河童が背後から襲いかかってきて即死なんて事が良くあった。

 

「それにしても酷い有り様だな」

 

 毒瓦斯は呼吸器官を侵したのだろう。どれもこれも魚とも蛙とも言えない文字通りの河童の顔立ちなのにあからさまに苦悶が分かる表情を浮かべていた。全身火傷したように爛れていて、腐臭すら放つ。

 

 中には変貌途中だったのだろう、顔の一部だとか手足だとか、微妙に人の部分を残すものや小柄な、幼体と思われる死骸すらあった。子供が河童になったのか、河童になった者らが繁殖して作った個体なのかは不明である。後者であって欲しいと思った。

 

 妖に同情する積もりもないし、効率的で効果的なのも理解は出来るが………成る程、ここまで情念もなく無慈悲に殺されるくらいならばド派手に殺されたいと何処ぞの碧鬼が思うのも理解は出来る。支持はしてやらんがね。

 

「ふむ、六番の効果は薄いか」

「室内実験では効果抜群だったのですがね。外気に触れると有効性は下がるようです」

「そのようだな。……そこに転がっているのは状態が良さそうだな。腑分けして標本を回収するぞ」

 

 そんな俺の心情を知ってか知らずか、理究衆の研究員達は死骸の山に群がりながら標本を採取しながら議論を重ねていた。小刀で興味深い河童の死骸を切り刻み、小瓶の中に捩じ込んで行く。それは正に実験であった。

 

「良くもまぁ、こんな中で……仕事熱心な事だな」

 

 そして、ふと俺は気付く。恐らくは彼ら理究衆と感性が似ているであろう隠行しながら肩に乗る式神の使役者が先程から無言である事に。果たして彼女は今何を考えているのであろうか、と。

 

 ……尤も、そんな下らぬ事を考えている時間はなかった。より正確には次の瞬間に伝えられた報告でなくなる。

 

「允職、残敵発見しました!!」

「よし、牽制して弱らせろ!無理して仕留めんでいい……!!」

 

 前方に展開する班が叫ぶと直ぐ様俺は指示を出すとともに衆を押し上げる。

 

「索敵、周辺警戒怠るな!伏兵なんぞにやられたら詰まらんぞ!」

 

 そういって前進する俺は叢を越えた先でそれの姿を視界に収める。

 

「っ………!」

 

 思わず顔をしかめたのはある意味仕方無かった。其れほどまでに相対した相手の姿はおぞましかったからだ。

 

 それはどちらかと言えば魚人のようにも思えた。頭に皿は無かった。話によればある個体とない個体があるらしい。

 

 全身が若草のような色合いで、粘液のようなもので全身が覆われていた。黄色く大きな瞳に魚のような腮が喉元に見えた。水掻きのついた手に、小さな尻尾のようなものも見える。魚というよりかはおたまじゃくしのそれに似ていた。

 

 尤も、それだけならば確かに気味が悪いが慣れていた。そも、恐ろしい外見の妖なんぞこれまで飽きる程見てきたのだ。この程度ならば大したものではない。

 

 問題は……その個体が中途半端だった事だ。それも手遅れな状態の癖に。

 

『アガッ……ギッ…アウ…ギギギッ!!』

 

 よたよたとふらつきさ迷うように進んでくる河童の、しかし身体の所々の肌色は人間のそれであった。毒瓦斯で爛れた人の肌。何よりもその顔はまだ人の耳や鼻がこびりつくようについていて、その瞳の片側は確かに人間のものであった。じっくり見れば人間の頃の顔立ちや表情が分かりそうな、それでいて明らかに河童なのだと分かる手遅れ過ぎる個体………それは周囲の下人達に囲まれて槍で牽制されていた。

 

「はぁ…はぁ……おい、そんなに走るなよって………ひっ!?」

 

 背後から息切れしつつ追いついた少年は、しかし眼前の存在に気付くと小さな悲鳴を上げる。

 

『ギギッ……!?』

 

 同時に半死半生の河童は少年の姿を目にするとともに明らかにその気配が一変した。下人らの微弱な霊力では食手が動かなかったようだが、白若丸のような濃厚な霊力持ちの、それも子供となると話は変わるようだった。次の瞬間周囲の槍も気にせず少年目掛けて走り始める河童。

 

「弓を……!!」

 

 俺の言葉に反応してすかさず後方にいた数人の下人が弓を放つ。しかし、腹や肩に矢弾が突き刺さっても河童は疾走を止めない。文字通り突っ込むようにして走り抜ける河童。

 

「ちぃ、次弾を………間に合わんか!?」

 

 部下達が慌てて次の弓を構えようとする姿を見て、しかし俺は即座にそれが間に合わない事を悟る。

 

「うわっ……!?」

 

 いきなりの事で、しかも暴力沙汰も知らぬ子供となると咄嗟の判断なぞ出来る筈もない。その場から動く事も出来ずに立ち竦み、慌てる少年。河童はその牙の生え揃った口蓋を開き白若丸に飛び掛かり…………。

 

「恨みはないが、さっさと死ね………!」

 

 すかさず俺は槍の柄を河童の顔面に叩きつけていた。痛みに仰け反る河童に、更に俺はその顎から脳天に向けて槍を突き刺した。

 

『ギッ……!?』

 

 確実な致命傷の前に河童は小さく鳴いた後にその手をばたりと落として倒れた。念のために喉元をもう一突きして止めを刺す。

 

「危ねぇな………」

 

 槍を引き抜きながら俺は呟いていた。白若丸は預かっている客人だ。それが河童に食われたり同族にされたら俺の責任は重大だった。連れて来たのは俺だが……まさか彼処まで反応が良いとは少し想定外だった。

 

(それにやはり練度に問題があるな………)

 

 弓は刀や槍よりも習熟に時間を要するとは言え……あの手間取り様はやはり練度に難があるな。人手が足りないからとまだ訓練が完全でない者も幾人か動員したのが悪かったな。

 

「おいおい、困るぞ允職。折角変質途上の貴重な個体を………糞。まぁ良い。次はこいつの標本を採取するぞ」

 

 背後から叢を掻き分けてやって来た理究衆らが小言をいいながら先程始末した個体に群がり始める。その姿をまるで蟻みたいだと一瞥しながら俺は思った。

 

「良くやるよ。………あれはモグリの集団か」

 

 視線を理究衆から周囲の警戒に移すと視界に入りこむのはモグリの退魔士の一団だ。正確には霊力持ちと霊力なしが混在しているようで、弱り切った河童を笑いながら集団私刑にかけていた。それどころか死体に向けて小便をかける始末だ。

 

「うっ……まるで盗賊じゃねぇかよ」

 

 下卑た所業を前に白若丸があからさまに顔を歪めた。彼の引き取られた寺社も別方向にアレではあるが、流石にここまで下品ではなかっただろう。本質は兎も角取り繕いはした筈だ。ガワだけの取り繕いでも印象は変わるものだ。それはそうと……。

 

「余り目を合わせるな。因縁をつけられるぞ」

 

 白若丸の側まで来た俺は注意する。しかしながら俺の判断は少し遅かった。既に集団の頭目らしき眼帯をつけていた男は此方を見つめると嗜虐的な笑みを浮かべていた。

 

「おいおい、ここはいつから寺子屋になったんだ?ここは小娘の来る場所じゃねぇぞ?」

 

 ニタニタと笑いながら数名の部下を連れてやって来る頭目。咄嗟に俺は少年を背後にするように前に出る。何なら数名の部下が武器を構えていた。

 

「此度の討伐隊に雇われた者だな?私の部下が失礼した。代わって謝罪しよう」

 

 淡々と、義務的に俺は謝罪する。どうせ誠意なんて見せても意味はないのだ。所詮は因縁のごり押しなのだから。

 

「けっけっけっ。おうよ、俺らは宮鷹家経由で雇われた破落戸よ。そっちは……鬼月か?どうやら名家に仕えるお嬢さんには俺らの仕事のやり口が気に入らねぇようだな?」

「俺は男だ!」

 

 嘲るような頭目の物言いに殆ど反射的に白若丸は反応したように思えた。一瞬頭目らは目を丸くして、しかし直ぐに合点がいったような下品な笑みを浮かべる。

 

「おうおう、そういう事か。鬼月の家は随分と待遇が良さそうだなぁ、えぇ?俺らもそっちに召し上げられてみてぇものだぜ」

「それは主家に直訴を願います。我々にはその権限はないものですので」

「はっ、まるでお役人様のような物言いなこったな」

 

 挑発に対して義務的に受け流すと、不愉快そうに頭目は吐き捨てる。何なら実際に地面に痰を吐き捨てた。

 

「貴方達、何をしているのですか!?」

 

 不意に響き渡る声、其方に視線を移せば弓を片手に此方に向かって来る人影……騒ぎに気付いた鬼月綾香が向かって来る。

 

「……お前さんらの飼い主様か。随分と苦労を知らなそうな可愛い顔つきだぜ。尤も……」

 

 そこまで言って頭目は黙り込む。黙り込みながら俺を睨みつける。

 

「んじゃよ。折角の稼ぎ時を邪魔されたくねぇんでね。適当に誤魔化してくれや」

 

 俺と、背後で怒る少年を見比べた頭目は鼻を鳴らして立ち去っていく。

 

「……余り人を睨むなよ。余計な騒ぎを起こすな」

 

 俺は背後を振り向くと少年に注意する。

 

「で、でも……!」

「でもじゃない。周囲の事を考えろ」

 

 俺が睨むと白若丸は黙り込む。不満げだった。気持ちは分かるが……それでも俺の立場からすれば注意しないわけにもいかない。恨まれたかな、これは?

 

「さて、後はどう取り繕うかな……?」

 

 そして俺はやってきた鬼月の弓使いに向けてどのような言い訳を口にしようかと頭を巡らせた。

 

 

 

 

 

 

 この日の掃討作戦にて、毒瓦斯を除いた手段で殺害された河童の総数はおよそ八百体余りに上った。一方で討伐隊側の損失はモグリの退魔士らが五名に各家より派遣された下人衆らが計一六名。その中で鬼月の下人衆に犠牲が出なかったのは幸いな事であった。

 

 尤も、それは多くの犠牲を出す事になる地獄のような此度の討伐遠征のほんの始まりに過ぎなかった事を、俺はすぐに思い知らされる事になるのだった………。

 




・『闇夜の蛍外伝・人妖生存戦争』
 マルチメディア化していた『闇夜の蛍』シリーズにおける唯一の海外物テレビゲームソフト。某大手海外ゲーム製作会社にファンがいたために開発された異色中の異色作品。

 全体的にホラーテイストでキャラデザインも完全に洋ゲー。プレイヤーは人妖大乱時代の官軍の一兵士として妖共と戦う事になるものの、難易度が糞高く、しかもプレイヤーがびびるようなドッキリイベントが多数収録、何よりもストーリーが救いのないストレスマッハ仕様で多くのプレイヤーの精神をへし折った。

 イメージ的にはダークソウルシリーズや(マイナーですが)レジスタンスシリーズを和風にしたもの。製作陣が気に入っていたためか河童がやけに怖い作品でもある。

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