和風ファンタジーな鬱エロゲーの名無し戦闘員に転生したんだが周囲の女がヤベー奴ばかりで嫌な予感しかしない件   作:鉄鋼怪人

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 貫咲賢希さんより宮水静+その他複数キャラのファンアートを頂けましたのでご紹介致します。

https://www.pixiv.net/artworks/91012104

 またグッチャ愚者さんが同じくPIXIVにてファンアートを製作して下さいましたのでご紹介致します。
・鬼月葵
 https://www.pixiv.net/artworks/90885098
・下人
 https://www.pixiv.net/artworks/90905088
・鬼月雛
 https://www.pixiv.net/artworks/91000686
・白
 https://www.pixiv.net/artworks/91023138


第六一話● 土竜(以外も)叩き

 それが現れた瞬間、場に沈黙が流れた。この場にいる三体の怪物と一人の人間、その誰もが黒い異形に視線を釘付けにされていた。せざるを得なかった。

 

 彼ら彼女らが抱いたのは困惑であり、動揺であり、そして疑問であった。当然であろう。それはつい先程まで電撃で黒焦げになっていた唯の人間であったのだ。それが……今や眼前で妖気と霊気と、僅かながらも神気を放つこれは一体何なのか?

 

 否、この人間に一体何が起きているというのか?

 

『グアッ!!!』

 

 疑念と疑問を押し退けて、その異形に最初に襲いかかったのは本来味方の筈の神鷹であった。狭い洞窟内を低空飛行してそのまま鉤爪をもって背後から切りかかる。風の音すら置き去りにする突風のような突貫……。

 

 突き立てられる神鷹の足の爪、それは武者の鉄鎧も厚い大妖の毛皮をも容易に抉り取るに十分なだけの鋭さを秘めていた。その爪で一気に奇襲攻撃を受ければ相手は何が起きたのか理解する事も出来ずに命を刈り取られる事であろう。

 

『グオッ!!?』

 

 しかしその目論みは一瞬にして瓦解する。擦れ違い様に斬りかかった神鷹は、しかし直後に動きを止めた。止められてしまった。そして神鷹はその理由を確認しようとしてその眼を見開く。

 

 神鷹の片足、人の腕程の太さのあるその鉤指の一本を下人は掴み、捕らえていた。少なくとも数千貫はあろう重さの巨躰が、それも空を切り裂く程の速度で擦れ違ったのをその一瞬を掴み上げて捕らえる。その事実に神鷹は驚愕した。同時にその危険性を理解して直ぐ様次の行動に移る。

 

 嘴を開いて放たれるのは光の雨であった。濃縮された霊気を矢状に凝縮し雨のように飛散して吐き出すそれはその一つ一つが唯人であれば当たるだけで身体を貫いて即死させるに足る威力を有していた。本来は遠方や上方から怪物の群れ相手に放つそれを一個体に、しかもこの近距離から放つのは明らかに威力過剰であった。しかし………。

 

『グェッ!?』

 

 一見鶏を牛刀で捌くような所業は、しかし神鷹は攻撃を終えた後にその眼前に無傷の異形を確認すると動揺する。そして慌てて次の攻撃を放とうとして………次の瞬間に洞窟の壁に叩きつけられる。

 

『っ………!?化物めが!!?』

 

 直後にその光景を目撃した蜘蛛が参戦するようにして襲いかかる。一気に跳躍して肉薄すると前四本の蜘蛛足が爪を立てながら下人だった存在に同時に振り下ろされる。唯人ならばその足の一振りで押し潰されよう、質量を持った残像すら見えそうな速度で振るわれた。

 

 尤も、異形はそれを避ける素振りも見せずに受け入れた。否、受け止めたというべきであったか。

 

『何っ!?ぎゃっ……!!?』

 

 黒い鱗に覆われた両の手で大木のような太さを持った四本の蜘蛛足が塞き止められていた。土蜘蛛が驚愕するのと同時に異形はそのまま無造作に一本を掴み、そのまま引き千切った。土蜘蛛は小さな悲鳴を上げつつも瞬時に危険を察知して残る足でもって素早く後退する。

 

『グルルルルルル…………』

 

 黒い異形はまるで馬のような独特の音を鳴らしながらその黒い鬣を震わせながら唸る。唸りながらその手に掴むビクビクと痙攣する千切れた蜘蛛足を一瞥すると、それを塵のように放り捨てた。そして土蜘蛛の方向を再度振り向くと一歩進み………背後から襲いかかる無数の触手をその腕の一振りで全て引き裂いた。

 

『ブオオオオオォォォォォ!!!!』

 

 顔面を半分潰されながらも怒りの咆哮を上げながら千年土竜は異形に再戦を挑んだ。先程引き裂かれた触手は囮である。本命は………。

 

『グルルルル!!?』

 

 密かに地面を掘り進めていた触手が一斉に怪物と化した元下人を囲いこむように現れる。鳥籠のようにも思われたそれは、次の瞬間には一斉に高圧電流を放出していた。電撃の監獄である。

 

 それは千年土竜にとって放出出来る最大級の放電であった。この改造妖を設計した『鵺』の計算では上位の退魔士でも無傷では済まないだろう威力で、ましてや下人なぞ文字通り骨の髄まで炭化する事間違いなかった。

 

 そう、間違いなかったのだ。相手が本当に唯の下人でしかないのならば。

 

『ブオォ!!?』

 

 薄暗い洞窟を照らす触手の檻を、しかし中に閉じ込められた怪物は無理矢理にそれを引き裂く。電流の流れた触手を握り締め、その熱に焼けるような音と蒸気が掌に生じるのを、しかし異形は一切気にしていないようであった。無理矢理に触手を引き千切って異形は体の彼方此方を爛れさせたままに脱獄に成功する。しかも………。

 

「あれは、再生………!?」

 

 胡蝶が目を見開く。血が流れながら焼け爛れている異形の……彼の身体は、しかしその傷が明らかに閉じていっているのが目視で確認出来た。

 

 それはまるで時間を巻き戻しているかのようにみるみる内に閉じていく怪我。しかしながら傷は塞がっても当の異形は怒り心頭の様子で不機嫌そうに高い唸り声を上げる。唸りながら土竜を睨み付ける。

 

『ブッ……ブオッ………』

 

 一方で土竜の方はと言えば明らかに怯えていた。たじろいでいた。体格差は優に五倍以上はあろうというのに千年土竜は眼前の異形に恐れ慄く。己の持つ戦う術が全て無力なのだと理解したのだからある意味では当然の事ではあった。ここに来て漸く、千年土竜は己と目の前の存在との間に大きな力の差がある事を理解した。理解させられた。

 

 そして知恵があろうと無かろうと、力量差を自覚した獣の選ぶ道はただ一つである。

 

『ブオオォォォ………!!!ゴッ!?』

 

 戦略的撤退、あるいは逃亡、何にせよ土竜は急いで地中を掘って逃亡を図った。尤もそれは無意味であった。その腕で足元の地面を掘り始めた次の瞬間には土竜は頭上からの蹴り落としを受けてその頭蓋を地面にめり込ませていた。唯でさえ半分潰れていた頭は今度こそ地面に赤い花をぶちまけた。

 

「ちぃ、役立たずめ!!」

 

 壁に張り付いていた土蜘蛛が吐き捨てる。同時に独特の舌打ちをする。それに呼び寄せられたようにどこに隠れていたのか洞窟の彼方此方から大小の蜘蛛妖怪共が姿を現す。土蜘蛛の眷属である。

 

「やれ、貴様ら!!袋叩きにしてしまえ!!!」

 

 人の出で立ちをした土蜘蛛は幼い少女を装ったその手で異形を指差して眷属に命じる。

 

 本来ならば地上から攻め込んで来ている退魔士共を疲弊させるために用意していた数千……否、幼妖程度の雑魚も含めれば一万に届くかも知れない蜘蛛の軍勢。用途に応じて生産していた多種多様の眷属、その中にはかつての大乱時代にも投入された虎の子の精鋭部隊をも含まれていた。それをここで纏めて投入するとなると計画の大幅変更を強いられる事になるが……背に腹は代えられない。土蜘蛛にとって今や何よりも優先するべきは目の前の訳の分からぬ化け物の息の根を止める事であった。そしてこれだけの戦力を投入すれば目の前の妖もどきを仕留めるのは十分可能であると確信していた。

 

 土蜘蛛のその認識はしかし、余りにも甘過ぎた。

 

『キッ!?』

『ギギッ!?』

『ギィッ……!!?』

 

 次々と洞窟内に響き渡るのは化物共の断末魔の悲鳴であった。

 

 それは虐殺であった。殺戮であった。惨殺であった。数を頼みに黒い異形に群がる蜘蛛の化け物共は、しかし碌に戦う事すら叶わずに腕の一振りで数十体単位で挽肉に還元されていった。

 

『キキッ!!』

『シャアッ!!』

 

 無論、蜘蛛共も何時までも効果がないのに数で押すだけの知恵無しではない。粘性の蜘蛛糸を多方向から吐き出す。あるいは死角に回り込んで毒針や溶解液を射出する。寄生型の個体が破壊された同胞の腹から飛び出して奇襲を仕掛け、中には肉薄して体内で生成した火薬を爆破して特攻を仕掛ける物もいた。

 

 無駄であった。無意味であった。

 

 雨霰のように吐き出される蜘蛛糸は全て紙一重で避けられた。毒針は硬い鱗に弾かれて、溶解液に至ってはその再生能力で無理矢理解決する。奇襲を仕掛けた蜘蛛は直後に叩き潰されて、自爆を仕掛けた個体に至っては爆発する直前に回し蹴りで仲間の元に直送で送り返す。同胞の波に呑み込まれた蜘蛛はそのまま爆発して十数体の仲間と共に吹き飛んだ。

 

『ギギギ!!』

 

 自身の質量でそのまま押し潰そうとしたのは大妖級の個体であった。僅かに神力も纏ったその個体は決死の覚悟で目の前の化物に襲いかかり……瞬時に肉薄してきたそれに頭を粉砕された。恐らくは蜘蛛は自身に何が起きたのかも分からずにその意識を霧散させた事であろう。

 

『クオオオオオオオォォォォォォッ!!!!!!』

 

 そのまま異形は怒声と共に大蜘蛛の死骸を掴んで投擲具のように振り回す。その太い足を掴んで周囲の子蜘蛛共を纏めて叩き潰して最後には放り投げた。

 

『キキッ……!?』

『キ………』

 

 その意図に気付いた子蜘蛛共は慌てて散るが遅い。大蜘蛛は跳ねながら地面に激突、落下地点にいた蜘蛛共は磨り潰すようにして押し潰され、その存在を遺すものは地面に出来た絵の具を混ぜ合わせたような汚いシミだけであった。その光景を見て、異形は嘲笑うように、高笑いするように天を見上げ、咆哮を上げる。

 

『キキッ……』

『キ………』

 

 激突からほんの僅かな時間しか経っていない筈であった。にもかかわらず既に千近くの同胞を殺された蜘蛛達は流石に怯え始めた。目の前の存在に対して打ち倒せるという自信を失っていたのだ。

 

「お主ら、何をしておる!?足を止めるな!!行け!行けぃ!!……行けというに!!」

 

 土蜘蛛がそんな眷属共に発破をかけるが、それでも多くの蜘蛛が後退りする。その光景に土蜘蛛はその仮初めの顔を屈辱に歪ませる。それは自身の威令が末端の眷属共に最早届いていない事を意味していた。

 

『グオオオオオオオォォォォォォォ!!!!』

『キィ………!?』

 

 威嚇するように莫大な妖力をこれ見よがしに放出しながらの咆哮に、蜘蛛共の統制は遂に乱れた。明らかに怯える蜘蛛共の群れに突っ込む黒い異形。そして再開される虐殺。蜘蛛共の足が散り、頭が跳ね、腹が飛ぶ。同胞の一部が其処ら中に散乱し、緑色の体液が地面が見えなくなるまで飛び散る。蜘蛛共は恐怖に負けて文字通り蜘蛛の子を散らして逃げ出し始めた。

 

 最早てんでバラバラに動き始める蜘蛛共。異形と戦うもの、仲間を踏みつけながら逃げ出すもの、更に一部の子蜘蛛共は地面に倒れる胡蝶を視認すると我先にと彼女を目指した。

 

 あの黒い異形と戦うなぞ馬鹿げている。そんな事に命を散らすくらいならばあの人間を行きがけの駄賃代わりに頂いて逃げ出そう………そこまで明瞭に考えている程の知恵があった訳ではなかったが、何にせよ一部の蜘蛛共は土蜘蛛の命令も忘れて異形から逃げ出し、そのまま胡蝶に襲いかかったのだ。

 

「えっ……!?」

 

 胡蝶もまた自身に向かってくる幾体かの蜘蛛妖怪共の姿を認める。しかしながら彼女は逃げられない。その両の足は骨が折れていて逃げ出す事なぞ不可能であったからだ。

 

「何か術は………くっ、やはり奪われているのね!!」

 

 懐から式符を探すが既に没収されていたようで、胡蝶は顔を歪める。いや、尤も式符があったとしても今の彼女の霊力の残量では迫り来る蜘蛛共に対応するだけの質と量の式神を展開するのは不可能であっただろう。

 

『キキキッ……!!』

 

 一体の蜘蛛が跳躍して胡蝶に飛び掛かる。赤い目玉をギラギラと輝かせ、顎を開いて涎を垂らして襲いかかる醜い蜘蛛の化物。何も出来ぬ胡蝶はただ襲いかかる痛みに身構える。しかし………。

 

『グオオオオオオオォォォォォォォッ!!!!』

 

 迫り来る化物共の爪が、牙が彼女に届く事はなかった。蜘蛛の群れを掻き分けて、吹き飛ばして黒い異形が胡蝶と迫り来る怪物共との間に無理矢理に割り込んで来たからであった。我先にと飛びかかってきた蜘蛛を、空中でその顔面を掴んで後続に叩きつける。激突した蜘蛛達は纏めて肉団子のように潰れて激しく吹き飛ばされた。

 

 思いがけない闖入者に足を止めた残る蜘蛛達の、その隙を彼は見逃さなかった。その鋭い爪の生えた腕を振るい十単位で纏めて引き裂く。その硬い蹄で怯える化物を無慈悲に踏み潰し、音を置き去りにして放たれた渾身の後ろ蹴りは蜘蛛の身体を文字通り爆散させ、四散させた。

 

『グルルルルルル………』

 

 老退魔士に襲いかかろうとした蜘蛛共を一頻り塵殺仕切った異形は深く唸るとポツリ、と振り向いた。胡蝶を見るために、振り向いた。

 

「あっ………」

 

 一瞬怯えたように肩を振るわせた胡蝶は、しかし直ぐに気付いたように溜め息を吐いた。嘆息した。

 

 おぞましい異形の、しかしその胡蝶を見つめる瞳は明確に彼女の無事を確認して安堵していた。そして胡蝶もまたそんな彼を見て安心する。彼女にはこの瞬間分かったのだ。彼が、目の前の異形は自身を傷つける意思がない事に。故に、胡蝶は極自然に彼を迎えるようにその両の手を伸ばして………。

 

 ………そして、次の瞬間彼女は彼の腹から飛び散った血肉をその身体に浴びていた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あ……?えっ……………?」

 

 胡蝶の口より言葉にならぬ言葉が漏れる。彼女の思考は文字通り停止していた。目の前の、例え異形の怪物になろうとも自分を守ってくれた彼の腹が吹き飛んで、その血肉が彼女の衣装を赤黒く汚した……その事実に心が追い付かなかったのだ。いや、追い付ける訳がなかったのだ。そんな恐ろしい事実を認められなかった。

 

『グオ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ッ゙!!!???』

 

 全てを理解した胡蝶の悲鳴は、しかし異形の放った咆哮の前に掻き消された。そして一頻りに吠えた後、傷口に視線をやって漸く異形はこの事態を引き起こした張本人を目撃した。

 

 それは芋虫であった。否、違う。回虫とでも言うべきものであった。

 

 そう、巨大な回虫が彼を背後からその横腹を貫いていたのだ。長大な白色のぶよぶよの回虫は異形の身体を貫通したままに未だにその身を捻って、蠢いていた。異形は、そして胡蝶はその回虫の出所を追って、それが何処から現れたのかを理解する。

 

 一言で言えば、『鵺』は何処までも性格が悪かった。卑劣だった。卑怯であった。狡猾であった。

 

 地面に叩きつけられ、打ち捨てられた千年土竜の死骸、その潰れた頭部の裂け目から異形の腹を貫いたその回虫は伸びていた。

 

 それは千年土竜が殺された際の保険であった。土竜の胃袋を宿主として、その死後に目覚めるように調整されてきた回虫の妖は、また創造者より事前に隙を見て宿主を殺した相手を襲うようにその本能に命令を刷り込まれていた。そしてその刷り込みの通りに回虫は油断していたその背後から異形の横腹に飛び込んで、突貫したのだ。

 

 異形の身体を貫通したままの状態で、回虫はゾワリと身体を震わせてのたうち回る。それは土竜の体外に出た事で身体が冷えた故の本能的行動ではあった。しかしそれが異形の貫かれた横腹の傷口を広げる結果となり、異形は金切り声を上げる。激痛に苦しむ悲鳴であった。

 

『グオオォォォォォ………!!!』

「あ、駄目!待って……!!」

 

 そして異形は静止しようとする胡蝶の言葉を無視して腹を貫く回虫を掴むと暴れまわるのを無視してそれに噛み付き、同時に腕で捻るようにして引き千切った。引き千切った前半分は何度も地面に叩きつけてから投げ捨てて、そのままビクビクと震える後ろ側の身体を引き摺るようにして背中からズルズルと引っこ抜く。回虫を完全に引き抜くとともに貫通した傷口からドバトバと赤い血が噴き出す。その激痛に彼はまたも苦悶の声を漏らす。

 

『キキキ………』

『キキキキ…………』

 

 そしてそんな傷ついた異形と身動きの取れぬ胡蝶に先程まで逃げ出そうとしていた蜘蛛は包囲するようにして集まる。嘲笑うように顎を鳴らす卑劣な蜘蛛妖怪達。そんな蜘蛛共の鳴らす威嚇に異形は苛立つように獰猛に唸った。唸りながら牙を見せて身構える。その結果として傷口は更に開いて血が流れて足下に瞬く間に赤い池を作り出していた。赤黒い血溜まり………。

 

「……!!?駄目よ!!貴方、今動いたら血が………!?」

 

 余りの出血の量に胡蝶は顔を蒼白にして身体を引き摺って彼の下に向かう。その傷口を止めようと傍に来ようとするのを、しかし異形は威嚇して牽制した。その瞳には最早先程までの理性の光は一欠片も見えなかった。餓えた獣の眼光であった。

 

「ひっ!?だ、駄目……お願い。暴れないで……これ以上血が流れたら貴方は………!!」

 

 その殺気に怯えながらも胡蝶は悲痛な声ですがるように懇願する。今の彼女にとって何より大切なのは目の前の彼の命を繋ぐ事、ただそれだけであったのだから。

 

 しかし、そんな彼女の懇願は届かない。伸ばされる彼女の手を、異形はいないものであるかのように無視する。あるいは敢えて視線を逸らす………。

 

『グオオオォォォォォォッ!!!!』

 

 その咆哮は苛立ちと怒りを現していた。しかしながらやはり傷口が疼くのか、次の瞬間には身体を震わせて、血の混じった唾を吐きながら咳き込み項垂れる異形。そんな無様な光景を見て蜘蛛共は更に挑発するように、嘲るように顎を鳴らしてジリジリと迫ってきた。そう、そうして迫り来る蜘蛛共は………刹那に焼き払われた。

 

『キキッ!?』

『キェ……!?』

 

 突如として頭を上げた異形は、咳き込むようにしてそれを吐き出していた。そして先程までそんな素振りもなかった奇襲に蜘蛛共は驚愕するが、同時に逃げる事は出来なかった。その余裕もなく焼き払われたからだ。唸り声と共に異形が吐き出した蒼白の炎の前に余りにも密集していた彼らは逃げる時間もなくあっという間に呑み込まれた。

 

 腹を貫かれてからの僅かの内に自身を作り替えた事で得た新たな力……顎を限界まで開き切って吐き出されたそれは明らかに普通の炎ではなかった。霊気と神気を混ぜ合わせた炎は、そのまま首を振るう事で周囲を囲む殆んどの蜘蛛共を凪ぎ払うようにして焼き尽くしていく。魂ごと、焼き尽くしていく。

 

『ギギギ………』

『ギッ……ギ………ギ…………』

 

 必死に逃げようとしていた数千の蜘蛛はほんの数十秒で灰燼に帰した。我先に逃げようとした結果、無数の蜘蛛の死骸が折り重なり身を丸めさせたままに炭化している。微かに息のある個体は逃れ得ぬ死を前に弱々しく悲鳴を上げるがそれも次第に業火の中に消えていく………そしてそんな無様なその光景に嘲笑するように低く鳴く異形。蒼白の炎の海の中で異形は勝ち誇るようにして佇む。大量の血を吐き出しながら。

 

「おのれ、この下郎めがぁ!!」

 

 いつの間にか天井に登っていた土蜘蛛が直上より襲撃をかけた。異形は咄嗟に身体を反らして真上から来た蜘蛛足の刺突を回避する。

 

「おのれ、おのれがぁ!!ふざけるなぁ!!良くも、良くも私の軍勢を……!!私の計画を壊してくれたなぁ!!」

 

 それは大乱より五百年、ひたすら雌伏して待ち続け、遂には自身の命すらも賭けて仕掛けた企てを呆気なくぶち壊された故の怒りの叫びであった。幼い少女の姿を維持しつつも、その表情は到底人に出来ぬ程に怒りと憎悪に歪みきっていた。せめてこいつは、こいつだけは殺す……頭に血が上り切っていた土蜘蛛はそんな激情に突き動かされながら黒い異形に攻め立てる。

 

 尤も、感情で力の差を覆せれば誰も苦労はしないのであるが。

 

「なっ!?」

 

 刹那の内に前足二本が纏めて引き千切られる。まるで子供が虫遊びするかのようにぞんざいに。

 

「この……ぐっ!!?」

 

 慌てて横合いから振るわれた土蜘蛛の中足の一撃を、しかし異形は今度は片手で受け止め、握り潰す。捻り潰す。

 

「がッ!?ま、まだだ……!!」

 

 足代わりにしていた後ろ四本足が多方向より異形に迫る。その質量と速度からして衝突すれば身体が吹き飛ばされる程の一撃を、しかし異形は猿のように跳ねると次々と回避して、しかも足蹴りでそれら全てを切断して見せる。曲芸染みていた。

 

「この、化物がっ!!」

 

 人形の両の腕より放たれるのは粘性の蜘蛛糸と溶解液であった。超至近距離からのそれを、しかし異形は紙一重で悠々と余裕すら見せて避ける。最小限の動きだった。そして両の腕を手刀でそのか細い骨をへし折って使い物にならなくする。

 

「ぐっ!?くっ……うぐっ!!?」

 

 そして異形はそのまま少女の姿をした蜘蛛の首元を乱暴に掴むと宙に持ち上げた。じたばたと子供の身体を暴れさせる蜘蛛は、しかし最早抵抗も出来なかった。土蜘蛛に出来るのは何もなかった。ただ己の敗北を受け入れる事以外、何も………そしてその事を土蜘蛛は理解していた。己を捕まえた異形が禍々しい牙の並んだ顎を開く。己を一口で呑み込む積もりのように思えた。

 

「お、おのれぇ………良くも……良くもぅ…………くぅ……!!」

 

 怨嗟の声を漏らしつつ、しかし無力感に絶望しながら土蜘蛛はおのれの最後の瞬間を覚悟する。覚悟しつつも己の無力感に、悔しさに思わず涙目になりつつ目を瞑る。だが………。

 

「な、何じゃ。一体何をしている………!?」

 

 何時まで経っても来ない終わりにゆっくりと目を開いた土蜘蛛は困惑する。足の殆んどをむしられた上で首元を掴まれた己を食い殺そうとしていた異形が、しかし迷うように動きを止めていたのだから当然であった。

 

「っ………!?愚か者め、隙ありだ……があ゙っ!?」

 

 唖然として、しかしそれを機会と見て背中から一本の蜘蛛足を無理矢理作り出して異形を襲う土蜘蛛は、だが次の瞬間には我に返ったかのように異形に足蹴りで洞窟の壁に叩きつけられる。

 

『グルルルルルル………!!!!』

 

 壁にめり込んだ土蜘蛛の事なぞ無視して、異形は頭を抱え、耐えるように唸っていた。身体を小刻みに震わせていて、何かを振り払おうとするかのように頭を左右に動かす。その表情は明らかに苦しんでいるように思える。

 

「ど、どうしたの……?何処が苦しい……ひっ!?」

 

 そんな苦しそうにする彼に寄り添おうとする胡蝶は、しかし次の瞬間に悲鳴をあげる。当然だろう。彼女が見たのは異形の横腹の傷口から肉塊が次々と膨らんでは肥大化していく光景であったのだから。

 

『グオオオオオオオォォォォォォォ!!!』

 

 それは苦しみに悲鳴を上げるような轟声であった。同時に増殖する肉塊はあっという間に異形の身体の三分の一まで呑み込んでいた。身体のあちこちから触手のようなものや獣や虫の手足が突き出し始め、目玉が開いては周囲をギヨロギョロと見渡す。

 

 人間であったそれは吼える。何度も何度も気が狂ったかのように吼える。まるで何かの衝動を発散せんとしようとするかのように………しかし、所詮は誤魔化しの時間稼ぎに過ぎない。

 

 次の瞬間には、異形は疾走していた。そして飛び掛かるように彼はそれに食らいついていた。『霊欠起爆』の起爆剤としてここに連れ込まれていた蓮華家の当主、その死体に食らいつくと必死の形相でこれを食散らかす。ボリボリと、ガリガリと硬い骨ごと肉を噛み砕いて咀嚼していく様は正に狂暴な肉食獣……妖そのものであった。

 

「あぁ…あ…………」

 

 そのおぞましい光景に胡蝶はもう何度目かも分からぬ恐怖に打ち震える。しかし、同時に彼女は見てしまう。彼のその狂気に包まれた瞳に、しかし同時に絶望と悲嘆が一瞬垣間見える事を。必死に人肉に食らいついている彼が、しかし同時に己の行為に筆舌し難い自己嫌悪感が見られる事を。完全に化物の姿になってしまっている彼の、しかしその心には未だ人としての残滓が確かに残っている事を。

 

 ……そしてその僅かな理性もそう長くは持たぬであろう事もまた、彼女は確信してしまえていた。

 

 退魔士の死体を粗方貪り尽くした彼は、しかし未だに満たされないと言わんばかりに不機嫌そうに息を荒げて唸り続ける。

 

 いや、事実足りないのだ。足りな過ぎるのだ。その肉体を急激に変質させる彼にとって、たかが場末の退魔士一人の死体なぞでは到底その欠乏感を満たすには足りなかった。彼がこの肉体の変貌を乗り越えるにはもっと栄養が、良質な血肉が必要であった。

 

 そう、例えば高名な退魔士一族の生きた女の血肉などが………。

 

『グルル…………』

 

 刹那、ぎろりと異形は横目に胡蝶を睨み付けていた。血走った目は肉食獣のようだった。飢餓に餓えた獣の目であった。

 

「あっ………うぐっ……!?」

 

 五十歩はあっただろう胡蝶と異形との間にあった距離は一瞬の間に失われていた。気付いた時には胡蝶は首を掴まれてそのまま身体を宙に持ち上げられていた。苦しさに苦悶の声を漏らしながらも悲しげな瞳を向ける御意見番と、それを受け止めて苛立つように睨み付ける獣。獣は唸りながらその牙の隙間から絶え間無く涎を垂れ流し始める。そして異形はその大きな口を開いて……胡蝶を地面に落とす。

  

「きゃっ!?えっ………!?」

 

 このまま食い殺されると思っていた胡蝶は、しかし自身を放り捨てて腹立たしげに地面を抉り、壁を砕き、遠吠えを上げる異形の奇行に困惑して、しかし数瞬後にその意図を理解する。理解してしまう。

 

 それは抵抗であったのだ。彼に残るほんの僅かな理性が妖の本能を寸前の所で抑えていたのだ。それ故に目の前の異形はその苛立ちを発散するように暴れていたのだ。そうしなければ彼女を食い殺してしまうから。

 

 恐らくは土蜘蛛を食おうとしなかったのも同じ理由だ。人間としての理性の残滓が土蜘蛛を食い殺すのを止めさせたのだ。蜘蛛足を粗方失った土蜘蛛は一目見れば人間の子供と殆んど見分けがつかなかった故の行動……蓮華家の死体を食らったのは抑えきれない本能を紛らわすためであろう。生きた人間を食うよりはマシだと思ったのだ。

 

「そんな、そんな姿で……貴方はまだ、まだそん、な………!!」

 

 彼の行動の意味を理解した胡蝶は悲嘆する。何て健気な子なのか。何て優しい子なのか。何て……何て哀れな子なのか!!

 

「駄目よ、止めて……それ以上自分を痛めつけないで、無理しないで……!!」

 

 自身の本能を抑えるためなのだろう、のたうち回り、岩を噛み砕き、壁に何度も自身の頭を叩きつける異形の姿を見て、胡蝶は嘆願する。腹に受けた傷が原因で、彼の内で辛うじて調和を保っていた霊気と妖気と神気の均衡は、急速に妖気に天秤が傾いていた。そして其れに伴う肉体の変貌に、しかし肉体そのものが耐えきれなくなっていた。当然ながら原因は栄養不足である。故に肥大化した肉はその度に腐り落ちて、異形はその身体を次第に崩れ落としていく。

 

 そして……そして恐らくはそれこそが彼の狙いであったのだ。その目論見に胡蝶は更に顔を歪ませる。泣きそうに歪ませる。

 

「お願い、それ以上は駄目よ、死んじゃうわ!!止めてお願い!!」

 

 その肉塊と化しつつある足下に抱きついて胡蝶は叫ぶ。自身に意識を向かせるために、叫ぶ。胡蝶はこのまま彼を死なせる事が出来なかった。彼は死ぬつもりだ。あの時と同じように。彼と同じように。それも、自分のために。そんな事、胡蝶には許せなかった。あの日のような悲しみは二度とご免だった。

 

 だから縋る、縋り付く。彼の意識が自分に向くように。そして決断する。彼を救うための唯一の方法を選ぶ。あの日、彼が自分の命を捧げたように。

 

「早く、早く私を食べなさい……!!そして逃げるの!!ここにいたら、ここにいたらいつか退治されてしまうわ!だから、ね?早く私を食べて逃げて………!」

 

 胡蝶とて不本意だった。誰だって死にたくはない。彼を怪物のままにしたくない。しかし同時に胡蝶にとって何よりも彼の死が許せなかった。自分のせいで「あの人」は命を捨てさせてしまった、だから今度は自分が命を捨ててでも彼を救わなければ。せめてその命だけでも………。

 

 愚かな代償行為でしかなかった。目の前の彼とあの人は同じ人間ではないというのに。それを本当は分かっていて、しかし彼女にはどうしても同一視を止められなかった。其ほどに、胡蝶にとって二人は似すぎていた。それ故のある種の狂気染みた行為。それでも彼女にとっては救いであった。少なくともこのまま彼が死ぬくらいならば。

 

 胡蝶の何処かヒステリック染みた叫びに漸く化物はその意識を彼女に向けた。血に餓えた化物の、獣の本能に沈みきった瞳。しかしそれこそが胡蝶の望みで、寧ろ安堵の、そして喜悦の笑みを浮かべる。

 

「ふ……ふふふ、そうよ?此方よ?ほら、目を逸らさないで?遠慮せずに私を見て?」

 

 必死に甘えるように、誘惑するように、着物を着崩してその白い肩口を晒して、更に身体を密着させるように彼の足に抱き着く。抱き着いて首を傾げる。彼の意識をより此方に向けるために。彼の本能を刺激させるために。そしてその効果なのか怪物の震える視線は彼女に固定されて、その反応に胡蝶は満足するように顔を蕩けさせた。その笑い声には狂気が宿っていた。狂喜であった。

 

「そうよ、私よ?私を見て?ね?ほら、私をお食べなさい、そうすれば貴方は助かるわ。助けて見せるわ。今度こそ助けて見せるわ。だから……ね?」

 

 必死に、媚びるように、それでいて子供に優しく言い聞かせるようでいて、恋人に甘えるように、彼女は彼に囁く。そんな彼女に人であった異形は暫し沈黙して、しかし葛藤するようにゆっくりと、しかし確実にその口を開く。

 

『グルル…………』

 

 だらりと赤黒く太い舌が伸びて、一瞬の沈黙の後にそれは彼女の頬に触れた。吟味するように、毒味するようにその白い頬肉を一舐めした。ざらりとした舌の感触、どろりと頬に滴り鎖骨に落ちて、そのまま胸元にまで流れる唾液、その全てにうっとりと彼女は微笑む。

 

「うん。そうよ、それでいいの。遠慮しなくていいわ。そんな事気にしなくて良いわ。そのまま……ほら。そのまま、ね?」

 

 眼前に迫ってくる牙、それに対して胡蝶は何処かうわ言を言うように呟く。暗い瞳にひきつった笑みを浮かべ、自身の死を受け入れる。自身が喰われる運命を受容する。構わなかった。もうこれ以上大切なものを失うくらいならば自分が死んだ方が遥かにマシに思えたから。

 

 そうだ。彼女にとって、あの日以降の時間はただただ義務で生きているだけでしかなかったのだ。辛くて苦しくて満ちたりなくても、それでも彼に与えられた時間だから生きていたに過ぎないのだから。そうでなければ彼女はとっくの昔に後追い自殺をしていただろう。

 

 だからこれで良い。今まさに頭から丸呑みにされて、骨ごと噛み潰される瞬間でもどうでも良かった。こんな終わりでも、彼を助けられるならば、もうあの時のような失敗を繰り返さないで済む。自分が犠牲になる。それを果たせるならば、それは彼女にとって至福そのもので、だから………………。

 

「あら、残念。私はね、物語は幸せな終わり以外認められないのよ。王子様はお姫様を迎えに来なくちゃね?」

 

 ………刹那、洞窟内に高慢な少女の声が響いた。

 

『グルルルルルル………!!!??』

 

 胡蝶を食い殺そうとした怪物の牙は止められていた。霊力で硬化させられた扇子でもって止められていた。苛立つように怪物は新たな闖入者に殺気だった視線を向ける。銀髪に桃色の瞳をした妖艶な狐の女……否、その中で肉体を操る魂を睨み付ける。魂を、見透かす。

 

「ふふふ、許可なく淑女の魂を覗き見るなんてはしたないわね?普段からそれくらいガツガツしているのなら可愛がってあげられるのだけれど………残念、流石にその状態のまま帰宅させる訳にはいかないわね」

 

 向けられる殺意を軽くいなして、狐の中の分霊は宣う。そして、ちらりと背後を見る。

 

「色々と気にはなるけれど、今は後回しにしましょうか。お婆様、御手伝いくらいはして頂けますね?」

 

 そしてひょい、とその狐尾で捕らえていた少年を胡蝶の前に放り投げる葵。後に続くようにパタパタと飛んで少年の頭の上に止まる蜂鳥。

 

「うわっ!?痛てて……おい、人を乱暴に………ひぃっ!?」

「足止めはしますわ。その足では難しいでしょうけれど、それの補助くらいは出来ますでしょう?」

 

 化物のように変貌した異形を前に怯える元稚子を無視して、葵の分霊は胡蝶に尋ねる。同時に暫し唖然としていた胡蝶はここで漸く事態を理解する。

 

「貴女、葵?どうして、これは………いえ、待ちなさい。まさかそれって……!?」

「えぇ。薬を切らした以上仕方無いわ。幸い、この前に比べればまだ妖にはよっていないみたいだから。出来なくはないでしょう。場は整えるわ。憐華流扶桑舞踊……鎮撫神楽、彼を此方に戻すためよ。頼みますわね?」

 

 そう胡蝶に一方的に宣った葵は正面を向く。扇子を構えて、彼を見る。

 

「余り風情のない舞台だけれど仕方無いわね。一つ、一緒に踊ってくれるかしら、貴方?」

 

 葵の言葉に返って来たのは咆哮であった。言語とは到底言い難い怒り狂った恐ろしい咆哮。唯人であれば恐怖で卒倒してしまいそうなそれに、しかし葵はその寄代の表情を綻ばせる。楽しそうに、喜ばしそうに、笑う。

 

「あらあら、元気な事ね。良いわ。私で良いのなら幾らでも相手をしてあげるわよ。……さぁ、私の舞いに存分に見とれなさいな」

 

 突貫してきた愛しい人に慈愛に満ちた笑みでそう囁いて、直後葵は、鬼月葵の分霊は自身に残された時間なぞ気にもせずに手元の扇子を振るっていた………。


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