IS~織斑三兄弟の物語~   作:ピーナ

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どうしてこうなった…。
他の作品を考えていたら、どこからともなく思いついた。なので、とりあえず書いてみたらそこそこの量を書けたので上げてみます。


導入部
プロローグ 中学二年 俺の日常


昼飯を食って、のんびり俺、織斑一冬(おりむらかずと)は自分の席で昼寝をしていた。

名前は先生に少し読みにくいと言われるが俺としては結構気に入っている。

俺の席は窓側にあるので春の日差しも相まって丁度いい心地だ。

現在、俺は中学二年生。といっても、もうすぐ終業式なのでそれも後数日だ。

 

「おい、一冬!」

 

寝ている俺を起こす声が聞こえたので、俺は顔を上げる。起こしたのはメガネを掛けた真面目そうな奴。いや、見た目通り真面目なんだけど。名前は布仏実(のほとけみのる)。このクラスの委員長で俺の親友だ。

 

「実か…何?」

「いつもので先生がお前を呼んでる」

「またか…。最近少なかった気がするけど…」

「たしか今月入って初めてだったはずだ」

「まあ、行って来るよ」

 

そう言って俺は立ち上がり、教室を後にした。

 

 

教室を出たものの、そういや今回アイツらが何をやらかしたか聞いて無い事に気が付く。戻るのが面倒だし、知り合いにでも聞くか。

ちなみにアイツらというのは俺の双子の片割れである織斑千冬と俺達の幼馴染、篠ノ之束の事である。この二人のコンビをこの学校で知らない奴は居ない。

容姿的にも圧倒的に校内トップの二人。それに全校トップの成績を誇り、なんかよく分からない論文まで発表している束と、剣道の全国大会を三連覇した剣術小町の千冬。人気が出るのも当たり前なのである。

しかし、知られているのはそれだけではない。知られる最大の理由がこの二人のじゃれ合いが学校中をいつも巻き込んでいるの程の大事だからだ。

もう、当たり前のこと過ぎて皆(教師陣含めて)楽しんでいる節があるのだが、流石に止めない訳には行かない。

その時白羽の矢が立つのが俺。昔からやってきたことだから、慣れているのを一年の時の担任に言ったら、それ以来全部俺任せになっていた。正直、結構疲れる。先生達も分かっているのか、たまにジュース奢ってくれたりとかはしてくれる。…まあ、教師と生徒だからそれくらいしか出来ないか。

しかし、前々から思ってたけど、完全に貧乏くじだよなあ…。

 

「あっ、一冬先輩!」

 

俺を先輩と呼ぶ声がしたのでその方に向く。そこには一人の女子生徒。緑色の髪に大きなメガネを掛けたおとなしそうな女の子。まあ、一部主張の激しい所があるけど。…それを何処とは言わない。男子が目に行きやすい所とだけ言っておこう。

 

「真耶か。束と千冬が何やってるか知ってる?」

 

彼女は山田真耶。俺達の一個下の後輩。たしか、千冬と委員会が一緒になってそこから知り合った。結構人見知りの激しい束とすぐに仲良くなって俺と千冬が驚いた事を良く覚えている。…いや、どっちかというと、束が真耶のその主張の部分を含め弄っていただけか。

ちなみに、千冬も束もスタイルは中学生という事を抜きにして抜群に良い。剣道をして、体をしっかり動かしている千冬は分かるがなぜ、束があそこまでスタイルが良いか分からない。アイツほど不規則な生活をして暴飲暴食をしている奴はこの世界にはいないと思う。

 

「えーっと、今日は追いかけっこですね。いつも通り束先輩が千冬先輩をからかってそれに怒った千冬先輩が束先輩を追いかけるって感じです」

「詳しいな」

「その場に居ましたから。止める事は出来ませんでしたけど…」

 

俯き落ち込む真耶。

 

「気にすんな。いつもの事だからさ」

 

頭を撫でながら俺はそう言う。何か真耶ってこういう仕草が少し幼く見えて撫でてやりたくなるんだよね。

初めてやった時は悪かったかと思って謝ったら、別に良いと言われたので、そのままにしている。

 

「で、どっちに行ったか分かるか?」

「多分、あっちに…」

 

真耶が指差す方向から一人走ってくる。よく見るとその後ろからも人が。

 

「やーい、ちーちゃん。捕まえられるもんなら捕まえてみろ~」

「た・ば・ねぇー!」

「…ナイス、真耶」

「あはは…」

 

偶然って凄い。それとも真耶は運命の女神なのか。まあ、丁度いい。

 

「こっちだ…うわっ!? 誰だよこんな所…に…」

「ようやく追いついたぞ、たば…ね…」

 

束が俺にぶつかり、二人はようやく俺に気が付いた。

 

「か、かかかかずくん、どどどどどうしてここに?」

「お、おおお落ち着け、た、たたたた束」

「ち、ちちちちーちゃんの方こそ!」

「…お前らな、俺が来てそんな動揺するなら、最初からやるなよ」

 

呆れながらそう言う俺。

 

「「…すみません」」

「分れば良い。ま、分かんなかったら拳骨落とすけど」

「ちーちゃんは鍛えてるから大丈夫だけど、私がかずくんの拳骨食らったら死んじゃうよ!」

「お前は俺をなんだと思ってるんだ! 後な、お前の拳骨は柳韻先生と月子さんから許可貰ってるから」

「おとーさん!? おかーさん!?」

 

初耳の事実に驚きを隠せない束。その顔に題名をつけるなら…『神は死んだ』これで決まりだな。

そんな事を話していると昼休みの終わりの予鈴が鳴った。

 

「さって、教室に戻りますか」

「だねー。じゃあね、まやまや。また放課後ー」

「真耶にも迷惑かけたな」

「いえ、気にしないでください。それでは失礼します!」

 

俺達はそれぞれの教室に戻った。と言っても俺と千冬と束は同じ教室だけど。

これは小学校の頃から変わらない。束のストッパーとして俺と千冬が同じクラスになるようにしていると先生が言っていた。

まあ、気心知れた人が居るってのは良い事なんだけどな。

さて、午後の授業、頑張りますか。

 

 

放課後、俺は帰り道を歩いていた。一緒に居るのは束と真耶。千冬は部活だ。

ちなみに部活は俺と束が帰宅部、真耶が料理部、千冬が剣道部だ。真耶は今日たまたま部活が休みらしい。

俺が帰宅部なのは家庭の事情、束が帰宅部なのは個人の事情だ。

 

「しっかし、もうすぐ、二年生も終わっちゃうね~」

「そうですね。私が先輩方に出会ってもう一年になります」

「一年でまやまやのおっぱいはどれだけ育ったのかな~?」

「ひゃっ、束さん! どこ触ってるんですか!?」

「よいではないか~よいではないか~」

 

俺は出来るだけその声を聞こえない様に無視する。正直、美少女二人がくんずほぐれつしているのは絵になるが、中学生男子には目の毒だ。

 

「か、一冬さん~」

「…はあ。束、その辺にしてやれ」

「りょ~かい。また今度にお楽しみを取っておくよ~」

「取っておかないでください!」

 

真耶、分かってると思うけど、いくら言っても無駄だぞ。

さて、俺達が帰りに寄るのは保育園。理由は…

 

「一冬兄!」

 

俺の弟、織斑一夏を迎えに来るためだ。

 

「いっくん、箒ちゃんは?」

「そうだった! 連れてくる!」

 

一夏はそう言って、園舎に戻っていく。

これも俺の日常。学校の帰りに一夏と束の妹、篠ノ之箒を迎えに行くのももう日課になった。日によって俺と束だけだったり、今日みたいに真耶がいたり、千冬がいたり、皆で行ったりしている。

なぜ、親ではなく、俺が行くのか? 理由は俺達兄弟に親が居ないから。

と言っても捨てられたとかじゃない。去年の冬、家族で旅行に行った時に事故に逢って、俺や千冬、一夏を守って死んだ。俺はそんな両親を誇りに思っているし、今でも大好きだ。千冬もそうだと思うし、まだ話せてないけど、一夏もそうだと思う。

両親の友人だった柳韻先生や月子さんにいろいろ迷惑を掛けながら俺達は育った家で三人支え合って暮らしている。

束や実はその事をあまり話題に出さず、今まで通り接してくれる。事故直後は凄い楽になった。…今思うと、昔のように束が千冬をからかう回数がその頃に少し増えてたように思う。束らしい気遣いだったのかもしれない。

 

「かずくん、何物思いにふけてるのかな?」

「いや、夕飯何にしようかなって思ってさ」

「…発想が主夫だよねー」

「そうですね。でも、ウチの部長が臨時顧問に来て欲しいって言ってたんですよ」

「まあ、かずくんの料理は美味しいからね」

「たしかに。初めてご馳走になった時はビックリしました」

 

俺が料理を始めたきっかけは、共働きの両親を楽させるためだった。母さんも料理好きだったので色々俺に教えるのが楽しいと言っていた。

 

「一冬兄、束さん、真耶さん、帰ろうぜ!」

「い、一夏、少し待って…」

 

いつの間にか戻ってきている一夏と、一夏が大分急いだせいで少し疲れている箒。

 

「一夏、ちゃんと箒の事も考えろよ。お前、どんだけ急かしたんだよ」

「あっ…。ゴメン、箒」

「き、気にしなくても大丈夫だから…」

 

まっすぐ目を見て謝る一夏に、少し頬を赤く染めながら答える箒。どうやら、箒は一夏に惚れているらしい。最近の子供はマセてんなー。って、俺も十分子供か。

 

「よし帰るぞ、一夏。そうだ、夕飯何が食べたい?」

「うーん…肉!」

「大雑把だな、オイ。もっと細かく」

「じゃあ、ハンバーグ!」

「OK。じゃあ、材料買って帰るか! そうだ、束、箒、真耶、食べてくか?」

「んー今日は止めとく。おかーさんがご馳走用意してくれるって言ってたから。だったよね、箒ちゃん」

「うん!」

「私も今日は親に早めに帰ってくるように言われているので…」

 

まあ、それぞれ事情があるのは仕方ない。それぞれがそれぞれの帰り道を歩いていく。さて今日も大好きな家族の為に俺の料理の腕を振るいますか!

 

これは俺と俺の家族と俺の友人の物語。

 

 




というわけでプロローグでした。
作中一冬が千冬の事を「片割れ」と表現しているのは、二人にとってどっちが上かなんてどうでも良い事だから、兄、姉、弟、妹という言い方では無く「片割れ」と呼んでいます。

本作の予定をざっくり言うと、1部として原作まで、2部から原作スタートにするつもりです。
書き方はどうなるか分かりませんが。一話から順々に上げていくかもしれませんし、1部と2部を交互に上げていくかもしれません。
ただ、1部はそこそこ駆け足になると思います。

これからどうなるか分かりませんがこの作品もよろしくお願いします。
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